加工食品でよく見かける「植物性たん白」の問題点。脱脂加工大豆に化学溶剤ヘキサンが使用される粗悪なものも。安全な大豆ミートや大豆加工食品の選び方。
こんにちは、海外オーガニック事情に詳しいIN YOUライターのレオナです。
実は『食品』だった。安全な添加物だと思われている『植物性たん白』とは?
本日は、マクロビオティックの観念から作られた「マクロビフード」や「ベジタリアン・ヴィーガンフード」でよく使用される
『大豆ミート』の原料となる『植物性たん白』についてその安全性や原料などをご紹介していきたいと思います。
身近なスーパーの健康志向食品にも使用されている、『植物性たん白』。
JAS(日本農林)企画における『植物性たん白』とは、大豆や小麦から独自の方法によりタンパク質を抽出したもの。
そのタンパク質の含有率が50%以上含まれるものになります。
種類としては、大豆系と小麦系に分かれ、大豆系には「粉末状、粒状、繊維状」のものがあり、小麦系には「粉末状、粒状、ペースト状」のものがあります。
粉末のものは、ハムやソーセージ、かまぼこ、ちくわ、粒状のものはハンバーグやミートボールなどに使われているそうです。
「粉末状たん白」はパンや、乾麺、ハムやソーセージなどに、「粒状・繊維状たん白」は餃子やハンバーグなどの挽肉を使用する加工肉やマクロビフードの大豆ミート(べジミート)に、「ペースト状たん白」は食品同士を粘着させる目的として、加工肉のハムやソーセージ、大豆ミート(べジミート)などに用いられています。
『植物性たん白』の原料とは?その抽出方法は安全なの?
『植物性たん白』の主な原料は大豆や小麦です。
抽出の方法には大豆や小麦を「ヘキサン」という化学溶剤を使って溶かして「油」と「搾り粕」に分ける化学精製法と、昔ながらの天然の製法で作られた圧搾法(あっさくほう)の2種類があり、ほとんどの『植物性たん白』が化学精製法で作られていると言われています。
どちらの方法でも大豆や小麦は「油」と「脱脂された搾り粕」に分けられ、余計な水分などを分離された後、
大豆の場合は抽出された油は大豆油としてサラダなどの原料になり、搾り粕が『植物性タン白』として食品に使用されます。
この方法を脱脂加工とよびます。
ちなみに「丸大豆」と記載されている醤油は大豆を脱脂加工せずに、
大豆そのままをじっくりと熟成してつくったものになり、大豆油も含まれている風味豊かなものになります。
「ヘキサン」を使用した化学精製法とは?
『植物性たん白』の抽出に使われる化学溶剤「ヘキサン」って安全なの?
ヘキサン (hexane) は有機溶媒の一種。常温では無色透明で、灯油の様な臭いがする液体。水溶性は非常に低い(20℃で13 mg/L)。ガソリンに多く含まれ、ベンジンの主成分である。引用元;ヘキサン-Wikipedia
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◆化学物質「ヘキサン」を使用した『植物性たん白』の抽出法(大豆の場合)
- 溶出;ヘキサン抽出 「ヘキサン」の使い方ですが、表面をつぶした大豆を「ヘキサン」液に浸して押しつぶします、
- 分離作業 「溶出した油」と「脱脂された搾り粕」を分ける為に分離作業が必要になり、分離する為にヘキサンを蒸発する工程が追加されます。
- 精製 しかし「ヘキサン」を分離させた後に不純物を取り除く「精製」という工程で洗浄や殺菌の為に人体に有害なリン酸や塩酸が使用されています。
そして「油」と「脱脂された搾り粕」を溶出させます。
その為、『植物性たん白』になった搾り粕の「ヘキサン」含有量は低いとされています。
この様に、化学物質抽出された『植物性たん白』には人体に有害な物質がどうしても残留してしまう可能性がある為、安全だとは言えません。
以前の記事でもリン酸の有害性について書いています。>>日本に溢れる添加物まみれなのに「あたかも健康志向風な食品」が病気を招く!
ヘキサン抽出よりも安全な天然「圧搾法(あっさくほう)」とは?
