祝2020年!おせち料理の食材ごとの効能を薬膳アドバイザーが解説
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IN YOU読者の皆様、新年あけましておめでとうございます。
お正月と言えば、家族で囲むおせち料理が定番ですよね。
そんなおせち料理ですが、好きなものが自由に選べるスタイルのため
ついつい同じものばかり食べてしまっていませんか?
ただでさえ、年末年始は食生活が乱れるもの。
東洋医学では、「冬」の養生を怠ると老化現象が進むと言われています。
しかし、おせち料理には老化防止や、冷えの改善など様々な効能をもった食材が使われています。
食材の効能を知って、おせち料理を賢く楽しく頂きましょう。
あらためて、おせち料理とは?
おせち料理とは、「祝い肴」「口取り」「焼き物」「酢の物」「煮物」で構成されるお正月の定番料理。例えば、黒豆には「マメに勤勉に働けるように」、数の子には「子孫繁栄」といった様に
それぞれのお料理には、おめでたい意味が込められています。
お重に詰める事から「幸せを重ねる」という意味合いがあるのだそうです。
おせち料理の起源は弥生時代に遡る
おせち料理のはじまりは、豊作を感謝して神様にお供えものをした事からだと言われています。稲作が普及した弥生時代、中国から季節の変わり目とする「節」という概念がもたらされ、
節ごとに神様に感謝をしてお供えものする「節供」という風習が広まり、
その際にお供えしたお料理が「おせち料理」の起源になったと言われています。
奈良時代には節ごとにお祝いをする風習が宮中内で確立された事から、これをおせち料理の起源とする説もある様です。
「節」という言葉、一度は聞いた事がありませんか?
そう、今でも残っている「桃の節句」「端午の節句」の様に、季節ごとに存在する節目。
江戸時代になると、幕府の公式行事として5つの節句が位置づけられました。
それらは、1月7日の人日の節句、3月3日の上巳の節句、5月5日の端午の節句、7月7日の七夕の節句、9月9日の重陽の節句です。
中でも、1年の始まりである「人日の節句」のお料理が「おせち料理」として定着しました。
今の様な形で、重箱に詰め、お料理一つ一つに意味を込めて新年を祝うために食べる様になったのは、
江戸時代後期と言われています。
近年のおせち事情
「婦人画報のお取り寄せ調べ」によると、2020年のおせちを購入すると答えたのは全体の6割。購入派は確実に増加しています。
その中身も、ローストビーフや伊勢海老などの豪華な食材が好まれる様です。
しかしIN YOU読者なら、気になるのは保存料などの食品添加物ではないでしょうか?
又、おせち料理は甘辛い味のものが多く、砂糖や甘味料が大量に使われています。
可能なら、自宅で作る。
それも、お砂糖を使わず、甘麹や味醂などを活用すると良いでしょう。
しかし、年末年始は忙しいもの。
作るのが難しい場合は、お豆腐入りのお味噌汁を一つ付け足してみてください。
それに含まれるビタミンB1には、糖質をエネルギーに変える働きがあるのです。
薬膳アドバイザーはおせち料理をこう見る
さて、薬膳の考え方では食材一つ一つに効能があるとされています。それも、特定の臓器に効力を発揮するという風に考えられているのです。
特定の臓器とは、いわゆる陰陽五行説として知られる「肝」「心」「脾」「肺」「腎」。
それぞれの詳しい説明は、過去の記事でも説明されているので、興味のある方は読んでみてくださいね。
おせち料理には冬を乗り切るための食材が豊富
冬は「腎」を補うと良いとされています。腎とは、西洋医学でいう腎臓の機能に加え、成長や発達、生殖といった生命エネルギーの源であり、水分代謝や呼吸のサポートも腎が行っています。
「腎」が衰えると、髪が抜け、足腰が弱くなり、物忘れが生じるとされています。
つまり、老化が進むという事。
おせち料理には、この「腎」をサポートする食材が豊富に含まれているのです。
例えば、昆布や黒豆といった“黒い食材”。
それに海老やイカ、タコなどの海鮮食材にも「腎」をサポートするものが多く存在します。
また因みに、甘味を食べ過ぎると「腎」を損なうと言われています。
おせちにも甘味が強い食材が多く詰められているので、賢く取捨選択していきましょう。
おせち料理は自由に食べるものを選べるので、食材の効能を知って選択する事で食養生に繋がります。
又、家族や祖父母と食を共にする時間も増えるお正月。
一緒に食べる家族にも体調に応じたお勧め食材を紹介すると、食卓での会話も弾むことでしょう。
不調のタイプ別「おススメ食材」をまとめてご紹介!
