日本の市場に出回る現代の小麦粉の99%は改良されていた? 本物の古代小麦を探しに実際に南モロッコに行ってきました。
![img 2640](https://macrobiotic-daisuki.jp/cms/wp-content/uploads/IMG_2640-1.jpg)
小麦は食べるなという著名人たち
多くの学者たちが小麦は肥満や病気を起こす、中毒性があるという記事や書籍を出版しており、
話題になっています。
海外のセレブ達のグルテンフリーダイエットも注目されていますね。
小麦はそんなに身体に悪いものなのでしょうか?
![](https://macrobiotic-daisuki.jp/cms/wp-content/uploads/35c25a498af74bee5a32d9f13f99a80d-1.jpg)
私はヨガ講師をしていることもあり、身体に良い食べ物をいつも研究していました。
健康食として、発酵の凄さに魅せられていたころ、知り合いの天然酵母の教室に参加しました。
そこで、南モロッコから自然派食品を輸入する予定の社長さんと出会いました。
その方は小麦について、こんな風に語っていたのです。
「現代の小麦は99%が改良された小麦であり、原種(古代小麦)は、ほんの一部の地域にしか存在しない。
大量生産による改良によって、グルテンは増加し、人体に悪影響を及ぼすようになった。」
「南モロッコでは、古代小麦を生産し、使っているので、小麦といえども、グルテンフリーだから、
現地の人は小麦アレルギーや病気とは無縁、肥満やアレルギー、精神病はない」
と語られていました。
現地の人たちは甘いものが大好きなので、
糖尿病はあるそうですが、現代病である心臓病や脳障害も皆無だそうです。
すでに古代小麦は品切れで、教室では話だけとなってしまいました。
古代小麦って、イタリアのスベルト小麦だけじゃないの?
パスタにしかならないのでは?
いったいどんなやつなのか、気になって仕方なくなり、古代小麦に会うため、
私は南モロッコ ティヌリールに旅立ちました。
「ホテルのテラスから眺めたティヌリール」
![](https://macrobiotic-daisuki.jp/cms/wp-content/uploads/IMG_2626-1.jpg)
古代小麦とはそもそも何?
![](https://macrobiotic-daisuki.jp/cms/wp-content/uploads/c15c11ca1da0571942e7b54baf3493ac-450x300.jpg)
ネットで検索すると、野生種の古代小麦は3種類あることがわかります。
一粒小麦
:アインコーン二粒小麦
:エンマー → カムット、デュラム
普通小麦
:スベルト → パンコムギ
デュラムやスベルトは有名ですが、どちらかというと、パスタやピザに使うイメージです。
ネットで検索すると、緑の革命以降、
流通されている小麦のほとんどが改良されていることがわかります。
改良されていない野生種の小麦は栄養価が高く、たんぱく質や繊維質が多い。
グルテンフリーではないが、グルテンやセリアックにアレルギーを起こす人も
問題なく食べられることが多いと、多くの研究者から報告されています。
では、実際に現地で使っている古代小麦は
現代で使われている改良小麦とどんな風に違うのでしょうか?
緑の革命(みどりのかくめい、Green Revolution)とは、
1940年代から1960年代にかけて、高収量品種の導入や化学肥料の大量投入などにより
穀物の生産性が向上し、穀物の大量増産を達成したことである。農業革命の1つとされる場合もある。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
南モロッコの古代小麦はどういうもの?
