病に負けないために絶対必要なのは「ファイトケミカル」だった!ファイトケミカルの多い食品リストと、現代病の要因の一つ「酸化」を防ぐために必要な植物の力 ファイトケミカルの有効性。
『野菜を毎日に食べていますか?』
健康志向の方であれば「もちろん食べています」と即答されることと思います。
では、どれだけの量ですか?
何種類の野菜ですか?
どんな野菜ですか?
と聞かれたら、いかがでしょうか。
厚生労働省は、一日の野菜の摂取量を350gが目標としています。
目標となること自体が、多くの国民が目標に達していない、ということの表れです。
安全性が高く、かつ種類が豊富であるかどうか?
しかも5色(赤・青・黄・白・黒)の新鮮な野菜でかつ農薬が使われておらず、
クリーンであることなど安全性が確認されているかどうか?となるといかがでしょうか?
自信のない方がほとんどではないかと思います。
野菜不足になると、当然ビタミンやミネラルの摂取量が減ります。
しかも最近クローズアップされているファイトケミカル(ファイトケミカルス)の摂取も同時に不足するのです。
野菜の栄養素は30年前と比べて、とても少なくなっている・・。
彩り豊かな野菜たっぷりのサラダや野菜をたくさん使うおかずには、野菜を丁寧に洗ったり、
切ったり、筋を取ったりと意外と苦労されていると思います。
その分、完成した料理はカラフルでいかにも栄養が摂れそうですよね。
しかし、今やTVや雑誌で「今の野菜に含まれるビタミンやミネラルが、昔に比べて低下している」と指摘されています。
本当でしょうか。
「日本食品標準成分表」で比較してみると、
1982年に発行された「第4訂版」と2015年の「第7訂版」の約30年間に
例えば100g当たりのビタミンCは
にんじん‥‥7mg→→→4mg
トマト‥‥‥20mg→→15mg
ほうれん草‥65mg→→35mg
グッと減っているのがわかります。
栄養価が下がっているのはビタミンCだけでなく、他のビタミンやミネラルも減っているのです。
なぜ野菜の栄養価が下がってしまっているのか
それは現代の無理な生産体制にあった
その原因として考えられるのは
①土地がやせたしまった‥‥化学肥料や農薬の使い過ぎ
②栽培技術の進歩により、旬以外の野菜が増えた
③流通や保存方法の発達により、食べるまでに栄養素が変化する
などがあります。
野菜に含まれる栄養素は、概して減少していると考えられます。
植物は、ヒトよりも長生きできる・・・!
なぜ何千年も生き続ける植物があるのか?
地球が誕生して48億年と推定されています。
そして、ある時たった1個の細胞が誕生し生命体として植物や動物に進化してきました。
この進化の歴史は、動物よりも植物の方がはるかに長いのです。
(小冊子「食べ物があなたを作っている!! 人生を素敵にすごすために」より)
例えば屋久杉は、何千年も成長し続けています。
なぜ朽ちないのでしょうか?
それは植物が外部の害から身を守る術を持っているからです。
植物には、光合成という働きがあると中学校で習われたと思います。
この光合成を行うのが葉緑素ですね。
葉緑素の成分には、大きく二つの働きがあり
①太陽光に含まれる紫外線や害虫から身を守る
②光合成によって作られた大量の酸素によって自らが酸化(朽ちる)されるのを防ぐ
このように植物の生命を守ってきたのが、健康に関心の高い方が注目している成分『ファイトケミカル』の力でもあるわけです。
今やファイトケミカルが持つ抗酸化能力が大注目されているのです。
(マイベストプロ ベストヘルスパートナー加藤 晴之
「アンチエイジングには抗酸化作用の高いフラボノイド」より)
ファイトケミカルって、いったい何?
ファイトケミカルという言葉を最近よく耳にすることが多いと思いますが、どのようなものなのでしょうか?
