矯正治療が睡眠時無呼吸症候群の原因に?!矯正した人もこれから治療予定の人も、知っておきたいリスクと、歯を美しく保つために今すぐできること
みなさん、歯並びに自信はありますか?
日本臨床矯正歯科医会が2009年に1000人に実施した調査では、46.2%もの人が「自信がない」と回答しています。
参照元 http://www.jpao.jp/story/story-06/
矯正治療に対応した歯科も増えているし、矯正治療も一般的になってきました
最近では、大人になってから始める人も周りで見かけるようになりました。
わたしも30代になってから始めました。
上記団体の調査で、20代以上に矯正治療を始めた人の割合も、2007年8.1%→2008年12.0%→2009年15.4%と年々増加しているようです。
それほど一般的になった矯正歯科ですが、実はリスクがあったり、せっかくお金をかけて治療しても戻ってしまうこともあるという事実があったりします。
矯正を検討中の方も、すでに済ませている方も、歯の健康のために、今できること始めませんか?
いいことばかりじゃない!矯正治療によるリスク
矯正治療を考えるとき、歯並びが良くなる!という面だけを見て、あまりリスクに目がいかない方も多いのではないでしょうか。もちろん、お金がかかるし、何度も歯科医に通わないといけないし、痛みも伴うのは想像できると思うのですが、実は、もっと知っておくべき事実があったのです。
1、睡眠時無呼吸症候群になる?!
「睡眠時無呼吸症候群」という言葉を聞くことはありませんか?
運転時の事故の原因だったり、突然死の原因の一つとして、この言葉を聞くことがありますね。
睡眠障害の睡眠時無呼吸症候群。7時間の睡眠中に10秒間以上の無呼吸が30回以上認められる場合。
大きないびきが特徴で,浅い眠り,起床時の頭痛,日中の眠気などの症状が現れる。また,高血圧を引き起こす原因となり,心筋梗塞・脳卒中などの合併率も高くなる。中高年の男性に多くみられる。 SAS 。
『三省堂 大辞林』より
この睡眠時無呼吸症候群を引き起こす可能性があるのが、実は矯正なんです。
「欧米人ではほとんどが肥満者に発症するのに、日本人ではやせている人に少なくないことがわかっています。日本人に多く見られる小顎症(しょうがくしょう)と呼ばれる下顎が小さい人にも発症リスクがあるのです。矯正治療によって下顎の歯列弓を小さくすることは、人工的に「小顎症」をつくってしまう可能性があります。多くの矯正経験者がこれから中高年にさしかかってくる今後、睡眠時無呼吸症候群の発症リスクが高まってくるのではないかと心配です。」
『歯科通いより、フッ素より、まず!歯にいいレシピ!!』ジャパンマシニスト社p42−43より引用
2、顎関節症になる?!
さらに顎関節症を引き起こす可能性もあります。
顎関節症とは、顎の関節の痛み、顎を動かす筋肉の痛み、顎を動かしたときの関節部で鳴る音、動きの異常などの症状を示す病態のこと。
『三省堂 大辞林』より
「矯正を受けた人すべてが発症するわけではありませんが、矯正後に顎関節症を発症する人がいます。〜中略〜もともと顎がずれている人や片噛みの習慣がある人に起きやすく、矯正を受けていなくても発症しますが、治療によって噛み合わせの位置が短期間のうちに変わったことによって発症することも多いのです。」
『歯科通いより、フッ素より、まず!歯にいいレシピ!!』ジャパンマシニスト社p42−43より引用
3、金属アレルギーをひきおこす?!
日本臨床矯正歯科医会のホームページに記載がありますが、稀なケースとして、矯正装置をつけて金属アレルギーが出ることを挙げています。
引用元 http://www.jpao.jp/10orthodontic-dentistry/1015consultation/06-adult-start/adult-q08.html
ネットで検索すると、矯正治療によって金属アレルギーが発覚した、というものを実際確認することができます。
矯正治療は、装置をつけている期間やその後の保定期間を含めて、かなり長い期間、口の中に金属を入れることになります。
保定装置としてつけたワイヤーは外す期間は人によってかなりばらつきがあります。
歯並びが戻らないように、と10年以上つけっぱなし、という知り合いもいます。
金属アレルギーというと、金属のアクセサリーができないとか、金属にあたったところに発疹ができると思われる方も多いと思いますが、金属が肌に触れることで起きる症状だけではなく、例えば、口の中の金属が体内に蓄積されて起きる金属アレルギーもあります。
心配な方は、事前に歯科医に相談されることをお勧めします。
アレルギー反応を起こす金属を具体的に特定し、例えば、ワイヤーを、ニッケルではなくチタンワイヤーに変えたり、保定期間に前歯の裏にくっつける固定式のワイヤーをやめて、マウスピースにしたりする、といった対応ができます。
わたしがお世話になっている歯科では、これらのリスクについては、事前の説明では触れられませんでした。
歯並びが整った今、矯正治療そのものには満足していますが、4番目の歯を抜歯せずに治療を進めることはできなかったのだろうかと思うことはあります。
また、睡眠時無呼吸症候群などのリスクや、整えた歯列が戻ってしまわないようにするために、自分にできることをしていきたいと感じています。
これから矯正治療を始める予定、という方は、上記のリスクを知ったうえで判断しませんか。
気になる点は直接、歯科医にご相談のうえ納得しながら進めていってくださいね。
歯は継続的に力をかけることで、実によく動きます!
