発がん性物質・グリホサートの基準値をなぜか引き上げた日本! 本当に安全な小麦の選び方とは?
発がん性物質・グリホサートの基準値を
なぜか引き上げた日本!
本当に安全な小麦の選び方とは?
こんにちは。
現在日本の小麦の自給率はわずか14%。
アメリカ、カナダ、オーストラリア、
フランスなどから大半の小麦を輸入している状態です。
しかし、海外から輸入している
小麦粉や小麦製品には「グリホサート」という
農薬の成分が含まれているのをご存知でしょうか。
「グリホサート」は今、世界で問題視されている農薬成分の一つです。
そこで今回は、多くの日本人が口にしているはずであろう、
輸入小麦(小麦製品)に含まれるグリホサートの危険性に迫ります。
世界中で使われている除草剤に含まれる
「グリホサート」
グリホサートは、アメリカに本拠地を置く
モンサント社(現在ドイツの製薬会社バイエルが保有)が開発した
農薬(除草剤)「ラウンドアップ」に含まれている成分です。
この「ラウンドアップ」は世界各地で
除草剤に耐性のある遺伝子組み換え作物(GMO作物)に対して、
多く使用されています。
グリホサートに耐性を持つ遺伝子を組み込まれた作物に使うと、
グリホサートを散布しても、作物は枯れずに雑草のみが枯れ、
除草の手間が省けるのです。
そんなメリットから、除草剤に耐性を持つ作物は瞬く間に普及しました。
それに応じてグリホサートの散布量も増え、
同時に、食品中のグリホサートの残留率も増加しています。
また、「ラウンドアップ」は小麦や大麦、オーツ麦などの穀物や
大豆などの豆類などの「乾燥剤」としても使われています。
例えば収穫前の小麦に「ラウンドアップ」を散布(プレハーベスト)すると、
小麦を人工的に枯らすことが出来るため、
収穫作業が格段に簡単になると農家から支持を集めているのです。
小麦の乾燥を早めるほか、そのタイミングをコントロールでき、
さらに乾燥の品質までが「ラウンドアップ」でコントロールできてしまいます。
「グリホサート」の人体への影響は世界的問題に
WHOの国際がん研究機関である「IARC」は2015年に
グリホサートを発がん性物質に分類しました。
またアメリカではいくつかの訴訟で、
グリホサートの人体への被害が認められています。
グリホサートは非ホジキンスリンパ腫、
肺がんなどの原因になると言われているほか、
染色体やDNAに何らかの
ダメージを与える、とも言われています。
一方で、開発元のモンサント社は、
グリホサートは体内に入っても全て排泄され、
体脂肪や体内組織などに蓄積されることはない
としています。
しかし、アメリカ全土の母親たちが作る非営利団体
「マムズ・アクロス・アメリカ」の独自調査によれば、
母乳中のグリホサートレベルが
尿中のグリホサートレベルを超えていることを発見。
「一定期間人体に蓄積されている」、と主張しています。
(またアメリカなど、グリホサートを使用して農作物を生産している国は、
農業従事者以外の民間人がそれを直接浴びてしまう危険性や、
水質汚染などの危険性も指摘され、かなり深刻に問題視されています)
輸入小麦粉・小麦製品から続々と
「グリホサート」が検出された!
残留農薬の分析や商品の遺伝子組み換え検査などを行っている
「一般社団法人・農民連食品分析センター」は2018年に、
日本国内で市販されている24の小麦粉、小麦製品を調査し、
そのうち、17の製品からグリホサートが検出されたことを発表しました。
無農薬栽培、と明記しているもの以外の
小麦粉産地がアメリカ、またはカナダ
と明記されている製品からは全て、グリホサートが検出されたのです。
これほど高頻度でグリホサートが検出されるのは、
日本の小麦輸入相手国で、
前述した収穫前のグリホサート散布(プレハーベスト)が慣習化
してしまっているからです。
日本が頼っている輸入小麦は
オーガニック製品など一部の除いて
グリホサート漬けになっており、
今まさに日本人の健康にも危機が迫っていると言えます。
輸入された「全粒粉」には特に要注意!
