出汁の種類いろんなのがあるけれど、結局どれがいいの?旨味成分の効果と、あなたの体質に合う出汁の選び方。
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出汁の種類いろんなのがあるけれど、結局どれがいいの?あなたの体質に合う出汁の選び方。
皆さんこんにちは。
皆さんは普段お出汁をとりますか?
突然ですが、あなたのご家庭の「お味噌汁」の味。
似た味にどこかで出会ったことはありますか?
里帰りしたときのおばあちゃんの味。
それともまたちょっと違うお母さんの味。
おそらく、お味噌汁の味は、どの家庭も少しずつ違っていて、大切で懐かしい唯一無二の味なのではないでしょうか。
そんなお味噌汁の味のベースとなる出汁。
かつお、いりこ、昆布、椎茸などなど。
その種類とブレンドは実に様々。
数千、数万種類のお味噌汁の味の基本があります。
そんな「出汁」の材料ですが、10年、20年、30年後。
今と同じように手に入ると思いますか?
今回は、そう遠くない未来に迫りくる出汁の危機と魅力についてレポートします。
いりことかつお節が近い将来日本から消える?
ミシュランの三ツ星シェフは出汁の虜
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和食が世界無形文化遺産となった昨今。
世界中のいたるところで日本食ブームが巻き起こっています。
そんななか取り分け需要が高まっているのが、かつお、いりこ、昆布などの出汁の材料。
その奥ゆかしい味わいはUMAMIとして定着。
甘味、酸味、塩味、苦味に次ぐ、第五の味覚として世界で受け入れられるようになりました。
特に欧州や米国での需要は高く、従来の旨味調味料では満足しきれない、本物志向の人々の間で大人気となっています。
フランスでは、ミシュランで高い評価を得たシェフが、こぞって料理に採用。
出汁の素晴らしさを認め、フレンチの極みと新境地を開いています。
アメリカでは一般家庭にも普及し、家庭料理にも利用され始めているのだそう。
もはや出汁は日本人のためだけのものではなくなっているのです。
出汁の価格が高騰する?
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世界中での出汁の需要の高まり。
こうした需要に生産が追い付かない場合、当然、出汁の価格は高騰することになります。
日本国内では、現在、トビウオを使った「あごだし」が大人気。
10年前には1箱(12kg)、800円だったものが7,800円にまで高騰しています。
あごだしの値段を押し上げたのは日本国内での需要の高まりが原因です。
こうした現象が世界レベルで起こるとどうなるのでしょうか?
当然、今と同じ値段で買えるはずがありません。
現に、出汁の価格は水面下でじわりじわりと上昇。
鰹節に関しては、2008年から2018年の10年間の間に計3回程値上げされています。
海外に出汁の市場が奪われる?
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日本の外食産業の海外進出はもちろんのこと、今世界では、外国人による外国人のための日本食のお店が増え始めています。
日本が和食を売る時代ではなく、他国が和食で儲ける時代へとシフトしているのです。
こうした一方で、日本国内での出汁の製造業者は減少の一途を辿っています。
鰹節の産地である静岡県焼津市。
1970年代に100軒ほどあった鰹節業者が、現在では15社程に減少。
主な原因は鰹を調達するうえでのコストの問題です。
太平洋沖で鰹漁するためには、その海域を統括する国に対して、入漁料を払う必要があります。
その金額は年々増え続けており、現在では1日で100万円程。
日本の一漁船が払うにはとても難しい金額です。
そんななか、日本の漁船に変わって台頭してきたのが中国などの景気の良い国の漁船。
今後は出汁の生産者も日本人だけではなくなっていくでしょう。
世界の出汁の需給バランスが大きく変わり、一時的に品薄になることもあるかもしれません。
タコなしのたこ焼きが話題となっていたのも記憶に新しいのではないでしょうか。
顆粒出汁って安全?
あなたの出汁は本物ですか?
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皆さんもご存知の通り、日本では「オーガニック」の普及が遅れています。
農薬や化学調味料が当たり前のように使用され、消費者側もこの事実を当たり前に受け入れています。
これは出汁についても同様。
本物ではない加工品が多いのが現状です。
皆さんもお味噌汁を作る際、お手軽な顆粒出汁を使っていませんか?
ご存知の通り、市販の顆粒出汁には添加物がたくさん。
是非とも一度、ご家庭で使用している出汁の成分表示を確かめてみてください。
次のような成分は含まれていませんか?