矯正治療を始めて3年近くになりますが、治療を受けてわかったことは、歯は実によく動いているということです。
30歳を過ぎたある日、保育園のお迎えに行ったとき、年長のお友達に「○○くんのママは、何を食べたらそんなに歯がぐちゃぐちゃになったの?」と言われたことをきっかけに、その場で、矯正を決意したわたし。
上の4番目の歯をそれぞれ抜いて、歯茎に埋もれていた親知らずを抜きつつ、矯正器具をつけて整えていきました。
初めて装置をつけたときの痛みは忘れられません。
装置に押された歯の根元が痛くて痛くて仕方なかったのですが、次第に並んできます。
ゴムなどで歯と歯が近づくように引っ張ったり、ワイヤーで歯列を広げたり前に出っ張らないように押さえたり・・・。矯正でやっていることは実はとてもシンプル。少しずつ力をかけ続けることで、歯を動かしていくんですね。
つまり、今、きれいな歯並びだからと言って、これからも美しいままとは言えない。また、今気になるところがあっても、自分の力で改善できることもあるんです!
矯正に頼る前に、また、矯正後の歯並びをキープするために、今できること
高いお金をかけて、歯科医に歯を並べなおして「もらう」、のではなく、自分の生活で見直すべきところはありませんか?
そもそも噛み合わせに問題があるのは、なぜでしょう。
両親の妊娠前の健康状態の影響もあるので、どうしようもない、ということもあるかと思いますが、自分の力でできることなんて何もないということはありません。
ポイントは3つ。
1・あごを丈夫にしていくこと。
「柔らかいものばかり食べていたら、あごが丈夫にならないよ。」など幼い頃言われた記憶はありませんか。あごの成長発達をする子供のときはもちろんですが、大人になったとしても、影響はあります。
「〜奥歯は内側に倒れ、前歯は叢生(歯科用語で歯が重なり合っている状態や八重歯などのこと)になります。私もそういう変化がありました。当時はその原因が理解できませんでした。一度作られた歯並びは変化しないと信じていたのです。特に、食事が悪くなると、軟組織は短期的に悪く変化しますが、実は硬組織(骨や軟骨)もゆっくりですが影響を受けます。良くなるときも同様です。ですから今悲惨な状態でも必ず回復します。」
(『月刊マクロビオティック』2017年7月 蔓延する退化病 松見歯科診療所院長 松見哲夫)
歯にいい食事を摂ることで、あごの骨を整えてあげることが大事ですね。
2・呼吸を整えること
3・歯を、ほっぺと舌できちんと支えてあげる状態をキープすること
口呼吸していると、常に口が開いた状態になり、歯を外側から押す力が働きません。鼻呼吸できるようになりましょう。また、舌のホームポジションは、口の中で、上あごにぴったりの位置。
舌の位置を正しくキープすることで、前歯の叢生(スペースが足りなくてガタガタになる状態)や奥歯が内側に倒れてくることを防げます。
具体的な対策
具体的には・・・
1、玄米を食べる
パンや白米に比べて、噛みごたえがある玄米。
咀嚼することで、あごの骨の形が変化し、噛み合わせが改善されることがあります。
普段、口呼吸になってしまっている人も、何かを咀嚼しているときは、鼻呼吸になりやすく、呼吸状態の改善につながります。
もちろん、歯以外にも、腸内環境や精神状態にもプラスに働くのはご存知ですよね。ぜひ積極的に取り入れましょう。
2、口周りの筋トレ
福岡のみらいクリニックの今井院長が考案された「あいうべ体操」で口周りの筋トレをしてみてください。引用元 https://mirai-iryou.com/aiube/
舌の位置を正しくキープできるようになると、歯並びの悪化を防げます。
3、鼻うがいによる鼻炎解消
慢性的に鼻炎が続くと、どうしても口呼吸に頼りがち。舌のホームポジションが維持できず、歯を支えられなくなってしまいます。
もちろん、噛み合わせ以外にも、口呼吸は空気内の有害物質を遮断できなかったり、口の中が乾燥してしまったりすることで、病巣感染の原因のひとつになると指摘されています。
(『病気にならない暮らし事典』本間真二郎 セブン&アイ出版)
4、口呼吸防止テープ
これも鼻呼吸により、舌をホームポジションに導くためのご提案です。起きている間は意識して気をつけることができますが、寝ている間はどうしようもありません。しかも1日の1/4程度は寝ているので、寝ている間もケアできると安心ですね。歯並びは変えられる!
歯並びは変えられないと思っている方、多いと思いますが、実はそんなことはありません。
歯並びは変えられるから、矯正が可能なんですね。
これから自分や家族が矯正を始める方も、すでに済んでいる方も、今すぐできることがあります。
口の中を整えることが、噛み合わせだけでなく、健康にも繋がっているので、原因にも思いを巡らせながら、ぜひ取り入れてくださいね。そして、矯正をスタートさせるときは、自分が納得できた状態で進めていきましょう。
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