ヘルニアの手術をする前に試して! |生物学・鍼灸のスペシャリストが教える運動機能も向上する筋膜ストレッチのやり方
「長年、腰痛で苦しんでいる。」
「最近は、何故か肩まで痛くなってきた。」
「椎間板ヘルニアの手術などの色々な治療をしてきたけど、大きな成果はなかった。」
病院に行っても筋肉や関節に問題がなく、それなのに痛みが続く場合には筋膜の問題を疑いましょう。
今回は、筋肉や関節へのアプローチだけでは改善しない「筋膜の問題と対処法」についてお伝えします。
筋膜とは
わかっているようでわからない、筋膜ということば、そもそも何なのでしょうか。筋膜はウェットスーツのように身体全体を覆っている薄い膜です。
筋膜に包まれた筋肉は、区画に分けらているのでいくつかの筋膜のグループに分類されます。
そして、筋膜は表層から深層まで立体的に包み込んでいるので様々な層に分かれています。
また、筋膜は組織を支える第二の骨格であると言われ、
仮に身体から骨が無くなっても筋膜があれば人の形を保っていられると言います。
実はこの筋膜はジェル状の組織。
縮んで癒着することで身体にコリや痛みを招きます。
結果として筋肉の柔軟性を損なうのでさらに身体の動きが制限され、
筋膜が癒着しやすくなりコリや痛みを悪化させるのです。
筋膜を正常に保って「原因不明の痛み」を防ごう
筋膜のつながりはアナトミートレインと呼ばれるラインで考えられています。このアナトミートレインは一枚の膜が機能的な力を伝達する経路になるので、
一見すると関係のない離れたところの筋肉が影響しあうことも多いのです。
アナトミートレインにはいくつかのラインが存在し、
身体の前面を走るスーパーフィシャルフロントラインと呼ばれる筋膜では、
足の指の痛みが腹筋を固くしたり、腹筋の固さが膝痛を引き起こすことも知られています。
さらに頭の方まで見ると首の痛みや寝違いなどが実は足の痛みが原因だったということもあるのです。
実際に足首の調節で首の痛みがとる治療は多く存在します。
だから下腹が出ていて膝の痛みがある人は体重が重いのが原因でなく、
腹筋が動いていないために膝に負担がかかっているので、
体重を減らすより腹筋のストレッチを行う方が膝の痛みがとれることが多いのです。
また、アナトミートレインの一つである身体の後面を走るスーパーフィシャルバックラインは
足の裏から足の後面の膜が背骨を通って頭までつながっています。
そのためなかなかとれない額あたりや後頭部の頭痛が青竹踏みで改善する例が多いのは、
この筋膜の固さが原因だったからです。
多くの場合に言えますが、様々な健康法が効く人と効かない人がいる背景にはこういった原因の違いがあるからです。
アナトミートレインと呼ばれる筋膜は割と新しい概念と思われがちですが、
東洋医学で考えられる経絡には昔からあった概念です。
前頭骨の頭痛に影響を与える肝経や後頭部の頭痛に影響を与える胃経は、
足から頭につながる経絡なので、頭痛の治療に足のツボを使うのは昔からの知恵なのです。
さらに身体の外側面を通るラテラルラインは足の外側から肋骨を通り、首の付け根までらせん状に身体を取り巻きます。
このラインが発見されてから狭心症や肋間神経痛の治療に首や足の外側を使うことも多くなりました。
筋膜で全ての症状が改善されるわけではありませんが、
-
▶︎ 痛む部分だけマッサージする
▶︎ 鎮痛薬で痛みを抑える
▶︎ 筋肉をストレッチする
筋膜のトレッチで運動機能も向上できる!