![](https://macrobiotic-daisuki.jp/cms/wp-content/uploads/4efd6fed1ab88939e70760b584ec3cc8-1.jpg)
無事、南モロッコ ティヌリールについて、3週間のホームステイをしてきました。
現地の人に聞いたところ、古代小麦で作るパンは「アガロン」と呼ばれ、バゲットとは別の粉で作っていました。
古代小麦で作るパン「アガロン」
![](https://macrobiotic-daisuki.jp/cms/wp-content/uploads/IMG_2535-3.jpg)
私たちが知っているバゲットは、輸入小麦で作っていると言っていたので、
改良された小麦でないとできないわけです。
アガロンは円盤型で、どちらかといえば、ピタパンに近い感じです。
日本のバゲットや食パン等のパンより、軽くはなく、もっちり、ずっしりとしています。
食感は米粉のパンに近いです。
古代小麦を使ってパンを作ると年配の方は決まって、昔のパンに似ているというのです。
そして、少量でお腹がいっぱいになってしまいました。
改良された現代の小麦は中毒性があるといわれていますが、古代小麦はたくさん食べられないので
とても経済的だなと思いました。
考えてみれば、古代の人は大量に生産などできなかったのだから、少量で満足したはずですね。
モロッコはパンの種類がとても少なく、アガロンとバゲットがほとんどを占めていました。
ホームステイ先でキッチンも使わせてもらったのですが、
いつも私の横で、ハウスキーパーさんが顧客用のアガロンを作っていました。
日本のお米と同じで、毎日、家でアガロンを焼くことが普通だそうです。
ガスや電気も日本のようにどこでもいつでも使えるのではなく、
一部はプロパンガスを使っていますが、薪を使う家庭も多いと言っていました。
「キッチンでパンを焼く女性と」
![](https://macrobiotic-daisuki.jp/cms/wp-content/uploads/IMG_2632-1.jpg)
「金庫のようなガスオーブン」
![](https://macrobiotic-daisuki.jp/cms/wp-content/uploads/IMG_2678-2.jpg)
「クスクス(古代小麦で手作りも多し)」
![](https://macrobiotic-daisuki.jp/cms/wp-content/uploads/IMG_3039.jpg)
食事の内容も至ってシンプルです。タジン鍋、クスクス、タジン鍋、クスクス、肉とパンの繰り返し。
外食は一般的ではありません。
レストランも家庭料理と同じ内容が多いですし、ホテルに併設されているところが多く、
お客様は観光客ばかりです。
毎日、同じ伝統的食事を食べているせいか、精神病や引きこもり、寝たきりの人は
全然いないようです。
モロッコは未だ貧しく、病院もあまりないことも関係しているとは思いますが、
人間も動物も植物も昔から変わらないままの状態にありました。
「食事は家で、大勢で、つつきあう ”どすこい文化”」
![](https://macrobiotic-daisuki.jp/cms/wp-content/uploads/IMG_2682.jpg)
古代小麦の畑がオアシス全体に広がっています。
現地の人に古代小麦はどのように作られているのか聞いたところ、
化学肥料どころか、有機肥料も使わず、ただ種をまくだけで、「ほったらかし」で育てるそうです。
モロッコは雨がほとんど降らない感想地帯なので、
地下水を掘り起こす作業が必要ですが、大変なのはそれだけだと言っていました。
小麦だけでなく、名産であるデーツやオリーブも同じように「ほったらかし」で育てるそうです。
「幻想的なオリーブ小道」
![](https://macrobiotic-daisuki.jp/cms/wp-content/uploads/IMG_2610.jpg)
まるで、日本の江戸時代のようにシンプルな暮らしをしているのです。
安全で羨ましいと思う反面、
毎日同じような伝統料理に飽きてしまう、日本のような便利な電化製品がなく、
思うようにパンが焼けないストレス、お湯も制限があるし、便利でない環境で暮らす厳しさも感じました。
便利でない環境=最先端技術なし、小麦だけでなく、
他の野菜も人間の手による改良はされていても、最先端テクノロジーによる画期的な品種改良はされていない。
「IMWIC(国際トウモロコシ・コムギ改良センター)で行われたような立て続けの品種改良では、
異常な過失がありました。小麦をはじめとした穀物遺伝子構造が大幅に変えられたのに、
生みだされた新たな品種は動物実験も人体への安全確認の試験も行われなかったのです。」
「小麦は食べるな」白澤卓二著38頁より抜粋
白澤教授の本によるとIMWICは世界的飢餓の削減を目的として、
トウモロコシ、大豆、小麦の生産量を上げる研究を重ね、高生産性の小麦品種を生み出したのです。
そして、世界中に広まり、今や99%の小麦が品種改良された小麦だと記載されています。
そういう歴史的背景から、モロッコには2つの小麦が存在したのです。
伝統食を重んじ、食べる続ける習慣が古代小麦を使った「アガロン」を残したのです。
この「アガロン」しか食べられない山に住む貧しいノマド(遊牧民)は肥満や精神病とは無縁です。
モロッコでは、パンといえば「アガロン」なのです。
バゲットは田舎に行けば行くほどありません。食パンや菓子パンも皆無。
別にパティスリー「お菓子屋さん」があるだけです。
「ノマドの女の子」
![](https://macrobiotic-daisuki.jp/cms/wp-content/uploads/IMG_2880-1.jpg)
「ティヌリールの月曜マーケット」
![](https://macrobiotic-daisuki.jp/cms/wp-content/uploads/IMG_2663-1.jpg)
グルテンフリーの身体に優しい「古代小麦」はどこで手に入るの?
