マクロビを介護食に取り入れる4つのコツとは?
大切な家族には、体にいい食生活を送ってほしい。
そんな思いから、マクロビオティックを実践している方も多いと思います。
でも、家族が高齢になったときも、
そのままマクロビオティックな食事法を続けてよいのでしょうか。
また、マクロビオティックではなく一般的な食生活を送ってきた、
自分や配偶者の親の介護をするという方も大勢おられると思います。
こういった場合、味の好みや食感、栄養面などで問題が起こることも考えられます。
そこで今回は、マクロビ初心者の筆者が、
介護士さんに教わった介護食の知識をもとに、
マクロビオティックな介護食について考えてみました。
高齢者の介護食にマクロビを導入する利点
マクロビオティックな食事は、
私たちの体によいのと同じく、
高齢者の体にもよいことなのでしょうか。
それを知るために、まずは
マクロビオティックを介護食に取り入れる利点を挙げてみましょう。
マクロビ介護食は、バランスよく栄養が摂れる
ご存知のように、マクロビオティックでは食事のバランスが重視されます。
高齢になると食事量が落ちる方が多いので、
介護食の食材バランスはとても重要です。
少量ずつしか食べられなくてもバランスのよい食事が摂れるように、
少量多品目のメニューが望まれます。
野菜を中心に、豆類、海藻など、
体に優しい食材を適宜加えるというマクロビのスタイルは、
バランスのよい食事として介護食にうってつけ。
体に必要な栄養をまんべんなく摂ることができます。
マクロビ介護食は、脂肪をとりすぎず胃腸に負担をかけない
マクロビオティックは野菜類が中心。
マクロビの考え方を活かした介護食メニューなら、
肉・魚など動物性タンパク質をよく摂る人が気を付けなければいけない、脂肪の過剰摂取を心配しなくても済みます。
年齢を重ねて胃腸が弱くなった世代でも、
動物性の油を抑えることで胃もたれや胸やけなどのつらい症状が出にくくなります。
マクロビの特徴として豆をよく使うことが挙げられますが、
これは良質の植物性タンパク質を自然に摂れるという長所があります。
代謝が落ちてきた方にも、体に負担をかけにくい植物性のタンパク質なら安心してすすめられます。
豆腐など、食べ慣れた食材が多いのも導入しやすいポイントです。
このように、マクロビオティックな介護食には数々の利点があります。
また、最後までオーガニックにこだわった食事を摂りたい方には、
さらに詳しいこちらの記事がおすすめです。
介護経験者が教える最期までオーガニックな食事を選ぶための6つのポイント
高齢者の介護食にマクロビを導入する際の問題点
前項では、マクロビを介護食に取り入れたくなる長所をご紹介しました。
でも、いいことばかりではありません。
マクロビ食をそのまま介護食に応用しようとすると、
いくつかの困った点も出てきます。
健康な若い世代の食事とは違う、
介護食特有の気を付けたいポイントを考えます。
問題点①かたさ
しっかり噛むのは健康食の基本。ですが、噛む力が弱くなった高齢者に「しっかりよく噛んで」とは、ちょっと言えません。
義歯の方ならなおさらです。
マクロビは野菜中心ですが、野菜は一般的にかたい食材です。
肉や卵のように簡単にやわらかく調理できるものではなく、
そのまま介護食に取り入れるのは難しいといえるでしょう。
また、可食部が少なく下処理が必要なのも野菜の特徴です。
本来なら野菜は丸ごといただきたいものですが、
皮や根を介護食に使用するのは無理があります。
