「尿漏れ」は改善出来る! 中医学と西洋医学の両面から見た原因と、 簡単セルフケア「ケーゲル体操」のやり方
「尿漏れ」は改善出来る!
中医学と西洋医学の両面から見た原因と、
簡単セルフケア「ケーゲル体操」のやり方
尿漏れは、年齢を重ねるに従って経験する方が非常に多くなる症状です。
日本全体では、300~400万人(高齢者ではその3人に1人程度)が
その症状を抱えていると言われています。
【参考】『高齢者尿失禁ガイドライン』
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/guidelines.pdf
そして尿漏れは、場合によって、その悩みを抱えておられる方の自尊心を傷つけてしまう恐れがあり、
本人が恥ずかしさゆえに周囲の目を気にしてしまうことがある、とてもセンシティブな問題です。
そのため、症状がありながら、他者に気軽に相談することが出来ず、
当事者が一人で悩んでしまうケースが多く見られます。
さらに、その結果として、精神疾患を引き起こすことがあると考える医療従事者もいるほどです。
また、重い物を持つ等の力が必要な日常動作でも起きてしまう事から、
症状を抱えている方の中には、日々の行動が制限されてしまったり、
行動の前後で排尿に関わる行動に気をつけなければならない等の、生活上の様々な支障が発生します。
つまり、尿漏れはQOL(Quority Of Life=人生や生活の質)を左右するほどの大問題なのです。
そこで今回は、尿漏れの仕組みと原因、ご自宅などで自分一人でも出来る
改善に向けたおすすめトレーニング方法などについて解説させていただきます!
「尿漏れ」には4つのタイプがある
尿漏れは「尿失禁」とも呼ばれ、自分自身の意思や体のコントロールに反して
排尿が行われてしまう症状を言い、以下の4種類があります。
●切迫性尿失禁
●腹圧性尿失禁
●溢流性尿失禁
●機能性尿失禁
この4つは、原因や症状の出方が異なっています。
①切迫性尿失禁
切迫した尿意を感じた時に、排尿をコントロール出来ず、中程度から大量に尿漏れを起こしてしまう症状です。年齢を重ねる中で尿漏れを抱えている方の中では、一番多い症状です。
また利尿剤でも、起こる確率が高まります。
②腹圧性尿失禁
くしゃみや、重い物を持つ、力んだり、笑ったりする等の日常的な動作の中で、お腹に力が入った(腹圧が高まった)時に起こり、少量~中程度の尿が漏れ出してしまいます。
女性では2番目に多い症状で妊娠時の合併症として起こったり、
男性の場合は、前立腺の全摘出等の手術後から症状が見られるケースがあります。
また、肥満体形の場合に、その症状が更に強く出る傾向があります。
脂肪や内臓等の重さによって通常よりも強い圧力が膀胱にかかりやすくなっているためです。
③溢流性尿失禁
膀胱に過度に溜まった尿が漏れる現象で、一般的には尿は少量ですが、場合によって連続的に漏れ出と、量が多くなってしまいます。
④機能性尿失禁
脳の認知機能の低下(認知症等)や体の症状が原因隣、尿意が識別出来ない、排尿すべき場所が分からない等の場合に起きる症状です。
この場合、尿意をコントロールする神経や体の機能については、正常な場合があります。
そして尿失禁の大半は、①の「切迫性尿失禁」または
②「腹圧性尿失禁」のいずれかに分類されるようです。
改善に向けた治療法には、薬物治療(切迫性尿失禁の場合)や手術、
行動療法やトレーニング(※後述、腹圧性尿失禁の場合)などが存在しています。
【参考】MSDマニュアル家庭版 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/05-%E8%85%8E%E8%87%93%E3%81%A8%E5%B0%BF%E8%B7%AF%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E6%8E%92%E5%B0%BF%E3%81%AE%E9%9A%9C%E5%AE%B3/%E6%88%90%E4%BA%BA%E3%81%AE%E5%B0%BF%E5%A4%B1%E7%A6%81
【引用】SMDマニュアル プロフェッショナル版 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AB/03-%E6%B3%8C%E5%B0%BF%E5%99%A8%E7%96%BE%E6%82%A3/%E6%8E%92%E5%B0%BF%E9%9A%9C%E5%AE%B3/%E6%88%90%E4%BA%BA%E3%81%AE%E5%B0%BF%E5%A4%B1%E7%A6%81
中医学では「腎」が弱ると尿漏れが起きると考える
排尿や生殖に関係する体の部位を、中医学では「腎」と呼びます。
排泄機能全般と腎は関わりがあり、
生殖・水分代謝・腰や耳の機能や聴覚などの働きも制御しています。
尿漏れ等の症状が出てきている場合、この腎機能が弱っていると考えられます。
『腎』が疲弊していたり、機能が落ちている場合、
生殖器の働きの低下や、トイレが近くなる頻尿等の症状が起きます。
また同時に、腰痛等との問題を抱えるケースが多いようです。
従来、腎機能低下によるこれらの症状は、年齢を重ねてから現れる症状と考えられて来ました。
しかし、現代は以前と比較して、ライフスタイルの変化によって筋肉を使う機会が減った事や、
日々の食生活の中で、否応無く口に入ってしまう農薬や食品添加物の影響もあり、
すでに子供の時期から、腎機能が弱まっている人が増えています。
【参考】「症状別 食材別 からだに効く和の薬膳便利帳」(武鈴子/著)
現代のライフスタイルや生活習慣の乱れが
腎機能を低下させている
腎機能の低下=尿漏れに繋がる具体的な生活上の原因には、・夜更かし
・甘い物や添加物等の過剰摂取
・過労や疲労
・ストレス
・冷え
・運動不足
などが上げられます。
心身の負担となる事柄全般が、腎の働きを弱くさせてしまうとも言えますね!