ファイトケミカルの“phyto”は植物、“chemical”は化学成分という意味で、
植物由来の化学成分となります(植物性化学成分)。
元々、野菜や果物には、ビタミンやミネラル、食物繊維といった身体に有効な栄養素が含まれています。
さらにファイトケミカルも身体の健康維持や増進に役立つ作用を持つことがわかっています。
ビタミンやミネラルなどの栄養素は欠乏すると生命が維持できない物質なのですが、
ビタミンCやEのように栄養素であっても本来の栄養素的な役割とは違う生命調節機能を示すものもあります。
つまり、ファイトケミカルの中にもある種の栄養素が含まれていると言えます。
(マイベストプロ ベストヘルスパートナー加藤 晴之
「デトックスに効果的な食材はファイトケミカルを多く含んだ野菜」より)
ファイトケミカルの主要な成分。
ファイトケミカルにおいて重要なのは「抗酸化作用」だった!
ファイトケミカルには、2万種類もあるとされています。
この内、どのような成分が特に注目されているのでしょうか?
まずは、赤ワインやコーヒーに含まれる「ポリフェノール」や緑黄色野菜に含まれる「カロテノイド」といった抗酸化物質。
大根やワサビなどの辛味成分の「イソチオシアネート」などです。
ファイトケミカルのほとんどの成分が持つ機能として、最も重要なのは抗酸化作用です。
生物は酸素中で生きていますから、放っておけば鉄が錆びるように酸化され、やがて朽ち果てていきます。
同じようにヒトでは病気になったり、老化することになります。
注目されているファイトケミカルと、ファイトケミカルを含む食品
ファイトケミカルにはいくつもの重要な成分があります。
ポリフェノール(フラボノイド系)
アントシアニン類‥‥ブルーベリー、ブドウイソフラボン類‥‥大豆
フラボン類‥‥‥‥セロリ、パセリ、ピーマン
カテキン類‥‥‥‥緑茶、果実類、カカオ
フラボノール類‥‥ブロッコリー、玉ねぎ
カロテノイド
α-カロテン‥‥にんじん、カボチャβ-カロテン‥‥にんじん、カボチャ、トマト
β-クリプトキサンチン‥ミカン、ほうれん草
リコピン‥‥‥トマト、スイカ
ルテイン‥‥‥ほうれん草、ブロッコリー
ゼアキサンチン‥カボチャ、トウモロコシ、桃
含硫化合物
イソチオシアネート系‥大根、ワサビシステインスルホキシド系‥玉ねぎ、キャベツ
植物自身が紫外線や害虫から自らを守る防衛能力を高めるために作り出した成分。
それが今、ヒトの健康を守るのにも役立っているわけです。
病気の原因には、「酸化」が関係している。
なぜ人は病気になるのか
ガンや老人性認知症などの生活習慣病は、酸化を促進する“活性酸素”と因果関係があるとされています。
(小冊子「食べ物があなたを作っている!! 人生を素敵にすごすために」より)
活性酸素によって
①遺伝子の障害
②タンパク質の酸化で起こる機能喪失
③脂質の酸化による過酸化物の生成
など、生命維持にそぐわない状態になっていくのです。
そこで、病気にならないためにも、私たちは日常的に抗酸化物質を摂取することが大切になってきます。
どんなファイトケミカルに、どのような作用があるのか?
例えばブドウやブルーベリーに多く含まれるアントシアニン類の一つプロアントシアニジンは、
目の健康維持・強い抗酸化作用・老化防止・血管の強化などが期待されています。
特に抗酸化能力は、ビタミンEの抗酸化力に比べて5倍と言われています。
また善玉コレステロールが悪玉コレステロールに変わるのを防ぐ作用もあり、高脂血症や動脈硬化予防として代替医療の現場で用いられています。
リコピンは、カロテノイドの一種でトマト・スイカ・リンゴなどに含まれる脂溶性の色素です。
特に抗酸化作用が強くβ-カロテンの2倍・ビタミンEの100倍の抗酸化力と言われています。
この抗酸化力の美肌効果に注目が集まっています。
また眼精疲労などに役立つと言われているルテインも抗酸化力がありますが、残念ながらルテインだけでは期待するほど効果は得られないようです。
むしろ他のカロテノイド(α-カロテン、β-カロテン、リコピン)と一緒に摂取される方が良いでしょう。
カテキン類は、お茶に含まれるポリフェノールの一種で、お茶特有の苦渋味成分です。
緑茶中には、エピカテキン・エピガロカテキン・エピカテキンガレート・エピガロカテキンガレートなどのカテキン類が含まれています。
このうちエピガロカテキンガレートが一番多く、カテキンの50~60%含まれています。
さらにカテキンの中でも特に抗酸化作用が強く広範囲な生理的活性を思っています。
大根やワサビの辛味成分のイソシアネートは、抗酸化性よりも肝臓や消化管での解毒酵素を活性化するのが最大の特徴です。
つまり、体内の様々な危険な物質を代謝し排泄する作用があります。
これは免疫系とは異なる働きであり、これからの研究の対象となっています。
抗酸化力の目安(指標) どのファイトケミカルを摂ればいいのか。
日本ではまだあまり見かけない、ORACという指標について
例えばトマトとミカンでは、トータルの抗酸化力はどちらが強いか、とか、
リコピン〇〇mg入りとカテキン〇〇mg入りの食品では、どちらの抗酸化力が強いかといった評価は、現在では難しいようです。
最近、Antioxidant Unit*(AOU)研究会の準備委員会が設立された程度ですから、
明確な指標が決まるのは、ほど遠いようです。
*Antioxidant Unit:食品の抗酸化力に対する指標
今まで抗酸化力の指標は本当になかったのか?
