話題の「CBD」と、免疫機能も司る「ECS(エンドカンナビノイドシステム)」の深い関係とは
話題の「CBD」と、免疫機能も司る「ECS(エンドカンナビノイドシステム)」の深い関係とは
最近、大きな話題になっている「CBD(カンナビジオール)」をご存じですか?CBDは大麻草に含まれる生理活性物質のひとつで、
ストレスの軽減、痛みの緩和、睡眠改善、皮膚の炎症を抑える効果などを
期待され、今、急速に注目を浴びています。
そこで今回はCBDと、その働きを理解する上で知っておかねばならない、
人体に備わる生体調節機構「エンドカンナビノイドシステム」についてご紹介したいと思います。
CBD(カンナビジオール)とは
CBDは、カンナビジオール(Cannabidiol)の略称で、
大麻草に含まれる104種類の生理活性物質「カンナビノイド」のひとつです。
カンナビノイドにはその他、マリファナの主成分として有名な
THC(テトラヒドロカンナビノール)がありますが、このTHCと異なり、
CBDには多幸感(いわゆる”ハイ”になる)や幻覚の発現、常習性などの有害作用がありません。
続いては、CBDについて理解する上で必ず知っておく必要がある、
生体調節機能「ECS(エンドカンナビノイドシステム)」についてお話しましょう。
人の免疫機能にも深く関わる、
生体調節機構「ECS(エンドカンナビノイドシステム)」
インフルエンザのワクチンを打っていてもインフルエンザにかかる人がいます。
逆に、ワクチンを打たなくてもインフルエンザにならない人もいますよね。
他にも、普段の生活で疲れやすかったり口内炎が出来やすかったりするのは、
免疫機能が弱っているからだと言われてきました。
では、免疫機能が弱体化するのはなぜでしょうか?
これまで、免疫力が落ちる理由はわかっていなかった
実を言うと、これまで免疫力が落ちる根本的な仕組みは謎のままでした。しかし最近、人体に本来備わっている生体調節機能”ECS(エンドカンナビノイドシステム)“が
免疫機能や老化に関与しているのではないかと注目され、様々な研究がされるようになっています。
ECS(エンドカンナビノイドシステム)とは
人を含む生き物が地球上で生きていくために本来備わっている全体の調節機構がECS(エンドカンナビノイドシステム)です。
ECSは1990年代に発見され、食欲・痛み・免疫調整・感情抑制・運動機能・
成長と老化・神経保護・認知と記憶などの制御に関わり、
細胞相互間のコミュニケーション活動を支えていることもわかっています。
このECS内では、体内で生成・活性化・代謝される内因性カンナビノイドと呼ばれる物質が働いています。
現在知られている内因性カンナビノイドは10種類ほどで、
最もよく知られているものがアナンダミドと2-AGです。
内因性カンナビノイドは神経細胞上に多いカンナビノイド受容体「CB1」、
免疫細胞上に多いカンナビノイド受容体「CB2」などと結合して、生体の働きを調節しています。
引用:一般財団法人国際健康医療研究所
上の図を見ると、
内因性カンナビノイドと結合するカンナビノイド受容体は体中に広く分布しており、
私達が生命を維持するために重要な器官の働きを制御していることがわかります。
このことから、免疫細胞上に多くあるカンナビノイド受容体「CB2」に関連した
システムがうまく働かないことが免疫力の低下をもたらす原因のひとつだと
考えられるようになりました。
また、脳の中枢神経から下垂体まで、重要な働きを担う多くの組織上に
カンナビノイド受容体「CB1」が存在していることも、
認知症などの老人退行性疾患にECS(エンドカンナビノイドシステム)
の不具合が関与していることを示していると言われているのです。
現代人の生活ではECSに不具合が起こりやすい
現代社会は過剰なほどの情報に溢れ、電子機器に囲まれ、生産性を追い求められる環境にあります。
その中で、私達の体は確実に疲弊しています。
そういった疲れやストレスはもはや日常的なものとなり、生活習慣を変えない限り、
このECS(エンドカンナビノイドシステム)に不具合を起こしやすい状態となっている人が多い
と言われています。
ECSの不具合による不調を改善する効果が期待されるCBD
