アメリカ牛をはじめとした安価な輸入牛肉に隠された闇|安全な牛肉の選び方と今すぐできる下ごしらえの一工夫とは。
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いよいよ夏休みも後半ですね!!
今日も元気なKasumi Fujimakiです。
皆さん、この夏はバーベキューをされましたか?
キーンと良く冷えたビール片手に、
家族や友達とワイワイ楽しくしゃべりながら食べる牛肉。
“パクッと、一口!”と、いきたいところですが、
その前にちょっと待った!!
そのお肉は、どこから来たのでしょうか?
今回は、スーパーでもよく見かける
アメリカ産の牛肉についてお話をしていきます。
なんでそんなに安いの?アメリカ産の牛肉に隠された危険
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スーパーの肉コーナーには、
いろいろな産地の牛肉が並んでいます。
あなたはアメリカ産の牛肉が国産に比べて、
あまりに安いことにびっくりしたことはありませんか?
まずは、その理由の一つである肥育促進剤についてお伝えしていきます。
それって必要?生産効率アップの為に使用される肥育促進剤
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肥育促進剤とは、
牛や豚などの肥育を促進するために使用される
肥育ホルモン(動物用医薬品)やラクトパミン(飼料添加物)のことです。
この肥育促進剤を子牛に投与すると成長が早まり、
乳牛に投与すると乳量が増加するため、
多くの牛に使用されています。
ですが肥育促進剤は、
1980年頃から安全性に問題があると言われ続けています。
具体的には、
アレルギーを引き起こす可能性
ホルモンへの影響
乳がんを発生させる危険
が高まるといったことです。
北海道大学の研究(※1)によると、
道内のスーパーで販売されている牛肉に含まれるエストロゲン濃度を調べたところ、
国産牛に比べてアメリカ産牛肉は、
赤身で600倍、脂肪で140倍も濃度が高かったことが明らかになりました。
エストロゲンとは、牛の肥育剤として使用されているホルモンのことで、
これを牛に与えると肥育期間が短くなり、
利益が10%程度増えると言われています。
検出されたのはエストロゲンの中でも特に危険性のあるエストラジオールで、
ホルモン活性が同じくエストロゲンの1種であるエストロンよりも10倍高いものです。
エストロゲンがホルモンに依存して発症するがんの危険因子であることは
今では医学部の教科書レベルの当たり前の話になっているそうです。
ちなみに肥育促進剤はアメリカだけでなく、
カナダやオーストラリアなど広い地域で使用が認められています。
日本では畜産関係者からのニーズがないので、国は使用を許可していません。
また欧州では、肥育促進剤に十分な安全性がないとして、
1980年代中頃よりアメリカからの牛肉の輸入を止めています。
一方、日本はというと、
アメリカを含む外国からの牛肉の輸入は年々増えています。
肥育促進剤の話だけでも心配ですが、
アメリカ産の牛肉を避けたい理由は他にもあります。
抗生物質の70%は畜産用!?
アメリカで広がる薬剤耐性菌の危険
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アメリカでは、製造される抗生物質の約70%が畜産用に使用されています。
大量に抗生物質が使用された結果、
アメリカでは薬剤耐性菌が増え、
今までの治療が効かず亡くなる人が増えてきています。
普通ならこの流れで、
「抗生物質の使用は減らしていこう!」となると思いますが、
そうはなりませんでした。
どういうことかというと、
この薬剤耐性菌の対策として食肉への放射線照射が認められてしまったのです。
この危険性については、以前の記事でもお伝えしています。
ガンの恐れがある「放射線照射食品」が日本のスーパーに増加するリスク。遺伝子組み換えだけじゃない!日米TAGが私たちの食卓に及ぼす影響とは。
FAO(国連食糧農業機関)は、
食肉への放射線照射に危険はないと報告していますが、
そもそもあなたは放射線で殺菌された牛肉を食べたいでしょうか?
