「エキストラバージンオリーブオイル」の嘘。あなたが口にしているのは「本物」ですか。それとも「偽物」ですか。
本物のオーガニックが見つかるオーガニックショップ
数年前に偽造オリーブオイル問題が明るみとなり、
単純に「オリーブオイル=健康」というイメージが変わったと同時に
本当にピュアな本来のオリーブオイル、
“本物のオリーブオイル“への意識も高まったのではないかと思います。
ではその後、実際にどのくらい市場に出回っているオリーブオイルが変わったかというと、残念ながあまり大きな進展もなく、まだまだ課題は山積みです。
現在流通されているエキストラバージンオリーブオイルに関しては、8割以上が偽物であると言われていますし、
市場を変えるには消費者である私たちが変わっていくしか、ありません。
そのための第一歩が、「知ること」です。
国際オリーブ協会の定める3つのランク
国際オリーブ協会(IOC)では、その純度と品質の高さをもとに
3種類に区分しています。
●バージンオリーブオイル
●ピュアオリーブオイル●精製オリーブオイル
●オリーブオイル
バージンオリーブオイルは、オリーブの果実を絞って、ろ過するもの。一切化学的加工をしていないもの。
搾りたてのフレッシュなオレンジジュースのように、
本来のオリーブオイルのもつ効能が期待できる。
●ピュアオリーブオイル
ピュアオリーブオイルは、エキストラバージンオイルを全体の2%くらい混ぜて、あとは精製オリーブオイルを混ぜたもの。「オリーブオイル」と表記があるときは、ピュアオリーブオイルを指すこともある。
●精製オリーブオイル
精製オリーブオイルは、酸化の進んだオイルや搾りかすを化学的に処理し、脱臭、脱色、脱酸など行ったオリーブオイルのもの。もともとクセのある味やひどい臭いが原因で、
石鹸や車などの乗り物の油などに使われていたオリーブオイルを、
精製することでやっと「口に入れられる」状態にしていたり、大豆油やキャノーラ油など混ぜられているものも多いということも知られている。
日本のスーパーには得体のしれない偽エキストラバージンオイルばかり
その1:日本にはエキストラバージンオリーブオイルの規格がない。
そもそも日本はIOCに加盟していないため、国際取引基準に沿った試験や検査もなければ、基準はJAS(日本農林規格)が定めており、区分においては
オリーブオイル、精製オリーブオイルの2カテゴリー。
定義に関しても甘く、
つまり日本にはそもそも「エキストラバージンオイル」の表示分類はありません。
それなのにスーパーには、
エキストラバージンオイルとの表記の物ばかりなのです。
IOC規定の「エキストラバージンオイル」とは
そもそも、IOCの規定による「エキストラバージンオイル」と呼ばれるものは
●オリーブの実だけを原料としている
●酸度(遊離脂肪酸の割合)が100gあたり0.8度以下
●コールドプレス(低温圧縮)製法で作られている
●匂い・風味ともに優れているもの
金額の目安は最低2000円~が妥当だと言われています。参考:http://www.j-cast.com/2014/10/20218826.html?p=all
調べてみた!
都内スーパーの“エキストラバージンオイル”事情
日本においてエキストラバージンオイルの基準がないにもかかわらず、
スーパーに置いてあるオリーブオイルは、
やけに「エキストラバージンオイル」との表示の物ばかり。
実際に都内にあるいくつかのスーパーで、一体どのくらいエキストラバージンオイルと表示のある商品があるか見てみるとびっくりします。
数百円のボトルでも「エキストラバージンオリーブオイル」なのですから。
実際にはスーパーでは本物のエキストラバージンオリーブオイルはほとんど売られていないのではないのだと思います。
ケース1
地方でも都内でも人気のある大手スーパーのある店舗①
・「エキストラバージンオイル」との表示のあるオリーブオイル:
50種類中、47種類の約90%。(それ以外はピュアオイル)
・オーガニック認定のあるもの:50種類中5種類の10%。・金額:230gくらいに対し平均500円前後のものが多い。
一番高くて1500円程度。その倍の量で600円~1000円くらい。
ケース2
大都市で人気があり比較的良質でこだわりのものが置いてあると知られている大手スーパーのある店舗②
・「エキストラバージンオイル」との表示のあるオリーブオイル:
14種類中、13種類の約90%。(それ以外はピュアオイル)・オーガニック認定のあるもの:14種類中4種類の約30%。
・金額:230gくらいに対し平均650円~1500円くらい。
その倍の量で900円~2000円くらい。
表示に関しても、②の店舗であれば、比較的高めのオリーブオイルには
「低温圧縮製法」“cold extraction“などという表記はあるものも。
ほとんどは、「厳選された」「風味豊かな」など、
高級感を漂わせるフレーズを使いながらも、実際の生産者の顔は見えませんでした。
正直な所、本物のオリーブオイルをスーパーなどで見つけることは取り寄せ依頼などしない限りは現状難しいのだと感じました。
みなさんの周りのスーパーのオリーブオイル事情はどうですか?
