国際薬膳師が、20年間にも及ぶ辛い生理痛を克服した方法とは|中医学と薬膳の観点からの生理痛の原因と対策法
こんにちは。国際薬膳師の清水柚紀子です。
生理って、あなたにとって、どんな存在でしょう?
人生80年として、人生のほぼ半分、しかも月イチで生理とお付き合いしている私達。
最近では、生理に関する漫画が注目され映画化が決定するなど、
ちょっとした生理考察ブームになっているようです。
生理痛や生理不順は、個人差もあるし、
デリケートな問題だけに人前であまりオープンに話が出来ないのも、
不安を大きくする要因かもしれません。
特に現代の女性は、ストレスや環境の影響などにより、
生理トラブルを抱えている方が多いことが、注目される背景にあると言えそう。
そういう私も、約20年もの間、酷い生理痛に悩まされてきました。
毎月、PMSや生理の始まりの数日の激痛は当たり前。
でも、中医学と薬膳で、長年の悩みから解放されることができました。
今回は、重くて辛い生理痛を和らげ、解消するための方法について、
私自身の体験も交えながらお話していきます。
腹痛、頭痛、吐き気…
つらい生理痛の症状は自分で緩和できない?
私にとって生理は、ただ辛いものでしかありませんでした。
中学生の頃から、腹痛だけでなく、時には頭痛や吐き気、メンタルの不安定も伴い、
月の半分は生理トラブルにより体調不良な状態。
ひと月の中で、体調が良いと感じるのは、わずか1週間程度ということもありました。
何よりも辛かったのは、PMSが始まると胸や腰が張って鈍い痛みが出始め、気分はうつ状態になる。
そして、生理が始まると、2日間くらいは、のたうち回るくらいの激痛に襲われることもよくありました。
鎮痛剤も痛くなる前に飲んでも効きづらく、気休め程度にしかならない。
こんな状態なので、生理が始まると数日は、毎月のように学校や仕事を休むことも当たり前。
出来る事といえば、痛みに襲われる前に鎮痛剤を飲む事だけ。
他に出来る事は何もなく、というか当時は何も知らなかったのです。
生理痛が酷くてドクターショッピングを繰り返した10代、20代
そして、これだけ酷い状態だと当然のことながら、10代の頃から産婦人科にも通院していました。
でも、一通り検査してもどこにも異常は見つからないのです。
「検査結果は正常ですね。鎮痛剤を出すので、それを飲んで様子をみましょう」
でおしまい。
「どうして?私はこんなにも痛くて辛いのに。どうしてどこも悪くないんだろう?」
いつもそう思っていました。
処方された鎮痛剤は、早めに飲んでもやっぱり効きません。
納得がいかないし、早くこの状態から抜け出したくて、10軒位産婦人科の門を叩きました。
でも、結果はどこに行っても同じ。
あなたはどこも悪くないと言われ、鎮痛剤を処方してもらうことの繰り返し。
こんな事の繰り返しでは、自分の体に自信なんて持てるはずがありません。
一体自分の体がどのようになっているのか、不安で不安で仕方ありませんでした。
そして30代前半のある時、藁にもすがる思いで漢方を試してみることに…
漢方で不安一掃!中医学と薬膳で酷い生理痛を解消!
この時診察をして下さった中医師との出会いで、今までの全ての謎が解けたのです。
その中医師の先生はこう言いました。
「あなたの生理痛の原因は”冷え”が全ての原因だよ。」と。
そして
「本来は、生理痛ってないの。生理になっても痛みが無いのものなんですよ。」と。
さらには
「漢方はね、生理痛だけじゃなくて、体の不調を全部良くするものだから、全部良くなりますよ。」って。
これを聞いて、私は頭から稲妻で突き抜かれるような衝撃を受けました。
最近では、漢方治療がポピュラーになってきたため、
このようなお話を聞いてもあまり驚かないかもしれません。
しかし当時は、漢方は胡散臭いと思われていた時代のため、
病院の診断結果でこんな事言われたのは初めて。
しかも、「悪いところ全部良くなる」って一体どういうことなのか、
当時の私にとって常識外の出来事でした。
でも、その中医師の先生の言葉は、私にとって物凄く説得力があったんですね。
処方してもらった漢方薬を飲むこと約2ヶ月、あれだけ酷かった生理痛の痛みも、
PMSの腰痛やメンタルの落ち込みも全て無くなったことで、更に感動したのを今でもよく覚えています。
そして、漢方のことをもっと知りたいと、自らも勉強を始め、今に至っているのです。
現代医学(西洋医学)で治りにくい生理痛が、
なぜ中医学で解消されやすいのか?
