ココナッツミルクの正しい選び方。ココナッツブームの裏側にある悲惨な動物虐待の裏事情と生産背景。
ヴィーガン料理に欠かせないココナッツミルク。
IN YOUでは数多くのヴィーガンレシピをご紹介していますが、
その材料として頻繁に登場するココナッツミルク。
牛乳の代替品として欠かせないものです。
また、牛乳の代替品としてではなく元々ココナッツミルクを使う東南アジア料理も数多くあり、
ココナッツ独特の香りが食欲をそそります。
かつては日本ではあまり見かけなかった食材ですが、最近ではスーパーでも置いていたり、
ネット通販もあるので手に入りやすくなりましたね。
そもそもココナッツミルクって?
ココナッツとは、ココヤシの実を指します。ココナッツの内部にある胚乳と呼ばれる白い部分を削り取り、煮出して濾過したものがココナッツミルク。
南国ではココナッツの実に穴を開けてストローを差して飲んでいるのをイメージすると思いますが、
あれはココナッツミルクではなくココナッツウォーター(ココナッツジュース)と呼ばれるもので、
透明のさっぱりした液体です。
ココナッツミルクどうやって選んでますか?
みなさんはココナッツミルクを買う時どのように選んでいますか?とりあえず値段の安いもの、少しだけ欲しいから容量の少ないもの、好きなブランドのもの・・・
ココナッツミルクの原材料は商品によりまったく違う!
一見どれも同じように見えるココナッツミルクですが、
原材料を見ると商品によりまったく異なることがわかります。
今回はココナッツミルクを選ぶ時に是非チェックしてほしいポイントをご紹介したいと思います。
ココナッツミルクを選ぶ時のチェックポイント
食品添加物は入っているか。
同じココナッツミルクでもココナッツと水のみのもの、食品添加物の入ったものがあり、
添加物の種類や組み合わせも様々。
どんなものが入っているか頭に入れておき、気になる添加物は避けるようにしましょう。
<ココナッツミルクに使われる主な食品添加物>
・安定剤:グァーガム、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース(CMC)など
これらは「増粘多糖類」と表示されることもあります。グァーガムはオーガニック商品でも使用が認められているため
添加物の中でも安全性の高いものと言えますが、
人によってはリーキーガット症候群など消化器トラブルの原因になることがあるので、
グァーガムを摂るとお腹の調子が悪くなる人は控えましょう。
キサンタンガムについてもお腹がゆるくなる、排便回数が増える、
ガスが溜まってお腹が張ることがあるので注意しましょう。
・増粘剤:グァーガム、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース(CMC)など
・乳化剤:ポリソルベート60、ショ糖脂肪酸エステル、大豆レシチンなど
乳化剤はリーキーガット症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病、結腸がん、アレルギーとの関連が疑われています。・漂白剤:亜硫酸塩など
ココナッツミルク本来の色はグレーがかっているため、漂白剤が使用されることも。亜硫酸塩は頭痛や胃腸への刺激の原因と言われています。
・保存料:亜硫酸塩など
・酸化防止剤:亜硫酸塩、クエン酸など
https://draxe.com/what-is-xanthan-gum/
安定剤・増粘剤・乳化剤はココナッツミルクの分離を防ぐために添加されます。
なめらかなデザートを作りたい時や、缶の中から少量だけ取り出して使いたい場合は
無添加のものだと分離しやすく使いづらいかもしれません。
ただ、これも商品によりけりで、同じ無添加でも分離していないものもあればひどく
分離し塊がゴロゴロ入っているようなものもあります。
色々な商品を試して使いやすいものを見つけると良いでしょう。
冷蔵庫で冷やして油分と水分を分離させ、油分のみ料理に使いたい場合は無添加のものが重宝します。
BPAフリーかどうか。
多くのココナッツミルクは缶詰で売られています。
缶といえば心配なのがBPA(ビスフェノールA)。
BPAとは缶の内側のコーティングに使われる素材で、様々な健康への悪影響が懸念されています。
詳しくはこちらの記事をご参照ください。
その缶詰、ラップ、弁当箱、大丈夫ですか?乳がんの原因にもなる有害な環境ホルモン・BPA(ビスフェノールA)の影響と対策方法。
BPAは酸の強いもの、塩分の濃いものの他に脂肪分の多いものにも
溶け出しやすいのでココナッツミルクも注意したいもののひとつ。
(パック入りの場合はBPAの心配はありません。)
また、オーガニックの缶詰ならばすべてBPAフリーだと思っている方もいるようですが、オーガニックでもBPAフリーでないものもあります。
必ず缶のラベルに「BPAフリー」の表示があるかどうかチェックしてくださいね。
農薬の心配はあまりないが、オーガニックの商品の方がベター。
ちなみに、ココナッツは基本的に農薬や肥料を必要としないため、
オーガニックの商品でなくてもそこまで神経質になることはありません。
ただ、事実としてオーガニックの商品の方が「缶がBPAフリーのものが多い」
「無添加または食品添加物の少ないものが多い」という傾向があるので、
オーガニックを選んだ方が無難でしょう。
出典:http://grow.oxfam.jp/revolution/archive/vol7_coconut/
おすすめココナッツミルク
日本のネット通販を検索した限りでは、「オーガニック」「無添加」「BPAフリー」をすべて満たしたココナッツミルクは販売されていないようです。
(海外在住のため実店舗での市場調査ができません。もしご存じの方は教えていただけると嬉しいです!)
