安い食べ放題は本当に、お得？食べ放題は消費者にとって本当にメリットがあるのか、もう一度考えてみよう。

暑い夏も終わり、美味しい物がいっぱいの「食欲の秋」となりました。
私の田舎では、本場丹波の黒豆や栗、マツタケの美味しい食材がたくさんあり、「〇〇味祭り」のイベントが毎日のように開催されています。


(丹波篠山黒枝豆のオリーブ焼：Photo by H.Kato )

早々と忘年会の幹事が決まっている方は、悩んでおられるのではないでしょうか？

最近は、食べ放題や飲み放題、ビュッフェスタイルでされる方も多いのではと思います。


ここ数年、このような店には行っていませんが行くと「元取ってやろう!!」と思うのです。

皆様はいかがでしょうか？

なぜビュッフェスタイルの飲食店（レストラン）が増えるのでしょうか？

私たちには本当にお得なのでしょうか？

食べ放題のメリット

女子会や忘年会などで食べ放題のレストランを選ぶ理由として

定額料金なのでたくさん食べても安心

多くのメニューから好きなものを選べる

好きなものをたくさん食べられる

珍しい料理にもチャレンジできる

自分のペースで食べられる

など、友達や同僚で楽しく食事ができます。

固定費と変動費

では、食べ放題のレストランにとってメリットは何なのでしょうか？
レストランの費用を大きく分けると、材料費とそれ以外の費用（人件費・賃貸料など）があります。

材料費は、客が食べるのと比例し増えていきます(変動費)。
しかし、それ以外の費用は客に左右されません(固定費)。

変動費は、普通のレストランに比べると低いと言われていますので、便宜上ここでは30％と仮定して話を進めたいと思います。
普通のレストランで客が1500円の食事をするとしますと、収入が1500円増え、コストが500円かかりますから収益は1000円。

一方、固定費を10万円と仮定すると、客一人来るごとに1000円ずつ収入が増えますから100人以上来れば純益となります。

大食漢ばかりでも、つぶれないのはなぜ？？

食べ放題のレストランに、大食漢の客が多く来て思い切り食べても赤字にならないのでしょうか？
もし赤字になるレストランが多ければ、当然店舗数は減少するはずです。

でも増え続けているのは「儲かる」からです。
客が食べれば食べるほど、利益率が右肩あがりになるのです。


食べ放題のレストランで、客が2人分の料金(3000円)を払って3人分食べたとします。
すると客も店も大満足なのです。

なぜ店も満足なのかと言えば、3000円の収入に対して変動費は1500円ですから実質1500円の儲けになります。


客が満足して、また来てくれれば、さらに収益が増えます。
客が増えれば増えるほど1人当り1500円ずつ増えますから店にとっては経営がしやすくなります。

ビュッフェスタイルのレストランは、もっと効率的！

あらかじめ大皿に料理を盛り付けて、好きなだけ取って食べる方式をビュッフェスタイルと言います。
この方法は、すごく効率が良いのです。


コックが30人分の料理を一度に作ったとしても、その手間が30倍かかることはありませんから、時間の節約にもなり1食当りの人件費は安くなります。
また料理を盛り付けて、客席まで運ぶ労力が減りますからウェイターやウェイトレスも少なくて対応できます。

その分、人件費も浮くわけです。
さらに、客は着席すれば、すぐに食べ始めますから在店時間は短くなり、来客数の増加も見込め収益につながります。

一方、必要な食材を必要な量だけ仕入れる事ができるでしょうから変動費を少なくできます。
また珍しい食材を大量に仕入れることによって値引き交渉もでき、これが客を呼ぶ目玉メニューとなって収入の増加になるのかもしれません。

安い食べ放題のデメリット

食べ放題って、実際本当にお得なの？食材の質は大丈夫なの？

このように経営者からすれば、食べ放題のレストランの運営はおいしい所が満載です。
ということは、逆に考えると私たち客にとってデメリットもあるはずです。

食材の安全性

まず一番大切なのは、安全で新鮮な食材が使われている事であるはずです。
しかし、レトルトやインスタントレベル、加工済みの食材を温めたり混ぜたりして使われる場合が多く、風味が落ち食材本来の美味しさを楽しみにくくなります。
また中には、スーパーで売られている商品よりも品質、味が落ちる状態の物もあると言われています。

オーガニックを大々的にうたっていない限り、食材の質にも不安が残ります。
オーガニックではない食材を使っているケースの方が圧倒的に多いことは、容易に予測がつきます。

