もしかして「発達障害」? 心配になった時に見直して欲しい食事のお話
「発達障害」は、私たちにとって身近な問題となりました。
しかし同時に、関連する情報が多岐に渡るのみならず、
大量に溢れるように存在しているため、
正確な情報を得ることが難しくなったり、
誤解や偏見もいまだ残っているように感じます。
そこで今回は、「発達障害」とは一体何なのか、
また、食事の見直しによる症状改善の可能性について
ご説明したいと思います。
増え続ける「発達障害」とは? その定義をおさらい
『発達障害者支援法』という法律によれば、「発達障害」とは
“自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、
注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であって
その症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの”
と定義されています。
文部科学省HP「発達障害とは」より抜粋
現在、「発達障害」とされる子どもの数は増え続けており、
特別支援教育に在籍している、自閉症・情緒障害とされる生徒の数は2002年に2万1337名だったのに対し、
2017年では11万452名と15年間でおよそ5倍にもなっているのです。
文部科学省平成29年度「特別支援教育資料」を参照
また、2012年度の調査では
「通常学級においても『発達障害』と思われる生徒が6.5%程度いる」と報告されています。
文部科学省HP「特別支援教育について」を参照
つまり、30名のクラスの中に1名以上は「発達障害」と思われる生徒がいるという計算になります。
統計から見ても、「発達障害」はとても身近な問題であるということがわかると思います。
「発達障害」の代表的な3つのタイプ
とは言え、「発達障害」の全貌は掴みにくいことと思います。そこで、「発達障害」の代表的なタイプを3つご紹介しましょう。
タイプ①自閉スペクトラム症(ASD)
「自閉スペクトラム症」の主な特性は、・臨機応変な対応が苦手
・人間関係が苦手で、対人場面での想像力が働きにくい
・こだわりが強い
といったもので、いわゆる「空気を読む」のが苦手なタイプです。
社会生活でのコミュニケーションの取りづらさ等が、困りごととして出てきやすいと言われています。
皮膚感覚や聴覚の過敏性がある人もいるようです。
「頭は良いけれど融通が利かない人」と思われることが多いでしょう。
しかし、得意な面を伸ばすことで、その能力を十分に発揮でき、
むしろ障害のない人よりも高い成果を出している人も沢山いるといわれています。
タイプ②注意欠如・多動性障害(ADHD)
「注意欠如・多動性障害」の特性にはその字の通り、・多動性
・衝動性
・不注意
があげられます。
子どもの場合は、ひたすら動き回って落ち着きがないことが多いようです。
計画性や注意力に欠け、刺激に対して反射的な反応をしてしまいます。
忘れものが多かったり、朝の準備といったルーティン作業が苦手な場合が多くあります。
しかし不注意の背景には「過集中」があるため、
これを上手く活用するれば、非常に優秀な成果を出すこともできるのです。
タイプ③学習障害(LD)
主な「学習障害」には、・読字障害
・書字障害
・算数障害
の3つがあげられます。
単に、文字が読めない、書けない、計算ができないというのではなく、
例えば、目に入ってくる漢字の各部分の形をひとまとまりとして認識できないために
結果的に文字が読めなかったり、
極端に筆圧が弱く、文字を書くことが難しかったりと
その背景には様々な面があるようです。
※尚、ここで紹介しているものは一般的な特性のため、
これに当てはまるからといって、すなわち「発達障害」と認定されるわけではありません。
個々の判断は、必ず専門の機関で相談するようにして下さい。
注目したい「スペクトラム」という概念
こうした「発達障害」の診断をするための代表的な基準となるものにアメリカ精神医学会が発表している「DSM」というマニュアルがあります。
その第5版の改定が2013年に行われ、その際に、
「小児自閉症」や「アスペルガー障害」などを含む、これまで「広汎性発達障害」と呼ばれていたものが
先にご紹介した「自閉スペクトラム症」に統合されることになりました。
ご紹介した一つ一つの用語は難しく感じられるかもしれませんが、
ここで特に注目したいのは「スペクトラム」という概念です。
「スペクトラム」という言葉を辞典で調べてみると
“意見・現象・症状などが、あいまいな境界をもちながら連続していること”
とあります。