かたい根や皮の部分は捨てざるを得ません。
問題点②繊維が強すぎる
前項にも関連してくることですが、
食物繊維が豊富というのもマクロビの大きな特徴です。
若い世代では積極的に摂りたい食物繊維ですが、
高齢者の場合はむしろ避けたいもの。
腸の機能が落ちているところに野菜の不溶性食物繊維を大量に摂ると、
便秘から腸閉塞を起こす可能性もあります。
マクロビでは主食の基本は玄米や雑穀ですが、
玄米は精白米よりも食物繊維が豊富です。
それだけに消化が悪く、
消化能力が落ちてくる世代の食事として向いているとはいえません。
また、よく使用される海藻も実は腸に悪い影響を及ぼす食材です。
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問題点③栄養の不足
マクロビオティックは低カロリーでヘルシーな食事法といわれていますが、そこにも問題があります。
低カロリーが推奨されるのは、ある程度の年代までです。
食事量が落ちた高齢者や病中病後の場合は逆に、
高カロリー食が推奨されることも少なくありません。
こうした場合、マクロビをそのまま続けることは難しくなります。
問題点④好みの問題
当然のことですが、高齢者にも味の好みがあります。
とくに、漬物など昔ながらの塩味の強い保存食で育った世代は、
マクロビのナチュラルな味付けを「薄い」「味がしない」と敬遠することも。
化学調味料に慣れた方も多く、なかなか難しいところです。
また、野菜が嫌いで肉が好きな方、和食より洋風の味付けの方が好きな方もいます。
高齢者だから和食が好きと思い込みがちですが、必ずしもそうとは限りません。
その方がそれまで送ってきた食生活を振り返り、好みを知るのも大事なことです。
マクロビを介護食に活かす解決策とは?
長所以上にさまざまな問題点をもつマクロビ介護食。
マクロビオティックをそのまま介護食に取り入れるのは難しそうです。
そこで考えたいのが、問題点を長所に変えるひと工夫です。
もともと健康によいマクロビ食、介護食には向かないと切り捨てるにはもったいなさすぎます。
その長所を介護食にもぜひ取り入れたいものです。
問題を克服してマクロビ介護食を推進するための策を調査してみました。
かたい素材をやわらかく
野菜をやわらかくする方法としては、まずゆでる・蒸すなどの長時間加熱が挙げられます。
しかし、ごぼうや大根などかたい野菜を加熱でトロトロにするにはかなりの時間が必要です。
この加熱時間を短縮する方法はないのでしょうか。
そこでおすすめしたいのが、加熱前に野菜をすりおろすことです。
すりおろすことで繊維が壊れ、おなかへの負担がかなり減ります。
フードプロセッサやミキサーを使っても同じ効果が得られます。
すりおろした野菜は、
牛乳を加えてポタージュにしたり
ホットケーキミックスに混ぜ込んで野菜パンケーキにしたり
いろいろ使えます。
この方法なら、皮ごと摂ることも可能です。
もうひとつ、野菜をやわらかくするためのちょっとした裏技が、
冷凍&解凍という技です。
冷凍すると繊維が壊れる性質を利用して、
ゆでた野菜を意識的に冷凍&解凍することでさらにやわらかくできます。
ただし、野菜を丸ごと摂取することを考えるのであれば、
オーガニックの野菜を選ぶことも大切です。
形をつくる
介護食で忘れられがちなのが、盛り付けの問題です。前項でご紹介したすりおろし野菜は、トロトロのミキサー食状態。
これでは、きれいな盛り付けなんて無理……なんて諦めないでください!