では、現代医学と中医学における生理痛の認識の違いはどこにあるのでしょう?
現代医学についてはあまり詳しくありませんが、少しまとめてみました。
西洋医学で生理痛の原因をみた場合
・女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの分泌バランスの乱れ
・「プロスタグランジン」というホルモンに似た物質により、神経に痛みが伝達されるため
・精神的なストレス、不摂生や睡眠不足
など
「プロスタグランジン」の分泌が多すぎると、子宮の収縮が強くなり、
痛みが酷くなる原因になると言われています。
また、子宮内膜症や子宮筋腫がある場合も生理痛が重くなる原因になります。
中医学で生理痛の原因をみた場合
中医学では、痛みの原因がどこに起因するかでタイプが分かれます。
下腹部や腰の痛みはどのタイプにも共通するので、プラス他にみられる症状をあげてます。
1.【腎陽虚タイプ】(虚弱体質や子宮の冷えが原因)
主な症状:初潮年齢が遅い、温めたり揉むと良くなる、冷えると痛む、舌の色が淡い
2.【寒湿タイプ】(子宮への寒湿の邪気の侵入により、冷えて気血の巡りが悪くなるのが原因)
主な症状:下腹部の痛みが重い感じ、生理前と生理の始まりの頃痛む、おりものが多い、下痢、
経血の量が少なかったり黒かったりする、舌の苔が白くて多い
3.【気滞血瘀タイプ】(ストレスなどにより気血の巡りが悪いことが原因)
主な症状:生理前に乳房が張って痛む、生理前と生理の始まりの頃痛む、疼痛、腹部の膨満感、
揉んでも良くならない、イライラしたりウツっぽくなる、便秘と下痢を繰り返す、
経血の色が黒かったり血の塊が混じる、舌の色が紫っぽい
4.【気血不足タイプ】(疲労などによる気虚、血虚、脾気虚が原因)
主な症状:経血量が少ない、生理中や終わりの頃に痛む、出血がだらだらと長く続く、疲れやすい、
不眠、多夢、下痢、顔色や舌の色が淡く白っぽい
一つだけが原因のこともあれば、複数の原因を併せ持つこともあります。
ちなみに私の場合は、典型的な1と3の両方を併せ持つタイプ。
1才の頃からアトピーを発症したりすぐ風邪をひくなど、
子供の頃からの虚弱体質だったことに加え、中学生では生理痛だけでなく、
自律神経失調症とも診断された「不調の総合商社」のような体質でした。(笑)
つまり、こういうこと。
子供の頃から腎が弱い+気血の巡りが悪かった。
気血の巡りは五臓の「肝」の働きにも関係します。
自律神経失調症も肝の働きが過剰になっているのが原因です。
現代医学(西洋医学)と中医学では原因の捉え方が違う
このように、現代医学では、臓腑の一部分や痛みの物質やホルモンの分泌など、
部分的に且つエビデンス前提で原因を捉えます。
一方、中医学の場合は、臓腑や生理機能など、体全体の陰陽五行のバランスを元に原因を探っていきます。
現代医学の発展は素晴らしいものがありますが、どちらかというと、
対症療法が得意であることには変わりないでしょう。
それに対し中医学は、
目に見えない部分も含めて捉え、症状を根本から改善していく「本治」にも重きを置きます。
中医学のこうした考え方を知っていると、現代医学の原因も神経やホルモンバランスの乱れは、
こうしたことにも通じると捉える事が出来ますよね。
誰でも自分自身のヘルスコーチになれる!
中医学と薬膳の活用法
中医学の生理痛の原因と症状をご紹介しましたが、さらっとおさらいを。
主な原因はこの3つです。
・冷え
→ 腎陽(腎を温める気)の不足=慢性的な症状になりやすい寒邪と湿邪の侵入=一時的な症状にもみられる
・気血の巡りが悪い
→ ストレスやメンタルトラブル、肝の働きのトラブル・気や血の不足
→ 疲労、虚弱体質、栄養不足では、生理痛を和らげるために、どのようなことをすればいいかをお話していきます。
中医養生のキホンの「キ」。まずは自分の体と心と対話する
これは、生理痛に限らず、健康管理における一番大切な要素。
とっても当たり前のことなので、「え?そんなことなの?」って思われたかもしれません。
でも、意外と皆さん出来ていないのです。
お腹が痛い、だるい、今は生理の〇日前、など、誰もが普通に感じていますよね?