goo辞書より抜粋
つまり、「発達障害」と診断された人も、そうでない私たちも
同じ一直線上に存在するということなのです。
どんな人だって、100%空気を読めるなんてことはありません。
言い方を変えると、誰しもが多少なりと「発達障害」としての側面を抱えていると私は思うのです。
そう考えると、
「発達障害」と診断された人を「自分たちとは別の存在」と考えるのは間違い
だということがお分かりになるでしょう。
「発達障害」の原因
まず「発達障害」の原因となるものには、いくつかの説があります。ここで特に紹介したいのは、「環境ホルモンや農薬の影響による」という説です。
アメリカに、徹底したオーガニックな農法や牧畜により自給自足をしている
「アーミッシュ」という人々のグループがあることをご存知でしょうか。
そして、そのグループの自閉症発症率はアメリカ全体の10分の1だというのです。
このことから逆説的に、環境ホルモンや農薬が発達障害の発現に関わっているのではないかと言われています。
先進諸国の中でも極めて農薬の種類、量ともに多くが使われている日本に住む私たちにとって
これは、とても他人ごとでは済ませられない問題だと言えるでしょう。
「発達障害」の問題点
「発達障害」自体の問題というよりは周囲の人たちの関わり方や、環境的配慮の不足などが影響する問題として、
幼少期からコミュニケーションの行き違いなどで叱られたり、
失敗体験を多く積み重ねることで
2次障害としての精神疾患を発症しやすいことがあると言われています。
しかし、このような問題は
幼児期、児童期から「発達障害」を抱える子どもたちに適切に対処することで
多くを防ぐことができるのです。
「発達障害」のある人が活用できる「社会的サービス」
実際に「発達障害」と診断された場合にどのようなサービスや支援が受けられるのかについてまとめてみます。
公的なサービス
相談先としては、市町村の保健センター、児童相談所、子育て支援センター、発達障害者支援センター
といった支援機関が地域ごとに設置されています。
また、子どもを対象とした「療育(※)」には、
児童発達支援、放課後等デイサービス
という福祉サービスがあります。
※療育:障害の子どもやその可能性はある子どもに、それぞれの発達の状態や障害の特性に合わせて、
現時点での困りごとの解決と、将来の自立また社会参加を目指した支援を行うこと。
【参考】「LITALICOジュニア」Webサイト
これは定期的に通う教室の様な場で、
集団や個別でコミュニケーションの練習をしたり、
その子の特性に応じた周囲のかかわり方などをアドバイスしてくれる施設です。
施設によって様々な特色がありますので、利用には
まず実際に見学をしたりして、情報を集めると良いでしょう。
ほかに、大人を対象としたサービスには
就労をサポートしてくれる「障害者就労・生活支援センター」や
福祉サービスの利用について相談できる「相談支援事業所」があります。
こうしたサービスを活用し、
自分の得意・不得意を見極め、長所を生かす「療育」や支援を受けることで
実際に社会で活躍されている人はたくさんいるのです。
民間のサービス
近年では、民間の事業者によるサービスや教室なども増えてきました。一例として「発達障害」の子どもを対象とした学習塾やプログラミング教室、料理教室等があります。
その他、当事者団体で作る親の会や地域イベント等についても、
調べてみれば沢山の情報が出てくることでしょう。
本当に「発達障害」?
まずは見直して欲しい、食事の4つのポイント
「発達障害」と診断されたケースの中には、食生活を整えることで困りごとや症状が改善された人がいるようです。
そこで、ここでは「発達障害の食事療法」について、
その4つのポイントを順にご紹介していきます。
ポイント1:糖質を上手くコンロールして、血糖値を安定させる
「発達障害」のある人には「低血糖症」が多いと言われています。低血糖になった場合、注意欠如・多動性障害に似た
落ち着きのなさやイライラ、衝動性などが見られるようです。
また夜間の低血糖では、睡眠障害を伴うこともあります。
しかし、だからと言って極端な糖質制限の実行には危険が伴います。
というのも、「発達障害」がある人には、
「糖新生」といって肝臓でブドウ糖を作るシステムが上手く機能してない人が多く、
糖質をいきなり絶ってしまうとエネルギー供給が上手くいかなくなるリスクが考えられるからです。
まずは糖代謝をスムーズに行う助けになる「ビタミンB群」を意識的に摂り、
体調と相談しながら、糖質を少しずつ減らしてタンパク質や脂質を増やしていくのが良いとされています。
☆「ビタミンBを含む食材」についてはこちらをご覧ください。