・酵母エキス
・たん白加水分解物
・調味料(アミノ酸等)
・ぶどう糖、デキストリン
・グルタミン酸N、塩化K、コハク酸Na
・イノシン酸Na、グアニル酸Na
これらはどれも化学的に抽出されたまがい物。
市販の顆粒出汁の大半は、塩と甘味料で味付けされた化学物質で出来上がっています。
こうした添加物が産地も鮮度もよくわからない肉や魚、
野菜の残りかすから抽出されている事実はここでは省略します。
下記の記事もぜひ読んでみてくださいね。
毎日使っている「だし(出汁)」の裏側。スーパーでみかける「無添加天然だし」「100%XX産かつお」「〇〇産昆布100%使用」のキャッチフレーズに隠された罠。
偽物の出汁で満足ですか?
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こうした顆粒出汁を口に入れた際、私たちは、化学物質の刺激を通してコクや旨味を感じています。
その美味しさは、本物ではない脳の錯覚です。
一方で、食の品質には厳しい基準のある欧州などの国々。
こうした国々では、「本物」が自然と流通する仕組みができています。
現に欧州では旨味調味料ではなく、鰹節や昆布そのものの需要が高まりをみせています。
こうした世界的な流れのなかで起こること。
それは、外国で本物の出汁が流通し、日本で旨味調味料ばかりが流通するという現象。
外国人が「本物」を使い、本家本元の日本人が「偽物」を使う。
それでいいのでしょうか?
あなたは偽物の出汁で満足ですか?
昔はどこの家庭にもあった、本物の出汁から取ったお味噌汁の繊細な味。
作り手を思い出すかのようなあの懐かしい味を、今一度思い出していただきたいものです。
日本人の知らない出汁の魅力
実は出汁ってすごいんです!
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日本の市場を守るためにできること。
それは、あなたが「本物志向」となることです。
この記事の著者である私が出汁のパワーに驚愕したのは4年ほど前のこと。
当時はひどい肌荒れに悩んでおり、身体が重く、倦怠感のつきまとう毎日でした。
そんななか、マクロビオティックの考え方に出会い、食生活を一新。
さしすせその調味料を始め、すべてを「本物」に取り替えました。
そんな中で、いつもとは明らかに違う、身体がとても軽い日があることに気付いたのです。
当時付けていた食べ物日記を見返すと、そんな日は決まっていつも、干し椎茸の出汁で作った「本物」のお味噌汁を朝に一杯飲んでいました。
UMAMIは母乳の味
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私たちが初めて出会う旨味。
それは皆さんのおうちの家庭料理ではありません。
誰もが生まれて初めて口にするごはん。
お母さんの「母乳」です。
旨味の主な成分は次の3つ。
・グルタミン酸・・・昆布、干し椎茸。肉、魚、野菜など多くの食品に含まれる。
・イノシン酸・・・鰹、煮干しなど。主に動物性食品に含まれる。
・グアニル酸・・・干し椎茸、ドライトマトなど。
母乳には、このうち昆布出汁に匹敵する量のグルタミン酸が豊富に含まれています。
お母さんのお味噌汁の味にどこか懐かしさを感じる理由。
それは、人類誕生以来変わらない「美味しさ」を出汁に感じているからではないでしょうか。
出汁に含まれるUMAMIは免疫力を高める?
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旨味成分には次のような健康効果があると言われています。
・免疫力の向上
・脳の活性化
・ドライマウスの予防と改善
・味覚障害と摂食障害の改善
なかでも注目すべきなのは、「免疫力の向上」です。
母乳にも含まれているグルタミン酸。
この旨味成分は赤ちゃんを病気から守るという大切な働きをしています。
口から摂取したグルタミン酸はその95%が小腸で吸収、消費。
血流にのって全身にまわることなく、腸に直接作用するという特徴があります。
腸には身体の6割もの免疫細胞が集中。
グルタミン酸が腸に作用すると、グルタチオンという生体防御物質が生成されます。
グルタチオンは活性酸素やフリーラジカルといった毒素を浄化。
私たちの腸を健康に保つ働きをしているのです。
オランダのエラスムス大学医療センターが55歳以上の男女5,362人の食事内容を調査。
グルタミン酸の摂取量を推測しました。
すると、摂取量が多い人の大腸がん発症リスクは、そうでない人よりも22%低下。
さらに摂取量が1%増加(BMI25以下)すると、その発症リスクが42%も低下していたのです。
こうした旨味成分の素晴らしい効能は、今後も世界レベルで研究・解明されることでしょう。
あなたにぴったりの出汁はどれ?体質別!出汁の選び方
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鰹に昆布、いりこ、椎茸。
免疫力を高めてくれる優秀な出汁には、実に様々なブレンドのものがあります。
こうした出汁ですが、自分の体質の合う合わないがあることをご存知でしょうか?
