産後の体調不良・イライラ・鬱症状は「気」「血」「腎精」の不足が原因だった!東洋医学・薬膳から見た産後の食養生
IN YOU読者の皆様の中には、
妊娠中の方や、娘さんや奥様、大切なお友達が妊娠している方
産後真っ只中の方
妊娠を望んでいる方
もしかしたら将来子供を産む可能性がある方。
または子育て中の方
もいらっしゃるかと思います。
今回はそんな皆様に特に知っておいて頂きたい
「産後の女性が特に陥りやすい体調不良と、効果的な食養生」についてお話したいと思います。
もちろん産後でなくとも、体と心のバランスが保たれず、
毎日の生活がしんどい・・・・・そんな女性がだれでも感じるお悩みを持つ女性にも読んでいただきたいと思います。
産後の体調不良で悩む女性は86%
産後の体調不良に陥る女性は本当に多いですよね。
体調不良に悩んだ経験のある女性は出産経験のある女性の86%にものぼるそうです。
私自身、産後1年ほど体調不良に悩まされていました。
慣れない子育てに加え、2~3時間ごとの授乳で寝不足の日々が続き
気持ちも不安定で、すぐにイライラしてしまったり
些細なことで悲しくなったり
何をしてもすぐに疲れてしまって、体力が落ちているのが自分でもよく分かりました。
それに加えて慢性の蕁麻疹や胃痛、唇にヘルペスができるなどの症状。
産婦人科や皮膚科にも通いましたが、
「たまにはゆっくりと休んで」
「産後体質が変わる人は多いから」
と言われるばかりで原因は分からないまま。
以前の自分の身体とは思えないほどの変わりように戸惑い、
「これから先、このままこの体質と付き合っていかなければならないのかもしれない」
という不安が常にありました。
母乳からミルクに切り替えて、薬を飲むことを進められましたが、
母乳育児を続けたかったことと、薬では根本の解決にならないと感じたことから、
私は自分の体調不良をしっかりと見つめ直して、
これまで勉強していた薬膳をもう一度勉強して、本格的に実践していくことにしました。
産後の体調不良は「血」「気」「腎精」の不足が原因だった
出産は人生で最も「血」「気」「腎精」を消費する大仕事です。
腎精とは
気は生命エネルギー、血は全身の栄養源ですが、
腎精とはなんでしょう。
聞きなれない言葉かもしれません。
身体の働きを5つに分類した五臓の一つである「腎」は泌尿器系や生殖活動を司り、
身体の成長・発育・老化のリズムと性機能をコントロールしています。
腎には、生命エネルギーの源ともなる「精」が蓄えられて、これを「腎精」と言います。
この「腎精」が十分にあれば、女性の生理や妊娠、出産、授乳は正常に機能し、また若々しさを保つこともできます。
腎精は、
「先天の精」と「後天の精」とあり
「先天の精」は
母親と父親から受け継いだ精で、これを多く受け取った赤ちゃんは生命力の強い子供となりす。
妊娠中、母親は子供に多くの腎精を送ります。
「後天の精」は
生まれたあとに飲食物によって補われる精です。
つまり、母親は妊娠中に生命力の源である「腎精」を子供にあげてしまううえに、
出産で気、血も消耗してしまうため、
産後体調を崩しやすいということです。
避けられない産後の睡眠不足
気、血、腎精は睡眠と食事によって補われるため、
産後の睡眠不足が続くと
どうしても妊娠・出産によって消耗された気、血、腎精を補うことが出来ないため
様々な体調不良が出てきてしまいます。
また、母乳も血から作られているため、ますます血が消耗されるということになります。
東洋医学では、血は精神の安定にも必要不可欠であると考えられていて、
血が不足すると気持ちが不安定になり、イライラや鬱といった症状が出やすくなります。
さらに腎精は女性ホルモンのバランスに大きく関わっているので、
女性ホルモンのバランスの乱れから情緒不安定な状態になりやすいと考えられます。
とは言え、新生児のお世話をしていく以上、睡眠不足は避けられないというのが実情ですよね。
だからこそ、余計に意識をして
「気」「血」「腎精」を食事で補う必要があります。
元気に若々しく!明るい気持ちで子育てするために
気、血、腎精を補う食事
【気を補う食材】
きのこ類、かぼちゃ、きゃべつ、生姜、ジャガイモ、さつまいも、山芋、もち米、大豆、豆腐、ごま、鮭、鶏肉、牛肉等【血を補う食材】
きくらげ、金針菜、ほうれん草、にんじん、プルーン、ぶどう、あずき、黒豆、黒米、黒ゴマ、くるみ、クコの実、なつめ、イカ、タコ、マグロ、牛肉、鶏レバー、卵【腎精を補う食材】
胡桃、クコの実、松の実、桑の実、黒豆、黒ごま、黒米、黒キクラゲ、ワカメ・昆布など海藻類、もち米、山芋、牡蠣、蓮の実、ニラ、生姜、シナモン、ラム肉、牛肉、鶏肉、海老「慣れない育児と体調不良に加え、睡眠不足の状態で、
自分の食事に気を使ってる余裕なんてない!」
という方も、もちろん多いことと思います。
実際、私自身
「今はゆっくりと自分の食事を作る暇があるなら寝ていたい」
と思っていましたから。
だから「何作ろう、、、」と毎回メニューを考えるなんてことはしていません。
今回は、そんな低いモチベーションだった私でも、毎日無理なく続けることができた方法をご紹介します。
無理なく続けるためのコツは、習慣化させること。
1、買い物は宅配やネットを利用。
ただし宅配先は吟味して。
もうすでに宅配サービスを利用しているという方も多いかもしれません。
でも多くの宅配サービスは「減農薬」や「農薬が使われているもの」など、
すべてがオーガニックでないものも多い印象です。
もちろん、買い物がリフレッシュになるという方は出かけて自分の目で見てお買い物されるのが良いのですが、
私はとにかく睡眠時間を確保したかったので宅配サービスを利用しました。
夜中に授乳をしながらポチポチとネットで注文していたことを思い出します。
ここで気を付けておきたいことは、宅配先を吟味すること。
身体が弱っている時期だからこそ、弱った体をサポートしてくれる栄養が詰まった素材を選びたいもの。
出来る限り、オーガニックなものを宅配してくれる宅配業者を選びましょう。
おすすめの宅配業者はこちら
2、調理は手抜きで大丈夫!
