デンマーク発祥、人生のための学校「フォルケホイスコーレ」のすすめ。実際に通った私が大人にこそお勧めしたい3つの理由
デンマーク発祥、人生のための学校「フォルケホイスコーレ」のすすめ。実際に通った私が大人にこそお勧めしたい3つの理由
突然ですが、人生に迷ったとき、あなたならどうしますか?新しい事を始めてみる、はたまた気付かなかったふりをする...
2年前まさに分かれ道に立っていた私は、“フォルケホイスコーレ”という答えを出しデンマークに渡りました。
そして、そこで過ごした半年の間に、サーカスだけではなく、人間として大切なことを学びます。
今回は、そんな“人生のための学校”のリアルについて、私自身のエピソードもからめながらお届けしていきます。
明日に悩むあなたに、「学ぶ」という可能性を。
*注:著者の過去の記事「小学校卒業後、中学・高校に行かないと決めた23歳のわたしが教育の多様性について考えてみた|Welcome to 新しい不登校の時代-色々な選択-」の一節“デンマークフォルケホイスコーレのすすめ”をより充実させたものになります。
デンマーク発祥「フォルケホイスコーレ」とは?
フォルケホイスコーレは、別名『人生のための学校』と呼ばれ、その名の通り、試験や成績のない全寮制のがっこうです。
17歳半以上であれば誰でも行けるこの学校では、政治学、芸術、スポーツ、社会福祉、哲学など、特徴的なコース・科目があり、公教育から独立した私立の学校ながらデンマーク政府が学費の約7割を助成していることで知られます。
デンマークでは多くの若者が高校を卒業した後、自分の本当に好きなものを考えたり、社会人になったあと、自分の生き方を見つめ直したりする場所としてフォークハイスクールを選びます。
ちなみに、私の行った学校は特に舞台芸術をメインとしており、私はそこでコンテンポラリーサーカスを始めました。
世界中から若者を始めとした色んな世代の人が集まり、また基本的に英語を使うので語学力の向上だけではなく、様々なバックグラウンドを持つ人たちと知り合うことが出来ます。
引用:IN YOU
フォルケでの日常
全寮制のフォルケホイスコーレ、朝起きてから夜寝るまでを、他の生徒と共に過ごします。
私の通っていた学校(Musik og Teaterhøjskolen)を例にあげてみると、朝食後は各々掃除片付けなどをこなし、午前中の授業へ。
コンテンポラリーサーカスをメインに取っていたので、先生やクラスメイト(4人後に6人になります)と共にウォーミングアップから始め、日によってジャグリングをしたり、アクロバティックを習ったり。
イメージとしては、激しめの体育の授業を1日受けている感じです。
余談ですが、コンテンポラリーサーカス以外には、音楽、サウンドエンジニアリング、ダンス、演劇、声楽、エレクトロニックミュージックが学べる学校でした。(2020年6月当時)
途中に小休憩をはさんで、その後はお昼ご飯まで授業を続けます。
昼食後は、伝達事項の共有があり、当番の班の中から1人スピーチをします。(詳しいことは、次章の「人と人との関わりの大切さについて学べる」を参照)
みんなで合唱をし、(デンマーク語・英語)約1時間のお昼休憩をとったあとは、メインの科目の授業を受けたり、他のアクティビティをしたりと週によってスケジュールはさまざまです。
私の学校では、選択制の科目もあったので、フェミニズム、インプロヴィゼーションなども受けたりしていました。
夕食後は、毎週火曜日に持ち回りの班が企画し、全員で参加するアクティビティ(ゲーム等)がありましたが、その他の日は基本的にフリーなので練習をしたりおしゃべりに花を咲かせたりと個々の自由にできます。
土日は基本的にお休みで、ブランチと夕食の2食でした。
普段は、クラス毎に分かれて授業を受けていますが、一緒にプロジェクトをしたこともあります。
そして最終的には、クラス毎に発表を行います。
次章では実際に6か月をそこで過ごした私が、なぜいまフォルケホイスコーレをおすすめするのかについて詳しくお伝えしていきます。
私がフォルケホイスコーレをおすすめする3つの理由
(順不同)①語学力の向上
勉強中の語学に浸れるだけひたるのが上達のコツとは、言わずと知れたこと。
ですが、英語の語学学校を例にとってみるとまさに英語だけを勉強するので、途中で飽きが出てしまったり、思ったほど伸びないという意外な落とし穴が。
実際に私の場合は効果があったのですが、そんな私が正直もっと早くに知っていたかったと思ったのが、
「フォルケホイスコーレ」。
外国人の生徒でデンマーク語が話せる人は稀なので、基本的にコミュニケーションは英語で行われます。
私の場合、サーカスの授業も英語だったため、体の部位からアクロバットのトリックまで全て英語名で話され、日本語でも知らないことを英語で覚えることになりました。