おそらくわざわざ好きで食べたいという方はいらっしゃらないと思います。
ほとんどのアメリカ産牛肉は、
遺伝子組み換え飼料が餌として与えられている
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アメリカの映画「キングコーン」が一部日本でも上映されて話題になりましたが、
世界の75%で普及しており、
アメリカのとうもろこし生産の大多数を占めるこのとうもろこしは、
モンサント社によって開発された遺伝子組み換え植物です。
その多くは家畜用飼料として与えられているといわれます。
カナダでは、2011年に
「妊娠した女性の93%、胎児の80%から、
遺伝子組み換え経緯の有毒成分(Cry1Ab)が検出された」
という調査結果が発表されています。
この結果は、牛肉を食べていれば知らず知らずのうちに、
遺伝子組み換え食品を体に取り込んでしまう可能性の高さを如実に物語っています。
以前IN YOUでもキングコーンの問題について取り上げています。
遺伝子組み換えの問題点!恐怖のキングコーンがあなたの食卓に
ではなぜ、肥育促進剤や薬剤耐性菌、遺伝子組み換え飼料など、
さまざまな問題が多いアメリカ産の牛肉が、
どんどん日本に輸入されているのでしょうか?
アメリカ産の牛肉が重宝される本当の理由
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どうしてアメリカ産の牛肉が大量に日本に入ってくるかというと、
オーストラリア産と違って肉の部位ごとに売ってくれるからです。
ちなみにこの場合の肉の部位とはロースやタンなどではなく、
“くず肉”といって、
本来なら使い物にならない横隔膜や腸などの部位のことをいいます。
安いくず肉が重宝される理由は、
成型加工肉の材料になるからです。
成型加工肉とは、
くず肉を接着剤でくっつけて固めて作られる肉もどきのことで、
牛丼屋やファミリーレストランのステーキなどに使われています。
ここまで読まれた方の中には、
「アメリカ産の牛肉って、いろいろ心配だなぁ」
「これからは国産の牛肉を買うようにしよう!」
と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
次は、国産の牛肉の裏側についてお話をしていきます。
国産の肉は、安全?危険?国産の牛肉の裏事情
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実は“国産の牛=日本で生まれ育った牛”ではないことをご存知でしょうか?
今、何人かの方は“どういうこと?”と思われたかもしれません。
国産牛とは、乳牛のホルスタイン種のオスを去勢したり、
搾乳できなくなったメスを食用にしたものも含まれます。
また、外国で育った牛でも生きたまま輸入して、
日本での飼育期間がいちばん長ければ“国産”と表示できます。
例えば、A国で生まれて12か月間育てられた後、
日本に輸入されて18カ月間飼育された牛は、
日本での飼育期間がいちばん長いので国産と表示されます。
そのため国産の牛肉であったとしても、
アメリカなどで飼育されたことがあれば、
肥育促進剤や遺伝子組み換え飼料が使用されていた可能性はあります。
この肥育促進剤の危険について農林水産省は、
アメリカなどでの肥育促進剤の使用は、
FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)が決めた基準よりも低いので安全だとしています。
また抗生物質に関しては、
日本でも使用が認められているので、
牛肉に限らず、豚肉や鶏肉、養殖魚などで残留の危険があります。
遺伝子組み換え飼料に関しても、
日本の家畜用飼料の自給率が3割弱(※3)、
穀物(とうもろこし・飼料用米等)やエコフィード(パンくずなど)、
糠・粕類(ふすま・大豆油粕等)などの濃厚飼料については、
自給率がたったの10数パーセントであることから考えると、
残りの大部分は輸入飼料、
しかも遺伝子組み換えである可能性が非常に高いです。
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とはいえ、牛肉を食べたい時もあると思うので、
次は安心な肉の選び方のお話をしていきます。
牛肉を食べたい時はどうしたらいいの?安心な牛肉の選び方
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最近では、食肉事情や自分の体質など様々な理由で、
ヴィーガンやプラントベースといった
肉から離れる選択をされた方も多くいらっしゃいます。
ですが今回は、
「やっぱり牛肉は美味しい!!楽しみとしてたまには食べたい!」
という方向けに、牛肉の選び方をご紹介します。
家畜の命を尊重するアニマルウェルフェアをご存知ですか?
