野菜にありがとうと言っていますか?オーガニック野菜よりも安全?生産者が語る自然栽培の実際
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みなさん、こんにちは。
「オーガニック」という言葉も、ひと昔前に比べてて大分身近になりましたね。
一般的には 「オーガニック野菜」=「有機野菜」ですが、
このほかに、「自然栽培」の野菜があるのをご存知でしょうか?
今日はそんな「自然栽培」についてのお話です。
オーガニック野菜よりも安全?
「自然栽培」のやさいとは
「オーガニック野菜」は基本的に有機肥料を使い、農薬を減らし(無農薬もあります)栽培する方法です。これに対し、「自然栽培」では、
肥料も農薬も使わない「無肥料無農薬」で栽培します。
「自然栽培」とは自然の力をいかんなく引き出す永続的かつ体系的な農業方式の呼称です。
肥料、農薬には頼らず植物と土の本来持つ力を引き出す農業です。自然栽培は一切の肥料・農薬を使用しません。
「自然栽培」の定義は自然界を教師にして、自然から学び、
自然を尊びながら自然に添っていく。そして大自然の法則を田畑に応用するという農法です。
引用:自然栽培全国普及会ホームページ
自然農法、自然栽培の定義は実践する人によって微妙に違いがあります。
ただ、「無肥料、無農薬」という点に関してはみなさん一致しています。
あと、この方法を実践している人たちに共通しているものが
「自然と向き合い、共存する」という姿勢です。
いま、いろんなところで起こっている環境の変化や災害は
自然界のバランスが崩れている証拠ともいわれています。
私たち人間もそれにかかわっていることは間違いないと思います。
なかでも、「農業と食」は重要なポイントのひとつになります。
そこで、従来の慣行農業に疑問を持ち、
「農業と食」をより良いものにしようとするのが、この「自然栽培」なのです。
もともと、植物は自分のチカラで生きていく術を持っています。
それを、人間の都合で改良されてきたものが現在の野菜たちです。
ただ、先人たちの研究と努力のおかげで現在、美味しくて食べやすい野菜たちがあることには感謝しかありません。
果てしない時間と労力を費やし、自然と闘いながら現在の農業と野菜たちは存在しています。
この背景を認めつつも、これから先は環境や自然のことを考え農業と食を変えていく必要があります。
その一つに「自然栽培」があると言えるでしょう。
日本におけるオーガニック農家
では、いま日本でどれくらいオーガニック(有機農業)として作物がつくられているでしょうか。日本の栽培面積 約460万ha
有機栽培 約1.6万ha
全国の総農家数 約250万戸
有機農業 約1.2万戸
参照:農林水産省ホームページ
以上のデータからもわかりますが、日本はまだまだオーガニック農家が少ないのが現状です。
ちなみに他の国の状況は
イタリア 14.5%
ドイツ 7.5%
フランス 5.5%
韓国 1.2%
中国 0.4%
となってます。
他の国と比べても世界的にオーガニック後進国と言えるかもしれません。
安心・安全でしかも、環境にもやさしい農業なのに
どうしてこんなに実践する人が少ないのでしょう。
オーガニックのものは基本的に高価になりがちです。
もっといっぱい作って流通させれば、買う人にも優しい価格で提供することができるし、
売り手も買い手もよろこぶはずです。
では、なぜ?
オーガニック、自然栽培に綺麗事は通用しない
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まず、有機栽培の野菜から考えていきましょう。
野菜は生き物です。
やさいを育てるには、栄養とそれに合った環境が必要になります。
ほとんどの農家さんは、毎年同じ畑で野菜を育てます。
場所や作物によって違いはありますが、毎年同じところで作物を作り続けると、
土の栄養分が足りなくなっていきます。
これを補ってくれるのが肥料です。
有機栽培で野菜を育てるときは有機肥料を使います。
ただ、ここで難しいのが、どれくらい肥料が必要なのかというところ。
少ないと作物は大きくならず、
逆に多すぎると、今度はと呼ばれる虫が大量に発生します。
オーガニックでも、無農薬栽培をしている農家さんはもちろん農薬は使えません。
なので、一匹一匹手作業でとるしかないのですが
虫たちの繁殖力はハンパじゃない。
みるみるうちに作物は穴だらけ・・・・・
もちろん、売り物になんかならず、今までの苦労は水の泡です。
朝から晩まで一生懸命働いても、売るものが無ければお金になりません。
収入がなければ経営も生活も厳しい、
農業を生業にしている人たちは慈善事業でやっているわけではないので、
普通の会社と同様に売上げ収入を得ないと経営できなくなり廃業になってしまいます。
自然栽培も同様かそれ以上のリスクがあります。
農薬はおろか、肥料さえも使わないわけですから。
土が健康でなければ良い作物は育たない
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近年は化学肥料や農薬を使ってきた農業がほとんどでした。
それに頼らず、土が栄養を保った健康な状態になるためには
約10年かかると言われてます。
ここが、オーガニック農業が増えない大きな理由の1つになります。
その、作物ができない期間、生産者さんを支えられるはっきりとした保証や制度は日本にはまだありません。
ひと昔まえまでに比べると、補助金や支援制度は増えましたが、
長年、おおきな農場を経営している人たちを動かせるものには、まだなっていないようです。
それでも、まだ希望はある!!
