ウイルス対策の「手洗い」。薬用ソープだけでなく、石鹸も感染予防には有効だという事実
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ウイルス対策の「手洗い」。
薬用ソープだけでなく、
石鹸も感染予防には有効だという事実
新型コロナウイルスは無事、収束に向かっているのかどうなのか、第2波など、心配は尽きない日々がまだ続いています。
今回のコロナ禍では感染予防のための手洗いの重要性が再認識され、
ドラッグストアなどでは薬用ハンドソープの品切れや品薄状態が多々見受けられました。
さらに経済産業省がウイルス対策に有効とされる家庭用の合成洗剤のリストを公表したことで、
「薬用」や「殺菌」などと表示されている 洗浄剤の人気が加速しましたね。
では、「泡で汚れを落とす」という点では合成洗剤やハンドソープと同じ、
シンプルな石鹸はウイルス対策には有効でないのでしょうか?
そこで今回は、石鹸と合成洗剤の違いに触れながら、
石鹸のウイルスに対する有効性や、
石鹸利用の普及を目指す市民団体の運動についてもご紹介していきます。
参考:流通ニュース「経産省/新型コロナウイルスに有効な「家庭用洗剤リスト」公表」
https://www.ryutsuu.biz/government/m052249.html
そもそも、石鹸と合成洗剤の違いとは?
石鹸と合成洗剤は、粉・固形・液体状などの形状によって見分けている方もいるかと思いますが、
実は、それは正確な区別の方法ではありません。
そのことは、両者の「原料」を比較すれば一目瞭然です。
石鹸(天然界面活性剤)の原料は「純石けん分」や「石けん素地」と表示され、
これらは天然油脂もしくは脂肪酸から作られています。
また、ヤシ油、牛脂、ラード、なたね油、大豆油、米油、オリーブ油、
パーム油、天ぷら廃油などからも作ることができます。
一方の合成洗剤(合成界面活性剤)は、主として石油から作られます。
LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩
(主に直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム))は合成洗剤に使われる界面活性剤ですが、
生分解性(※)が低いため、昨今、大手洗剤メーカーなどではその代わりに、
アルキル硫酸エステルナトリウム(AS)や高級アルコール系(AE、AES)などを
使うことが多くなっています。
※生分解性:物質が微生物により、分解されること
参考:石鹸ライフ「石けんと合成洗剤」http://sekken-life.com/life/soap_senzai.htm
要注意!「オーガニック洗剤」と書かれていても、
化学物質不使用なわけではない。
そして実は最近、合成洗剤でも、石油ではなく天然油脂が原料のものが増えてきています。
そして大手洗剤メーカーの商品には「天然由来」「オーガニック」「生分解性100%」を
謳う商品が多くはなっているものの、これらの洗剤の多くはパーム油(※)を原料にして
作ったアルキル硫酸エステルナトリウム(AS)などで製造した化学合成洗剤です。
つまり大元の原料が天然油脂であっても、化学合成された界面活性剤を使用しているのです。
表現は巧みですが、実態は、その表現からは思いつかないものであることは
知っておいて損はないと思います。
※パーム油:アブラヤシの実から採れる油のこと
参考:石鹸百科「オーガニック洗剤、エコ洗剤、天然成分100%洗剤…は安全な洗剤なの?」
https://www.live-science.com/honkan/qanda/qabasic01.html
徹底比較!石鹸と合成洗剤のメリット・デメリット
原料の違いを見れば、石鹸は「善(害がない)」で、
合成洗剤は「悪(害がある)」と感じられるかもしれませんが、
双方ともにメリットはもちろん、デメリットがあります。
■石鹸のメリット
①身体にやさしい
石鹸が水に溶けた「石鹸液」の濃度が高いうちは界面活性がしっかりと働き、濃度が低くなれば働きを失うため、お肌には優しいといえるでしょう。
更に、皮膚表面の酸性環境で中和されれば界面活性を失いますので、
洗い過ぎによってお肌を荒らすリスクは低いといえます。
②環境にやさしい
河川に排出された後は微生物によって水と炭酸ガスに分解され、石鹸カスは水中でカルシウムやマグネシウムと結びついて
「食用石鹸」という微生物の栄養源となり、生態系にリサイクルされると言われています。
※ちなみに、石鹸が排水として河川に流れた際の生分解性に関する実験データについては、
こちらをご確認ください。
■石鹸のデメリット
①使い勝手がやや悪い
日本は軟水の地域なのでそれほど心配はありませんが、硬水で使う場合は水に溶けにくい石鹸カスができ、
汚れが落ちにくくなってしまいます。
そのため、本来の石鹸の洗浄力を発揮するためにはコツが要ります。
例えば、食器洗いをする際は、あらかじめ食器の油汚れや酸性の汚れ(酢や果物の汁など)を
水で軽く洗い流したり、拭き取ったりしておくことで泡立ちが良くなって汚れが落ちやすくなります。
②種類が少ない
多くの用途で使えるため、商品の種類が多くありません。逆に、用途に関わらず使用でき、ひとつで何役もこなしてくれるために、
他商品を購入する必要がなく、経済的だとも言えます。
