顔と内蔵の相関関係を知る！マクロビオティック望診法とは！？

マクロビオティックでは「あなたのカラダはあなたの食べたものでできている」と言いますが、
さらに興味深いのは、顔の表情を見ただけで、内蔵の調子までわかったしまうことです。
これを「望診法」といいます。顔にはそれほど健康状態が出ているもので、顔と内蔵は相関関係にあります。

例えば、あごに吹き出物ができたとします。
これは卵やチーズ、 豆のような陽のエネルギーが多すぎて、子宮や卵巣に問題があることを教えてくれます。
吹き出物が赤ければ甘いもの、黄色ければチーズのような 乳製品、白ければ豆や脂肪が多すぎる、
というようなことがわかってしまうのです。
あごがふたつに割れている人は乳製品の摂り過ぎだとも言われます。
見る人が見ると全てわかってしまうんですね。まるで深層心理を見透かされてしまうような気分です。
しかし、知っていると自分の健康管理には役立つでしょう。

もう少しいうと、四診（ししん）という東洋医学の主体となる診断法があります。
「望・聞・問・切」の四つをもって四診と呼んでいます。 望・聞・問・切とは、望診、聞診、問診、切診のことです。

望診法とは体を見ることで診断する方法のことです。
主に顔や上腕などの皮膚の血色を見て診断します。「顔面診」「舌診」「尺膚診」に分けられます。

顔面診…顔の皮膚の色で診断を行う方法。
眉間＝心の色が表れる。またその人の神気を見る。
左頬＝肝の色が表れる。
右頬＝肺の色が表れる。
鼻＝脾の色が表れる。酒毒による熱があると、鼻が赤くのはこれによる。
顎＝腎の色が表れる。

舌診…舌の色や、舌を覆うこけ状の物（舌苔＝ぜったい）を観察して診断します。
よく知られているのは、淡黄色の舌苔で、小柴胡湯（しょうさいことう）などの証とされています。
（小柴胡湯とは、肺炎、感冒、慢性肝炎、胃腸疾患などに用いられる漢方薬の一種。）
中国では舌診の研究がかなり盛んです。

尺膚診…前腕前面の皮膚の色を見て診断する方法です。
日に焼けにくい部位なので、皮膚本来の色が見やすいと考えられます。
青＝肝の色。風と関係する。本来は静脈の色なので、血行が悪いことを意味する。
赤＝心の色。熱と関係する。動脈と関係がある。
黄＝脾の色。湿と関係する。脂肪の多い状態か。
白＝肺の色。本来、皮膚は白くきれいな方がよいが、血色の悪い状態ともいえる。
黒＝腎の色。疲労や老化により、皮膚が黒ずんでくるものをいっていると考えられる。

顔と内蔵の相関関係を知ろう

このようになっています。吹き出物がでやすい場所があるならば、
それは臓器からの何かのサインと言えるでしょう。

（出典：看護roo!）

口と唇の状態は消化器とその機能を表しています。 心身共に強い人は、口の幅が小鼻の外側より狭いとされています。現代人の口は急速に大きくなっていると言われていますが、それは、身体的、精神的状態の一般的な退化を意味しています。

現代人における口の拡大は、ジャガイモやトマト、果物やジュース、砂糖やその他の甘いもの、油脂類、コーヒーやその他の飲み物の取り過ぎによるものであり、その他、胎生期に母親が食べたものも要因にあげられます。

望診法は中国の陰陽五行がベースになっている

望診法はマクロビオティックのベースとなっ ている理論で、中国に古くから伝わる「陰陽五行」が基になっています。
陰陽五行は、中国の春秋戦国時代ごろに誕生した陰陽思想と五行思想の二つが結びついて生まれたもので、
私たちが生きる自然界のあらゆるものは、陰と陽の二つによって絶え間なく生成と消滅を繰り返しています。
陰と陽とはそれぞれ別なものではなくて、互いに反対のものなのに補い合うものと考えられています。
表と裏、 男と女、光と闇の関係と考えると理解しやすいかもしれません。

これをさらに進めて、1年を木(春)・火(夏)・ 土(晩夏)・金(秋)・水(冬)に分け、
そこに臓器をあてたのが陰陽五行です。この陰陽五行を使うと色や味をはじめ、
感情など体に出るあらゆることが、それぞれ大切な意味をもっていることが わかります。
どの食べ物の摂取が多くてどこの臓器が悪くなっているかがわかれば、病気予防にもなりますし、
何より日常の健康管理に大いに役立つものです。

太極図で見てみましょう。五行は、一日の流れ、一年の季節、あるいは人の一生など、
あらゆる現象を木・火・ 土・金・水の五つに分類しています。木から火が生まれ、火は土（灰）をつくり、
土から金（鉱物）が生まれ、金が水を産み、水は木を養います。
陰と陽の二つだけでは補えないことをこの五行が補足してくれます。
たとえば、体に出るさまざまな色によって弱っている臓器を知り、どんな味を補えばよいかがわかります。

自然も人の体も感情も、五つに分類される

（出典：美人のレシピ）

夏を見てみましょう。夏は生長の季節です。春に芽生えた草木が繁茂する季節で、
配当表では「暑」になります。天の気が最も強い陽気に溢れると、地からは
反対の陰の気をもった植物がどんどん大きくなります。この季節は
体の隅々に血液を配る心臓が最も活発に働く「拡散」の季節です。

いちばん暑さが厳しい季節ですから心臓は火に配当され、赤い色として出ます。
熱さに焦がされた地は苦味を発生させます。心臓を補う苦味は五穀ではひえ、
野菜ではゴーヤやピーマン、かぶ、 あるいはおこげなど焦がしたものなどです。
肉などの陽性のエネルギーがたまりすぎたときは酸味や辛味などを使い、
陰性のエネルギーがたまったときは塩味や海藻など、
火を消す水に配当される蜘昧食材がよいといわれています。

陰陽のものさしで食事の対応を考える

陰は拡げ、ゆるめ、冷やし、止める働きがあり、陽は縮め、固くし、温め、動かす働きがあります。
どちらがよいというのではなく、陰と陽の調和がいちばん大事です。
今の自分が陰陽どちらなのかを知り、その調和をとればいいのです。

（出典：美人のレシピ）

具体的には、行動力のある陽性タイプが何かうまくいかなっかたり、
トラブルを起こしている場合、 陰性食品を上手にとったり、薄味にしたり、水分を多くしたりして、
食事や飲み物の対応をします。逆に行動ができない陰性タイプがトラブルを起こしている場合、
陽性食品をとったり、濃いめの味にしたり、水分を控えたりして対応します。
自然の食材で行っていくことなので、効果はゆっくりですが、それでも必ずバランスをとっていくようになり、
トラブル解消につながっていくとさえ言われています。

私たちが思っている以上に食生活は自分の人生に大きな影響を与えていることがわかります。
季節がかわっていく時期、何か新しいことをやろうとしたり、
やめたりするタイミングに食のバランスをうまくコントロールしてみることは大いに自分の中に取り入れたいですね。

参考文献）美人のレシピ／洋泉社（2007年）山村 慎一郎 （著）中島 デコ（著）

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