東洋医学ではおうちの台所は薬屋さんと考えます。
出汁は意外にもその作用がとても強いため、あなたの体質にぴったり合うものを
選ぶことが大切です。
今回は薬膳とマクロビオティックの観点から、出汁の選び方を紹介します。
出汁を取るのはちょっと面倒という方も、身体を治すお薬として参考になれば幸いです。
ハードワークで元気がない貧血気味な人向き
かつお出汁
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鰹は日本近海から太平洋沖を回遊する遠洋魚類です。
その移動距離は一生で100万㎞程。
小さな体で地球20周ほどを移動している計算になります。
そのエネルギーは大変強く、マクロビオティックでは極陽性の食品。
身体へ作用が大変強いものになります。
薬膳では身体の気と血を補う食べ物とされています。
次のような方はかつお出汁を積極的に取り入れてみましょう。
・もともとの体力が中程度以上の方
・スポーツやハードワークで体力が必要な方
・気虚体質(元気が出ない人)
・血虚体質(貧血のある方)
・病後や産後、月経後など一時的に血を補いたい方
八丁味噌などの血を補う豆味噌の出汁にもよく合うため、貧血の方には特におすすめです。
貧血と豆味噌については立ちくらみと白髪の原因が同じ?! 女性が陥りがちな血の不足 血虚に最適! 日本が誇る最強調味料 「鉄火味噌」の作り方をご参考ください。
デスクワークが多く老化が気になる方へ
いりこ出汁
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煮干しの原料はカタクチイワシやアジ、サバといった日本沿岸でとれる小魚たち。
近海を群れで泳ぐ小魚のエネルギーは、私たちの日常生活の運動量にちょうどよく、
日本人の体質にとても合ったものだと言えるでしょう。
薬膳では気と血を補うことに加え、その巡りを良くし、頭への血流を増やすと言われています。
次のような方はいりこ出汁を積極的に取り入れてみましょう。
・デスクワークや勉強など頭を良く使う方
・白髪など頭皮のトラブルでお悩みの方
・腎の機能を高めたい方(老化防止)
・ウォーキングなど日常に軽い運動をしている方
小魚そのものは血の巡りを良くしますが、砂糖と合わさると粘質化し、逆に頭を詰まらせることがあるため、注意しましょう。
何事も取りすぎ、食べ合わせには要注意です。
カラダの巡りが悪い人、女性特有の悩みがある人
昆布出汁
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昆布は古来より和食に利用され、日本人が先祖代々食べ続けてきたものです。
マクロビオティックではエネルギーのバランスがちょうど良い中庸の食べ物。
すべての日本人の体質に合う優秀な組成をしています。
事実、赤ちゃんの免疫を形作る、母乳の成分に最も近いこともわかっています。
動物性よりも低刺激なため、虚弱体質の方にもおすすめです。
・身体の免疫機能を高めたい方
・子宮筋腫、腫瘍など体にしこりのできやすい方
・むくみの解消
・生理痛などの婦人病でお悩みの方
昆布は血やリンパの流れを整え、身体の免疫力を高めてくれます。
身体に大変優しい食材のため、毎日の食事に積極的に取り入れたい優秀な出汁です。
食生活が乱れ気味、肌荒れのある人
干し椎茸出汁
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一般的な出汁のなかで唯一の山の恵み。
干し椎茸の素晴らしさはその驚異的なデトックス効果です。
体に溜まった脂肪、糖分、動物性たんぱく質、化学物質。
こうした毒素をごっそり落とし、本来あるべき姿に戻してくれます。
薬膳では肝と脾の機能を高め、消化吸収を補うとされています。
・ダイエットしたい方
・便秘、肌荒れのひどい方
・甘いものが大好きで食品添加物の多い方
・胃腸の機能を高めたい方
一晩の水出しでも十分な出汁が取れるため、そのお手軽さも魅力的です。
昆布と合わせると旨味も倍増するため、あわせ出汁にするのも良いでしょう。
自分にあった出汁をとろう
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それでは今回の記事のおさらいです。
・毎日の出汁に「本物」を!本物志向が日本の市場を守る。
・出汁は腸に直接作用。身体の免疫力を高める。
・毎日の出汁に選択を!あなたの体質に合った出汁を選びましょう。
UMAMIは素晴らしい可能性を秘めた世界共通の「美味しさ」です。
是非、今日から「本物」を取り入れてみましょう!
あなたの毎日が健康で快適に過ごせますように。
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出典
『「うま味」パワーの活用便利帳』 山本隆監修 青春出版社
『薬膳・漢方の便利帳』 薬日本堂 実業之日本社
『和食の旨味』https://washoku-no-umami.jp/
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