ECSの働きがうまくいかなくなると、内因性カンナビノイドの生成も減ってしまい、“カンナビノイド欠乏症“とも言うべき状態が起こります。
そうなると、カンナビノイド受容体は全身に万遍なく分布しているため、
体全体に何らかの症状が出てくる可能性があります。
そして最近の研究によれば、そんな時に体の外からCBDを摂取することで、
多くの現代人が苦しむ症状の改善が期待できることがわかってきました。
CBDの摂取によって改善が期待される症状の主なものは、以下の通りです。
・不眠
・痛み(特に慢性的に続く痛み)
・鬱
・ガンに伴う痛み
・皮膚の痒み
世界で最も使われている医学・生物学系の学術データベース「MEDLINE(メッドライン)」によると、
1000以上の論文があるCBDに関する研究の中で、動物やヒトの臨床試験を実施した上で論文化されたものが
約100の疾患について存在し、それらの論文の信頼性(レベル)を評価したのが下記の疾患リストです。
論文の信頼性評価は★印で表され、★印が3つ以上のものは研究結果レベルが高く、
★印2つ以下であっても、今後の研究に期待がかかる疾患とされます。
引用:一般財団法人国際健康医療研究所
★印が多いことが、リスト上の疾患にCBDが即座に有効である証明になるわけではありませんが、
研究論文への信頼性が高いということは今後の研究への期待度を示し、
治療のより先鋭的な発展を見込める指標であるといえるでしょう。
CBDに関する研究は、上に挙げた5つの症状の他にも星3つ以上のものを加えると、
実に48もの疾患について論文の信頼性が高く評価されています。
CBDの代表的な臨床例「深刻なてんかん発作の抑制」
現在世界各地で話題になり、研究が進められテイルCBDですが、このCBDが脚光を浴びるきっかけとなったニュースをご存知でしょうか。
それは、2013年夏のことでした。
アメリカに住むシャーロットちゃんという5歳の女の子は、ドラベ症候群という
難治性のてんかんを患っていました。
その症状は重く、ひどい時には週に300回も発作が起きるほどでした。
週に300回ということは、1日平均約43回ということになります。
さらに1日の時間で割っていくと、シャーロットちゃんは
1時間に1~2回の割合で発作を起こしていたということになります。
どんなに苦しかったことでしょうか。
…ところが、CBDオイルを摂取し始めてから9ヶ月後、
シャーロットちゃんの発作は週に0〜1回にまで減少したのです。
これは画期的な出来事でした。
そして、アメリカの放送局CNNがその事実を医療番組で取り上げたことで、
CBDは一気に有名になりました。
シャーロットちゃんのてんかん症状の改善にCBDがどのように作用したのか、
その仕組みはいまだ明確には解明されていませんが、
CBDがてんかんの発作の原因となる脳の過剰な電気的・科学的な活動を調整するため
ではないかと現段階では考えられています。
そしてWHO(世界保健機関)が2017年に発表した「カンナビジオール(CBD)事前審査報告書」によると、
その薬力学の項目に、
CBD が 内因性カンナビノイド・リガンドのアダンダミドの拡張した働きのような間接的な仕組みを通じて、
同じようにエンド・カンナビノイド・システムと相互作用するかもしれない。
これは、アナンダミドの再取り込みの遮断とその酵素分解の抑制を結果として生じる
引用 : カンナビジオール(CBD)事前審査報告書
とあり、やや曖昧な表現ではありますが、
「CBDがECSで、内因性カンナビノイドである「アナンダミド」の減少抑制に
間接的に働きかけている可能性があることが示唆されています。
また、インターネット百科辞典『Wikipedia』にも、
カンナビジオールはカンナビノイド受容体のCB1とCB2に対し、
非常に低い親和性を示すが、間接的な拮抗剤として機能している
引用 : Wikipedia
とあります。
これらのことから、現在のCBDに関する研究の状況は、「学術的研究」というよりは
「臨床研究」において良好な結果が得られたというエビデンスが主流です。
ただ、いずれにせよ、シャーロットちゃんの事例をきっかけに
てんかんの症状にCBDを用いるケースが増え、多くの症状が実際に改善されていることは事実です。
大麻が合法化されていく世界的潮流の中で、日本は?