ではこれまでの時代において抗酸化作用の判断基準は特に定められていなかったのでしょうか。
実は、アメリカではORAC(Oxygen Radical Absorbance Capacity:活性酸素吸収力)という指標が用いられ、実際にサプリメントや飲料へのORAC値の表記が進められています。
ORACは抗酸化力を調べる時に、実際に生体内にある活性酸素の消去作用を数値化し評価するので、
現時点では非常に優れた方法です。
日本もORACのようにAOUを早く公表してほしいものですね。
サプリメントや健康食品を選ばれる時、ORACの表記や資料を保有しているメーカーならば安心して効果的に摂取できます。
ファイトケミカルの効率的な摂取方法
日本ではなかなかファイトケミカルを摂取しにくいと思いますが、それでもファイトケミカルは毎日摂取するに越したことはありません。
現時点でもファイトケミカルを摂取することが、健康に有効なのはわかっているからです。
では効率よく摂取する調理方法とは
野菜スープを食べること!!
野菜は生で食べるよりも、加熱調理で細胞膜を壊した方が摂取しやすいからです。
作り方は簡単で、数種類の野菜を切って煮るだけでもOKです。
作り方はこちら
調味料不使用!野菜の味だけでできる、病から身を守る最強「ファイトケミカルスープ」の作り方。
余すとことなく使える栄養満点べジブロスに含まれる、第七栄養素として注目される「ファイトケミカル」で美と健康を手に入れる方法。
さらに皮や種も捨てずに一緒に煮込むと良いでしょう。
なぜならファイトケミカルは、皮や種に多く含まれるからです。
できれば無農薬、有機栽培で旬の野菜が好ましいでしょう。
もしサプリメントをお考えならば、
まずマルチビタミンミネラルにファイトケミカルが明記されているものを選んでください。
寿命が80歳は本当に長寿ですか?
もっと私たちは長生きできる。
現代の食生活で摂取できる野菜に含まれるビタミンやミネラルの微量栄養素は、過去に比べて少なくなっているのは明白です。
しかも、糖質や動物性脂肪の摂取が増え、カロリー過多の栄養失調状態になっています。
さらにストレスや紫外線・放射線・大気汚染などの過剰刺激により身体は活性酸素の強い影響を受けているのが現状です。
(小冊子「食べ物があなたを作っている!! 人生を素敵にすごすために」より)
また、今の日本は高齢化社会と言われますが本当でしょうか?
一説によれば、私たち人間は本来は120才位まで元気に過ごせると言われています。もし、120才まで寿命があるならば80才は高齢なのでしょうか?
また80歳という寿命を全うしたとしても、最後はずっと寝たきり、病院のベッドに横たわって点滴をしている・・・という状態なら、
それは果たして本当に長寿だった、健康だったと言えるのでしょうか。
私たちはあと数十年、もっともっと元気で過ごせて当たり前と思うのです。
素敵で元気な人生を過ごすためにも食事を含めた生活習慣を見直しながら、
ファイトケミカルを積極的に摂取するのも大切なのです。
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参考資料
「食べ物があなたを作っている!! 人生を素敵にすごすために」「にんげんは なにで できているの?」
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