缶コーヒーやインスタントコーヒーが安い価格で飲める本当の理由。栽培中の農薬だけではない、収穫後に存在する複数の落とし穴とは?コーヒーを愛するライターがお伝えする最新情報(後編)
缶コーヒーやインスタントコーヒーが安い価格で飲める本当の理由。栽培中の農薬だけではない、収穫後に存在する複数の落とし穴とは?コーヒーを愛するライターがお伝えする最新情報(後編)
皆さんは、コーヒーを買う時どのような基準で選ばれていますでしょうか。
美味しさ。
パッケージのおしゃれさ。
品質や価格。
コーヒーに関する人気の検索ワードを見てみると、
「コーヒー おすすめ ドリッパー」
「コーヒー おしゃれ カップ」
などがあり、コーヒーライフに彩りを添えたい方が多いようです。
今回は、市販のコーヒーの最新情報を前編・後編に分けてお届けしておりますが、(前編はこちら)
後編では、栽培時だけではない『安いコーヒーの危険性』についてお伝えします。
コーヒー豆が私たちの手に届くまで、どのような段階を踏んでいるのでしょうか。
◆大手メーカーだからという理由でインスタントコーヒーや缶コーヒーを買っている方
◆人気コーヒーメーカーやおしゃれドリッパーなど、豆の品質よりも見た目や淹れ方にこだわっている方
◆箱買いの缶コーヒーを常備している方
◆休憩時間に自動販売機で缶コーヒーを買っている方
◆人気コーヒーメーカーやおしゃれドリッパーなど、豆の品質よりも見た目や淹れ方にこだわっている方
◆箱買いの缶コーヒーを常備している方
◆休憩時間に自動販売機で缶コーヒーを買っている方
上記に当てはまる方はぜひ読んでみてください。
安さや美味しさが決まる?知っておきたいコーヒーの格付け
コーヒーグレードとは?
コーヒー豆には「等級」が存在します。
いわゆる、コーヒー豆の格付けです。
コーヒー豆を買うときに、裏面を見ると生産国が記載されていますね。
生産国名のあとに続くアルファベットやカタカナ文字(例:SHB、HB等)を見たことがありませんか。
その文字こそが、コーヒーグレードを示します。
コーヒーの格付けは下記3つを重点的にチェックされ評価されます。
◆栽培地の標高
◆スクリーンサイズ(コーヒー豆の大きさ)
◆欠点豆の混入率
標高の高さや豆の大きさ、欠点豆の数に関する基準は生産国によって異なりますが、
「グレードが高い=美味しい」
となります。
コーヒー豆を選ぶ際に表示されているグレードを見ながらお買い物を楽しむこともできますね。
コーヒーグレードの頂点に立つのはスペシャリティコーヒー
スペシャリティコーヒーは、美味しさだけでなくスペックが一流です。
名前からも連想できるように、品質管理、味、栽培段階で優れた評価があり、欠点豆の混入が極めて少ない生豆です。
(欠点豆については後ほど詳しくご説明します)
スペシャリティコーヒーは、希少価値の高いコーヒー豆なのでお値段もそれなりにしますが、トップクラスの豆だけあってコーヒー愛飲家が高く評価する一流のコーヒーです。
スーパーやコーヒーチェーン店では販売されることはなく、スペシャリティコーヒーを扱う自家焙煎のコーヒーショップのみで扱われます。
低品質グレードのコーヒーは安価。最も市場に回りやすい
このようにグレードの高いコーヒー豆があるならば、もちろんグレードの低いコーヒー豆も存在するわけです。
ディスカウント品、ローグレード、コマーシャル、というグレードです。
これらのコーヒーは、コーヒーグレードの一番下の部分にあたるもので、最も多く市場に出回っています。
「安い、時短、手軽」。ファストフード感覚で飲むコーヒーの落とし穴とは?
