熱中症・夏バテ・寝苦しい夏の不眠に。夏の不調トラブルにオススメの薬膳食材と漢方。
猛暑が続いています。
誰がいつ熱中症になってもおかしくない状態といえます。
暑気あたりで夏バテや冷房病になってしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
予想だにしない自然災害などで不調や心労が蓄積してしまう懸念もあります。
できることならば夏の不調は危険なものもありますから、未然に防ぎたいものです。
今回はそんな有事やトラブル時に使える漢方をピックアップします。
お守りのようなかたちで手元に置いておくと役に立てていただきたいです。
いざ体調を完全に壊してからの処置ではなく、漢方ならではの「未病」のうちから体調不良を整える作用は、このような時期に大変助かります。
ご紹介する漢方はドラッグストアや薬局で手に入るメジャーなものですので、
なんだか調子が悪い・・・そんなときはぜひ参考にしてくださいね。
夏トラブルに筆者おすすめの漢方一覧
①熱中症の症状に「白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)」
ゴルフに行くときに持参する人が多い漢方。
また子供が夏場、外で遊びまわって、くらくらして熱が出てしまったときなどにも処方されることが多いです。
夏場にたくさん汗をかき、水分が無くなり脱水状態になったとき、
また高温多湿で汗による体の冷却効果がうまくいかず、体が熱くて、水分が枯れた状態になったときに効果が期待できます。
体を冷やす石膏(セッコウ)と知母(チモ)
この白虎加人参湯、石膏と知母という、体を冷やし、水で潤す効果を持つ生薬が配合されています。他にも、元気のもとを作る胃腸の働きをサポートしたり、気を補ったりする粳米、甘草、人参などが配合されています。
意識はあるけど体が熱くなって喉が渇いたような熱中症の状態には、まずは日陰などの涼しいところで、首・脇等を冷やし、水とともにこの白虎加人参湯を飲ませます。
夏場、外の仕事をしている方、レジャーなどのと時ぜひお守りとして持っておいていただきたい漢方です。
※意識がない状態までの熱中症の症状がある場合は必ず病院へ!
②めまいなどの暑気あたりに「五苓散(ごれいさん)」
私が大変世話になっている漢方です。というのも、ビールの飲みすぎなどで二日酔いのとき、とても助かるのです・・・。
口の渇きや頭痛、気持ち悪さ、吐き気、なんだか体が熱い感じがあるときに適しています。
夏場、海やビアガーデン、レジャーでガンガン飲んで、後悔したときにも五苓散が良いです。
体の水分の代謝異常を調整してくれる代表漢方
漢方には「水滞(すいたい)」という概念があります。私がよく陥った二日酔いは、頭痛 吐き気 気持ち悪さ 手足の熱さとお腹の冷え のどの渇き。
これは水滞といって、水分が体にたまりすぎて起こっている典型的な症状といえます。
五苓散は、イメージで言うと脾のまわりに滲んで漏れ出てしまった水分をさばく作用があるとされています。
口の「渇き」 そして、体のむくみやお腹のちゃぽちゃぽした感じ、吐き気などの「水が溜まった感じ」、
両方を緩和してくれるのです。この漢方を知ったときは驚きました。
余分な水だけをうまくさばいて、渇きがあるところにちゃんと水分がめぐるようにするなんて、凄いですよね。
暑気あたりの水のめぐりが悪くなった状態のとき、(まるで二日酔いのような気持ち悪さ、口の渇き、吐き気、頭痛があるとき)は五苓散を飲んでおくのがおすすめです。
もちろんお子様も服用できます。
夏場の部活やクラブ活動でバテ気味の学生、
外の営業周りで暑気あたりになった社会人の方に知っておいていただきたい漢方です。
※下痢がおさまるような作用があるため、食あたりには向きません。
③夏のダルさ、倦怠感、食欲不振に「清暑益気湯(せいしょえっきとう)」
暑さからのダルさ、食欲不振、下痢、多汗に良い漢方で、名前のとおり暑い夏を清らかに、元気に乗り越える目的の漢方です。特徴的なのが、元気を補う高麗人参と黄耆(おうぎ)の配合。
また五味子(ごみし)という、夏の不調に適した酸味の強い生薬も配合されています。
これらが、疲れで汗がダラダラと漏れてしまわないよう表面をかためて、渇きを潤し、元気を補ってくれます。
夏は汗をかくので気も消費している
漢方では、汗をかくと気も消費するとされています。また気の力が落ちると、ダラダラと汗が体から漏れ出てしまうと考えられています。
清暑益気湯は汗の漏れ出るのを調整し、気を補ってくれるので、
夏が苦手というお年寄りなども合う人が多い漢方です。
高温多湿の気候で、バテバテになっている方が多いと思いますが、そんな方におすすめです。
猛暑の夏を乗り切る!夏の不調対策にオススメの薬膳食材と、食養生
漢方はいざという時に活用できる力強い見方ではありますが、それでも、漢方薬はあくまでも補助的なもの。
基本は体をいたわる日々の食生活をヘルシーなものに、心がけることが大事。
夏の過ごし方次第で花粉症の重度が変わる!?花粉症は今から対策しても早くない。東洋医学から見た夏からはじめる花粉症対策。
東洋医学からみた「夏」の食養生・過ごし方。汗にまつわるトラブルと対策方法もご紹介。
東洋医学での基礎となる陰陽五行論では、苦い味は引き締める効果があるとされています。
夏に関する五味として苦味が該当します。
汗が出て蒸し暑い時
苦味をとってシャッキリ引き締めましょう
→ たけのこ、ごぼう、ほうれん草、ゴーヤ、春菊、青い野菜、銀杏、青汁
