東洋医学からみた「夏」の食養生・過ごし方。汗にまつわるトラブルと対策方法もご紹介。
こんにちは、上級望診法指導士、国際薬膳師の霜崎ひろみです。
急に暑くなったと同時に、不安定な天候が続き、各地で大災害が起きています。
亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、できるだけ早い復旧、
そして、これ以上の災害や被害が起こらないことを祈るばかりです。
宇宙と人間
さて、東洋医学では、人間は、天と地の気が混ざり合いできたものとされています。
これを「天人合一」といいます。天と地の間に人間が存在するといったイメージです。
人間も宇宙であり、自然の一部ということ。天地を大宇宙とすると、人間は小宇宙。
大宇宙が変化すると、小宇宙も変化します。
天災が起こるということは、宇宙の秩序が乱れているとも考えられます。
私たち小宇宙である人間が自然の秩序に沿って暮らすことが、
自分たちの健康だけでなく、巡り巡って、宇宙全体の調和につながるかもしれません。
こういった東洋医学的な考え方を、時々思い起こしていただけると幸いです。
東洋医学的にみる夏の過ごし方
二十四節気
「二十四節気」とは、一年を四季に分け、さらに一つの季節を六つに区分し、合計二十四に区分したものです。その二十四節気では、「夏」は、
立夏(2018年は5/5)から立秋(2018年は8/7)までの期間のことを指しています。
立秋の前までは、「暑中お見舞い」ですが、そのあとは、「残暑お見舞い」
であるように、現在でも日常のところどころで使われいます。
前回の記事でも少しだけ触れましたが、「夏至」は、一年の中で、
「陽気」が一番強い時で、その後、体感は暑くてこれからが夏本番という感じでも、
徐々に徐々に「陰気」が増え始めていきます。
「陰」「陽」はどちらか片方では存在できず、「陰」があってこその「陽」であり、
「陽」があってこその「陰」。よって、一番「陽気」の強い「夏至」でも、
夏の照りつける太陽の元でも、「陰」は存在しているのです。
そして、2018年は、ちょうど七夕の日が小暑。
梅雨が明け、実際はこれから暑さがピークとなっていく頃、
「暑さ」に「湿気」も伴う季節です。
冬の病は夏に治す
繰り返し書いていますが、この暑い夏をどう過ごすかで、次の季節、さらにその次の季節の体調が決まります。
「冬病夏治(冬の病は夏に治すチャンスがある。)」という言葉もあるほどです。
毎年、秋冬に風邪をひきすかったり、春先から花粉症に悩む方は、ぜひ、今年の夏に、積極的に養生をしてください。
体は、季節に感応する
植物は、自然界の一部です。誰に教えられたわけでもなく、春が来ると新芽を出し、夏が来ると青々とした葉を茂らせます。
自然界の気(エネルギー)に植物が感応し、変化しているのです。
前述したように、私たちも、自然界の一部です。
ということは、私たちも知らず知らずのうちに、春には春、夏には夏に合わせ、植物のように変化しているのです。
意識していなくとも、体が変化しているのなら、その季節にふさわしい暮らしをすることが、私たちにはベストということです。
東洋医学で考える「夏」
東洋医学のバイブルともいえる『黄帝内経』では、「夏」は次のように記されています。夏は、天の気(エネルギー)と地の気(エネルギー)が交わり、この世のすべてのものが花開き実る季節である
。夜は横になり、朝は早く起きる。
夏の日差しや日の長さを嫌がらず、「怒」の感情を持たないようにするべきである。
草花が生い茂り、花咲かせるように、人間も気(エネルギー)を発散させるのがよい。こうすることが、夏の「長気」を養うことにつながる。
しかし、これに逆らっていると、「心」を傷めることになり、秋には咳が出て、秋の気(エネルギー)を十分に受け取ることができない。
そして、冬には病気を何度もするだろう。
。夜は横になり、朝は早く起きる。
夏の日差しや日の長さを嫌がらず、「怒」の感情を持たないようにするべきである。
草花が生い茂り、花咲かせるように、人間も気(エネルギー)を発散させるのがよい。こうすることが、夏の「長気」を養うことにつながる。
しかし、これに逆らっていると、「心」を傷めることになり、秋には咳が出て、秋の気(エネルギー)を十分に受け取ることができない。
そして、冬には病気を何度もするだろう。
つまり、自然に合った夏の過ごし方とは・・・
☀朝は早く起きる
☀夏は外へ出て日差しを浴びる
☀怒らない
☀気(エネルギー)を発散させる
体内の「気」を発散させる
新陳代謝を活発にさせ、体温調節をするためにも、夏は「汗」を適度にかくことを心がけましょう。「汗」をかかないと、夏の自然の摂理にある「発散」することが
できないのです。
「汗」
東洋医学で、「汗」を考えると、「汗」は、その中に体を守る「気」を含んだ液体です。汗をかくことによって、皮膚表面まで、「気」を運んでくれる役割があります。
