栄える中食産業と滅ぶ家庭の味?「食」でなく「時間」を提供する中食産業に、私たちは健康と時間の二者択一を迫られている!
栄える中食産業と滅ぶ家庭の味?「食」でなく「時間」を提供する中食産業に、私たちは健康と時間の二者択一を迫られている!
日本惣菜協会が6月に発刊した『2020年版惣菜白書』によると、中食市場は2019年も拡大し、10年連続でプラス成長となりました。
出典:プレスリリース「2020年版 惣菜白書」6月1日発刊
ザックリ言ってしまえば、中食とはお惣菜のことです。
あなたもスーパーや専門店で、ズラリとならぶお惣菜を見る機会が多いと思います。
確かに、あなたの目の前にあるのは食べ物としてのお惣菜です。
しかし、はっきりと言いましょう。
お惣菜(中食)の価値は「食」の提供ではなく、「時間」の提供です。
つまり、栄養バランス云々より、時短を提供するために存在するのがお惣菜(中食)です。
この記事では、中食市場が拡大し続ける理由や問題について考えています。
自身の健康を時間と交換する中食について、今一度考えてみましょう。
中食産業とは、「食」ではなく「時間」を提供しています!
中食産業は、かなり多くの種類の商品を提供しているので、多くの消費者は「食」を提供している産業と思っていることでしょう。
でも、実際は異なります。彼らが本当に売っている価値は「食」ではなく「時間」です。
冒頭で書いた中食市場が10年連続で拡大している理由は、
・安全で安心のお惣菜が消費者に受けたのでしょうか?
・お惣菜がとびきり美味しいからでしょうか?
答えはどちらもNOですよね。
中食市場が拡大している理由は「料理の時短が可能で便利」だからです。
中食とは、外食と家庭内食の中間
中食は、以下のように定義があります。
レストラン等へ出かけて食事をする外食と、家庭内で手作り料理を食べる「内食(ないしょく)」の中間にあって、市販の弁当やそう菜等、家庭外で調理・加工された食品を家庭や職場・学校・屋外等へ持って帰り、そのまま食事として食べられる状態に調理された日持ちのしない食品の総称。
出典:コトバンク 中食(なかしょく)とは
外食でもなく家庭食(内食)でもなく、ちょうどその中間という意味ですね。
お惣菜だけでない!あなたもお世話になっている中食の種類を考えよう
実は、中食はお惣菜だけではありません。私達がスーパーの惣菜コーナーで見かける煮物や和え物、揚げ物などの一般惣菜以外にも、以下のものが中食に分類されます。
冷凍食品、市販のサンドイッチやおにぎり、テイクアウトやケータリング料理、調理パンや調理麺などなど。
案外、あなたも日々中食のお世話になっていませんか?
★オーガニックインスタントおかゆ|お湯を注いですぐ完成。最高にヘルシーで美味しい!
拡大し続ける中食市場。伸びる要因は「時間がない」と「作れない」
女性の社会進出、高齢化、共働き世帯の増加など、中食市場が拡大し続ける要因はたくさんありますが、概ね「時間がない」と「作れない」に集約されると思います。料理を作る時間がない現代人。中食産業は消費者ニーズに見事に応えた
昔と違い、今では夫婦が共働きするのは当たり前の世の中です。
台所を預かる主婦の負担は、半端ないですよね。
仕事で疲れた体にムチを打って⾷材を買いに⾏き、献⽴を考えながら⾷材を選び、家に帰ればお腹をすかせた⼦供や夫のために料理をする。
これらの時間を全て短縮出来たら、どんなに素晴らしいでしょう。
中食産業は、ここにビジネスチャンスを見出し参入しています。
決して、あなたや家族の健康を考えた「食」の提供が彼らのサービスではありません。
このように、中⾷は料理を作る時間がない現代人のニーズに見事に応えているのです。
★こんなの欲しかった!ヴィーガン有機JAS認証、絶品のレトルトカレー
介護世帯や男性単身世帯は料理を作れない
一方、独⾝男性や⾼齢社世帯は基本的に時間をかけて料理を作ることができません。
ニーズとしては、⾊んな種類をちょっとずつ⼿軽に⾷べたいことです。
普通に⾷材を買うと1⼈で⾷べきれなくなって腐らせてしまいますので、共働き世帯のようにたくさん⾷材を買い込む必要がないのです。
中⾷は、⾷べ切れるくらいのお惣菜をパック詰めしたり、腐らない冷凍⾷品でいつでも⾷べられるようにしたりと、⾒事にニーズに応えています。
コロナが証明した!家庭内料理の増加で中食は減少する
先日、このような興味深い記事を目にしました。
>>中食・総菜の小売市場、20年は3.9%減の見込み、内食に需要奪われる
新型コロナウイルス感染症の影響により、家庭での調理機会がが増加しているため、中食の市場規模が減ったというものです。
緊急事態宣言や買い物頻度を控える要請など、中食市場にとっては、逆風が吹きました。
コロナが私達に、家庭内での料理の重要性に気付かせてくれたと思いませんか?