それまで、知らなかった分野のことを外国語で聞き、最初は「エルボウ(肘)ってどこやねん?そもそもカードウィル(側転)とは一体何のこっちゃ。。。」と苦労したのですが、徐々に慣れていき、あることに気づきました。
それは、語学はそれだけを習うより、実際にその言語を使いながら何かを学んだりする方がよほど上達も早いということ。
留学中は気付かなかったのですが、今思い返すとなるほどなと納得がいきます。
(ちなみに、現在通っているポルトガルの学校も基本的にポルトガル・スペイン語で授業が行われるので、ことポルトガル語に関しては、全くの0状態で来た割には、かなり話せるようになってきたと感じています。)
また、授業やアクティビティだけでなく、友達同士の会話も英語で行われるので、練習の機会は沢山あります。
英語の語学留学となると英語圏に行かれる方が多いのではないでしょうか。
ですが、これから留学される方には、あえて英語圏ではない国も視野に入れて頂きたいと思っています。
デンマークを含め、北欧諸国では英語教育が非常に充実しているため、10・20代の人は殆どと言っていいほど英語が話せますし、そのレベルもとても高いです。
以前から気になっていたことに挑戦しながら英語の練習にもなる、フォルケホイスコーレはまさに一石二鳥の選択です。
私の英語力は、渡デンマーク前に中の上くらいだったのですが、留学中に伸び上の下くらいのレベルになりました。
(日常生活には事欠かないだけではなく、込み入った内容の会話もできる→専門的な内容の話もできる)
フォルケホイスコーレに興味を持たれる方の中には、英語力はどのくらい必要なのだろうと疑問に思われる方もしばしばいらっしゃいます。
海外の一般的な学校に留学する場合は、TOEFLやIELTSのスコアが必要になってきますが、フォルケホイスコーレでは英語のスコアは設定されていません。
個人的なアドバイスは、自己紹介ができて、簡単な会話が出来れば問題ないと思います。
語学の壁で諦めてしまっては勿体ないですし、最初は大変だと思いますが、慣れてくると少しずつ話せるようになってきます。
私は、自分の語学力に自信満々で留学したのですが、他の生徒の圧倒的な英語力の差+内気なのがあいまって、始めはとても苦労しました。
この苦い経験から、下手に勉強しまくってから留学するよりも、今話せることで勝負した方がよいのではないかと考えています。
②人と人との関わりの大切さについて学べる
フォルケホイスコーレでは、人と人とのつながりを特に感じました。
ソファーやボードゲームが設備されており、みんなが集えるカフェスペースでは、食後や休憩時に団らんする光景がよく目に見られます。
個人的に感じたのは、みんな他の人や文化を知りたいだけではなく、聞く・受け止めるというとても開かれた心を持っているということ。
私がいた学校では、bogurppe-ボーゴーバーという班制度があり(主に居住場所ごとに分けられる)、班の仲間と週一で回ってくる掃除・配膳当番を行ったり一緒に活動したりしていました。
特に印象に残っているのが、毎週火曜日の朝食後に行われたミーティング。(食堂から朝ご飯を持ってきて食べながらの参加も可)
当初約10人いた生徒と受け持ちの先生2人と共に、カフェスペースで今感じていること・身の回りで起きていることを共有したりします。
中でも特に印象に残っているのが、サイコロを振り質問に答えるカードゲーム。
このカードゲームはただのゲームではなくて、質問自体がかなり深いところを突いてくるので(子供を持つとしたらどんな風に育って欲しいか、家族関係はどうか等々)、おのずとそれぞれ込み入った話や人生観を共有することになり班のメンバーと距離が近くなったと感じています。
また、自分の班が掃除当番の時は、昼食後その班から1人10分ほどのスピーチをします。
自分のいま興味があることを滔々と語ってもよし、過去の遍歴を話してもよしと、基本的にはなんでもありです。
フォルケホイスコーレで感じた「ここにいる人は大なり小なり何かを乗り越えてきた人たち」という気持ち。
それは、ほとんどの人が何に悩み苦しみ、そして乗り越えてきたことをスピーチという形で共有していたからです。
かくいう私も小学校を卒業後学校には行かず自給自足をしてきたこと、オフグリッドで暮らした経験などを語りました。
一度でも何かに苦しみそれを乗り越えてきた人というのは、往々にしてまた他人の痛みも分かるもの。
当初、いわゆる男女4人組のグループにいたのですが、三角関係が勃発し、まったくの部外者になってしまった私は、身の置き所がないばかりか当て馬にもなれず、それはそれは辛い思いをしました。
途中から新しい生徒達が入ってきたのをきっかけに対人関係を見直すことに。