気をつけなければならないのが一番グレードの低いディスカウント品と呼ばれるローグレードのコーヒーです。安い商品には安く販売される理由がつきものです。
安いコーヒーの落とし穴1:低品質のコーヒーグレードに多い欠点豆
ローグレードのコーヒーは、商品で言うと、
・缶コーヒー
・インスタントコーヒー
・安いレギュラーコーヒー
にあたります。
特に缶コーヒーやお湯で溶かして飲むインスタントコーヒーは、豆の原型をとどめていません。
原型をとどめていないということは、どんなコーヒー豆で作られているか消費者は視覚確認ができないということです。
ではここで一旦、先ほどお伝えしたコーヒーグレードに話を戻してみます。
コーヒー豆のグレードは「標高」「コーヒー豆の大きさ」「欠点豆の混入率」で格付けされます。
これらの基準で気をつけなければならない点は、ローグレードの欠点豆混入率の多さです。
欠点豆とは、焙煎前に「取り除かないとコーヒーの風味に悪影響を与える不良豆」をさします。
変形豆、潰れ豆、貝殻豆、生育異常豆、発酵豆、黒豆、カビ豆、虫食い豆、死豆、はがれ豆などが代表的な種類です。
そのほかにも、豆とは関係のない異物(繊維、小石)などが混入して輸入されているものがローグレードと判断されます。
安いコーヒーの落とし穴その2、危険なカビ豆
欠点豆の中で注意しなければならないのが、カビ豆です。
何度もお伝えしていますが、コーヒーは農作物である以上、欠点豆がゼロになることはありません。
ただしグレードの高いスペシャリティコーヒーは輸出前にハンドピックで欠点豆を除去されるので、混入率は極めて低い傾向にあります。
輸出段階で欠点豆を取り除かれずに日本に輸入されるものが、ローグレードと判断されます。
「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」をお読みになった方も多いと思いますが、
“カビ毒はかなり大量のコーヒーに見られる。ブラジル産コーヒーの生豆を検査したある研究では、加工前の90%以上の豆がカビ毒に冒されており、また別の研究では、レギュラーコーヒーのほぼ50%がカビていることが判明した。”
と書かれています。
日本ではカビ毒に関する規制が設けられていますが、アメリカやカナダでは規制が緩く、普段飲む安いコーヒーにカビ豆が使われている可能性があるようです。
ここまで聞くと、多くの方がローグレードのコーヒー商品に不安を覚えるでしょう。
日本ではカビ毒の規制があり、焙煎前にハンドピックで一粒ずつ取り除かれます。
★香り豊かな深煎りオーガニック珈琲豆。オーナー自ら丁寧に手作業で焙煎
市販の安いコーヒー豆は500g中100gに見つかったカビ豆を含む欠点豆混入率
自家焙煎のコーヒーショップでは手作業で取り除かれますが、市販の安いコーヒー豆はどうでしょうか。
コーヒー焙煎士の方が実際ドラッグストアに並んでいた安いコーヒー豆の欠点豆の混入率を測ってみたところ、500g中、なんと100gが死豆やカビ豆、虫食い豆があったと報告されています。(※)
ほかにもスーパーで売られている100gあたり215円のコーヒーは、3分の1が欠点豆だという結果も出ています。
大量に低コストで販売されるコーヒー豆は、どうやら一粒一粒まで気を使われて販売されてはいないようです。
豆の状態で上記の結果ですから、豆の原型をとどめない缶コーヒーやインスタントコーヒーはどうなるのでしょうか。
安く手に入るコーヒーを毎日飲んでいる方、頭をすっきりさせたいと休憩時に缶コーヒーを買う方は、自らカビ豆を体内に入れないでください。
カビ豆の入ったコーヒーを飲み続けると起こり得る健康リスク
ローグレードコーヒーで見つかるカビ豆ですが、えぐみがあり決して美味しいとは言い難い味です。また低品質の豆に混入する欠点豆が市販のコーヒーに使われている可能性は否めません。