そのため、何を重視して選ぶかでおすすめの商品は変わってきます。
今回は特におすすめしたい異なる3タイプのココナッツミルクをご紹介。
オーガニックココナッツミルク(レインフォレストハーブ社)
その名も「オーガニックココナッツミルク」(笑)。グァーガムも有機のものを使用しています。
缶がBPAフリーのココナッツミルクは日本の通販サイトではこちらの商品のみでした。
KARA クラシック ココナッツミルク
こちらのブランドはすべてハラール認証済。缶入りのココナッツミルクはハラールの他にコーシャー認証も受けているので、
ユダヤ教徒のお客様が利用する飲食店の方は重宝すると思います。
東京オリンピックで様々な国から様々な宗教の方が来ることを考えると需要は上がるでしょう。
ただし、缶がBPAフリーではないのでパック入りの方が安心です。
パック入りは容量が200mlと少ないので、缶入りだと使い切れないという人にもおすすめ。
ユウキ食品 ココナツミルク
とにかく無添加のものがいい!という方にはこちら。(残念ながら缶はBPAフリーではありませんが)
165mlのベビー缶もあるので少量だけ欲しい人にも便利ですよ。
効率化と人件費削減のために猿にココナッツ採取をさせている現実!
ココナッツ生産現場の悲しい一面。
IN YOU読者のみなさんは食品の原材料そのものはもちろん、
生産背景についても関心のある方が多いかと思います。
信じられない話ですが、ココナッツ主要生産地の東南アジアでは
マカクという種類の猿にココナッツ採取をさせています。
タイ産のココナッツではオイルや実として販売されるものの99%は猿が採取しているというから驚きです。
出典:http://media.npr.org/assets/img/2015/10/16/qu002937_custom-f52e22f3f8a1b1a4c74c3f60e4deb1ddafb3ce9f-s900-c85.jpg
彼らはココナッツの実を穫る能力においては人間の比ではなく、
さらに人件費もかからないということで奴隷として働かされているのです。
メスは約600個、オスは1日約1600個も採取できるとのこと。
ちなみに人間は1日約80個しか採取できません。
悪徳な事業者たちは野生の赤ちゃん猿を捕まえ、
ココナッツ採取の訓練所で虐待しながらウェイトトレーニングをさせ、
穫り方や熟れた実の見分け方を教育し、一生ロープにつないだままココナッツ採取に従事させるのです。
赤ちゃんを捕まえる時、我が子を守ろうとするお母さん猿は銃で撃ち殺されるそうです。
児童労働、低賃金などの問題はみなさんご存じのことと思いますが、
猿に労働をさせて生産しているものが身近にあるなんて考えもしなかったでしょう。
苦しみに耐えかねた猿がココナッツ農園主を殺した事件。
そんなひどい扱いを受けている猿たち。ある猿はとうとう耐えきれなくなり、木の上から農園主目がけてココナッツの実を投げつけ殺してしまいました。
自由を奪われ、一日最大8時間休憩なしでココナッツを穫り続ける。
猿がココナッツを食べることは許されない。
殴られたり、棒で叩かれたりもする。
想像に難くないですが、精神的に参ってしまったり過労死する猿もいます。
動物は便利な機械ではありません。
感情もあれば疲れもします。
見返りなしで重労働をさせ、本来あるべき人生を歩ませないというのは、虐待どころかもはや犯罪とも呼べようもの。
猿はココナッツ採取を楽しんでいるとアピールする事業者も。
幼い頃に母親と引き離され、自由を奪われて強制労働させられる猿たちが幸せなはずはありません。が、なんと事業者の中には猿は木登りやココナッツ採取を楽しんでいるとアピールし、
おまけに観光客への見せ物にしていることもあるのです。
猿より人間の方が進化しているはずなのに、恥ずかしい限りですね。
猿を利用していないココナッツ製品はこちら。
たとえ自分が猿を働かせたわけでなくても、猿が採取したココナッツを使った製品を買うことは、悪徳事業者に加担しているのと同じこと。
ココナッツ製品を買う時は、猿を利用していない製品を選びたいものです。
アメリカのAnimal Placeという動物愛護団体が猿利用なし・フェアトレード・児童労働なしの
ブランドをまとめているので参考にしてみてくださいね。
http://animalplace.org/did-a-monkey-pick-your-coconuts/
嬉しいことに、日本の会社もリストに入っています!
三宗貿易というオーガニック製品を主に取り扱っている福岡の企業です。こういった良心的な企業は是非応援したいですね!
出典:https://www.washingtonpost.com/news/morning-mix/wp/2015/10/20/the-murky-ethics-of-making-monkeys-pick-our-coconuts/?utm_term=.48ebf86f553d
http://www.telegraph.co.uk/news/earth/wildlife/4970905/Monkey-kills-cruel-owner-with-coconut-thrown-from-tree.html
http://www.dailymail.co.uk/news/article-3247422/Abducted-babies-chained-trained-pick-1-000-coconuts-day-Revealed-billion-pound-coconut-water-industry-built-abuse-monkeys.html
http://animalplace.org/our-mission/
ココナッツミルクを選ぶ基準は様々。
好みや用途で使い分けよう。
今回ご紹介した通り、ココナッツミルクは商品によりまったく異なるもの。
どれが良い、どれが悪いということではなく、それぞれメリットとデメリットがあります。
原材料、パッケージの素材、オーガニックか否かなど、みなさんの好みや用途に応じて使い分けてみてくださいね。
ちなみに、日本のココナッツミルクの原材料表示には書いてありませんが、
海外の商品だと濃度が書いてあることが多いです。
通常50〜60%ほどですが、ライトタイプだと20%前後です。
海外にお住まいの方は是非チェックしてみてくださいね!
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