無添加・薬用化粧品、オーガニックコスメってホントに安全？化粧品の成分表示の真実を専門家がお伝えします

このところ、「無添加化粧品」「薬用化粧品」「オーガニックコスメ」など、

「お肌への優しさや安全性を訴求するような化粧品」が非常に多くなってきています。

しかし、安心安全に見える化粧品もよくよく調べてみると、実は不安のある合成成分が使われていることが珍しくありません。

私自身、ケミカルコスメとオーガニックコスメ、どちらの販売にも携わってきて、消費者の立場からは選び取るのがすごく難しい状況にあると感じています。

細かい成分を読み解くことは難しいですが、大まかな基準を知っているだけでも化粧品を選ぶ際に失敗しにくくなります！

ぜひ今回の内容を参考にしてください。

薬用化粧品に潜む落とし穴とは？

「薬用」と記載がある化粧品は、医薬部外品に該当します。

医薬部外品は、「化粧品」と「医薬品」の間に位置し、肌荒れ・ニキビを防ぐ、美白などの効果を持つ「有効成分」が配合されており、その効果を謳うことができます。

これだけ聞くと、効き目もありそうで、信頼できそうな感じがしますよね。

しかし、薬用化粧品は注意しなければならないポイントがあります。

それは、全成分表示の義務がないということです。

人によってはアレルギーを引き起こす可能性が高い成分に関しては表示義務がありますが、その他の成分に関しては表示されないこともあるのです。

成分表示を見て納得して購入したとしても、記載がない成分があるとすると心配ですね。

メーカーによっては全成分記載しているところもありますが、全成分表示しているという記載がない限り、どのような成分が使われているかは消費者にはわかりません。

無添加化粧品にも合成成分は入っていた！

無添加化粧品というと、「化学合成成分」が全く入っていないように見えますが、そうではありません。

以前、化粧品は全成分表示の義務がなく、旧厚生省が指定したアレルギーなどの皮膚障害を起こす可能性がある成分102種類の成分のみ表示義務がありました。

それが現在、化粧品は全成分表示の義務ができ、102種類の成分は「旧表示指定成分」と呼ばれるようになりました。

全成分表示により、肌トラブルが起きた際の原因究明がしやすくなるなどメリットはありますが、消費者からすると、旧表示指定成分との見分けがつかないというデメリットも生まれました。

旧表示指定成分は、使用してはいけない成分ではないため、今でも多くの化粧品に使われています。

この102種類の旧表示指定成分が配合されていない化粧品が「無添加化粧品」と呼ばれています。

しかし、102種類の成分以外が必ずしも安全とは言い切れませんし、新しい成分も増えている現状で、無添加だから安心とは言い切れません。

オーガニックコスメであれば安全？

オーガニックコスメとは、有機栽培された植物成分を使用したコスメのことをいいます。

素材そのものの効能により、本来人が持つ自然治癒力を高めつつお肌のケアをするのが目的です。

世界に様々なオーガニック認証機関があり、認証の基準は各団体により異なります。

巷に出回る「なんちゃってオーガニック化粧品」に要注意！

日本では、明確に統一された基準がないため、たとえばほんの１％だけオーガニック成分を使用するだけで「オーガニックコスメ」と謳っている商品も存在します。

ほかの成分は石油合成のものということもあり得ますので注意しましょう。

オーガニックコスメを選ぶ基準は？オーガニック認証があればいい？

オーガニックコスメを選ぶ基準として、オーガニック認証があります。

認証基準は、各国各団体で異なりますが、それぞれの基準で厳しい認証をクリアしたアイテムやブランドだけが認証を受けることができます。

オーガニック認証を取った化粧品は、まったく合成成分を使っていないと思いがちですが、エコサートやネイトゥルー、コスメビオなどは、いくつかの石油合成成分の使用を認めて、ポジティブリストを作っています。

どこまで合成成分を許すか、認証機関によって異なるのです。

また、認証を取得していなくても独自の基準を設けて製品づくりをしているメーカーもありますので、認証は一つの目安として自分に合うものを見つけるのがよいでしょう。

一体、何を基準に化粧品を選んだらいいの？

あれもこれも心配となると何を選べばいいかわからなくなってしまいますので、選ぶ基準や考え方をご提案します。

価格ではなく中身を見る！

食品に関しては価格とクオリティが比例していることが多くありますが、化粧品に関してはそうとは限りません。

大手の化粧品メーカーでは広告費に莫大な費用をかけていたり、パッケージにこだわっていたりと、商品の価格と原料にかけている費用が比例するわけではありません。

オーガニックコスメに関しては、原料へのこだわりが強く、パッケージもシンプルで環境に配慮しているものも多いため、原価のほとんどが原料にあてられているものが多くあります。

高いからいいというわけではないという目をもって選択するとよいでしょう。

自分のいいと思える範囲で無理なく選ぶ

オーガニック認証でも定められた範囲が違うように、専門家によってもよいとされる基準が違います。

食事でも、出されたものは食べるとか、食べたいときは食べて後から調整することがあるように、化粧品も自分の許容できる範囲の中で楽しむのが苦しくなくてよいと思います。

「自然由来のもののみしか使わない」という選択肢もありますし、「植物合成成分までは使ってしっかり効果を出していきたい」という選択肢もありますので、柔軟に選択してみましょう。

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謎の成分が入っている化粧品は避ける！

長いカタカナ名やアルファベットでイメージが浮かばない成分は、石油由来成分のことが多いため見分ける一つの基準となります。

例えば「イソ」「プロ」「エチ」「ベン」とつくものは、石油精製後の『ナフサ』をさらに精製したものからできる原料のため要注意です。


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オーガニックコスメを選ぶ時に注意したいことは？

オーガニックコスメは自然由来のものを使っているから優しいという認識がある方が多いですが、１００％そうとは限りません。

肌にいいといわれる成分が含まれており、その効果を期待して化粧品に配合されていますが、植物に関しての研究が追い付いていないこともあり、実はまだわかっていないことも多いのです。

また植物原料のため、人によってはアレルギーが出ることもありますし、その素材とお肌の相性が悪いと肌トラブルの原因になってしまいます。

自分の体質や肌に合ったものを選ぶことが大切です。

自分に合った化粧品を見つけよう！

化粧品表示は様々な抜け道があったり、よく見せるための表現もたくさんあります。

でも、自分に合った化粧品を選ぶことができれば、劇的に肌は変わります。

少しでも正しい知識を身につけ、選択していきましょう。

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【参考】
「オーガニックコスメの基準と考え方」
『日本化粧品検定1級対策テキスト』小西さやか