自然栽培、オーガニックが日本人の心と身体を整えてくれる
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ここ最近ではオーガニックに関心を持つ人がとても増えています。
特に女性と若い人達が関心を持っていることはとても良い事だと思います。
有機農業者の平均年齢は農業全体に比べ7歳程度若く、約半数が60歳未満。
また、新規就農希望者の3割が有機農業での就農を希望している。
引用:農林水産省ホームページ
オーガニックな作物を育てるためには、とても多くの時間と労力がかかります。
そのなかで、若く体力のある若者たちがオーガニックや有機農業、自然栽培に興味をもっていることは、
これからの日本の農業にとって大切なことです。
そして、女性が関心を持ってくれることもとても重要です。
一般に、家庭でご飯を作ったり食材を選んだりするのは女性の方が多いと思いますので、
オーガニックの良さを世間に広めるには女性のチカラが絶対的に必要です。
私がオーガニックに興味を持ったのも、
奥さんが自然栽培の「枝豆」を買ってきて食べさせてくれたことがきっかけでした。
最初、値段を見た時にはビックリしました。
なんと、1袋500円!!(通常の約3倍)
「ありえない・・・
見た目、ただの枝豆だしまあいいか」
と思い、とりあえず食べてみると衝撃が走りました。
「なにこれ?枝豆?だよね?」
一粒しか食べてないのに豆の味が口の中いっぱいに広がりました。
ものすごく濃い味なのにくどくない。
チカラ強いのに心地よい。
「感動!!」
この言葉しか思いつきませんでした。
オーガニックや自然栽培の野菜は本当においしいです。
食べたことのある人ならわかると思いますが、素材本来の味がしっかりあって、
それでいてしつこくなく後味にクセがない。
食べたあと、身体が喜んでいるような感覚を覚えます。
まさに生命力をいただいている感覚ですね。
身体が喜び元気になると心にも余裕が生まれます。
この余裕、心と身体にゆとりのある状態をつくることができるのが、オーガニック野菜の素晴らしいところです。
オーガニックや自然栽培は、その作物や効果だけが目的ではなく
人と自然のあり方、考え方に意義がある。
心身ともにゆとりができると周りに気遣えるようになります。
これこそがオーガニックの本質と言えるでしょう。
自然や環境を大切に考え、自分にも他人にも思いやりを持って行動することで、
またそこから同じように思いやりの心が芽生えめぐりあい循環していく。
この循環こそがオーガニックや自然栽培の目的であり
野菜を育てる生産者としての生き方だと僕は思います。
本当に大切にしたいものは
今日からやってほしいたった1つのこと
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オーガニックや自然栽培の作物は本当に素晴らしいです。
そして、そこにはいろんな人の思い、自然の環境、目に見えない空気、土の中の微生物、
全てのもの達がいて成り立っています。
このオーガニックの本質「自然環境の好循環」をするために、
私たちができることは、まず「ありがとう」と感謝することです。
これは、慣れていないとなかなか難しい場合がありますが
でも、ちょっとした工夫でできるようになります。
まずは、今日、ご飯を食べるときにかるく目をつぶって
心の中で一言、「ありがとう」と言ってみましょう。
これは、とても効果があります。
「たべる」=「生命をいただく」ことです。
私はモノを食べるとき必ず目をつむり
その食材がどのようにできてきたか想像しながら食べています。
考える、というより、
生命を感じる、という感覚ですね。
自然が循環していくように、思いも循環していきます。
オーガニックの心で、毎日気持ちよく過ごしましょう。
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