あなたの今キッチンにあるオリーブオイルはどう?
「健康」を意識しだした時からキッチンは変わっていく
実際に、私も昔使っていたスーパーで購入したオーガニック認定の
230gの800円くらいで購入したエキストラバージンオリーブオイルとの表示のオリーブオイル。
独特な臭いがあり、味にくせがあり、買って開けた瞬間、後悔しました。
そのままかけようとも思えず、加熱しても、つんとしたクセのある臭いも味もそのまま。使い切らず捨ててしまいました。
今思えば、オーガニック認定はあったものの、
当然エキストラバージンオイルではなかったのでしょう。
でもその当時の私は何も知りませんでした。
はじめて直接生産者が販売しているオーガニックのエキストラバージンオイルを試食をさせてもらった時は、全くくせがなく、本当においしくて感激。
その時はバケットにヨーグルト、トマト、ニンニクにオイルをかけて
いただいたのですが、ため息が出るほどの美味しさ。
そのオリーブオイルのように「本物」のものがキッチンに並んでいくと
気持ちが上がるだけでなく、料理や食への向き合い方も変わっていきます。
食に限らず、どんなものでも、ただ安さを重視するのではなく、
自分にとって何が大切かを意識してより慎重に
選んでいくようになっていくのではないでしょうか。
日本だけではない、世界的にも偽物エキストラバージンオイルが溢れている。
もともと、その臭いや味から商業用に使われていたもの精製処理しつ、食用として使ったり、硫酸銅をまぶしたり、
原産国を偽り販売するなど、非常に低い質のオリーブオイルが溢れています。
オリーブオイルの原産国が集まるEUでは、
欧州不正対策局がオリーブオイルの不正に関する特別調査委員会を設置しても、
問題解決にはつながらないほどで、調査を行う側が訴えられる現状さえあります。
偽物のオリーブオイルを摂り続けてしまうと
「そんなこと言ってもオリーブオイル自体は体にいいんでしょ?」
と思っている方は要注意。
むしろ健康に悪影響を与えてしまうという懸念もあるのです。
●トランス脂肪酸が万病の元に、
高温高圧で精製されている精製オリーブオイルはトランス脂肪酸を含みます。トランス脂肪酸といえば、マーガリンやショートニング、揚げ物、洋菓子などに多く含まれる体にとって病気のえさ。アメリカでは2015年に、肥満や心臓病、動脈硬化など様々な病気をひき起こすその危険性の高さをから「安全でない」ということを認め、2018年6月までに食品添加物から全廃することが決定している。
●発がん性の懸念
例えば精製されたオリーブオイルのように酸化の度合いが多いものは、過酸化脂質となっているため、発がん性がある可能性も。●中性脂肪の原因に
体を動かす習慣がある等、エネルギーとして消費している場合は別として、オリーブオイルに含まれる遊離脂肪酸は中性脂肪の原因に。オリーブオイルは光の当たらないところでの保存が基本なのは、オリーブオイルに含まれる遊離脂肪酸が熱が加わることで増加し、酸化が進むことで品質も下がってしまうため。
< h4>●老化促進
アンチエイジング効果のあるポリフェノールがほぼないため、
体を酸化させてしまい、老化の原因となってしまう可能性も。
●アレルギー症状につながる可能性も
偽オリーブオイルには大豆やキャノーラ油が使われていることも多い。その場合、体の炎症を起こしやすく、アトピーや花粉症など
アレルギーが悪化するだけでなく、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病の原因にも
繋がる可能性があります。
お勧めのオリーブオイル
お勧めのオリーブオイルは、
酸度が低い
ボトリングが丁寧(ステンレスや黒いボトルなど)
コールドプレスである
厳選された農地で(できれば単一品種で)生産されているもの
生産者の顔が見えたり、生産者の名前が刻まれているもの
ひと瓶最低でも2000円以上する
オリーブオイルコンテストで受賞・優勝したもの
テイスティングをしたら大体酸化しているかどうかもわかってしまいますがなかなかテイスティングができるオイルやさんは少ないもの。
油っぽくて独特なプラスティックのような癖や臭みのあるものはすでに酸化しているものである可能性が大。
細かく言えばさらなる基準はたくさんあります。
オリーブオイルに限ったことではありませんが、
一人一人の選択、数百円、数千円のちがいで、
どれほど食材が自分たちの体に素晴らしい効果と「本物」と出会うのが難しくなっている今の時代。
心からの安心をもたらしてくれるのか。
それが積み重なっていった時、
長い目で見たときに「健康」であることが、
自分だけでなく自分の愛する人たちの人生をどれほど変えてしまうのか。
そして、自分が何を選ぶかによって、
未来を担う子どもたちにどんな社会を残してあげられるのか。
小さなことではあるけれど、
その小さな選択を今一度見直してみると、
日々の暮らし方も変わっていくかもしれませんね。
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