筋膜の改善には普通のストレッチとはやり方が少し異なります。そして目的も少し変わってきます。
筋膜リリース、ストレッチとも関節可動域改善、特に自動関節可動域改善に寄与することが示された。
また反応時間の改善に関しては筋膜リリースにおいてのみ認められた。
筋膜リリースは深筋膜と筋との滑動性を改善し、筋の運動性が向上したと考えられた。
~筋膜リリースとストレッチングを用いた理学療法効果の比較検討~ 来間 弘展、他8名
普通のストレッチは筋肉のつり・肉離れの予防を目的として行われますが、
筋膜のストレッチは運動のパフォーマンスの向上を目的に広まっています。
練習や試合の前にウォーミングアップを行うのはケガの予防とパフォーマンスの向上が目的ですが、
筋膜のストレッチは滑らかな動きが目的です。
肋骨周りの筋膜の可動性を高めることで身体が温まり、
心拍数も上がるのでハードな動きも行い易くなるのです。
筋膜を緩ませるポイントを西洋医学ではトリガーポイントと呼びますが、
東洋医学のツボと70%程一致しています。
東洋医学のツボは筋膜以外にも血流や神経の改善にも役立ちます。
正しい姿勢やフォームが窮屈に感じる人は筋膜が固くなっていると言えます。
筋膜を改善するポイントは温度と触圧覚を利用することです。
筋膜は、
▶︎コラーゲン
▶︎エラスチン
▶︎ヒアルロン酸 から出来ています。
そのため温めながらゆっくりと引き延ばすことが効果的です。
各筋膜を伸ばすストレッチ
筋膜を伸ばすストレッチのポイントはゆっくりと痛気持ちいいくらいの強さで行うことです。力を入れすぎると筋肉が緊張して伸びなくなるので、無理のない力で伸ばしましょう。
さらに筋膜は温まっている状態の方が伸びやすいので、狙った部分に手を当てると一段と伸びやすくなります。
狙いたい部分は、
▶︎ 内太もも
▶︎ 足の後面から背中
▶︎ 体幹の側面
▶︎ 胸部
▶︎ 腹筋 になります。
このラインを伸ばしておけば当たらずとも遠からずで、全身の筋膜を調整することが可能です。
基本的に腰痛には種類があり、
▶︎ 身体を捻じると痛む腰痛
▶︎ 座っていると痛む腰痛
▶︎ 痛くて上向きで寝られない腰痛
の3種類があります。
◆ 捻じって痛い場合は次に紹介する②の身体の後面を多めに伸ばしましょう。(対応経絡:膀胱経)
◆ 座っているときに痛む場合は①の内太ももを多めに伸ばしましょう。(対応経絡:肝経)
◆ 上向きで寝られない人は⑤の身体の前面をゆっくりと無理のない範囲で伸ばしましょう。(対応経絡:胃経)
それでは実際のストレッチをご紹介します。
①あぐらをかいて足裏をあわせて内太ももを伸ばし、両膝を地面に向けて押します。
Point:
ゆとりがあれば上半身をそのまま前に倒して、痛気持ちいいくらいに2分ほどキープしましょう。
内太ももは生殖器などに影響を与えるので、ホルモンバランスが乱れている人には特におすすめです。
②足の後面から背中を伸ばすには両足をそろえた状態で身体を前に倒します。
Point:
腰から太ももの裏辺りがゆっくりと伸びることを意識して2~3分キープしましょう!
身体の後面が伸びることで背骨の動きが改善されるので、
精神疾患系の症状の改善にも役立ちます。
③体幹の側面は両手を組んで手のひらを上に向けて横に倒します。
Point:
上半身を倒さないように脇のつけねから伸びるように意識しましょう。
体幹の側面を2~3分かけて伸ばすことで疲労や睡眠不足の改善にも効果があります。
④胸部は頭の後ろで手を組んで肘を後ろに引きます。
Point:
肩甲骨同士を寄せるイメージで胸部が伸びるのを意識しながら2~3分痛くない程度に伸ばします。
心肺の可動性を高めるので疲れやすさや血流の改善に効果があります。
⑤腹筋はアシカのポーズで伸ばします。
Point:
腰が痛くない程度に背筋のポーズから上半身を反らして1分ほどキープしましょう。
痛みが出る人は肘をついたくらいの反り方で大丈夫です。
下腹部を伸ばすことで胃下垂や過敏性腸症候群にも効果があります。
まとめ
筋膜は全身を包んでいる膜なので、特定の部分の不調や痛みが離れた部分に原因があることがあります。筋膜は最近になって発見された概念ではなく東洋医学では経絡という考え方で存在していました。
筋膜を伸ばすときは温めながらゆっくりと伸ばすことが基本になるので、
無理のない範囲で少しずつ伸ばしていけば痛む部分を伸ばすより効果的です。
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