2018年10月17日、カナダ全土で嗜好用大麻が解禁されました。
先進7ヶ国(G7)の中では初となる国家レベルでの解禁で、世界に驚きを与える
センセーショナルなニュースとなりました。
しかし実は、これより以前に大麻を合法としていた国は世界各地に存在していました。
大麻が合法とされる国(2020年2月現在)
医療用・嗜好用の区別や取り締まりの度合いなどの違いはありますが、ここでは大まかに、大麻の使用が犯罪とはならない国を挙げてみます。
①オランダ・・・1996年~
②スペイン・・・2006年~
③チェコ・・・2010年~
④アメリカ・・・2012年 (コロラド州から始まり、州ごとに規制が異なる)
⑤ウルグアイ・・・2013年~
⑥チリ・・・2015年~
⑦コロンビア・・・2016年~
⑧カナダ・・・2018年~
このように、特に2010年以降は多くの国で相次いで大麻が合法化されました。
政府主導による大麻の闇取引対策を背景に合法化に踏み切った国もあるようですが、
全体としてはやはり医療分野における大麻の有用性が注目され、
人々の関心が高まった結果だと言えるでしょう。
そして大麻の成分の中でも精神作用のないCBDは、ここ数年で特に脚光を浴びるようになっているのです。
世界各国で進む、大麻草を原料とする医薬品の承認
現在、大麻草の医療用研究は世界規模で進んでおり、既に医薬品として正式に国による承認を受けている例もあります。
2005年、「多発性硬化症(※)」に伴う痛みを緩和するための薬、
サティベックス(成分名ナビキシモルス)がカナダ当局に承認されました。
※「多発性硬化症」についてはこちら
こちらはCBC:THCの比率が1:1に近い経口投与スプレーの薬で、
ナビキシモルスはカナダに続き、イギリス、スペイン、チェコ、ドイツ、デンマークで認可され、
2016年末時点で既に30ヶ国で医薬品として承認されています。
またアメリカでは、2018年に、前述のシャーロットちゃんが患っていた
「ドラベ症候群(難治性のてんかん)」などの治療薬としてエピディオレックスという製品が承認されました。
エピディオレックスの成分は、大麻から抽出されたCBDの油脂配合物(CBDオイル)です。
☆デンマーク発。全世界で空前の大ブーム、完全オーガニックの「CBDオイル」
今は数多くの研究機関や企業がCBDの研究に乗り出しており、
今後さらに研究が進んで、大麻草由来の新薬や製品が次々に開発されていくことが予想されます。
医療用大麻が認められていない日本でも、CBD製品は合法
日本で販売されるCBD製品は、「大麻取締法」に従って厳重に管理された体制の下で製造されます。また日本では、大麻草から作られるCBD製品の中に、
THC(覚醒を引き起こす可能性のある物質/カンナビノイド)は含まれてはなりません。
日本国内でのCBD製品の製造を統制する「大麻取締法」とは?
日本では戦後の1948年(昭和24年)に「大麻取締法」が制定され、大麻の所持、栽培、譲渡などが規制の対象となりました。
引用:一般財団法人国際健康医療研究所
ここで押さえておきたいのは、「大麻取締法」で禁止されているのは大麻草の花穂と葉、根の利用であることです。
大麻取締法
第一条 この法律で「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。
引用:「大麻取締法( 昭和23年07月10日法律第124号) – 厚生労働省」
つまり、日本の現行法では大麻草の茎と種子由来の製品であれば合法的に利用できるのです。
そのため、日本で製造・販売されているCBD製品は
大麻草の茎・種子から作られたものとなっています。
生体調節機構「ECS」が復活すれば、
人間はもっとタフになれる!?