なお、中医学では、人体は、その各部位が連携し合いながら機能していると考えます。
そのため腎の機能が落ちている場合、腎だけでなく、他の臓器の働きも弱まっているか、
あるいは他の部位が過剰に働き過ぎているなどのケースも考えないといけません。
例えば、腎機能をサポートしている肺や大腸の働きが弱まると、腎の働きも弱まります。
そして、肺の機能を低下させてしまう要因としては、空気の乾燥なども考えられ、
また、腎を剋す(攻撃する、働きを弱める)と考えられる「脾(胃)」をサポートする
甘い物の食べ過ぎでも、腎の機能は更に弱まってしまいます。
ここでいう甘い物とは、一般に「砂糖を使ったお菓子や清涼飲料水(ジュース等)」に限らず、
しかし、糖質が多いお米や麺類、糖分が多く含まれているイモ類や果物、野菜も含まれます。
また、中医学では、腎は恐れの感情に関係すると言われており、
日常的な、また瞬間的な強い恐怖感や驚きによっても、
背中のツボの第2腰椎に影響する事によって、そのツボ・経絡と繋がりがある
腎の働きが弱まると考えられています。
【参考】「症状別 食材別 からだに効く和の薬膳便利帳」(武鈴子/著)
西洋医学から見た、「尿漏れ」の原因とは?
一方、西洋医学では尿漏れの原因として、以下の症状を考えます。・骨盤底筋膀、胱壁、尿道括約筋の筋力が落ちている
・膀胱からの尿の排出路が何らかの原因で閉じてしまっている
・膀胱壁の筋肉の痙攣や、働きが過剰になっている
・膀胱壁の筋肉と尿道括約筋の協調不全
・機能的な問題
・女性の出産等による骨盤底筋の筋力低下
・中年男性の下部尿路閉塞
【参考】MSDマニュアル 家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/05-%E8%85%8E%E8%87%93%E3%81%A8%E5%B0%BF%E8%B7%AF%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E6%8E%92%E5%B0%BF%E3%81%AE%E9%9A%9C%E5%AE%B3/%E6%88%90%E4%BA%BA%E3%81%AE%E5%B0%BF%E5%A4%B1%E7%A6%81#v762867_ja
今回は、その中でも、「腹圧性尿失禁」に対して有効とされる
「骨盤底筋」の筋力改善に焦点を当てて解説します。
尿漏れ(腹圧性尿失禁)と関わりが深い
筋肉「骨盤底筋」とは?
骨盤底筋とは、子宮や膀胱、直腸等を支えている筋肉です。
骨盤底筋が支えてくれているお陰で、子宮が外に出てしまう「子宮脱」や、
直腸が体外に出ることはありません。
また、排尿(や排便の)時には、骨盤底筋が緩んだり締ったりする事で、
尿や便の排出をコントロールしています。
また、骨盤底筋は、普段排尿や排便以外ではあまり使われない筋肉なので、
年齢を重ねるに従って、段々と働きが弱まりやすい筋肉です。
骨盤底筋の働きを改善するケーゲル体操
骨盤底筋をトレーニングする事により、尿漏れが改善される症例が実際に報告されています。1940年代に、アメリカの産婦人科医であるアーノルド・ケーゲル博士が、
排尿をコントロールする骨盤底筋を鍛える事による、尿漏れの改善効果を立証。
そこから、この骨盤底筋のトレーニング方法は『ケーゲル体操』として、
介護や医療現場において、行動療法のプログラムとして実際に取り入れられています。
ケーゲル体操のやり方
①まずは、事前にトイレで排尿を行い、膀胱を空の状態にします。
トレーニング中に腹圧が掛かって膀胱に力が加わっても、
トイレで排尿をしてくことで、トレーニング中の尿漏れを防止しやすくなります。
②仰向けになって、足を楽な姿勢に曲げます。
③骨盤底筋に力を入れ、4秒以上キープし続けます。
(肛門筋や膣を締める様に、ギュッと力を入れるイメージで行います。)
④脱力します。
※③~④の動作を数回、繰り返し行います。
これを一日数セット、継続的に行います。
段々とキープ出来る様になってきたら、時間をどんどん御自身のペースで長くしていきましょう!
動画出典:Unicharm Japan提供「骨盤底筋トレーニング【ライフリー】(YouTube)」
また、骨盤底筋を収縮と弛緩させるのは、電車の待ち時間や、座っている時、立っている時も可能です。
外から見てトレーニングしている事が分からない動作で、場所を選ばずどこでも出来ますよ!
効果は、体の筋肉の付き方や、その方の元々の体型、運動をする頻度によって変わって来ます。
最初は緩やかだった効果も、継続するに従ってインナーマッスルや骨盤底筋の筋肉量が上がり、
膀胱に尿が溜まった時でも排尿を我慢出来る時間や、腹圧に耐えられる強度が徐々にアップしていくでしょう。
「尿漏れ」は継続的な生活習慣改善やトレーニングで、
セルフケアも可能です!
今回は、尿漏れについてご説明させていただきました。
ケーゲル体操は、今回お話した尿漏れ以外にも、女性が骨盤底筋に対し、最も強いダメージを与える
出産の回復にも役立つと、推奨しているお医者様が居られます。
昔は、和式のトイレや、和服での立ち座り等の動作で、腰や脚力を自然と使う生活様式でした。
しかし、家電製品の普及等によって、私達は段々と普段から意識的に運動の習慣を取り入れる
必要が出てきています。
医療の価値を否定する訳ではありませんが、まずは自分で取り組めることで
尿漏れの症状改善に取り組まれてみてはいかがでしょうか?
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