2017/09/20

1日１５分だけマインドフルに過ごすことで乗り越えた危機。マインドフルな食事が教えてくれる本当の幸福とは?

クレイトンまき

大手雑誌などをはじめとしたフリーランスのライターを経験したのちにフランスに２年、イギリスに６年、ブルネイに１１年。海外経験豊富。全米ヨガアライアンス２００時間修得。ヨガ、マクロビオティックやナチュロパス、時事に精通する。

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ついついしがち、身体にも心にも不健康な食べ方。

毎日毎日忙しく時間に追われる私たちの暮らし。
私たちは日常をベルトコンベヤー式に
時間割どおりに次から次へと片付けていくだけ。

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座って食事をすることもままならないような生活で
食べ物を本当によく味わって食べるなんてことはなかなかできませんね。

食事中テレビを見たりスマホを見ながらなんて人もたくさんいます。
（我が家では食事中はテレビもスマホも絶対禁止！）

静かに座って食べていても
頭の中では色んな考えが常にぐるぐる回っています。
明日の予定、今日１日起きたこと。仕事のこと、家族のこと。

でもそんな食べ方は身体にも心にも良くありません。

空腹を満たすためだけに食べるのでついつい食べ過ぎてしまいますし
手軽に食べたいために身体に悪いものも食べてしまいます。

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また巷にあふれている情報や商業主義に振り回されて
「美味しい」と言われているものなら
本当に自分にとって美味しいものなのか考えることもない人も。

本当に美味しいと思っていないから、
満足感を得られずにあれも食べたい、これも食べたいと精神的な飢えが溜まっていることもしばしばです。

マインドフルネスって？

最近本やメディアで見かけるようになった’マインドフルネス’という言葉をご存知ですか？

マインドフルネスは仏教用語で「気付き」という意味のSati（サティ）という言葉の英訳で、お釈迦さまが悟りを開くのに実践された瞑想法。

マインドフルネスは一言で言えば「今自分のやっていることに完全に気付いていること」。
過去にも未来にも行かず「今この瞬間の自分」に１００パーセントの意識を向けて生きること、です。

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世界企業にも注目されるマインドフルネス

この瞑想法は古来仏教や禅の修行に使われていたのものがアメリカで見直され
故スティーブジョブ氏など世界のトップリーダーたちによって実践されるようになりました。

「青空としての私」「本当の自分とつながる瞑想入門」などの著書でも知られる山下良道氏やサンフランシスコの曹洞宗国際センター所長の藤田一照氏などにより日本でも紹介されました。

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ストレスが軽減され集中力や創造力が高まる、疲労回復など様々な効果が認められ
海外では積極的に精神医療や教育現場にも導入され
グーグルやインテルなどの大企業で企業活動の一環に取り入れられるほどです。

マインドフルネスへのさまざまなアプローチ

マインドフルネスの瞑想法は色々なものがあります。
静かに坐って自分の呼吸を観察する瞑想、自分の身体の微細な感覚を観察する瞑想。
歩く瞑想、聞こえてくる音に集中する瞑想。

そうやって何かひとつ自分が今していることに完全に集中して意識を向けることによって
自分を苦しめる感情や迷いなど頭の中で起きているさまざまな現象を振り払い
今ここに存在している自分の存在、身体、ひいては自分の生命と直接つながることができるというわけです。

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マインドフルに食べる瞑想法

マインドフルネスの方法のひとつに食べる瞑想法があります。
静かに坐って干しぶどうをひとつ口に入れるのです。

そしてその干しぶどうを舌で転がしたり歯で噛んでみたりして感触や食感を観察して
しばらくしてから噛みくだき今度はその味、香り、そして飲み込み喉を通っていく過程微細な食感から味の変化、それに伴う身体の変化まですべて観察して味わうのです。

もちろん干しぶどうでなくても構いませんし一杯のお茶でも構いません。

実践してみるといかに私たちが普段何も味わずに食べたり飲んだりしているかに驚きます。
干しブドウひとつがいかに様々な味や食感に満ちていて食べたこともないような深い味わいをもたらしてくれるか。
それはいつも口に入れているもののはずなのにとても新鮮な経験をさせてくれるのです。

マインドフルネスの実践にネガティブな経験は存在しません。
それは必ず新鮮で驚きと喜びに満ちた経験です。

それは今、この自分の感覚に完全に気付き
その知覚を通してネガティブな自分の感情や要らない価値観や不安の原因を取り除いた
本当の自分の存在を自覚することができるからなのです。

1日１５分だけマインドフルに過ごすことで乗り越えた危機

私にマインドフルネスを紹介してくれたのはイギリス人の友人でした。
彼女は離婚、家族の突然の死などが続いた辛い時期にマインドフルネスを知り日常的に出かけていたウォーキングにマインドフルネスを取り入れたらとても救われてその辛い時期を乗り越えることができたと私に話してくれたのでした。

私自身も昨年夫が突然リストラに遭い長く暮らした土地を
３ヶ月で離れなければならないという危機に遭いました。

新しく仕事と新しく住む土地と子供の学校を見つけて
家財道具と犬を連れて外国に引っ越しさなければならないというと事態に
毎日毎日駆け回って夜は夫と話し合ってという毎日でした。

その時に朝ご飯か、その時間のない時は朝一杯のコーヒーを飲む時だけでも
マインドフルネスを実践してみました。

どんなに忙しくてもご飯を食べる間、コーヒーを飲む間の１５分
そこで考えたり焦ったり心配したりしても何も変わらないことは明らか。

それよりもその１５分間、目の前の食べ物の味、それを頂いている自分に気付く。

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そのことによって不安やネガティブな感情は実在しないもの、過去も未来も実在しないもの
頭の中で自分が勝手に作り上げているものであることに気付き本当に存在するのはこの瞬間の自分だけだと認識する。
そうすると不安や不満などが嵐のように吹き荒れる心の中が静けさに包まれます。

また今日一日どんなに大変でも目の前のことを
ひとつひとつ片付けていく他にできることはないし、それさえすればまた明日が来ると気付くのです。

マインドフルネスが教えてくれる食べ物のありがたみ

もちろん毎度の食事をこんな風に何時間もかけて味わう余裕はありません。

けれどせめて朝ごはんだけ、それが無理なら一週間に一度だけでも
こんな風に食べ物をひとくちひとくち味わいながら食べてみると本当に自分が美味しいと感じるもの自分の身体が本当に欲しいと思っている食べ物の味が分かります。

それだけではありません。
この食べ物がどこで生まれてどんな旅をして自分の食卓にやってきたのか
自分の身体にどんな役割を果たしてくれるのか理屈を考えるのではなく自分の口でゆっくり味わうその行為の向こう側に
そんな世界が見えてきます。

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自分の存在が食べ物を通じて世界とつながっている、
自分の存在が世界中に支えられていると感じさせてくれる食事は「ありがたい」と心の底から感謝しながら味わえる至福です。

マインドフルな食事にダイエットは必要ない

そんな食事を経験すれば
食べ物を無駄にするなんてとんでもないことだと知るので自分に食べられるだけの少量を美味しく頂くという癖が自然につきます。

オートマティックにただ食べ物を口に放り込んで
だらだらと必要以上の量を食べてしまったり身体が本当に喜んでいるか、身体に必要なものかを考えずに
頭に入った情報のみで身体に入れたりそんな食事を絶対にしなくなります。

カロリー計算したり栄養表を見比べたりしなくても
本当に健康な食事を身体で知ることができるのです。

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