そして特に健康志向のIN YOU読者の皆さんにとりわけ注意していただきたいのが、外国産の「全粒粉」です。
全粒粉に含まれるふすま(外皮)には、
プレハーベストにより、グリホサートがたくさん付着しているからです。
一方、日本国内では、「農薬取締法」で
グリホサートのプレハーベスト処理が認められていないので、
国内産の小麦粉・小麦製品からの検出はないとされています。
国内で作るものには認められていない
グリホサートのプレハーベスト処理が
輸入品になると認められる、というのも不可解な話ですが、
現在のところ、そのような状況が続いているのです。
世界の流れに逆行して、
日本はグリホサートの残留基準を引き上げ
グリホサートを巡っては、
これまでにも多くの議論がなされてきており、
様々な研究機関からその危険性が示されています。
そのため、グリホサート使用禁止の動きは世界各地で見られます。
例えばアルゼンチンでは2015年に
30,000人以上のヘルスケア専門家がグリホサートの禁止を提唱。
ドイツでは2023年までにグリホサートを禁止する予定です。
フランスでも2019年はじめにラウンドアップの販売を中止、
2021年までに、一部例外を除いて
グリホサートを禁止する方針を立てています。
アジアでもベトナムやスリランカなどが
グリホサートの輸入を禁止しています。
一方の日本では、
輸入作物に付着しているグリホサートを許容しているだけでなく、
2017年に残留基準値を5ppmから30ppm(30倍)に引き上げました。
これは、世界中で危惧されているグリホサートが仮に多く付着していても
日本国内では「問題なく、安全」と評価されていることを意味します。
実際に身の回りにある小麦製品は輸入小麦に頼って製造されていることが多く、
米食よりパン(小麦)食が増えている今、グリホサートを口にしてしまう機会、量はともに増えているのです。
皆さんに国産小麦をおすすめしたい理由
前述したアメリカの非営利団体「マムズ・アクロス・アメリカ」の調査では、
「数か月から2年間、
オーガニックもしくは非GMOの食品だけを食べた
女性の母乳からグリホサートは検出できなかった」
との結果が出ており、オーガニックのものを積極的に食べるように、
同団体はすすめています。
しかし残念ながら、現在のところ、
遺伝子組み換え食品ではないことを示す「非GMOラベル」だけでは、
グリホサートが使われているかどうかが分からない状態であり、
アメリカでは、グリホサートを使用した食べ物を完全に避けたければ、
「USDA Organic(厳しい審査で有名な有機生産物認証ラベル)」か、
「非グリホサートラベル」のものを買わなければいけません。
幸い、日本国内で作られた作物については
グリホサートが検出されていませんので、
小麦などは、輸入品よりも国産品を購入した方が、
グリホサートの危険をしっかり避けられると言えるでしょう。
国産小麦の魅力とは?
国内でも昔から小麦は栽培され、小麦粉も作られていましたが、
もちもちした食感が強く、うどんなどの麺類に合う性質で、
パンには不向きと言われてきました。
しかし近年、日本でもパンに向いた小麦が登場するなど、
進化を続けています。
もちもちした国産小麦の良さを活かしつつ、
パン作りにも向いている小麦が手に入る環境が整いつつあるのです。
また、小麦は育った土地の気候、環境の影響を受け、
地域ごとに風味の特徴が出てくるのが魅力です。
例えば北海道産小麦は、
ふわっとするのと同時に持っちり感のあるパンが焼けます。
人気品種の「ハルユタカ」は独特の風味で特にファンが多く、
「キアノアカリ」(国産小麦とハンガリー産小麦の掛け合わせ)は
バターのような香りとごはんのような後味が特長です。
また、三重県の「桑名もち小麦」は
おもちのような食感が特徴。
九州産の小麦は全体的に
歯切れのいいサクッとしたパンに仕上がると言われています。
特におすすめしたい、岩手産小麦
さらに、岩手県でも美味しい小麦が作られているのをご存知でしょうか。今回はIN YOUおすすめの2種類の岩手県産小麦をご紹介します。
ひとつめの「ゆきちから」は、
2002年に岩手県で開発された
寒さに強い生命力の高い小麦と言われており、
たんぱく質が非常に豊富でヘルシーな小麦です。
上品な味わいでクセが無いので、
様々な食材と合わせて使うことができます。
もちろんパン作りにも向いており、ふわふわでしっとりとした、
上品なパンに仕上がります。
もうひとつのおすすめの小麦粉は「南部小麦」。
こちらは香り豊かでほんのりと甘い味が特徴です。
焼き上がりが香ばしく、
全国にファンが多いと言われています。
(特に天然酵母をつかった長時間発酵のパンが美味しいそうです)
また、パンだけでなく、スイーツ、麺類を作るのにも向いています。
「南部小麦」が半世紀以上品種改良されることなく作り続けられているのは、
香りなどの素晴らしさ、使い勝手の良さなどが
多くの人に支持されている証でしょう。
日本も国産小麦を楽しむ時代へ
輸入小麦のグリホサートの危険性が世界で叫ばれ、
日本にある輸入小麦粉、輸入小麦粉で作られた小麦製品の多くに
グリホサートが含まれていると言われている今こそ、
私たちが独自で対策を考えるタイミングではないでしょうか。
安い輸入小麦を仕入れて作られた
市販のパンや麺などを買うより、
自分で作った方が…と思っていらっしゃる方も既に多いこととは思います。
「小麦粉はオーガニックのものを積極的に買う」
というのも一つの方法ですが、
「国産小麦粉」を楽しんでみることも、もう一つの良い方法だと思います。
地域ごとに風味の違う国産小麦粉はパン作りなどの料理が格段に楽しくなるはず!
先ほどご紹介した岩手産の「ゆきちから」や「南部小麦」のように、
根強い人気のある国産小麦粉からまずは使い始めてみませんか。
参考:
Baum Hedlund Aristei Goldman, Where is Glyphosate Banned?
Foodie, 国産小麦が日本のパンを変える!?パンラボ池田浩明が語る国産小麦の魅力
Moms Across America, Glyphosate Test Result
Weed Killer Crisis, How to Avoid Glyphosate in Your Foods
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農民連食品分析センター, 小麦製品のグリホサート残留調査
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