恐ろしいのは、カビ豆が発生させるカビ毒です。
このカビ毒については、毎日微量でも摂取し続けると、
・心身の動きが鈍くなる
・心筋症
・発がん
・高血圧
・腎臓病
・脳損傷
の可能性が起こり得ます。
カビ毒についてもっと詳しく→ (※)
栽培時の農薬だけではなかった!安くて気軽に飲めるコーヒーに使われる化学物質
一般的なコーヒー豆の栽培時には大量の合成石油系肥料・化学肥料を使っています。体にはもちろん、土壌汚染や水源汚染につながることは皆さんもご存知だと思います。
しかし、一般的なコーヒー豆に使われる化学物質は栽培時だけではありません。
最も怖いのが、輸入の際に行われる「燻蒸(くんじょう)処理」です。
入港の際に行われる燻蒸消毒とは
コーヒー豆は100%が輸入品です。
コーヒー豆は食品ではなく、植物として輸入されます。
農林水産省では、植物に有害な動植物の駆除、有害動植物の蔓延防止、農業生産の安全及び助長を図ることを目的とする「植物防疫法」という法律があります。(※)
日本には生息していない害虫を国内に運び込まないように、検疫の際に殺虫処理をする、これが燻蒸処理です。
燻蒸に使われる化学薬剤は、私たちが普段害虫退治に噴射する商品以上の毒性を持っています。
コーヒー豆における燻蒸処理は、コーヒー豆を麻袋に入れて非常に強力な殺虫剤をコーヒー豆に浸透させます。
コーヒー豆の内部に入り込んでいる害虫を駆除できるよう、24時間から72時間という時間をかけてじっくりといぶします。
燻蒸処理は「害虫の有無にかかわらず」行います。
コーヒー豆の燻蒸に使われる臭化メチル
燻蒸処理に使われる薬品は「臭化メチル」というものです。(※)
オランダ政府からは、臭化メチルは発がん性の疑いがあると劇物指定されています。
臭化メチルは空気に触れると気体となって蒸発すると言われていますが、微量ながら成分は残ります。
コーヒー豆の内部にも浸透させ殺虫されていると知ると、一般的なコーヒー豆の安全性は疑問視されます。
こういった事実を知らずにコーヒーを選ぶと、私たちの体に有害物質が蓄積されていきます。
さらに怖いのが人への影響です。
神経組織、肺、粘膜、腎臓、皮膚、眼に損傷を与えるとされています。
遅延性後遺症は、重度の気管支肺炎、無尿症などの腎臓障害を引き起こす可能性が考えられます。
燻蒸消毒作業者への健康リスクは多いに懸念されています。(※)
オーガニックコーヒーは燻蒸されるのか?
ここまで聞くと、安心・安全なコーヒーは存在するの?という疑問を持たれるかもしれません。
結論を申し上げると、燻蒸処理をしないで輸入されるコーヒーがあります。
それが、有機JAS認証を受けた、オーガニックコーヒーです。
栽培時に有機農法で育てられたのに輸入の段階で化学薬品を使われてしまったらオーガニックを名乗れません。
安全なコーヒーを飲みたい方にはおすすめできないもの
ここまでお話ししますと、安く大量に生産されているコーヒーは安心できないということが理解できます。
おすすめできないコーヒーをまとめると、以下のようになります。
・有機JAS認証のないコーヒー
・大量仕入れ、低価格で販売されているコーヒーチェーンのブレンドコーヒー
・焙煎後時間が経過し、酸化してしまったコーヒー
・安いインスタントコーヒー
・缶コーヒー、ペットボトルコーヒー
・粉で売られている安いレギュラーコーヒー
・大量仕入れ、低価格で販売されているコーヒーチェーンのブレンドコーヒー
・焙煎後時間が経過し、酸化してしまったコーヒー
・安いインスタントコーヒー
・缶コーヒー、ペットボトルコーヒー
・粉で売られている安いレギュラーコーヒー
必ずしも体によくない欠点豆が入っているというわけではありませんが、100%安心できるかと言われれば、保証はありません。
