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現代人の間に蔓延する突然死急増中の「脂質異常症」とは何か。東洋医学から考える原因と食事からの対策方法とは。

福原真一郎
鳥取大学の農学部で生物学や化学を学んだ後、鍼灸師とマッサージ師を別に取りに行ったので、長く東洋医学について学んできました。 今は整骨院で東洋医学と薬膳、栄養学の知識を活かして、治療と生活指導を行っています。

東洋医学では瘀血だと考えられる、脂質異常症とは?


脂質異常症と診断されたらどうなるのか?
動脈硬化の原因になると聞いたけどすぐに治さないといけないの?


現在、現代人の間で急増している脂質異常症をご存知でしょうか。
これは、特別な人がなるものではなく、生活習慣などによって誰にでも起こりうる症状です。

今回は、脂質異常症と呼ばれる現代人に増えている症状を東洋医学からみた治し方について書いています。

脂質異常症とは四大生活習慣病の一つである高脂血症を指します。
これは、血液中にコレステロールや中性脂肪などの脂質の量が多過ぎる状態で、
血液がドロドロの状態になり、東洋医学では瘀血(おけつ)と呼ばれる状態です。


具体的な数字としては、LDL(悪玉)コレステロール)値が140mg/dl以上、HDL(善玉)コレステロール値が40mg/dl未満、中性脂肪値が150mg/dl以上のいずれかに当てはまる場合を脂質異常症と言います。


そもそも、脂質異常症は、
  • 肥満
  • 糖尿病
  • 肝臓病
  • 腎臓病

などの合併症で起こることが多いので生活習慣が原因になっていることがほとんどです。
一部に遺伝的な要素で起こる人もいます。

コレステロールは細胞膜やホルモンの材料ですが、多すぎると動脈硬化の原因となります。
動脈硬化は血管の老化とも呼ばれ突然死などの原因となります。

中性脂肪は糖質よりも高いエネルギー源となりますが、余ると皮下だけでなく内臓の周りについて内臓脂肪になります。

瘀血(おけつ)の改善は漢方の得意分野

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最近になって東洋医学や漢方が注目されている背景として生活習慣病に対する効能があります。

そもそも、ダイエットをしても効果の高い人とそうでない人がいるのはなぜでしょうか?


それは、自分の体質を見極めずに良いと言われたものに飛びついているからです。
東洋医学では全てのことに良いものと悪いものがあるとは考えません。

太極図の形が示すように、表と裏は複雑に絡み合い、どちらか一方だけがある状態は存在しません。


例えば、身体を鍛えていて筋肉質な人が素晴らしいと考えられますが、
見方を変えれば燃費が悪くたくさんのカロリーを必要とするため不自然な状態とも言えます。


太っていて体力のない人でも、見方を変えれば自然の変化に強く安定感があるとも言えます。
大切なのは自然の状態に近いかどうかです。

弱っている状態は虚と呼ばれ見るからに不健康な状態です。
ですが、鍛えて強い状態は実と呼ばれ、代謝が高すぎるのも大病を患いやすいので健康とは考えません。


強すぎるでもなく弱すぎるでもない状態を、
東洋医学では中庸(ちゅうよう)と呼び理想の状態と考えます。
人より優れている状態を目指す人は多いですが、
理想の状態とは平均だとも言えますね。


何かに偏ることや、偏ることを好む精神状態は自然な状態とは言えません。

ありのまま自然のままにいれることが中庸です。


もちろん、日々の生活で偏ってしまった時には補正が必要な時もあります。

漢方はどんな人に効果があるのか?


漢方とは特別に相性が良い人が存在するわけではありません。
ただし、中庸を目指すに当たって相性の良い漢方薬は存在します。

そして脂質異常症と診断される人の多くは実に分類されます。
東洋医学では実の人に処方するのは寫(しゃ)と呼ばれる余分なものを抜く漢方薬を処方します。

対して、虚の人には補(ほ)と呼ばれる足りないものを補う漢方薬を処方します。


脂質異常症で最もよく処方されるものの一つが大柴胡湯(ダイサイコトウ)です。
これは、肥満男性で実に分類される人に処方されます。

ちなみに漢方では男性と女性でおすすめの種類が変わります。

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この大柴胡湯と相性が良いのは骨太で筋肉質の人が、

  • ストレス
  • 暴飲暴食

などで代謝が過剰になり、ストレスを伴う肥満から高脂血症になっている場合です。


代謝が過剰な状態だと身体は代謝を押さえる状態に働き精神面では抑うつの症状が見られます。

他にも胸脇苦満と呼ばれる脇腹の痛みなども特徴です。

医学的に原因を特定できない高齢者の胸腹部症状に対して大柴胡湯を中心とした処方が奏効した2例を報告する。便秘,胸脇苦満を目標に大柴胡湯を投与した。3ヵ月後には胸部圧迫感が消失し,気鬱スコアやSDS も改善した。2例目は83歳の男性。
多発外傷後より,心窩部痛,胸腹部圧迫感,腹部膨満感が約2年間持続していた。大柴胡湯は抑うつ症状を伴い,医学的に原因が特定できない胸腹部症状に対して考慮すべき方剤である。~高齢者の医学的に原因が特定できない胸腹部症状に大柴胡湯を中心とした処方が奏効した2例~
吉永 亮、他9名


