世界が注目するインドネシアの大豆発酵食品テンペ。美味しいご当地レシピやインドネシア食事情、新型コロナに流行による最新テンペ事情をお届けします!
世界が注目するインドネシアの大豆発酵食品テンペ。美味しいご当地レシピやインドネシア食事情、新型コロナ流行による最新テンペ事情をお届けします!
インドネシア・ジャワ島生まれの「テンペ」をご存知ですか?
大豆をテンペ菌(クモノスカビ)で発酵させた「インドネシアの納豆」とも呼ばれるブロック状に固められた食品ですが、納豆のような臭いや苦みはあまりなく、糸も引かないので食べやすいものです。
今ではインドネシア国中に広がり、国民食として親しまれています。
特に庶民の間では手軽にとれるタンパク源として、朝・昼・晩と頻繁に食されています。
もちろんインドネシアだけではなく、世界のベジタリアンや健康志向が高い人たちにも大人気!
さて、そんなインドネシアのテンペですが、コロナの流行によりテンペ事情に最近大きな変化が起きているようです。
そのあたりの事情を、インドネシア人であり、大東文化大学・国際関係学部国際関係学科講師のMya Dwi Rostika氏に聞いてみました。
テンペの故郷、インドネシアの食事情
インドネシアの、特に内陸部では魚を食べる習慣が少なく、さらに牛肉は高価であるため、年に数回程度しか食べません。
たとえばインドネシアの牛肉料理として有名なルンダンはスパイスを多用し、味付けも濃く、高価な牛肉をなるべく日持ちさせるような調理方法になります。
魚は干し魚かナマズなどの川魚はありますが、なにしろ小さいころから食べ慣れていないため、得意でない人も多いのです。
ですから人々はテンペをとてもよく食べます。
庶民のたんぱく源としては、卵、鶏肉、TAFU(固いTOFU)そしてテンペが食べられてきました。
テンペは特に、お給料が高くない人の腹持ちのよい食事として重宝されています。
一般的な食べ方としては、スライスしたテンペをニンニク、塩、コショウ、スパイスなどをまぶして、カリカリに素揚げしたもの、または味付けした衣をつけて揚げた天ぷらのようなテンペゴレンというスナックが有名です。
スナックとしては、子供から大人まで四六時中食べられています。
もちろん主菜としても大活躍で、例えば人力車のおじさんなど、忙しくて腹ペコになりやすい職種の人たちが、屋台で野菜とテンペ入りのスープをごはんにかけたものを食べたり、炒め物の具材としても使われています。
腹持ちがよくて栄養があるため、生活になくてはならない存在、それがテンペなのです。
日本のようにつぶして形状をハンバーグ型にして肉変わりにするというような食べ方は、インドネシアではまだされていません。
ですが、田舎ではテンペはバナナの葉にくるまれて販売されていて、注文のときに「今回のは薄くしてくれ」とか「丸い形にしてくれ」というような注文ができます。
庶民の味方テンペは「遺伝子組み換え大豆」の可能性が高くなっている?
そんな庶民の味方テンペですが、原料の大豆が輸入に頼る部分が多いため、コロナで貿易が鈍化して以来、だんだんとテンペの製造が難しくなってきました。今まで存在していることが当たり前だったため、改めてテンペの価値が認められるようにもなってきました。
スーパーマーケットにあるテンペは、質のいい材料で作られた値段が高めのものが多く、主に富裕層の方が買います。
庶民は市場でテンペを安価に買うというような棲み分けもあるようです。
市場のテンペが安価なのにはもちろん訳があり、遺伝子組み換え大豆が使われている可能性が高いとの事です。
1990年代くらいまでは、インドネシアの国産大豆の割合は半分くらいでしたが、次第にその比率は下がり、アメリカからの輸入依存度が高くなりました。
なんと今では約90%もの大豆を輸入に頼っており、そのほぼすべてはアメリカからのものです。
国産の大豆よりも大粒で味がよく安い輸入大豆をインドネシアのテンペ業界は受け入れました。
ところが、インドネシアが輸入するほぼすべての大豆は、政府の認可のもとで輸入された遺伝子組み換え大豆と言われていますので、インドネシアで販売されているテンペや豆腐も、その多くが遺伝子組み換え大豆のものであると考えられるのです。
オーガニック大豆で作られたテンペは、これから富裕層向けに需要が高まることが予想されます。
このような傾向は、もはや全世界的な流れなのだと考えさせられますね。
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インドネシアでは、大豆以外の材料でテンペを作っていた!