『植物性たん白』の抽出に使われる天然「圧搾法(あっさくほう)」とは化学物質を使用せず、大豆や小麦などの原料に物理的に圧力をかけて油をしぼり取る方法です。
「圧搾法(あっさくほう)」には低温圧搾と高温圧搾の2種類があります。
高温圧搾の場合は、不純物を取り除くために更に「ヘキサン」を使用した化学精製法が必要になりますので、低温圧搾のみ天然「圧搾法(あっさくほう)」とします。
天然「圧搾法(あっさくほう)」で抽出された油には植物からの有効成分ほとんど全て含まれる安全で美味しい「一番搾り油」が抽出できます。
天然「圧搾法(あっさくほう)」で抽出された「油」が安全なように、天然「圧搾法(あっさくほう)」で抽出された「搾り粕」で作られた『植物性たん白』は比較的安全だといえます。
マクロビフードやベジタリアン・ヴィーガンフードでよく登場する、安全な無添加大豆ミート(ソイミート)の選び方。
スーパーに売られている健康志向系に食品に使用されている『植物性たん白』ですが、その抽出法まで調べる事は残念ながら難しいと言わざるを得ません。
しかし、自分で色んな料理に変身させる事のできる「大豆ミート(べジミート)」でしたら安全・安心な原料と方法で作られた商品を「自分の手」で選ぶ事ができます。
- 安全なオーガニック大豆で作られた大豆ミート(べジミート)を選ぶ。
- NON GMO(非遺伝子組み換え)の大豆や小麦が原料の大豆ミート(べジミート)を選ぶ。
- かさ増しやつなぎの為に使われる添加物やグルテンの使用されていない、大豆だけで作られた大豆ミート(べジミート)を選ぶ。
『植物性たん白』に関するニュース
やっぱりオーガニックじゃないとダメ?! オーガニック先進国ドイツに却下された日本の非オーガニック大豆加工食品企業。
海外では発砲させて作るべジミートですが、栃木県にある加工食品会社では
大豆を通常の3倍以上も使用しぎゅーと縮めて作った肉本来の食感に近く味も良いと評判の大豆加工食品を販売しています。
この会社の商品は長年の研究開発によって“本物の肉の歯ごたえや味”を思わせる大豆ミート(べジミート)や“滑らかな食感のグルテンフリー”の大豆加工麺になります。その会社がドイツで高まる日本食ブームの人気にのって市場を海外まで広げようと、非オーガニックの商品を売り込みにドイツで商談をしました。
しかしどんなに味が良くてもオーガニック対応への共同開発をするという条件の下でのみ商談が成立したというニュースが国際ビジネス情報番組「世界は今 -JETRO Global Eye」で放送されました。
このニュースからも分かるように、EUなどの海外ではベジ対応だけではなく当たり前に『オーガニック』が市場には不可欠な条件となってきています。
米国FDA(国食品医薬局)大豆たん白(植物性たん白)の『ヘルスクレーム;健康強調表示』を取り消しへ。それでもメリットの多い健康食品?
1999年に米国FDA(国食品医薬局)によって認可された大豆たん白に対する『ヘルスクレーム;健康強調表示』に科学的証拠が不足しているとして、
2017年、再度米国FDA(国食品医薬局)によって健康強調表示の認可取り消しを提案しました。
【FDA】 大豆タンパク質が心疾患のリスクを減らすという健康強調表示の取消しを提案
米国食品医薬品局(FDA)の Susan Mayne 博士(食品安全・応用栄養センター局長)が、大豆タンパク質と冠動脈性心疾患リスクに関する健康強調表示を取り消す規則を提案すると声明した。
1999 年にこの強調表示が認可されて以降に発表された多くの研究において、
大豆タンパク質と心疾患の関係に関して一貫性のない知見が示されてきており、健康強調表示を取り消す規則を提案する必要があると判断した。
FDA は、この規則を完成させた場合、大豆タンパク質を食べることと心疾患のリスク低減の関連を裏付ける十分なエビデンスがある場合に限り、限定的健康強調表示の利用を許可する意向である
健康強調表示とは?
米国FDA(国食品医薬局)が科学的根拠に基づいて他の食品に比べて健康的メリットが特出している食品のラベルやパッケージに「この商品は心臓病のリスクを抑えます」などと記載してよいと許可するもんで、現在大豆たん白(植物性たん白)を含むたった12種類にしか認可されていない表示のこと。FDA の健康強調表示は、専門家が確実な科学的エビデンスがあると合意した場合にのみ認可される表示で、現在は12件のみが認められています。
そのうち 1 件について初めて削除の提案がなされたというニュースです。
限定的健康強調表示はできる?
一方、限定的健康強調表示はいくつかの科学的エビデンスがあれば表示できるようになるものですが、強調表示の科学的エビデンスのレベルを正確に理解できるような表示
(例:○は△のリスクを低減する可能性があるが、決定的ではない)が必要です。
【FDA】 大豆タンパク質が心疾患のリスクを減らすという健康強調表示の取消しを提案 -国立医薬品食品衛生研究所-
家畜の飼料にも使用されている『植物性たん白』。家畜の生活向上の為にできること。
家畜の餌にも『植物性たん白』が大量に使用されています。
「ヘキサン」を使用した化学精製法で抽出された『植物性たん白』を家畜に与える場合、
抗生物質だけでなく、農薬まみれ化学物資を含有した飼料を家畜が食べる事になります。
その肉を食べるのは私たち人間です。全ての事が繋がっています。
NON GMO(非遺伝子組み換え)やオーガニックの大豆や小麦を原料とした『植物性たん白』を増やして少しでも家畜の飼育環境向上に努めたいものです。
お肉はやっぱりオーガニックが安心です。
オーガニックで育てられた家畜の飼料には天然物質由来でも抗生物質は使用されません。
飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律(飼安法)(昭和28年法律第35号)の規定に基づき農林水産大臣が指定する飼料添加物は現在156種類(平成27年3月末現在)あり、それぞれ定められた成分規格や製造等の基準を満たすものに限り飼料添加物として使用することができます。
このうち、抗生物質17種類)又は組換えDNA技術を用いて生産されるものは、
たとえ天然物質又は天然物質由来の物質であっても有機飼料に添加して使用することはできません。
その他のものは天然物質又は天然物質に由来するものであって化学的処理が行われていなければ使用することができます。
まとめ
マクロビフードやベジタリアン・ヴィーガンフードでも使用される大豆ミート(べジミート)の原料となる『植物性たん白』ですが、抽出方法が2種類あります。
抽出の過程で「ヘキサン」などの人体に有害な化学物質が使用されていない、天然の安全な「低温圧搾法(あっさくほう)」で抽出され小麦のグルテンなどでかさ増しされていない『植物性たん白』で作られたオーガニックの大豆加工食品を購入しましょう。
安心・安全な未来は私たちの選択で決まります。
オーガニック食品やコスメをお得に買えるオーガニックストアIN YOU Market
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