その他、体のいらないもの(老廃物)や邪気を出してくれる役割も担っています。
発散の季節に、適度に汗をかくことは、自然の摂理に合っているだけでなく、
私たちの体を健やかにするために、必要なことだとわかります。
でも、中には、「汗」が出にくい、「汗」が出過ぎて止まらないという方も
いらっしゃいます。そういったときは、体調が芳しくないことが予測できます。
東洋医学的「汗」のよくあるトラブルとお助け食材
東洋医学で考える主な「汗」のトラブルには、以下のようなパターンがあります。当てはまるものがあれば、お助け食材で体のケアをしましょう。
■汗が出にくい
①体が冷えている
汗にはいくつか種類がありますが、汗とともに散熱することで、
体温を調節することは知られています。体が冷えていれば、
汗をかいて散熱する必要はなく、逆に体の熱を保たなければなりません。
■体を温めるお助け食材
海老、いわな、豚肉、くるみ など
● 天然くまざさ入浴剤
*運動をする、風呂につかるなど、体を芯から温めることも大切です。
汗にはいくつか種類がありますが、汗とともに散熱することで、
体温を調節することは知られています。体が冷えていれば、
汗をかいて散熱する必要はなく、逆に体の熱を保たなければなりません。
■体を温めるお助け食材
海老、いわな、豚肉、くるみ など
● 天然くまざさ入浴剤
*運動をする、風呂につかるなど、体を芯から温めることも大切です。
②老廃物が多く、新陳代謝が悪い
東洋医学では、体の中にある老廃物を「痰湿」といいます。
「痰湿」がたまると、血液の流れ、気の流れ、水分の流れも滞りがちです。
脂っこいものや甘い物を多食する人、何でも食べ過ぎの人は、
いずれかの「滞り」があるために、発汗しづらく、蒸し暑い夏は特に、
体に熱がこもりやすい傾向にあります。
■体の熱をとりながら湿気を出すお助け食材
冬瓜、小豆、海藻、はとむぎ、どくだみ茶 など
*脂っこいもの、抽象的ですが、「べたべたな感じ」のする食べ物は避けましょう。
東洋医学では、体の中にある老廃物を「痰湿」といいます。
「痰湿」がたまると、血液の流れ、気の流れ、水分の流れも滞りがちです。
脂っこいものや甘い物を多食する人、何でも食べ過ぎの人は、
いずれかの「滞り」があるために、発汗しづらく、蒸し暑い夏は特に、
体に熱がこもりやすい傾向にあります。
■体の熱をとりながら湿気を出すお助け食材
冬瓜、小豆、海藻、はとむぎ、どくだみ茶 など
● どくだみ入り野草茶
*脂っこいもの、抽象的ですが、「べたべたな感じ」のする食べ物は避けましょう。
③その他、自律神経や甲状腺に異常がある病気の場合もありますので、
①②に該当しない方は、受診するなども検討しましょう。
■汗が止まらない
①「気」が足りない
「気」には、漏れ出るものを止める働きがあります。
よって、汗が適度に出たら止まるのは、「気」の力がなせる技。
しかし、暑い夏に汗が出るのは当然ですが、涼しい室内に入っても汗が止まらない、
少し動いただけで汗がでる時は、「気」が不足していることが考えられます。
■体に気をプラスするお助け食材
米、芋類、青菜(ほうれん草や小松菜)、蓮の実 など
「気」には、漏れ出るものを止める働きがあります。
よって、汗が適度に出たら止まるのは、「気」の力がなせる技。
しかし、暑い夏に汗が出るのは当然ですが、涼しい室内に入っても汗が止まらない、
少し動いただけで汗がでる時は、「気」が不足していることが考えられます。
■体に気をプラスするお助け食材
米、芋類、青菜(ほうれん草や小松菜)、蓮の実 など
● 無農薬米
②体の中の「陰液」(水分)が足りない
東洋医学では、体の中のきれいな水分や血液を「陰液」といいます。
体は、「陰」「陽」のバランスをとっています。
「陰液」が不足すると、体がほてり、特に、寝ている間に汗をかくことがあります。
暑い室内で就寝中に適度に汗をかく場合はよいのですが、暑くなくても「寝汗をかく」
という場合は、「陰液」不足が予測ができます。
■「陰液」を補うお助け食材
白きくらげ、白ごま、百合根、ホタテ貝、ムール貝 など
東洋医学では、体の中のきれいな水分や血液を「陰液」といいます。
体は、「陰」「陽」のバランスをとっています。
「陰液」が不足すると、体がほてり、特に、寝ている間に汗をかくことがあります。
暑い室内で就寝中に適度に汗をかく場合はよいのですが、暑くなくても「寝汗をかく」
という場合は、「陰液」不足が予測ができます。
■「陰液」を補うお助け食材
白きくらげ、白ごま、百合根、ホタテ貝、ムール貝 など
猛暑、酷暑がこれからもしばらく続きますが、先を見越して、
次の季節も元気に過ごせるように、夏の養生法を参考にお過ごしくださいね。
適度な水分補給もお忘れなく!
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