クーラー病などで冷えてしまっている時
苦味は摂り過ぎないようにしましょう。
→ ショウガ
「ショウキョウ」「カンキョウ」といった形で、多くの漢方に含まれ、体を温める作用がある生姜。
夏の定番である冷奴、そうめん、蕎麦には、ぜひショウガをそえて、体が冷えすぎないようにしましょう。
こころのケアにも漢方を。「心身一如」という考え方
漢方は「心身一如」という考え方があります。
こころとからだは密接に結び合っていて双方影響しあっているという考え方です。
中国古来の書記「素門」では、激しい感情の変化は、その感情を司る臓を傷つけると考えられています。五臓と五志の考え方です。
下記ご覧ください。
自然界 性質 五臓 生理機能 五志
木 → 曲直 肝 貯蔵・調整 怒
火 → 炎上 心 循環・精神 喜(笑)
土 → 収穫 脾 消化・吸収 思(慮)
金 → 変革 肺 呼吸 悲(憂)
水 → 潤下 腎 生殖・泌尿 恐
不眠、不安、動悸、貧血に「帰脾湯(きひとう)」
「帰脾湯」という名前には、上記の「脾」という字が入っていますね。この「脾」とは、東洋医学の臓の考え方で、食べものから元気のもとの「気」を取り込む機能があるとされています。
脾(ざっくり胃腸と考えても良いでしょう)が弱い人は、食べものの気を取り込む力も弱いので、なんだか疲れやすくて元気も少ない、ということです。
上記表で見ると、脾は「思(慮)」という感情を司っています。
つまり、思いすぎる 考えすぎる状態が続くと脾が影響を受けて、脾の働きが落ちてしまうのです。
帰脾湯は、この脾の働きが、ストレスやアクシデントなども含め、
なんらかによって落ちたりストップしてしまって、体の気と血が不足した状態に用いる漢方です。
「心」は精神活動を司っています。
帰脾湯に配合されている「竜眼肉」という生薬は保心効果、「酸棗仁」という生薬は安心効果があるとされ、これらが心の動きもサポートしてくれます。
私は親族が他界したときに服用していました
親族を失い、ショック状態だった私のお守りとなったのが帰脾湯でした。帰脾湯には、不眠、不安、抑うつ状態、ボーッとする、物忘れ、寝汗、動悸などの症状に適するとされています。
大きな出来事があって、心と脾がショックを受けて止まってしまったり弱ってしまったときの症状に適しています。
安定剤や睡眠薬には少し抵抗がある、という方は、化学的なものだけでなく、漢方でのアプローチもあるということを知っていただきたいです。
体が弱って微熱と胸苦しさがあれば加味帰脾湯
帰脾湯に「柴胡(さいこ)」と「山梔子(さんしし)」を加えたのがこの漢方。
帰脾湯の症状に、イライラやのぼせ、ほてり、胸苦しさがあるときに使用します。
心と脾だけでなく、肝という臓にも影響があった場合の処方で、自律神経の興奮を沈静する効果が期待されます。
イライラもあるという方は、こちらのほうが適しているといえます。
日々の食生活を最重要してヘルシーなものを食べ、
いざという時は細やかな不調をケアしてくれる漢方も、うまく利用して
今回は、夏トラブルや、ショック時に使用される代表的な漢方を紹介しました。
ほかにも、体調や心身の不安が悪化しすぎないうちにケアしてくれる漢方はたくさんあります。
うまく利用して猛暑を乗り切りましょう!
また、いざという時にサポートアイテムとして活用できるのが漢方ですが、今回紹介した内容はあくまでも目安となりますから、
自己判断だと体質に合わないものを飲んでしまったりと、判断を、間違う可能性もあります。
化学的な薬を飲むよりはいいですが、副作用があるものもあるので、
くれぐれもよくわからないままに闇雲に活用せずしっかり下調べをしたり、体質診断などは漢方専門クリニックや、東洋医学に精通したクリニックなどで行ってから、いただいてくださいね。
また漢方の質もピンキリです。
安価なものだと添加物が含まれるものもありますので、なるべく安全で純度の高いものを選ぶことが、大事です。
そして何よりも漢方だけに頼らずバランスのとれたオーガニックな食食で不調を防ぐことが健康維持には、最も大事であるということも忘れずに。
夏にオススメな緑の食材。サプリメント、お茶など自分に合ったタイプを選ぶことができるモリンガを取り入れてみよう。
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今話題の健康食材、モリンガには色々な加工をした商品があります。
モリンガを乾燥させて粉砕したパウダータイプ、錠剤タイプのサプリメント、また葉っぱから作られたお茶などがあります。
薬では無いのでどなたでも安心して使っていただけますが、何よりも続けることが大事。
続けるためには自分のライフスタイルに合ったタイプを選ぶようにしましょう。
忙しい人にサプリタイプ
毎日に自然に取り入れるお茶タイプ
料理などに使うパウダータイプ
健康マニア・マニアックな方向けに、種タイプ
美容に使いたい方向けに、オイルタイプ
癖がなくて飲みやすいジュースパウダータイプ
時間が無い方、忙しい方ならサプリメントタイプ、お菓子などに加工して使うならばパウダータイプ、
生活に溶け込むように取り入れたいならお茶など。好みのモリンガを見つけてください。飲みやすい錠剤タイプが人気ですが、クッキーやマフィンなどに使えるパウダータイプもレシピが広がって楽しいと思います。味は緑茶や抹茶、青汁を飲みやすくしたような大きな癖のない味です。
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