高血圧症の薬は頭の働きを悪くする | 製薬会社で30年開発に携わった私が飲まない薬3選と本当に必要な人
私が処方を断っている薬剤とその理由
オーガニックに生きている人の中には、
化学的な物質を口にすることを嫌って処方された薬を捨てるといっている人がいます。
その薬は健康保険により3割を負担するだけですが、残りの7割は健康保険組合が負担しています。
健康保険組合の財政赤字は税金で補填されています。
私は以下の薬は医者に納得してもらった上で、処方を断っています。
私はかつては製薬会社に会社に勤めていました。
だから、処方を断れるというというわけではありません。
また全ての薬を断るわけではありません。
よく使われる薬について、断る理由と医師の処方の断り方をお話しします。
インフルエンザ薬
薬を飲まなくても治る?
インフルエンザは発熱で苦しい病気ですが、栄養と水分、を摂り安静にしていれば
最初の発熱から1週間でほぼ治ります。
しかし、万人が薬を摂らず治るわけではありません。
高齢者、小児にはインフルエンザ薬が必要です。
他の病気を合併している人も、合併症によってはインフルエンザ薬を飲む必要があります。
下記で順にみていきましょう。
インフルエンザ薬が必要な人とその理由
高齢者
呼吸器に二次的な細菌による感染症を起こす可能性が高いからです。特に老人ホームでは一人のインフルエンザが発症した場合にはインフルエンザ薬のうち、
「タミフル」を予防的に飲むべきであると厚生労働省は指針で示しています。
毎年の様に老人ホームなどでインフルエンザの集団感染による死亡者が出るのは、
「タミフル」の予防投与が全額自費負担のため、施設として対応できないことが主な原因と言われています。
小児
小児では、中耳炎の合併・熱性けいれん・気管支喘息を誘発することがあります。かつてはインフルエンザ脳症が発生すると言われていました。
アメリカではアスピリンの使用時には年間数百例のインフルエンザ感染による脳症が報告されていましたが、
現在では2例にまで減っているという事実があります。
厚生労働省は「インフルエンザ脳炎・脳症の臨床疫学的研究班」を組織して税金を用いて研究しましたが、
原因は不明との結論で、いまも詳細な調査が続いています。
日本でもインフルエンザ脳炎はアスピリンを解熱剤(熱冷まし)として使わなくなってからは、
ほとんど発症例は報告されていません。
熱が脳に働いてインフルエンザ脳症になる可能性はアメリカでは否定され、
日本では「悪魔の証明(ないことを証明するということは大変難しいので、
傍証(この場合はアスピリン以外の解熱剤で発生例が激減したというアメリカの情報))があれば、
研究を止めてもいいと私は思います。
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インフルエンザ薬の断り方
現在、医師が処方することが出来るインフルエンザ薬は全て感染48時間以内に飲む必要があります。
そのため一番簡単なのがこちらの一言。
「3日以上前から熱が高くてちょっと体が楽になったので、
インフルエンザの検査をしにきました。」
この言い訳をしても、薬を処方する医者は勉強不足ですので、
「添付文書に発症2日以内に始めないと効果がないと書いてある為いりません」
と話すのもいいかもしれません。
また、真面目に答えるのであれば、
「5日間は外に出ませんので薬はいりません。」
こちらもいいのではないでしょうか。
インフルエンザ薬とプラシーボ現象
この図は症状の回復した人が何%治るかを時間軸で検討した図で、
ゾフルーザの有効性の決め手として厚生労働省(正確には医薬品医療機器総合機構)が認めたものです。
本薬がゾフルーザ、オセルタミビルがタミフルです。プラセボは効果がないものです。
50%の人が治るのは確かにゾフルーザ群が高くなっていますが、140時間では全ての群で80%を超えています。
インフルエンザ薬は症状がでている時間を短くするだけで、
140時間=5日間ではインフルエンザ薬とプラゼボにほとんど差は無く80%の人が症状が消えています。
インフルエンザにかかると5日間は学校に行けません。ゆえに薬を飲まなくてもほとんどの人は症状が回復しています。
高血圧症
高血圧症は上の血圧が140mg/hgあるいは下の血圧が90mg/hgを超えると治療することになっています。
高血圧症の第1選択は食事と運動です。
「血圧が高いため食事に注意したり、運動を増やして下さい、また3か月後に来て下さい」
と伝えるのがガイドラインに沿った治療法です。
高血圧の薬を飲むと頭が働かなくなった
日中は上が200mg/hg越え、下も150mg/hg越えでした。朝6時から夕方9時までの勤務が休みなしで続いた頃です。
好きな仕事でしたのでストレスはほとんど感じていませんでした。
仕事内容は厚生労働省に新薬の申請をするための書類づくりで、頭をフル回転させる必要がありました。
頭が疲れるとブドウ糖を欲するのでブドウ糖の錠剤を、食事とは別に2時間に1度は飲んでいました。
健康チェックのために会社に血圧計が設置されたので測ってみると、
上記のような酷い数値が出てしまったのです。