液状になったものをもう一度固形に戻せば、おいしくいただけるやわらか野菜になります。
使用するのは、粉寒天。
マクロビ食でもよく登場する食材です。
加熱した野菜ペーストに適量(野菜の全量に対して1%程度)の粉寒天を加え、
冷やし固めれば固形のやわらか野菜になります。
これを野菜らしい形にカットして、
別に作った煮汁をかけて煮物にアレンジします。
ほかにも「疑似うなぎ」や「揚げ物風」など、
工夫次第でさまざまな料理が作れます。
ポイントは、調理する側も楽しんでできるということ。
あれこれ工夫するうちにインスタ映え確実の絶品メニューもできるかもしれません。
食卓を華やかにするために、ぜひ挑戦してみてください。
あまりこだわりすぎず、肉や卵を柔軟に取り入れる
こちらは技というよりも、調理する側の心構えの問題です。
これまで肉など動物性食品を当たり前に摂ってきた方の介護をする場合、
あまり自分の食生活にこだわりすぎず、
柔軟に対応する必要性も出てくると思います。
高齢になってくると、運動量と代謝の低下にともない筋肉量の低下が起きてきます。
筋肉をつくるためには良質のタンパク質が必要です。
肉や卵を抑えたマクロビ食では、カロリーが不足する恐れもあります。
乳製品も腸内環境の改善やカルシウム不足解消に、積極的に摂りたい食品群。
こうした食材を適度に取り入れつつ、マクロビ食に寄せていくサジ加減が大事です。
また、単純に野菜が嫌いで肉が食べたいという高齢者もいます。
それを「胃腸に悪いから肉はダメ」と否定するのではなく、
量に気をつけながらゆるやかに対応していくことも、
介護食作りに望まれる姿勢のひとつです。
好みに合わせて味付けを
マクロビ食の味付けが口に合わない、というのは高齢者だけに限らない課題です。おそらくマクロビ派とその家族にとって永遠の課題といってよい問題でしょう。
できればよけいな調味料を加えず、
だしなどのうまみ成分を上手く利用して、
好みの味に近づけていきたいものです。
大葉やゆずなど好きな薬味があれば、
その味をプラスするのもよいことです。
ここでいちばん大事なのは、無理強いをしないこと。
「化学調味料は一切使わない」
「シンプルな味付けしかしない」
などのこだわりを一度わきに置きましょう。
人の好みは千差万別。
どんなに体にいいものでも、
無理に食べさせようとして結局拒否されるのでは元も子もありません。
この味付けが体にいいから、と決めつけずに
好みに合わせて対応していくことが大切です。
市販の介護食を購入する時の選び方は?
介護食を手作りするのは体にもお財布にも好ましいことですが、
常に手作りでは疲れてしまいます。
忙しいときは、市販の介護食を上手に利用するのもひとつの手です。
ここではマクロビ介護食の番外編として、
市販の介護食を利用する際のポイントをご紹介します。
症状にあわせて
介護食の成分表示は、性質上ほかの食品よりもしっかりしています。消費する側もしっかり活用しましょう。
持病がある方はもちろん成分表示に気を付けていると思いますが、
ない方も体質に合わせることが大事です。
どのくらいやわらかいものが食べられるのか、
カロリーは高めがいいのか低めがいいのか、
よくシミュレートしてから決めると失敗がありません。
中にはタンパク質強化や便秘気味の方向けなど対症的な介護食もあります。
過信するのはよくありませんが、
選び方の基準のひとつとして参考になるでしょう。
もちろん、オーガニックな食事であればそれに越したことはありません。
自分で食べてみる
市販の介護食を利用する際には、介護者が自分で味見してみることもおすすめしたいポイントです。
介護施設でも、利用者にお出しする食事は必ず職員が試食しています。
大切な人がどんなものを食べているのか、知ることで介護の質が変わってきます。
好みの味にアレンジするときの参考にもなりますので、ぜひ試してみてください。
ひと手間で見た目もきれいに食べやすく
そのまま使えて手間いらずの市販の介護食ですが、ちょっとしたアレンジでさらにおいしくなります。
ただ器に移すだけではなく、
季節の食材をちょい足しする、
薬味をそえるなど、
簡単な工夫で作る側も食べる側も楽しくなります。
食事を楽しいと感じてもらえることが介護食のいちばんの目標。
手作りでも市販のものでも、食べる側の身になった思いやりがそれを可能にするのです。
ほんのちょっとの手間を、積極的にかけてみましょう。
よりよい介護食のためにマクロビからの応用は有効!
マクロビ介護食についての考察をお届けしました。
簡単なものですが、介護食について考える皆様のお役にたてれば幸いです。
おいしく楽しく、そして体のためによい介護食には
マクロビオティックからの応用が有効であると考えられます。
まだ課題はありますが、
柔軟に対応する姿勢があれば乗り越えることができるでしょう。
今後もマクロビ介護食の可能性を深掘りしていきたいと思います。
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