肥満の原因となる化学物質「オビソゲン」を私たちは日々体に溜めている?オビソゲンとして知られる身近な3つの化学物質と有効な対策を解説します
肥満の原因となる化学物質「オビソゲン」を私たちは日々体に溜めている?オビソゲンとして知られる身近な3つの化学物質と有効な対策を解説します
最近、痩せにくい体質になったと感じることはありませんか?
「そんなに食べてないんですけど…」とか「私って水を飲んでも太る体質なんです。」を理由に、健康維持の鍵となる体重管理をあきらめている人もいます。
実は、近年増え続ける肥満や糖尿病の研究の中から、様々な分野で使われている、化学物質が肥満の原因になることが分かってきました。
実は、
「スマホを片手にテイクアウトの飲み物を飲む」
この日常生活が、太る毒素を溜めているのです!
知らず知らずのうちに、体内へ溜めている”化学物質という毒素”の中には、ホルモン分泌のバランスを崩し、代謝を低下させながら、遺伝子レベルで「肥満体質」に変えてしまうものがあります。
今回は、この”太る化学物質”についてお伝えします。
20種類以上の化学物質が肥満の原因とされていますが、その中でも日常生活で接する機会の多い、食品、薬品、産業テクノロジーに使用されている化学物質を取り上げました。
どんな化学物質がどういうカタチで私たちの体内に入って来ているかを知ることで、自分が、痩せにくい体になってきている原因が見つかるかもしれません!
日頃、何気なく過ごしている日常生活を振り返ってみて下さい。
出典 : 経済産業省 化学物質用途分類表
肥満原物質「obesogen オビソゲン」の由来
オビソゲン(肥満原物質)は、肥満の原因になると考えられている人工的な化学物質です。
肥満という意味の「obese」と、物質を表す「gen」が合わさった言葉で、「obesogen オビソゲン」と呼ばれています。
内分泌かく乱化学物質(Endocrine Disrupting Chemicals: EDC)であるオビソゲンは、
脂質代謝に異常をきたしたり、
食欲と満腹感を調節する中枢を乱したりなど、
体内の脂肪組織の機能を阻害することで脂肪の増加を促進する化学物質なのです。
私たちの身近にあふれる「オビソゲン」として知られる3つの化学物質
身近なオビソゲンその1:有機フッ素化合物
今回、米国ハーバード大学の研究報告では、「PFAS」(有機フッ素化合物の総称)は、人の体重調節を阻害し、肥満をマンネリ化するオビソゲンであるとして発表されました。
※「PFAS」ポリフルオロアルキル化合物及びパーフルオロアルキル化合物(poly- and perfluoroalkyl substances )は、約4,500種類の有機フッ素化合物の総称です。
このPFASは、ガン、内分泌(ホルモン)かく乱、免疫機能障害、高コレステロール、肥満などとの関連が既に指摘されていました。
今回の研究で、代謝率を低下させ、PFASの血中濃度が高い人ほど、減量後にリバウンドした体重が最も大きかった結果を報告しています。
また、「PFAS」の中の一つに、特に問題となっている有毒で残留性の高い「PFOA(ピーフォア)」=ペルフルオロオクタン酸(Perfluorooctanoic acid)という化学物質があります。
みなさんも知っている、下記の物に使用されています。
•焦げつかないフライパン
•水をはじく衣類
•食品の包装紙
ここで全てを挙げることができないくらい、様々な用途で使用されているので、私たちが日常生活していく中で気をつけなければならないのです。
焦げ付かないフライパンは、空焚きをしないように注意!
焦げ付かないフライパンなどの調理器具を購入するのは、オイルの使用量を減らすことができると思っておられるからではないでしょうか?
しかし逆に、オビソゲンを考えると避けた方がよいのです。
焦げ付かないフライパンは、空焚きをすると360℃で有害ガスが発生します。
(※強火で1分ほどの空焚きで約200℃、3~5分の空焚きで400℃ほどになります)
特にフッ素加工樹脂された調理器具は、傷みだしたら直ぐに買い替えましょう。
これを機会に、体に優しい調理器具に買い替えてみてはいかがでしょうか?
出典 : www.frc.ch
毎日飲んでいる、あなたの水道水の「PFOA」は大丈夫ですか?
米国ハーバード大学からの研究報告では、PFOAは環境中でほとんど分解せず蓄積されていると発表されました。
60年以上にわたってこの化学物質は環境に排出され、飲料水にも汚染し、食物連鎖の中で蓄積され、人間の体内に毒素として溜まっていることが研究で明らかにされています。
日本でも、各地の河川などからPFOAが検出され、飲み水が汚染されていることが分かっています。
「私って水を飲んでも太る体質なんです。」という言い訳の決まり文句の裏には、オビソゲンが隠れている可能性が高いのです!