それでは、おすすめしたいコーヒーはどんなもの?と聞かれると、つまり「上記にあてはまらないコーヒー」になります。
★香り豊かな深煎りオーガニック珈琲豆。オーナー自ら丁寧に手作業で焙煎
オーガニックコーヒーの基準
オーガニックコーヒーの安全性について、お分かりいただけましたでしょうか。
安心できるオーガニックコーヒーを飲むために『豆栽培から消費者に届くまで薬剤にさらされていない』という2つの証明書を確認しましょう。(※)
◆有機JAS認定
◆非燻蒸証明書
コーヒーを選ぶ時に注意したい。有機JAS認証、4つの認定基準
注意していただきたい間違われやすい点は、「無農薬」=「有機栽培(オーガニック)」ではないということです。
有機JAS認定は4つの段階があります。
1、生産者による認定
2、輸入業者による認定
3、小分け業者による認定
4、製造業者による認定
2、輸入業者による認定
3、小分け業者による認定
4、製造業者による認定
有機JAS認定は、この4つの過程のどこかで化学薬品で消毒された場合、オーガニックを名乗ることはできません。
しかし、無農薬とだけしか表示のない商品に消毒が施されていても「無農薬」として販売されています。
認証のない場合、実際に土壌に農薬が残っていたり、農薬を散布しているほかの畑から飛散していたりします。
有機JAS認証団体からも、無農薬という表示は原則禁止されていますが、強制力はまだまだのようです。
・有機栽培=オーガニック認証あり
・無農薬栽培=オーガニック認証なし
である点を心に留めてくださいね。(※)
★香り豊かな深煎りオーガニック珈琲豆|オーナー厳選の無農薬豆を丁寧に手作業で焙煎
本当にコーヒーが好きであれば、健康面でも持続可能なものを選ぼう!
今回は前編と後編に分けてコーヒーの最新情報をお伝えしてまいりました。私自身、コーヒーの農薬問題や安いコーヒーに隠された落とし穴を知る数年前までは、インスタントコーヒーを買っていましたし、添加物たっぷりの甘い缶コーヒーを飲んでいました。
オーガニックコーヒーを飲み始めたきっかけは、そういった安くて気軽なコーヒーを飲んだあとの不快感からでした。
飲むと気持ち悪くなったり、酸っぱさを感じる酸化コーヒーはもちろん体にも心にもよくなく、ストレスさえ残ります。
不快に感じるのは、決して体が弱いからという理由ではありません。
農薬、化学薬品、有害な添加物が体によくないから取り込まないでほしい!という体からの必死の警告なのです。
コーヒー豆一粒の選び方で、私たちの健康は良くも悪くも左右されます。
フェアトレード、サスティナブル、そして私たちの健康が持続可能である賢い選択をしましょう。
最後に・・・
そんなコーヒーを愛する私はどこでオーガニックコーヒーを購入しているかというと、自然食品を扱っているセレクトショップです。
コンパクトなお店が多いのですが、ところ狭しと並ぶオーガニック食品を見ているだけでも本当に勉強になりますし、オーナーさんとの会話も楽しめます。
近年は健康に意識されている方が増えてきています。
大型スーパーでもオーガニックコーヒーを見かけるようになりました。
オンラインショップでも多くのオーガニックコーヒーが購入できます。
インターネットを介して販売者の思いや理念、トレーサビリティを知ることが可能です。
オーガニックを楽しく生活に取り入れるなら、まずは好きなものから始めるとスムーズに入れます。
私は毎日いただく野菜、調味料、大好きなコーヒー、そして衣類や寝具へと徐々にオーガニック商品を増やしていきました。
無理はしないで、自分の好きなことから徐々にオーガニックで健康な生活にシフト。
皆さまの健康が、持続可能であることを願います。
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