でもしっかり気・血・腎精を補う食材を選ぶ
調理法は手抜きでかまいません。
身体が弱っているこの時期に大切なのは「いかに手を抜きながら身体を労わる食養生をするのか」
ポイントは気・血・腎精を補う食材を選ぶこと。
そしてかならずオーガニックのものを選ぶこと。
調理法よりも食材選びです。
私が実践した食事は
◎蒸し野菜
具材は気を補う食材、キャベツやカボチャ、ニンジン、じゃがいも、きのこ類、鶏肉などを使うことが多かったです。
◎お味噌汁
わかめやアオサ、豆腐のお味噌汁
腎を補う海藻類は毎日のお味噌汁で取り入れました。
また、「金針菜」という薬膳でよく使われる百合の花の蕾も、血を補ってくれる頼もしいおすすめの食材です。
鉄分でいうとほうれん草の20倍も含むと言われていて、
母乳の出も良くしてくれる上に精神安定の効果もあるためイライラしやすい、または落ち込みやすい方には特におすすめです。
味に癖もないので、きんぴらなどにしても美味しいのですが、
私はこの時期本当に調理する時間を削りたかったため、お味噌汁の具として取り入れました
◎雑穀米
毎食必ず食べる主食の見直しは、手軽で効果も高いので是非取り入れてみてください。
以前、冬の養生法としてもご紹介したレシピですが、
産後の回復にぴったりのレシピなのでもう一度ご紹介させて頂きます。
「気・血・腎精の強化ごはん!3合分」
黒豆(乾燥) 1/4カップ
黒ゴマ 大匙1~2
黒米 大匙1~3
胡桃(炒ったもの)大匙2
無農薬の玄米 黒米と合わせて2合
無農薬もち米 1合
水 3合分
酒 大匙2
自然塩 小さじ1/2~1
IN YOU おすすめ自然栽培玄米
1、黒豆と少し砕いた胡桃を軽く炒る
2、米ともち米、黒米を合わせて研ぎ、他の材料を全て合わせて炊く。
3、炊き上がったら少し蒸らして完成。
3、間食はナッツ類やなつめ、おにぎりで栄養補給
経験された方は分かるかと思いますが、授乳中は本当におなかがすきますよね。
それだけ補った栄養が、母乳として赤ちゃんに与えられているということ。
その分お母さんはしっかりと栄養を補給する必要があります。
おなかがすいて、疲れているという状況だと、普段気を付けていてもついつい手が伸びてしまいがちな菓子パンやインスタント系の食品。
でも疲れているからこそ、ますます免疫を落としてしまうことになりかねない食品は避けるようにしましょう。
間食には先ほどご紹介した雑穀米で作ったおにぎりや、血と腎を補うナッツ類が最適です。
また、精神安定の効果もあり、鉄分も豊富な「なつめ」もおすすめ。
なつめは「一日三個食べると老けない」とも言われていて、
美容効果、滋養強壮、貧血予防、アレルギー改善などが期待できるフルーツでもあります。
そうこうしているうちに
産後一年ほどして体調不良を乗り切ることが出来ました
一年ほどたって、慢性の蕁麻疹が落ち着いてきました。
夜痒くて眠れないという日もあったのですが、それもだんだんと少なくなりました。
一番嬉しかったのは、主人から
最近明るくなったねと言われたこと。
暗い気持ちで子育てをしてしまっていることがとても嫌だったのです。
私の場合ですが、双子を生んだこともあり、また二人ともほぼ母乳で育てたということもあり
余計に気・血・腎精を消費してしまっていたようです。
腎精が補われてなければ二回目の妊娠は難しいとも言われ、二人目不妊という言葉もありますが
今は三人目の子供を授かるほどにまで回復しました。
ポイントを押さえれば、難しいことはありません。
無理なく続けることが出来ました。
おわりに
産後の体調不良は本当に辛いですよね。
待望の赤ちゃんがやっと生まれてきて、幸せいっぱい!
かと思いきや、今までの自分の身体とは思えないほど弱ってしまった身体。
いつまで続くか分からない状況に不安を感じずにはいられませんよね。
笑顔で心穏やかに、楽しく育児をしたいと思えば思うほど、現実とのギャップに悩む
という方も多いのではないでしょうか。
でも、大丈夫。
毎日きちんと産後の身体を労わってあげれば必ず身体は変わります。
身体が変わればまた心も前向きに明るくなれます。
母は強しと言いますが、母親になったからと言って急に強くなる人なんていないでしょう。
様々なトラブルを乗り越えて、強くなる。
皆様のより健康でより楽しい毎日のお役に立てますように。
働く女性や、掃除家事と忙しいママの味方!
気、血、腎精を補う食事に必要な
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