まだ日本のスーパーや外食チェーンに並ぶ「死んだ油」 トランス脂肪酸の危険性について。
こんにちは。
INYOUオーガニックスペシャリストの小林くみんです。
NYでは当たり前のように手に入った「Trans Fat Free(トランス脂肪酸フリー)」食品。
トランス脂肪酸が「どのように体に影響するのか」を具体的に知らなくても、あそこまで目立つ文字でしっかり書いてあると、トランス脂肪酸が含まれていない食品を「なんとなく」手に取る習慣が生まれます。私もその一人でした。
IN YOUでは以前、オリーブオイル下記記事を公開しましたが、
「オリーブオイル8つの信じがたい真実。」市販オリーブオイルの8割は粗悪品!危険なオリーブオイルの見分け方とは?」
油にまつわる危険性は、オリーブオイルだけではありません。
なたね油、サラダ油、フライ用の油、米油、大豆油。
油の質、または製造工程、原材料、酸化加減によっていくらでも有害な物質に早変わりするわけです。
トランス脂肪酸の有害さが明らかになり、トランス脂肪酸を含む食用油脂を発売禁止にする国は相次いでいます。
アメリカのFDA(連邦政府食品医薬品局)がトランス脂肪酸への対策の実施方針を発表したのは1998年。
また昨年FDAは2018年6月以降「心臓病の原因」となるこのトランス脂肪酸の食品への添加を「禁止する」と発表しました。
今、世界各国でトランス脂肪酸への対応が行われている中、日本の現状はどうでしょうか?
日本ではトランス脂肪酸の規制がありません。
私たち消費者が何気なくスーパーで手に取る「油」の多くはトランス脂肪酸を含む、もうすでに「死んだ油」。
マーガリンは、虫が寄り付かないと言われています。
また腐敗しない事から「プラスティク化された油」とも呼ばれています。
何も知らずに使っている「油」が10年後20年後のあなたの健康を脅かします。
無知なまま、大手製造メーカーの一時的な「利益」のためだけに、消費者である私たちは「自分の健康」、「家族の健康」、そして「将来」を犠牲にしてよいのでしょうか?
たかが「油」。
そう思うかもしれません。
しかし私たちの脳の60%が「油」でできているのはご存知ですか?
細胞膜を形成するのも、体の様々なホルモンの材料になっているのも「油」です。
それでも、あなたは「たかが油」と断言できるでしょうか?
トランス脂肪酸、水素添加脂肪の実態
「トランス脂肪酸」は一般的に、植物油の脂肪分子に水素原子を加えて安定させ、変質、劣化、酸化しにくくしたものです。
輸送や加工がしやすく、日常で何気なく食べている菓子パンやお菓子に含まれる「マーガリン」、「ショートニング」、「植物油脂」にみられるように、私たちが思っている以上に多くの食品に含まれています。
外食・加工食品産業では、保存性を高めるため、液体の普通の植物油脂を使えば済むものにまで、水素添加した固形油脂を使用しています。
また現代の精油法でもこのトランス脂肪酸は発生します。
現代の食用油の製造過程では、ほとんどの場合、昔ながらのコールド・プレスといった精油法ではなく、様々な「不自然」な過程を経て「死んだ油」が作られます。
高温で圧搾し、さらに薬品に漬けて抽出。
その後この薬品や他の不純物を取り除いていきます。
この方法は何度も200度以上に油を加熱するので、どんなに熱に強い油でも酸化してしまいます。
私たちの神経細胞を破壊するヒドロキシネナールという有害物質、そして脂肪の分子中の炭素と水素の結びつきに変化が生じトランス脂肪が発生します。
スーパーなどのお惣菜売り場にある天ぷらやフライなどの揚げ物にもトランス脂肪酸が潜んでいます。
お総菜売り場の揚げ物は大量に作るため、油を高温で熱し続けます。
そのため、トランス脂肪酸の発生率も必然的に上がるのです。
ポテトチップスなどのスナック菓子も同様。
トランス脂肪酸はその「姿」を変えて私たちの日常に潜んでいるのです。
諸外国で敵視されている「トランス脂肪酸」。
いったい私達の体にどんな影響を与えているのでしょうか?
1動脈硬化・心臓疾患や脳血管障害などの疾患を引き起こす要因になる。
悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を増加し、また善玉コレステロール(HDLコレステロール)を減少させる。2.アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎・気管支喘息などのアレルギー疾患のリスク要因になる。
脂肪酸は細胞膜を構成する物質だが、トランス脂肪酸で形成された細胞膜は弱く、免疫機能が低下します。3.体のビタミンが欠如する。
トランス脂肪酸を多く含む食べ物は一般的にビタミンなどの栄養が低く、さらにトランス脂肪酸自体が体内でビタミンなどを大量に消費する。4.子宮内膜症や不妊症など、婦人科系のトラブルの要因になる。
「死んだ油」ではなく、モンスター油とでも呼ぶべきでしょうか?「モンスター」の恐ろしさは、
それがもたらす「害」だけにとどまりません。
「モンスター」は「モンスター」を呼ぶ?