解決したい不調ごとに、その改善に効果が期待できるおせち料理の食材をまとめてみました。年末年始を元気に乗り切るために、是非活用してみてください。
疲労倦怠ぎみのあなたには
年末からの疲れが取れない方には、鶏肉の松風焼や数の子、田作り(ごまめ)がお勧めです。鶏肉にはお腹を温めて気を補う作用があるとされています。
虚弱体質や食欲不振にも効果が期待できます。
数の子は、胃腸を温めて気を補い血も補ってくれる食材とされます。
※にしんの効能参照
五穀豊穣を願い食べられる田作りは、片口鰯から作られます。
気を補い、血のめぐりが良くなる効果が期待されます。
またおせちとは少し異なりますが、
お正月に食べるお餅にも、身体を温め、気を補う効果があると言われます。
貧血ぎみのあなたには
貧血気味の方には、鰤の照り焼きや伊達巻がお勧めです。立身出世の意味を込められて食べる鰤。
これには、消化を促し気血を補ってくれる効果が期待できます。
五臓を補うとされるので、内臓がお疲れ気味の方には是非食べてもらいたいお魚です。
その形が巻物に似ている事から知識が増えるようにとの願いが込められた伊達巻。
この材料である卵には、血を補う効果があると言われています。
貧血からくる、めまいや不眠、多夢、不安にも効果的。
しかし、市販の伊達巻は甘すぎるので注意が必要です。
その他にも、マグロ、合鴨肉などもお勧めです。
足腰が弱りぎみのあなたには
統計的にも、冬場は高齢者の転倒が多くなるようです。足腰の弱りは「腎」が弱っている証拠。
老化が気になる方には、先に挙げた黒い食材(昆布や黒豆)や、栗きんとん、海老の艶煮、田作り(ごまめ)がお勧めです。
金運が良くなるようにと食べられる栗きんとん。
栗には、足腰を強める効果が期待できます。
又、血のめぐりを良くしたり、下痢や頻尿、咳を止める効果もあるとされています。
長寿を願い食べられる海老。
海老は身体を温め、足腰のだるさや冷えに効果的です。
又、田作り(ごまめ)にも骨を強くし足腰強化に繋がる効果が期待されます。
女性特有のトラブルにお悩みのあなたには
月経に関するトラブルや更年期障害など、女性特有のトラブルには黒豆や鮑がお勧めです。まめに働ける様にという願いが込められた黒豆。
これには、血のめぐりをよくし生理不順などに効果があると言われています。
身体の余分な水分を排出させるので、むくみでお悩みの方にもお勧めです。
鮑には、血を補い身体のほてりを冷ます効果が。
ほてりや不眠、イライラにも。更年期障害の対策としてもお勧めしたい食材です。
デトックスしたいあなたには
暴飲暴食が続く年末年始。食べすぎが続いてつらい時は、デトックス効果のあるごぼうや昆布、大根を選んでみてください。
家の基礎が堅牢であるようにと願いがこめられた、たたきごぼう。
ごぼうには、老廃物を排出する効果があるとされます。
生理不順やのどの痛みにも効果があると言われています。
「喜ぶ」という語呂合わせから食べられる昆布。
黒い食材なので、「腎」に作用します。
デトックス効果はもちろんのこと、むくみや慢性気管支炎にも効果的。
紅白なますに入っている大根は
消化を促進し、気のめぐりをよくします。
喉の不快感や口内炎、気管支の炎症を鎮める効果やお酒の解毒効果もあるとされています。
歴史や効果効能を知ると、おせち料理は一層味わい深いものに
いかがでしたか?おせち料理には縁起の良い意味が込められている事は皆さんご周知のはず。
それに加え、食材の効能を知っておくと、お正月の食卓がより盛り上がることでしょう。
おせち料理と、は先人の知恵がたっぷりとお重に詰め込まれたものでもあるのです。
2020年のお正月を、どうか笑顔で健康的にお過ごしください。
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(参考)
https://www.oisix.com/shop.osechi–cont-type__html.htm
https://gurusuguri.com/special/season/osechi/spcu-osechi_yurai/?__ngt__=TT1028838ee001ac1e4aed4eNExtP1CTT2yCUk8nSzaixp
『先人に学ぶ食品群別・効能別どちらからの引ける性味表大辞典』竹内郁子編著
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