今回のコロナ騒動は、家で料理を作る消費者が増えれば、自然と中食市場は衰退していくことを示す良い例です。
中食市場が栄えて家庭の味は滅びる=日本の食文化は滅びる
皮肉ですが、中食産業が栄えるほど、家庭の味は滅びます。
つまり『日本の伝統的な食文化』が滅びることにつながるのです。
中食のリスクは許容できる?子供がいる家庭は要注意です
上記は、国(厚生労働省)も注意喚起している中食のデメリットです。
今後、ダシの味が分からない、素材本来の味が分からない、⼈⼯的に添加する化学物質がなければ美味しいと感じない、そんな⽇本⼈がたくさん増えることでしょう。
中⾷には脂肪分、塩分だけでなく、食品添加物も多く使われています。
特に、味覚が大人よりも敏感なお子様がいる家庭にとって、食品添加物は注意が必要です。
以前、食品添加物が子供に与える影響についての記事を書きました。興味のある方はご覧下さい。
★添加物の一番の被害者は誰?|100%ジュースを甘くないと言う子供たち..オーガニックレストラン経営者が目撃した味覚障害の実態。
「時短」は短期的な視点、「健康」は長期的な視点【選ぶのはあなた次第】
結局、中食か家庭食(内食)かの選択は、短期的な視点で物事を捉えるか、長期的な視点で捉えるかのどちらかなんですよね。
「時短」は短期的な視点です。
中食を購入することによって生み出される時間は、洗濯をしたり子供と一緒に過ごしたりとメリットも多いです。
でも、毎日中食に頼ってばかりいると、長期的にはご自身や家族の健康を失います。
中食に全く頼ることなく生活するのは難しいでしょう。
まずは、中食を減らすことから初めてみましょう。
土日だけでも構わないので、中食を一切食べない日を作るのです。
休日に料理を作って保存しておくのもよいでしょう。
中食と家庭食(内食)のバランスを考え、徐々に家庭食へシフトしていきませんか?
中食市場が提供する「時短」でけは、心も体も貧しくなります。
日々の食は、長期的に見て、必ずあなたを幸せにしてくれるものなのです。
オーガニック食品やコスメをお得に買えるオーガニックストアIN YOU Market
IN YOU Market料理をもっと楽しんで、時にはオーガニックに手を抜こう。IN YOU Marketの厳選アイテム
こちらの記事もおすすめです!
添加物の一番の被害者は誰?|100%ジュースを甘くないと言う子供たち..オーガニックレストラン経営者が目撃した味覚障害の実態。【現役有機農家が解説!】先行き不透明な時代、日本で販売される野菜は今後どうなるの?今だからこそ再検討したい、将来も安泰で安心な野菜の購入方法とは
「食品ロス」が発生する本当の原因|消費者の過度な志向や情報不足が、食べ物の大量廃棄や企業の不祥事を招く!
この記事が気に入ったら
いいね!しよう