■合成洗剤のメリット
①使い勝手が良い
どんな水にも溶け、汚れ落ちが早いので、便利かつ合理的な洗剤だといえます。②種類が多い
食器洗い、洗濯、お風呂…と用途ごとに種類が多数に分かれており、買い手にとっては目的に合わせて商品を選びやすいでしょう。
■合成洗剤のデメリット
①身体に良くない
いくらすすいでも界面活性の働きが 失われにくく、食器や衣服、皮膚などに残留するとアレルギーを引き起こすことがあります。
食器に残った洗剤は食べ物と一緒に体内に入っていきますし、
衣類に残った洗剤は汗と一緒に溶けて体内に入っていきます(=経皮吸収)。
②環境に良くない
化学構造が複雑なために排水として河川等に流れ出た後は分解されにくいとされ、水中の微生物に大きな影響を及ぼします。
また製造過程で高温・高圧処理が必要とされ、大量のエネルギーを使用します。
③界面活性剤以外の配合成分にも問題がある
合成洗剤には、主成分である界面活性剤に加え、「ビルダー(助剤)」や「添加剤」が配合されています。
ビルダー(助剤)とは、
それ自身は界面活性作用を持たないが、洗剤に配合されると洗浄力を著しく増強する物質です。
添加剤とは、
ビルダーのように洗浄力を増強するというよりは、洗剤の性能を向上させたり、
製品の付加価値を高めるために少量配合されるもので、
蛍光剤や酵素、再汚染防止剤、漂白剤、香料などがそれに当たります。
その種類は石けんよりも多く、中には安全性や環境への影響において問題が
あるものが少なくありません。
引用:石鹸百貨 「ビルダー(助剤)や添加剤とは?」URL: https://www.live-science.com/bekkan/intro/builder1.html
WHOや科学者が発表!
「シンプルな石鹸はウイルス対策に有効」
それでは、冒頭でも触れましたが「薬用」や「殺菌」と表示されていない
石鹸はウイルス対策に有効なのでしょうか?
日本ではあまり報道されることがありませんが、
世界保健機関(WHO)や科学者たちは、
「シンプルな石鹸でもそこに含まれる界面活性剤によりウイルスを不活性化出来る」
ことを明らかにしています。
例えば、今年3月に話題となった、ニューサウスウェールズ大学の超分子化学の専門家である
ポール・サンダーソン氏は、Twitter投稿で計25回に渡ってこのことを説明しました。
また、大手石鹸メーカーであるシャボン玉石けん株式会社の研究チームは、
「自然原料の無添加石鹸の抗ウイルス作用が合成系洗剤のそれよりも最大で1000倍大きい」
ということが証明された、と発表しました。
出典:現代ビジネス 「コロナ対策の手洗いに期待!「昔ながらの石けん」の抗ウイルス効果」
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/71902
出典:GIGAZINE「なぜ新型コロナウイルス対策に「石けん」が最強なのか?」
https://gigazine.net/news/20200313-coronavirus-soap/
石鹸利用の普及を目指す
「せっけん運動ネットワーク」とは?
実は、石鹸vs合成洗剤の議論は、公害が社会問題化した
1970年代から繰り返し続けられています。
そんな中、1977年に琵琶湖で大規模な赤潮が発生したことをきっかけに、
琵琶湖がある滋賀県では合成洗剤の使用を止めるための「石鹸運動」
という活動が始まりました。
その運動は現在も引き継がれ、
石鹸の良さの再認識と、循環型の暮らしの実現を呼びかけています。
さらに運動では例年7月を「シャボン玉月間」と定め、地方自治体が主体となって
石鹸利用への意識を高めてもらおうと、
全国区市町村の首長からメッセージを集める活動も行っています。
石鹸を入口として環境問題全般に広く関心を持ち、相互の交流をはかり、
地域における石鹸運動の発展を目指す活動です。
もしご興味のある方は、「せっけん運動ネットワーク」について
一度調べてみてくださいね。
参考:「せっけん運動ネットワーク」URL: https://sekkennet.org/
大切なのは商品についてよく知り、
自らの基準に従って選び取ること
思えば、私が洗剤の原料や成分について初めて知ったのは、
子どもの出産がきっかけでした。
「赤ちゃんに優しい洗剤はどれ?」「アトピー性皮膚炎にさせないためには?」
と手探り状態で探した結果、
たどり着いたのが「天然由来のシンプルな石鹸(洗剤)」だったのです。
それから現在に至るまで、石鹸や酸素系漂白剤などのナチュラルクリーニングを
暮らしの中で活用しています。
この記事を通して私は皆さんに、”石鹸信者”にも
”合成洗剤信者”にもなってもらいたいとは考えいるわけではありません。
最も大切なことは、
・なぜ自分はその洗剤を使いたいのか、目的をはっきり持つこと
・商品の選択基準を自分なりに持つこと
の2つであると私は考えています。
私一個人の意見ですが、私は洗剤を食べ物と同じように考えて選びたいですし、
自然の循環と自分との関係を考えながら洗剤を使いたいと思っています。
シンプルな石鹸は今や、昔ながらの固形タイプだけでなく、
消費者のニーズに合わせた様々な製品がありますので、
ぜひ一度、興味を持って売場で見ていただきたいと考えています。
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