調味料にも不安が残ります一流の料理店でない限り、調味料もコスト削減のために安価なものを使っている可能性があります。

割高の値段

ランチタイムなら、たった1500円位でしっかりたした物が食べられます。
倍位のお金を支払って多く食べるのは、過食になり、現実的にはあまり健康的な食事ではありません。

時間の制限

食べ放題は、通常時間制限制です。
時間制限があると、人は無理にでも食べたくなる心理状態になります。
結果として時間を気にして味を楽しむことが少なくなります。

落ち着かない雰囲気

ビュッフェスタイルでは、料理などを取りに行く人、オーダースタイルでも追加注文を運ぶ従業員など人の動きが多くなり落ち着いて食べられない雰囲気です。
また、時間制限のため次に待っている客がいると気になるものです。

結局、食べ終わった後に残るのは安くてマズイものでお腹を満たした感覚と食べ過ぎの後悔です。
食べ放題にいくより、自分でしっかりした食材を選んで作った方がよっぽど満足感があるはずです。

(篠山市のカフェランチ：Photo by H.Kato)

食べ放題のレストランを利用される多くの方は「3000円払ったのだから5000円分の料理を食べに行く」つもりでおられますが、
本来は「3000円分で3001円以上が食べられて満足感があるから」行くのです。

いくら5000円分の料理が食べられるからといっても、食材の質に不安を感じたり、質の良いものを食べたいと思っていたり、または自分の好みに合わなければ行かない方が無難なのです。

食べ放題のレストランに行くときは

また、満腹になった場合でも、「元を取るために食べ続ける」人が多いのですが(以前の私もですが)、
必死で食べても払った代金は戻ってきません。

食べたくないのに無理をして食べるのはむしろ、身体を壊す原因です。
一度入店したら、もう支払ったお金のことは忘れましょう!

私は、健康セミナーなどを通じて飲食産業の現状を知る機会が増えました。

その裏側を知れば知るほど「こんなものを食べさせられていたのか!!」とショックを受け、
このままでは国民全員が病気を抱えるのではないか？と強く思うようになりました。


次の世代、つまり子供や孫、ひ孫の世代にこのような食事の習慣と味覚を残せば
健康に過ごす人生を奪うことになりかねません。

そして戦後、大量生産、大量消費、経済優先でやってきた結果、経済的に豊かになっても心は豊かに
なっているとは思えません。しかも食べることに関しては、益々貧しい内容になっている気がします。


「正しい食事」
「正しい食事の選択」
「心豊かな食事」
のために何が必要なのでしょうか？

「正しい食事」とは

「正しい食事」とは、家族の健康を支える食事ではないでしょうか？
多くの方が良い物を食べたいと思われるは共通のはずです。

そのためには、できるだけ無添加やオーガニック食材を選び、身体に良くないと思われる物を食べないようにされているでしょう。
特に野菜は、旬な物で新鮮なのが一番です。

その上でオーガニック野菜は、当然無農薬で栽培されていることが特長です。
しかし残念ながら、他の田畑から飛散される農薬のため検出される場合があります。

ご購入の際は、残留農薬の確認が大切です。

ビュッフェスタイルレストランでは、新鮮野菜のサラダがヘルシー志向の方々にアピールポイントになっているようです。
しかし、新鮮さを保つために、長時間保冷し次亜塩素酸などで消毒されています。

消毒剤の溶液に浸すことで水溶性ビタミン（C、B群など）やミネラルの微量栄養素が減少します。

さらに自ら残留農薬を陳列直前に検査を行っているレストランは、現状、ほとんど無いのに等しいです。
このような野菜で「正しい食事」ができるとは限りません。

「正しい食事の選択」のためにハバードプレートを参考にバランスを心がけながら、
それぞれの栄養素がより強くその機能を発揮し効果的に健康な身体作りに役立つことが大切です。


https://www.hsph.harvard.edu/nutritionsource/healthy-eating-plate/translations/japanese/

あなたにとって安価なビュッフェが本当に必要でしょうか？
新鮮で安全なオーガニック野菜を中心にバランスよく食材を選び、楽しく笑顔で食事をされ健康で素敵な人生を過ごされることを願っています。

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(注）本稿は、わかりやすさを重視したため「変動費」「固定費」など実際と細部が異なる可能性があります。ご了承ください。
参考資料
「進化を続ける食べ放題ビジネス」current news no.21
http://www.tanico.co.jp/pdf/action/current_news/21/no21_2.pdf
「今の食生活では早死にする」今村 光一 訳・編　発行 (株)経済界
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加藤 晴之 臨床検査技師・ベストヘルスパートナーHealth＆Fine代表