高脂血症は血液検査で異常と診断されますが、投薬において思うような成果が得られない時には高すぎる代謝を寫す治療が必要な場合もあります。
代謝が高すぎるときには精神的にもカッとなりやすい状態であることが多く、不安定な人が多くなります。

些細なことでイライラしたり、怒り出すと思うように収められなかったりするのが特徴です。

虚の場合の漢方薬

女性に処方されやすい漢方薬としては、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)があります。

女性の肥満の中でも、
  • 肌のくすみ
  • 冷えのぼせ
  • 便秘傾向

などの隠れ肥満や固太りに用いられます。
肩こりや頭痛などの身体的な不調に加えて、耳鳴りや不安や興奮などの不定愁訴を伴う産後や更年期以降の慢性的な症状にも用いられます。

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)は抗酸化作用があることが知られていた.駆瘀血剤をはじめとする漢方薬は,酸化ストレスに対して,抗酸化剤として緩和作用を表す.~漢方薬の未病に対する血管薬理学について~西田 清一郎、他1名


女性に多い症状として虚と呼ばれる水分代謝が低下しているときに現れる症状が多くあります。
慢性的な頭痛や肩こり、冷えのぼせなどは虚の症状で未病とも呼ばれます。


これらの症状は身体に強い酸化ストレスを与えるので老化を促進させる原因となります。
桃核承気湯は酸化ストレスに対して改善効果を発揮するので虚弱体質の女性に多く用いられる漢方薬です。

脂質異常症は過食に見られる症状だと思われがちですが、明らかな肥満でない女性の場合は代謝の低下が原因で起こっていることがほとんどです。
この場合は新陳代謝が著しく低下しているので身体は急速に老化していきます。

 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)の処方

皮膚は湿りがちで冷たく、色白でポチャッとしたタイプの肥満女性に用いられます。
主に下半身のむくみが目立ち、膝に水が溜まりやすい人に用いられます。

これらの症状は腎が弱っている人に見られる特徴で普段から塩分や食品添加物を摂り過ぎている人に見られる症状です。

食事の量はそれほどでもないのに下半身太りが改善されないという人が該当します。

腎硬化症による慢性腎臓病の対策として真武湯を中心にした漢方薬の可能性が報告されている。
真武湯と防已黄耆湯の併用は蛋白尿の少ない慢性腎臓病に進行抑制効果がある
小路 哲生


防己黄耆湯は低下した腎機能の改善に効果を発揮します。
下半身太りになりやすい腎機能の低下から起こる脂質異常症の人は食事の改善ではあまり効果が見られません。

腎機能が低下している人は下半身の運動が効果的なのでウォーキングなどがおすすめです。
なかなか運動ができない人は半身浴やサウナなどで汗を流すのも効果があります。

基本的に下半身のむくみや冷えなどの症状がきつく膝の痛みやだるさがきつい人は漢方薬と併用して改善を目指すほうが効果的です。


脂質異常症を普段の食事から対策するための方法とは?日頃から、気をつけたい食生活改善。

古い油に注意!日頃から食べている揚げ物もリスクが。

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食生活では古い油を避ける事が重要です。

古い油は酸化して分解しづらくなっているので体内の残留時間が長くなります。


そのため、

  • 前日の揚げ物
  • ファーストフードの揚げ物
  • コンビニの揚げ物

などは特に意識して避けましょう。

身体のエネルギー量は一定なので分解しづらい古い油を多く摂取している人は代謝が下がり、老けた印象を受けやすくなります。

同じ揚げ物でも、油を使いまわさない良質な専門店で揚げたてを頂く分には問題ありません。
しかしそれでも、寝る前などは極力避ける方が無難です。

油を減らした方が良いですが、極端に制限する必要はないので、鮮度と食べる時間帯だけ気をつけて下さい。

瘀血対策にオススメだと言われている薬膳食材一覧

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野草類、緑の食材
ニラ
黒木耳
シナモン
ビネガー
柑橘類
発酵食品


まとめ

脂質異常症は四大生活習慣病を含めて現代人の死の五重奏と呼ばれます。
食生活の偏りから発症する人も多いですが、代謝の調節ができないことから悪化する人もいます。
男性は代謝の上がり過ぎから起こること実の症状が多いのに対し、女性は代謝の低下による虚の症状が起こりやすいのが特徴です。
大切なのは、食事の改善だけでなく運動などの代謝の改善も併せて行うことです。

漢方薬の効果は科学的に証明されていますが、あくまで補助的な存在と考えて揚げ物を食べる回数を減らす、野菜をたくさん食べるなど、
日々の生活習慣を中心に改善するのがおすすめです。


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鳥取大学の農学部で生物学や化学を学んだ後、鍼灸師とマッサージ師を別に取りに行ったので、長く東洋医学について学んできました。 今は整骨院で東洋医学と薬膳、栄養学の知識を活かして、治療と生活指導を行っています。
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