先にも述べた通り、厳密にはグルテンフリーではないのですが、アレルギーを起こさず、食べることができる古代小麦。
いったいどこに行けば、手に入るのかしら?
現在、日本で手に入る古代小麦はスベルト小麦だけです。
小麦のほとんどはアメリカ、カナダ、オーストラリアからの輸入です。
国産小麦も日本の気候では改良小麦しか育たないので、小麦の野生種とは異なります。
アレルギーや肥満等、身体や脳にトラブルを持つ人にとって、国産だからといって
安全なわけでないことがわかります。
原産地である西アジア(ペルシャ地域)、
もしくは周辺諸国のヨーロッパや北アフリカからの輸入となります。
遠く、関税率も高いこれらの国々から、輸入される予定は、残念ながらありません。
でも、私パンが大好き。アレルギーになりたくないなら、どうすればいいの?
今のところ、スベルト小麦、米粉等を小麦の代用として粉菓子を手作りすることが最も安全です。
エリカ・アンギャルさんの「グルテンフリーダイエット」はわかりやすく、健康に痩せられそうな感じです。
ラーメンやうどんも小麦なので、蕎麦やビーフンに切り替えるといいですね。
大切なのは事実を知ること
小麦に限ったことではないのですが、今、私たち日本人は何を食べているのか、ほとんどの人はわかっていません。
食品表示はあるけれど、本当に遺伝子組み換えでないのか、どんなふうに育てられたのか?
野菜は生産者の表示がされているものもあるけれど、義務ではありません。
加工品の原料の記載はもっとあいまいです。
これは小麦に問題があるなら、ごはんを食べればいいよね。という話ではないのです。
既にたくさんの小麦製品が日本のマーケットでは売られており、常食として認識されています。
大量に生産されて、大量に捨てられる食べ物たち。
小麦も同じです。
小麦が危ない食品と言われるようになった原因もここから始まっています。
食について、お店や社会の誰か、まかせでなく、
私たちは何を食べているのか?
どんな食べ物があるのか?
自分の周りにある食べ物、それの元となる植物と動物を見直してみませんか?
IN YOU Marketのオススメオーガニック商品
この記事を読んだ方にオススメの記事
望診法で分かる肝臓からの悲鳴。高タンパク・高脂肪の食事で悲鳴をあげていませんか?|現代人なら飲みたい「しいたけ茶」の作り方 〜IN YOU Marketが私に教えてくれたことvol.8〜陰陽五行診断に精通する薬剤師がFivele(フィヴェール)を初体験レポート〜連載vol.03オーダーメイドフレグランスFivele(フィヴェール)に出会った私の人生〜
体内に取り入れているアルミニウムを排泄するためにオススメの食べ物とは?
IN YOUライター募集中!
あなたの時間を社会のために有効活用しませんか?
年間読者数3000万人日本最大のオーガニックメディアの読者に発信しよう!
IN YOU Writer 応募はこちらから
![img 2640](https://macrobiotic-daisuki.jp/cms/wp-content/uploads/IMG_2640-1.jpg)
この記事が気に入ったら
いいね!しよう