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IN YOUの読者の方はもうご存知かもしれませんが、
アニマルウェルフェアと呼ばれる、
“快適性に配慮した家畜の飼養管理”の考え方があります。
これは、BSE(牛海綿状脳症)の大流行をきっかけに
1990年代にヨーロッパで生まれた考え方です。
日本ではまだ広く知られてはいませんが、
早くからこの考えを取り入れてきた生産者の方や
食への安全志向が高まるとともに少しずつ広まってきました。
どういう飼養方法なのかというと、
例えば、広くゆったりとした牛舎での飼養や放牧、
不必要な抗生物質などの投薬はしない、
遺伝子組み換え飼料の不使用などです。(※2)
もちろんアニマルウェルフェアの考えは、
牛だけではなく、豚や鶏にも適用されています。
アニマルウェルフェアの食肉は、
オーガニック食材などこだわりの商品を扱うスーパーや宅配業者、
ネット販売などで購入できます。
ただし、生産者や団体によって飼養内容に違いがあるので、
どんなことにこだわっているのかを
購入前にホームページなどで確認しましょう。
アニマルウェルフェアの歴史についてもう少し詳しく知りたい方は、
こちらの記事も参考にしてくださいね。
スーパーで販売される安価な食肉や畜産物の裏側。薬剤の多量投与・遺伝子組み換え飼料・ストレス過多の飼育が動物と人間に及ぼす悪影響。アニマルウェルフェアをご存知ですか?私たち消費者の正しい選択でオーガニック畜産物を広げよう
国産の牛肉を食べる時は、下ごしらえがポイント
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記事の中で紹介したように国産の牛肉には、
肥育促進剤や女性ホルモン、抗生物質だけでなく、
有機リン系農薬、ダイオキシンなどの心配があります。
ですが、状況によっては、
国産の肉しか手に入らない時もあると思います。
そんな時に役に立つ下ごしらえの工夫を以下にまとめました。
・肥育促進剤や女性ホルモンは肉や肝臓にたまりやすい
⇒有害物質を引き出す醤油や味噌などの調味液に10分ほどつける。
調味液をいったん捨て、牛肉についた調味液を軽く取り除き、もう一度調味液につける
・有機塩素系農薬やダイオキシンは、脂肪部分にたまりやすい
⇒脂身をカットしてきれいに取り除く。熱湯でサッとゆでる。
また、煮込んでいる時に浮いてきたアクを丁寧にすくう。
良かったら参考にしてくださいね。
安心して食べられる安全な食品を増やしませんか?
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いかがでしょうか?
もう一度最後に今回の記事についておさらいをします。
・安いアメリカ産の牛肉は、肥育促進剤や抗生物質の危険がある
・日本では、外国で生まれ育った牛でも、日本での飼育期間がいちばん長い場合は、“国産”と表示できる
・アニマルウェルフェアの肉や下ごしらえを工夫して、自分や大切な人の健康を守ろう
その人の考え方や経済状況によって、
何を食べるのか、食にどこまでの安全を求めるのかは違います。
ですが、誰でもおいしくて安全なものを食べたいと願う気持ちはあると思います。
この記事をきっかけに、
昨日よりも今日、今日よりも明日と、
より安全なものを選ぶ人が一人でも増えて、
あなたやあなたの大切な人が安心して食べられる食品が増えることを願っています。
(出典)
※1:「ホルモン漬けアメリカ産牛肉」が乳がん、前立腺がんを引き起こすリスク(文春オンライン)
※2アニマルウェルフェアとは(一般社団法人アニマルウェルフェア畜産協会)
※3飼料自給率について(農林水産省)
あなたの食の安全と健康を守る!
IN YOU Marketのマストバイアイテム
こちらの記事もおすすめです
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