散歩の時間を増やしても下がらないため、医者で高血圧症の薬を貰いましたが、
薬を飲むと頭が働きませんでした。
色々な高血圧の薬を試しましたが、どれも同じ状況でしたので高血圧薬の処方を断りました。
書類を仕上げて、1週間の休暇をもらって初出勤の日に血圧を測ると、上が150、下が90でした。
ここから得た教訓は「頭を使う仕事をしている時は血圧が高くなるが、
高血圧症の薬を飲むと、副作用がでる。
ガイドライン的には高い血圧であっても、
それは脳にブドウ糖を供給するために必要な血圧であった。」ということです。
ガイドラインの血圧の基準値は「将来の心血管障害による死亡を減らすため」といわれています。
高血圧の薬はたくさん出ていて、国内の多くの人の血圧はガイドラインの正常血圧に保たれています。
しかし、1995年以降は心臓病による死亡が増えています。
(1995年までの統計では死んだときは心臓が止まっているので、
心不全で死亡と記載する医者が多かったので原因となった病気を記載するような指導が出ました。)
数字上は10万人に158.4人です。0.1%にも満たない数字で、
これに高血圧の薬を飲み続ける意味があるのでしょうか。
まだ状況証拠ではありますが、血圧値が薬剤などで抑えられると認知症が増えてくるという疫学データがあります。
ただし、この研究は血圧の正常化と認知症の増加をとらえるために行われたものですのであくまでも仮説です。
高血圧症薬の断り方
健康診断などで高血圧の恐れがあるので、病院に行けと言われることがあります。
その時に自分の仕事を考えてみましょう。それぐらいの血圧が必要な仕事をしていませんか?それを確かめるために、
少し散歩などの運動療法を行ってみましょう。
それで血圧が下がるようなら、運動療法が効いたという事なので、医者に行く必要はありません。
先ほどの10万人に158.4人という割合が自分に取って大きな数値だと考えるなら、高血圧症の薬をもらって下さい。
高コレステロール血症
高コレステロール血症の薬はスタチン系薬剤ともよばれます。
家族性高コレステロール血症のコレステロール値を下げることのできる初めての薬で、発売当時は非常に高い評価を受けました。
また生活習慣病である高コレステロール血症に対してもコレステロールを下げることから、
現在では3500億円の市場となっています。
日本の薬剤費は6兆円ですから薬剤費に占めるコレステロール血症の割合は16%です。
スタチン系薬剤はどのように効果があるのか
スタチン系薬剤は肝臓でのコレステロール合成を阻害して、コレステロールを下げるとされています。悪玉コレステロールと善玉コレステロール
コレステロールに善玉と悪玉がいることはご存じでしょう。悪玉コレステロールは肝臓で合成されたコレステロールを、血管を通し各臓器に分配する役目をもっています。
各臓器に分配されたコレステロールはホルモンや細胞壁の減量を促進します。
善玉コレステロールは各臓器で余ったコレステロールを回収して肝臓に運んで、
肝臓はそのコレステロールを分解して再利用できるようにするのです。
しかし、悪玉コレステロールを必要以上に減らすと、ホルモンのバランスが崩れ、
ホルモン依存性の前立腺がんの増加や女性の更年期障害の症状を強くする可能性があります。
高コレステロール血症を使うエビデンス
長期に使っている人は、使っていない人よりも長生きし、
動脈硬化になる可能性が高いことが示されているとよくテレビの健康番組で取り上げられていますが、
日本人のデータでは示せていません。
10秒でで読める私が飲まない薬のまとめ
インフルエンザ
・インフルエンザ薬は高齢者と幼児以外は必要ない。高血圧症
・高血圧症の治療の第一選択は食事と運動。・血圧は仕事や環境で容易に上がるが、その原因がのぞかれると、もとにもどる。
・心疾患で死ぬのは10万人に158.4人、リスクが3倍になっても500人、それでも飲み続けるかは本人の判断です。
高コレステロール血症
・今の高コレステロール血症の薬剤の主流はスタチン系薬剤。家族性コレステロール血症には必須の薬。・生活習慣病に分類される高コレステロール血症にスタチン系薬剤を使わない選択肢もある。
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参考資料
・インフルエンザの基礎知識(厚生労働省平成19年12月)
・インフルエンザの臨床経過中に発生する脳炎・脳症の疫学及び病態に関する研究班報告書
・ゾフルーザの審査報告書-2
・ゾフルーザ添付文書
・タミフルカプセル添付文書
・高血圧治療ガイドライン・エッセンス
・高血圧治療ガイドライン2019 日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会 編 本体価格3,200円+税
・久山町研究 認知症
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・MSDマニュアル 家庭版 脂質異常症(高脂血症)
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