上の写真に写ってる友人たちは、自分の置かれている状況を正直に打ち明けたところから親しくなり、暇さえあればお茶会を開いて気兼ねなくなんでも話し合える中に。
正直に話すことは勇気がいることですが、その結果私は彼らの友情と信頼というさらに大きなものを得ました。
③新しいことを始める才能が伸びる
もう何度もお伝えしてきた通り、私はデンマークでコンテンポラリーサーカスを始めました。
以前から興味があったけれど、ずぶの素人だった為、いきなり本格的な学校に応募するという考えは始めからなく、それならということで、フォルケホイスコーレを選びました。
フォルケホイスコーレでは、サーカスだけではなく、演劇を始めアートや農業、料理、宗教その他さまざまなことを学べます。
(ちなみにコンテンポラリーサーカスが習えるのは、デンマーク国内のフォルケホイスコーレでは私の行った学校のみです。)
私の同級生のほとんどはその後、音楽や演劇の学校に進学しているほど真剣な人が多かった環境で、素人だからこそ落ち込むことも多かったものの、その反面たくさん刺激を受けました。
新しいことを始めてみたいという方は意外と多いと思うのですが、実際に行動するとなると二の足を踏まれるかたもいるのではないかと思います。
フォルケホイスコーレでは、自分の好きなこと・気になることを学べるだけではなく、色んな国から年齢も育ってきた環境もさまざまな人が集まってきます。
自分が生まれ育った国ではないところで、暮らした経験というのは人生においてとても貴重です。
普段はなんの気もかけないことが帰国してからは気になったりと、海外に行くというのは、ともすれば狭くなりがちな視野を広げてくれる大きなきっかけです。
新しいことといえば、私は留学中に学校で料理クラブを立ち上げました。
学校の食事がお粗末だったというのもあるのですが、当時ヴィーガンだった私は、同じくヴィーガンやグルテンフリーでないと食べられない友人の影響から、みんなが満足できるものを作りたいと一念発起します。
(基本的にデンマークの食べ物は美味しいのですが、私の学校は予算の都合上、生徒からその内容に文句がでることもしばしばでした。)
部員だけではなく、全校生徒・先生(60人ほど)の食事1品を毎週日曜日に作るこのクラブはとても好評で、毎週末には「今日はなにを作るのか?」と多くの生徒に聞かれるほどでした。
その陰では、持ち回り5人で約3時間かけて大量に調理したり、部員のためだけに料理するものだと勘違いした人から横やりが入ったりとまとめるのに奔走しました。
おわりに:コロナ後の選択肢の1つにフォルケホイスコーレを加えてみて!
私は、挑戦することがとても好きです。
新しいことを始めるときの高揚感、そこから生まれる何者にでもなれるという気持ちが勇気の源であり、私が私である理由だと感じています。
あたらしいことを始めるのは、勇気のいることかも知れません。
ですが、考えて結局行動しないくらいだったら、飛び込んでみてそこから悩んでみてもいいと思うのです。
私がデンマークで出会った友人の1人はあるときこう言いました。
起きてもいないことを心配するのは割が合わない。
コロナ禍でもどうしても留学したいという強い意志を持ち、フォルケホイスコーレに行かれる方がいらっしゃいます。
今すぐにでなくても構わないので、コロナが落ち着いたらやりたいことの1つにフォルケホイスコーレを加えたいなと思って頂けたら幸いです。
オーガニック食品やコスメをお得に買えるオーガニックストアIN YOU Market
IN YOU MarketIN YOU Market厳選オーガニックアイテム
エッセンシャルビタミンC -高濃度ビタミンCサプリメント30000mg|1回1000mg、完全オーガニック×非加熱のビタミンCをスプーン1杯で摂取できる!by Minery
¥ 14,800 (税込)あなたの毎日が輝き始める無味無臭「飲むミネラル」 by Minery(ミネリー)カナダ原生林から誕生!重金属・農薬テスト済|たっぷり2.5-3.5ヶ月分でお得!
¥ 17,501 (税込)「スーパーアルカリグリーンエナジーラテ」【15%OFF】|Minery ミネリースーパー・ラテシリーズ|アルカリ性食品に特化したオーガニックサプリ【単品】
¥ 9,610 (税込)こちらの記事もおすすめです!
小学校卒業後、中学・高校に行かないと決めた23歳のわたしが教育の多様性について考えてみた|Welcome to 新しい不登校の時代-色々な選択-今のあなたは自分を大切にできていますか?本当の心の声に耳を澄まし、自分らしく幸せに生きるための3つの実践法
自分の意見を伝えるのが苦手なあなたに~人見知りで内気なわたしが学び考えたコミュニケーション力とその育て方
この記事が気に入ったら
いいね!しよう