死んだ油の「負の連鎖」
「死んだ油=モンスター油」は「本来の脂肪酸の働き」を妨げるトランス脂肪酸が含まれ、脂肪の代謝に必要な多くの栄養素に欠けています。
このため私たちの体は必要不可欠な必須脂肪酸が不足しがちになっているのです。
必須脂肪酸が欲しい=脂肪分が欲しいという体の声に対し「死んだ油」であるトランス脂肪酸で応えてしまうと、その欲求は解消されず本能的に脂肪の過剰摂取に走る。
トランス脂肪酸を多く含む食品を食べれば食べるほど、もっと欲しくなってしまうという悪循環、「負の連鎖」が起こります。
「負の連鎖」を断ち切るたった1つの方法
この「負の連鎖」を断ち切るためには、私たちに不足しがちな「良い脂肪酸」を摂取するしかありません。そうしなければカロリーは摂り過ぎなのに、他の栄養素は足りていないという「現代型栄養失調」になってしまいます。
栄養失調寸前の現代人の救世主。
それが「オメガ3脂肪酸のαリノレン酸」です。
今、話題の「えごまオイル」や「アマニオイル」また胡桃などに多く含まれる「αリノレン酸」には一体どんな効果があるのでしょうか?
αリノレン酸の主な効果
1, 血液サラサラ効果
αリノレン酸は体内に入るとDHAやEPAに変換されます。DHAやEPAは、血液をサラサラにし、動脈硬化や心筋梗塞を防ぎます。
また、脳内の細胞膜にはDHAやEPAが必要となるため、脳細胞を活性化する効果もあります。
2, アレルギーを抑制
αリノレン酸は、リノール酸に対して競合的に働き、アレルギーを抑制する働きを持っています。様々な食用油に含まれる、リノール酸には、血中コレステロール値や中性脂肪値を一時的に低下させる働きがありますが、その一方、過剰摂取してしまうとアレルギーを悪化させたり、大腸ガンの危険性を高めたりと、体に悪影響も引き起こします。
3, 老化防止
人間の体は、約60兆個の細胞からできています。もちろん、あなたも例外ではありませんね。
私たちにとって大切な細胞を守る「細胞膜」。
この細胞膜の構成に役立っているαリノレン酸などのオメガ系成分が不足すると、細胞膜がしっかりと構成されず皮膚のしわやたるみなど、老化の加速につながります。
4, うつ症状の軽減
αリノレン酸などのオメガ系脂肪酸の蓄積量を健常者とうつ病患者で比較したところ、うつ病患者の方が大幅に低かったことから、これらの脂肪酸を摂取することで「うつ症状を軽減させる」と考えられています。特に妊産婦はこれらの脂肪酸が不足する傾向があるので、「産後うつ」の回避のためにも意識して摂取する必要があります。
「良い油」の見極め方
最近はスーパーでも「αリノレン酸」を多く含む「えごまオイル」や「アマニオイル」を入手できるようになりました。これを読んでいる方の中にも「えごまオイル」や「アマニオイル」を使っている人は多いかもしれません。
しかし「自己満足」ではなく、きちんと「αリノレン酸」をとるには、商品の見極め方も重要になります。
商品の見極め方。
1, 原材料の質
その原料が「遺伝子組み換え」ではないか?オーガニックであるか?などをチェックしましょう。
残念ながら、食用油の遺伝子組換作物の比率は表示義務がありません。
原材料が国産のものや、信頼できるメーカーからの購入をお薦めします。
2, 製油法
食用オイルの原料となる果実や種子に、熱を加えずに圧力をかけてオイルを搾り取る昔ながらの「コールド・プレス製法」がお薦め。コールド・プレス製法ではオイルを搾るのに時間がかかる上、搾りかすにオイル分が残り採油効率が悪いのですが、果実や種子の栄養素やビタミンや風味を壊さず搾ることができます。
短時間で一気に圧力をかけると、摩擦熱で高温になる場合があります。
本当の意味での「コールド・プレス製法=低温圧搾法」は時間をかけて圧力を加えることにより摩擦熱の発生を抑え、最高でも60度を超えないように管理しています。
簡単な見分け方の一例ですが、「コールド・プレス」や「圧搾しぼり」などとラベルに書いてあるかに注目することが大事です。
もし何も書いてなければ、それはやはり「死んだ油」である可能性が高いです。
「負の連鎖」への入り口をあなたは今、その手で握っていることになります。
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