【森永製菓】プロテイン公式サイト
ポイント2:小麦、乳製品を控える
アメリカの自閉症団体では、昔から「グルテンフリー・カゼインフリー食事法」が実践されてきました。
これは食生活からグルテン(小麦由来のタンパク質)とカゼイン(乳製品に含まれるたんぱく質)を
除去した食事法で、自閉症傾向(特性)の程度を示すスペクトラム指数のスコアが改善すると
言われているのです。
この食事法について、健康への意識が高いIN YOU読者の皆様なら、
すでに実践されている方も多いことでしょう。
「グルテン」や「カゼイン」には
・腸壁を荒らし、腸の炎症を引き起こす
・脳内に直接作用し、麻薬様物質に似た働きをする
・全身の神経細胞に毒性物質がたまりやすくなる
といったデメリットがあります。
腸内の炎症は脳の炎症に発展し、脳内で作られる神経伝達物質の生成がスムーズにいかなくなります。
その結果、抑うつ的になったり、睡眠障害が出たり、多動性や衝動性が高まったりと
様々な影響が発生するのです。
そこでもし「発達障害」が疑われる場合には、グルテンとガゼインをまずは2週間、完全に除去してみて
体調や精神状態の変化を観察するのが良いといわれています。
☆グルテンフリー!添加物フリー!シュガーフリー!アレルゲングリー!の「スーパーカレーセット」
ポイント3:体内の炎症を食い止める「油」を摂取する
先述した、腸の炎症が脳の炎症に発展するという観点からは体内で発生している炎症を抑える必要があります。
炎症を抑えるのにお勧めの食材がオメガ3系の脂肪酸、つまり「油」です。
ここで注意したいのは、
油といってもオメガ3系の亜麻仁油やえごま油、シソ油、魚油などを摂るようにして、
オメガ6系の紅花油やコーン油、大豆油は避けるという点です。
☆α-リノレン酸含有量約63%以上の本物の「無農薬栽培・非加熱えごま油」
なぜなら、一般的に使用される
サラダ油やドレッシングなどはオメガ6系の油で
逆に炎症を促進させてしまうからです。
日常的に使っているオメガ6系の油の使用をやめて、
ドレッシングを亜麻仁油で作ってみたり、安全な産地で獲れた天然魚を食べたり、
ココナッツオイルを使ってみたりすると良いでしょう。
☆無味・無臭だから料理にも使える!「農薬不使用のココナッツオイル」
「油は健康に悪い」というイメージを持たれがちですが、
油の種類によってはむしろ健康の手助けになるものもあります。
賢く選択しながら、普段の食生活に上手に取り入れてみてください。
ポイント4:何よりもまず腸内環境を整える
「発達障害」のある人は、「腸内環境」が悪い場合が多いと言われています。「自閉スペクトラム症」と診断され、腸内に潰瘍やタダレ等の炎症が見られた人に対して
潰瘍性大腸炎の薬を投与した所、腸の炎症が治っただけではなく、
「発達障害」の症状にも改善が見られたケースがあるというのです。
そして腸内環境を整えるには、日本人が昔からよく食べてきた
漬物や納豆といった発酵食品を食べたり、粘膜強化を図るために、
ビタミンDを豊富に含む食材(きのこ類やサケ、マグロ、サバ等)を積極的に食べ、
更に日光を適度に浴びてビタミンDを体内で生成するのが良いでしょう。
☆無農薬野菜の植物性食材100%無添加ヴィーガンキムチ
☆農薬不使用!たっぷり2年熟成させた「無添加味噌」
テレビコマーシャルなどでは、腸内環境を整える機能のある食品として
ヨーグルトの広告がよく見られます。
しかしヨーグルトはカゼインを含んでおり、しかも市販のヨーグルトには
甘味が添加されたものも多く出回っているため、
「発達障害」のある人が、腸内環境を改善するという目的で摂取するのは控えた方が良いでしょう。
☆EUオーガニック認証取得済み!「ヴィーガン・プロバイオティクス(乳酸菌)サプリメント」
障害にフォーカスをするのではなく、
その子自身の良さを伸ばして
いかがでしたか?大切なお子さんやお孫さん、またはご自分が「発達障害」と診断されたとしたら、
誰もが少なからずショックを受けることでしょう。
今回ご紹介した食生活には気軽に始められるものが多くあるので、
まずは試してみて欲しいと思います。
それでも困りごとが残る場合には、どうか悩みすぎないで様々なサービスを活用したり、
相談をしてみるようにしてください。
(参考)
『発達障害は食事でよくなる』溝口徹
https://junior.litalico.jp/about/hattatsu/institution/
https://snabi.jp/article/205
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