繰り返しになりますが、私達現代人が抱える様々な心身の不調が、
既に説明した生体調節機能「ECS(エンドカンナビノイドシステム)」の不具合によって
起きている可能性は低くありません。
昔の人は、日の出とともに起き、日中に汗をかいて仕事をし、日が暮れる頃には床に就きました。
自然のリズムに沿って生活していたのです。
「ECS(エンドカンナビノイドシステム)」は、人体が自然の状態で持つ生体調節機構です。
自然に近いとは、お世辞にも言いがたい「生活環境(また仕事環境)」の中で
脆弱化してしまった現代人の心身は、
ECSの働きを整えることで本来のタフさを取り戻すことが出来るのではないでしょうか。
ECS内でのCBDの具体的な働きについてはいまだ解明途中ですが、
CBDの摂取が内因性カンナビノイドと全く同じ働きかけをするわけではないものの、
ECSに作用して様々な症状を改善することは、多くの臨床研究で実証されています。
またTHCのような有害作用がないという「安全性」も、CBDの有用性の大きな特長です。
CBDの摂取や使用の方法
ECSへの大きな働きかけを期待できる「CBD」の製品には大きく、服用可能な「オイル」と「クリーム」、「吸入タイプ」のものがあります。
最後に、CBDの主な摂取(使用)方法について、順にご紹介しましょう。
摂取方法①オイルとして飲む、食べる
CBDオイルを飲用する場合、舌の裏側に数滴垂らして30秒ほど口の中に含ませ、そのまま飲み込む方法が一般的です。
舌下からが最も吸収率が良く、又吸収速度が速いためです。
オイルを直接飲むことが難しい場合は、パンやサラダ、お菓子につけて食べることも出来ますし、
スープやスムージーに混ぜて摂取してもOKです。
摂取方法②クリームとして塗る
CBDクリームを指にとり、皮膚の上に薄くのばして塗ります。ECS(エンドカンナビノイドシステム)は全身に分布しており、
皮膚組織にも多くのカンナビノイド受容体が存在しています。
腰の痛みや肩の張りや凝り、背中や腕などの患部に塗布すると、その効果を実感できることでしょう。
摂取方法③ヴェポライザーで吸う
海外では、喫煙時の煙の害を避けるために、CBDを気化させる「ヴェポライザー」という器具を用いて吸引することもあります。
摂取方法④煙を吸引する
海外で用いられている医療用大麻の一般的な摂取方法で、タバコと同じように火を点けて喫煙します。一般的に日本でCBDを摂取しようとする場合、オイルとクリームという2つの方法になると思いますが、
CBD製品の市場は急激な成長を遂げているとはいえまだ発達途上であり、
中にはTHCなどの有害成分が混合した危険な粗悪品が販売されている可能性もあります。
上質なものを安心・安全に利用するにはやはり、
原料や製法が明確にわかっているオーガニックのものがオススメです。
現代のストレス社会の救世主となるかもしれないCBD
不眠、慢性的な痛み、鬱、皮膚の痒みなどは、
今後、「生活習慣病」と並んで私達の健康を害する脅威ともなりかねない
現代社会特有のストレスが原因とされる症状です。
ECS(エンドカンナビノイドシステム)の仕組みが今後解明されれば、
近い将来、それらの対策が可能になってくるかもしれません。
そして、これからの時代を力強く生きる上で、
ECSにポジティブな作用をもたらすことが期待されるCBDは
私達現代人の強力な味方になってくれるポテンシャルを備えています。
違法でもなく精神作用や依存性もない大麻草の成分…。
私自身はすぐにでも試してみたいと思っています!
人類が未だかつて経験したことのない人生100年時代を健康に生き抜くために、
天然由来の成分を活用して心身を自然の状態に近づけていくことは、
とても理に適ったことだと私は思います。
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