脱・肉食ムーブメントは日本でも広がるか!?東京都知事が導入を決断したミートフリーマンデーとは?
環境保全や動物福祉の観点から、近年、ベジタリアンとしてのライフスタイルをチョイスする人が世界中で増えています。
IN YOU読者のみなさんの中にも、ベジタリアンの方は多いのではないでしょうか?
ベジタリアンになることは、自分自身の体や心の変化だけでなく、社会に対しても大きなインパクトを与えることになります。
畜産による温室効果ガスの発生や、飼料生産による食糧飢餓、また海洋資源の枯渇など、
肉や魚を食べることで私たちが地球環境に与えている影響はとても大きなものです。
そういった社会問題を背景に世界各国でベジタリアン食を勧める運動が盛んになっています。
今回はついに東京都が正式にスタートしたミートフリーマンデーをきっかけに、
みなさんの中でもベジーなライフスタイルを始めてみようと思ってもらえれば嬉しいです。
ポール・マッカートニーの先導により世界に広がるミートフリーマンデー
ミートフリーマンデーという言葉をご存知でしょうか?
ヴィーガンで動物愛護や環境保全活動にも積極的に取り組んでいる、ポール・マッカートニーが2009年に始めたキャンペーンです。
「まずは週一からベジ生活を始めよう!」を提唱するこのキャンペーンは、今では世界中に広がり、世界36か国がこのムーブメントに参加しています。
図引用:Meat Free Monday(英国)「Meat Free movement spreads to 36 countries」
ミートフリーマンデーが教えてくれる肉食が世界と私たちに及ぼす影響
ベジーな生活を送ることのきっかけとして多くの人が答えるのは、
1.自身の健康のため
2.動物福祉のため
3.地球環境のため
の3つではないでしょうか。
世界人口が増え続け、食にまつわる様々な問題が消えない今、肉食の及ぼす影響が改めて、問題視されています。
肉食が生み出している影響は次のようなものです。
■心臓疾患やがん、糖尿病や肥満といった健康リスクを増やす
■突然死のリスクを増やし、医療費も増加する
■アマゾンの熱帯雨林が、牛などの飼育のための牧場のため、毎時間サッカーのフィールド100面分が伐採されている。
■本来であれば24億人に供給できる穀物を、家畜の飼料用として生産・消費されている。(世界の飢餓人口は約8億人)
また、一人の人が週に一回肉食を辞めることで、
その人が一か月間車を運転したときに排出される二酸化炭素と同量の二酸化炭素の排出を減らすことができると、
英ミートフリーマンデーは警鐘を鳴らしています。
出典:NPO法人アニマルライツセンター「ポール・マッカートニー アウト・ゼアー ツアーを通して、 ミートフリー・マンデー(Meat Free Monday)を世界に広める」
世界各国でミートフリーマンデーへの参加者が増加中!
ポール・マッカートニー自身が精力的に発信し続けているミートフリーマンデーは、
イギリスを中心に各国へと広がりを見せています。
中でも早くからアクションを起こしたのが、ドイツです。
国民の10%がベジタリアンと言われ、
オーガニック&ヴィーガンな食品や飲食店が普及しているドイツだからこそ、さすが!と思う取り組みを見せています。
それは、2017年に発表した、国の公式行事で提供される食事をすべて菜食にするというもの。
それ以前より、ドイツ国内では多くの政治家がミートフリーマンデーを支持し、
公共施設での食事や国内の飲食店にベジメニューを推進する動きが活発でしたが、
国の公式行事すべての食事を菜食に切り替えることで、肉食が環境へ及ぼす悪影響を断ち切るとしたドイツの姿勢は、さすが世界屈指のエコ先進国ですね。
また、同じくドイツ企業も積極期に参加しており、
代表的なもので、スポーツウェアブランドのプーマが本社の食堂でミートフリーマンデーを導入しています。
その他、ノルウェー王国軍隊、クロアチア共和国農業省、香港空港公社など、世界規模でその取り組みは支持され導入されているのです。
ちなみに日本でも、日本ベジタリアン協会により発足された同キャンペーンを皮切りに、
ミートフリーマンデー・オールジャパンとして活動を広めています。
出典:NPO法人アニマルライツセンター「ポール・マッカートニー アウト・ゼアー ツアーを通して、 ミートフリー・マンデー(Meat Free Monday)を世界に広める」
出典:ミートフリーマンデー・オールジャパン「About Us」
ついに東京都庁でスタートしたミートフリーマンデーは日本にサスティナブルな波を起こすことができるか!?
東京都は2018年10月1日より、東京都庁内の職員食堂にてミートフリーマンデーを導入することを発表しました。
毎週月曜日に動物性食品不使用のベジ定食、また月曜以外のでもベジ対応の単品メニューが毎日提供されます。
これらのメニューは観光客を含む、一般人も利用することができるとのことで、
世界的に高まるベジ思考への姿勢を世界へアピールする機会となることを狙っているようです。
今回の決断に対し、小池都知事が英・日両ミートフリーマンデーに以下のように語ってくれています。
私はかつて日本の環境大臣を務めるなど、環境問題に特に力を入れて取り組んできました。
都知事就任後は、C40の副議長として、世界の主要都市と連携して気候変動の危機に立ち向かっています。
気候変動は農業生産に大きな影響を与え、世界的な食糧不足をもたらしかねません。
現に世界人口の9人に1人が飢餓の状況にあります。
その一方で、牛肉1㎏を生産するのに、飼料として11㎏の穀物が必要です。
私たちは、そのことを良く認識して行動する必要があります。
ポール・マッカートニー氏から貴重なアドバイスを頂き、10月から都庁の職員食堂でベジメニューを開始することにしました。
これを機に、日々の食の面からも、環境問題に取り組んでいきたいと思います。
ヴィーガンに対応したメニューも用意します。
職員食堂は、職員だけでなく、来訪された方、観光客の方も利用できます。
ダイバーシティという観点からも、重要な取組と考えています。
引用:ミートフリーマンデー・オールジャパン「祝!東京都庁、ミートフリーマンデー・ベジメニュー導入!」
2020東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東京を国際都市としてアピールするためにも、東京都の今回の判断は正しいものだったと思います。
すでに導入が広がっている海外の国を参考に、
公共施設や給食、企業の社食へも、この流れが広まっていくことを願い、支援していきたいですね。
出典:Meat Free Monday(英国)「Tokyo government HQ launches Meat Free Monday menu」
週一回の脱・肉食で自分も世界も喜ぶアクションを起こしてみよう!
図引用:ミートフリーマンデー・オールジャパン
2009年のスタートから約10年の間に、ミートフリーマンデーがここまで大きなムーブメントとなったのは、
ポール・マッカートニーという世界的な著名人からの呼びかけという点が大きな影響力を持っていたからと言えます。
しかし、彼がヴィーガンになった約40年前、スタートしたときは一人でした。
肉食を続けることによる、人体への影響、地球環境への影響、動物の命…様々なことを考え、知り、
そしてアクションを起こし続けたからこそ、ここまで世界的な動きを生み出すことができたのです。
誰でもたった一人でスタートすることは、不安ですし、怖いものです。
でもまず一歩踏みだして、歩き続けるうちに、少しづつ仲間が増えていくのです。
「私、肉食べないから。」と言うと、付き合いが悪くなるかな?変な宗教にハマってるとか思われるかな?とか、色々思うかもしれません。
でも今日、一人でも多くの人が肉を食べない選択をすることで、救われる命や破壊されずにすむ自然があるとしたら…
今日一言、肉にNoと言うことはそんなにハードルの高いことではないのではないでしょうか?
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