でも、その原因はどこにあるか、までを分かっている人は中々いません。
目で見える、体感している症状は、その前に何らかの原因があるからです。
自分の体と対話するのはそういうこと。
例えば夏場に寒いと感じたら、エアコンの温度を上げるとか、
カーディガンを羽織るとか当たり前にするでしょ。
でも、どのタイミングでそれをするのかが、とっても重要。
「寒いな」と感じた時点で手を打てば、寒邪から身を守ることが出来ることが出来ます。
しかしそこで、大したことないとスルーしてしまったり、我慢すると、
気が付いたら風邪をひいてしまった、ということもありますよね。
自分の体や心と対話する、というのは、
「今、どう感じて、体や心はどんな状態か。それによってどう対応するか」
までのことをいいます。
これが出来るだけ小さな状態でキャッチして行動できるかを、意識してみましょう。
薬を飲む前に出来る事。生理痛を改善する食べ物(薬膳)は?
生理痛になると、兎にも角にも鎮痛剤、というのが昔の私でした。
でも、服用を重ねるごとに効き目が弱くなり、どんどんと強い薬を飲むようになっていったのです。
最近ではピルを服用する方もいるそうですが、INYOU読者のあなたなら、
きっと出来るだけ薬やピルには頼りたくないと思っているのではないでしょうか。
あまりにも痛みが重くて辛いのであれば、
漢方医や漢方専門の薬剤師のいる薬局に行って相談することをお勧めします。
でも、それ以外に普段の食事で予防出来る事も沢山あります。
実際、症状が軽い場合、早い段階で手を打てば、食事だけで改善できることも多いんですよ。
以下、生理痛のタイプ別に薬膳食材をご紹介します。
1.【腎陽虚タイプ】
黒い食材(黒豆、黒胡麻、黒キクラゲ、黒砂糖、など)にら、くるみ、クコの実、桑の実、山芋、肉桂、唐辛子、乾姜(蒸し生姜)、丁香、エビ、カツオ、羊肉、豚肉、など
2.【寒湿タイプ】
(1にプラスして)生姜(生)、ネギ、大葉、パクチー、ウド、トウモロコシ(ヒゲも)、さくらんぼ、
アジ、サケ、マス、コイ、茶葉、など
3.【気滞血瘀タイプ】
青梗菜、えんどう豆、玉ねぎ、ラッキョウ、ソバ、柑橘類、みかんの皮、ベニバナ、酢、酒4.【気血不足タイプ】
穀類、かぼちゃ、イモ類、ニンジン、キャベツ、ブロッコリー、しいたけ、小松菜、ぶどう、レバー、牛肉、鶏肉、イワシ、イカ、ハチミツ、など
あとは、冷たい物や生ものの飲食は出来るだけ控えること。
これも生理痛を和らげるためには、大事な食べ方です。
食事プラス運動。代謝を上げて体を温めることで生理痛改善に
生理痛が酷いと悩んでいる人の中には、普段あまり運動をしていない、という人が多いのです。
カミングアウトすると、私も運動は思い立った時にしかやっていませんでした。(今は違いますよ)
元々虚弱体質なので、どちらかというと、子供の頃から運動は苦手。
でも、これが生理痛を酷くさせる原因の一つになっていたことは間違いありません。
運動をしないので、汗はかかないし、代謝は悪い状態。
いつも不定愁訴を訴えているような状態なので、体を動かすとすぐに疲れていまい、やらなくなる…の繰り返し。
正直、食事だけで何とかしようとしていたのです。
運動というと、しっかりと汗をかくくらいに何かをしないといけないと思われている方もいますが、
虚弱体質や疲れやすい場合、このような運動をするのは逆効果。
汗をかくことで気ももれてしまうため、疲労が一層激しくなります。
このような方の場合は、軽めのストレッチ程度で、じんわりと体が温まるような運動をしてみてください。
筋肉を動かすことで、気血の巡りが良くなり、続けることで自然と温まりやすい体に変わってきます。
気は動くことで作られるものでもあるので、自分の体力に合った運動を継続することが
生理痛を緩和するポイントにもなります。
中医学を味方につけて、生理と上手に付き合おう
今回は、私自身の体験談も交えつつ、生理痛対策についてお話しました。
中医学には「不通則痛(ふつうそくつう)」「不栄則痛(ふえいそくつう)」という言葉があります。
前者は「通じない(気血の巡りが滞る)と痛む」、後者は「栄養が不足すると痛む」という意味です。
全身に気血がスムーズに巡ることや、栄養が行き届けば、痛みは生じないのです。
自分の体のために「自分をいたわる」ことが出来れば、もっと生理痛や他の痛みも軽減できるはず。
厄介なこともあるけれど、女性として上手に生理とも付き合いたいものですね。
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