その後、PFOAは、2019年5月の残留性有機汚染物質に関する「ストックホルム条約」にて、特定の用途を除き廃絶することが決定されました。
日本では、2020年4月より水質管理において、有機フッ素化合物のPFOA(ペルフルオロオクタン酸)とPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸) の目標値を合わせて50ng/L以下と設定されています。
この事は、最近の出来事です。
健康にはリスクがないと言うものの、水道水を飲むことで現在もなおオビソゲンを体に溜めているかもしれません!
【出典】
厚生労働省 ペルフルオロオクタン酸
www.hsph.harvard.edu
身近なオビソゲンその2:プラスチックの原料ビスフェノールA
ビスフェノールAは、ポリカーボネート、エポキシ樹脂と呼ばれるプラスチックの原料として使用される化学物質です。
ポリカーボネートは主に、
電気機器、OA機器、自動車・機械部品等の用途に用いられています。
エポキシ樹脂は主に、
金属の防蝕塗装(缶詰めの内面)、電気・電子部品、土木・接着材などの用途に用いられています。
ビスフェノールAは、内分泌かく乱化学物質で、血糖値の調整と糖代謝に関わるインスリン分泌を狂わせるため、糖尿病リスクを高めます。
また卵巣にも影響を与え、不妊症や月経不順につながる多嚢胞性卵巣症候群になるリスクが高くなるとされています。
オビソゲンの毒素と関連している”現代病をまねく化学物質”なのです。
例えば、紙コップが耐熱や耐水するためにコーティングされている化学物質がビスフェノールAというプラスチックです。
私たちが、当たり前のようにテイクアウトで使っている使い捨てのコップだけではありません。
砂糖やミルクを入れて混ぜる時に使用するスティック(マドラー)も、オビソゲンが含まれています。
プラスチック製のマドラーはもちろん、木製には、防カビ剤、亜硫酸塩、漂白剤が使われています。
感熱紙もビスフェノールAが使われている!
レシートやカード払いの控えの感熱紙もビスフェノールAが使われており、水やハンドクリームのついた手で触ると、皮膚からオビソゲンを吸収してしまいます。
このように、体に有害なオビソゲンは私たちの日常に入り込んでいるのです!
有害化学物質ビスフェノールAを禁止!フランス政府の対応
私の住むフランスでは、妊婦や胎児に対する健康リスクを考慮し、哺乳瓶へのビスフェノールAを禁止する法律を2010年に制定しました。
その後、2015年1月から全ての食品容器、包装に対し禁止されています。
しかし、メーカーは毒性に関する研究がほとんどないビスフェノールSなどの代替品を使用するようになりました。
残念ながら、いたちごっこは終わりを見せません。
私たちから、マグカップを使うなど日常生活を変えていき、自分でリスクを抑えなければならないのです。
【出典】
厚生労働省 ビスフェノールA
obésogène des bisphénols A et S
身近なオビソゲンその3:防腐剤 プロピオン酸
プロピオン酸は、パンや洋菓子、チーズなどの防カビ、バクテリア効果の保存料として使用する食品添加物です。
このプロピオン酸は、肥満や糖尿病の発症につながる代謝反応が引き起こされる可能性が高い化学物質なのです。
プロピオン酸が添加された食物を食べる実験では、インスリン抵抗性(インスリンは十分な量が作られているけれども、効果を発揮できない状態)が上昇しました。
このことが原因で血糖値が上昇し、そして体重も増加した結果が出ています。
食べすぎでもなく、運動不足でもないのに太りやすくなっている場合は、保存料の入った加工食品を摂り過ぎているかもしれません。
近年、肥満と糖尿病の発症率の増加は、環境や食生活の要因が大きく関与してきています。
【出典】
Science Translational Medicine
太る毒素「オビソゲン」にはデトックスが効果的!
たとえ食べ物や日常生活に気をつけていたとしても、”オビソゲン”を体に入れないことは難しい時代になって来ています。
体に入ってしまったオビソゲンは出来るだけ早く体内から出すためにデトックス(解毒)することが大切になります。
そこで、太る体質にならないように、デトックスして毒素や老廃物を排出し、体の中を掃除する必要があると言う訳です。
デトックスすることは、現代社会において健康維持のために、また免疫力向上のためにも取り入れたい健康法の一つなのです。
以前にフランス流のデトックス法をお伝えしました。
★デトックス好きのフランス人は白樺樹液(ホワイトバーチウォーター)で健康を維持!春に効果的なフランス流デトックス法6選
白樺以外にもさまざまな方法をお伝えしていますので、ぜひ参考にしてください。
自分に合ったデトックスを定期的に行いましょう!
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