大豆の入手が以前より容易ではなくなったため、最近では大豆以外の豆のテンペも作られるようになってきたといいます。
インドネシアでのおいしいテンペの定義は、
◆フワフワであること
◆適度に豆が潰れた状態であること
◆クセがないこと
この3つです。
新しい豆によるテンペはまだ及第点には至らず、さらなる改善が必要であるとのことです。
日本のテンペ事情
日本でも十数年前にテンペブームがありました。
マスコミで紹介され、大手スーパーマーケットでもテンペが売られていた時期がありました。
しかし残念ながら、日本人の間でテンペはあまり根付きませんでした。
たしかに私も買ってはみたものの、少し持て余した記憶があります。
なんと、テンペは作る国や気候によって、苦味などのクセが強めにでてしまうことがあるため、その土地土地での気候や素材に合わせた作り方が必要だったのです。
現在では日本国内の作り手も増えて工夫が施され、とても美味しい日本のテンペが生まれています。
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テンペを使ったインドネシア料理をご紹介!
ここからは、テンペのおいしいレシピをご紹介します。
たとえばテンペを肉替わりにして、酢豚風のお料理にしたりするのもおすすめですが、今回はインドネシア料理をご紹介します。
一品目はスナックとしてのテンペです。
インドネシアのスナックテンペの作り方
材料
作り方
1、ニンニク(お好みでコリアンダーも)をスパイス臼でつぶしペースト状にし、水を混ぜる。(またはすりおろす)
2、5mm程度の薄さにスライスしたテンペに1のニンニクを塗り、塩をふり、油でこんがりカリッと揚げる。
3、仕上げにコショウをふる。(最初に塩コショウをするとコショウの香りが飛んでしまうので、あとからふりかけます)
4、ディップを作る。(練りごま、酢、ナンプラーを混ぜる)
インドネシアのスナックテンペは徹底的にカリッとするまで揚げるのが特徴です。
歯ごたえの良さと旨みについつい手が出てしまいますよ。
強いニンニクの味が苦手な方はガーリックパウダーをお使いください。
あまりにもおいしいので、食べ飽きないとは思いますが、もし飽きたら練りごまディップをつけて味を変えて召し上がってください。
インドネシアでよく使われているピーナッツバターの代わりに、日本の練りごまにアジアのエッセンスを少し加えてみました。
二品目はインドネシアの料理研究家Neni Hendri Nugraheni氏に教えていただいたテンペと野菜のココナッツミルクシチュー(Lodeh Tempe)です。
テンペと野菜のココナッツミルクシチュー
(Lodeh Tempe)の作り方
材料
作り方
1、鍋にスープストック、ココナッツミルク、野菜、固い豆腐(または厚揚げ)を入れます。
2、テンペを少量の油でいため、1の鍋に入れます。
3、香味野菜スパイスを油でいため、1の鍋に入れます。
4、野菜が柔らかくなるまで煮込みます。
Lodeh Tempeに入れる野菜にルールはありません。
トマト、ジャガイモ、キャベツやトウモロコシなどなんでもお好きなものを!
または冷蔵庫にある残り野菜などに変えてアレンジしてください。
今回は新しいテンペを使いましたが、インドネシアでは5日程度経った古めの熟成がすすんだテンペを使うことで、テンペからでる出汁を楽むこともあるそうです。
フレッシュテンペは文句なく美味ですし、うっかりテンペが古くなってしまったときにもおすすめの一皿です。
インドネシアの生姜(Galangal)はアジア食材の専門店でしかみつからないかもしれません。
手に入らない場合は省略してもかまいませんが、余ったGalangalは冷凍保存が可能です。
在日インドネシア人の皆様も専門店で買ったものを冷凍保存して日々使っているそうですよ。
さぁ、人力車のおじさんのようにご飯にざぶんとかけて豪快に食べてもいいですし、ココナッツミルクの優しい味のこのシチューはパンにも合います。
皆さんも、ぜひお気軽にテンペをお試しください!
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