現代の不自然なライフスタイルのツケで、今地球は6回目の絶滅期を迎えている?!映画「TOMORROWパーマネントライフを探して」シリルディオン監督に、IN YOU単独インタヴュー!
本物のオーガニックが見つかるオーガニックショップ
私たちの生きている一見便利な世界は、実は当たり前じゃない
IN YOUの読者の皆さんは、
主に健康や食に興味関心がある方が多いかと思います。
人気のオーガニックレストランやオーガニックなスーパーがOPENすれば、大きな話題を呼び、みんなこぞってトレンドのスポットに足を運びます。先日のオーガニックスーパーオープンが記憶に新しく、オーガニックなものも、少しずつ増えつつある日本。
しかし、特に都会に住みながらオーガニックライフを送っていると、
ふとこんなことを思うときがないでしょうか?
今便利な世の中でオーガニックなものを消費しているだけで
果たして世界はよくなるのだろうか?
本当にエコな世界に近づいているのだろうか・・?
その違和感や疑問は、決して気のせいではありません。
私たちはいつからか、当たり前に家庭で様々な最新のテクノロジーや電化製品を使い、電気を消費し、エアコンを使い、銀行に口座を設立し、お金を使い、車にのり、電車やタクシーにのり、高速道路を使い、24時間営業のコンビニエンスストアやスーパーで野菜を買い、非常に便利な生活を送るようになりました。
そして、これらのシステムの多くはいうまでもなく、自然の産物ではなく、人間が作り出したものです。
これらのシステムがごく当たり前のものとしてとらえられていますが
自然に逆らった都会的なシステムは人間のエゴにより作り出されたものであり、実際には、自然環境に大きな負担をかけています。
今、地球上では様々な異常現象が起きている。
私たちが慣れ親しんだ、このようなごく「当たり前」のライフスタイルを続ければ
私たちの世界は滅び、人類も滅亡する、と学術雑誌「ネイチャー」が発表したことをご存知でしょうか。
え?そんなわけないだろう。
そう思ったかもしれません。
イギリスの学術誌「ネイチャー」は
過去五億年の間に、この地球では絶滅期が5回起きているが、
今現在地球では次の絶滅期を迎えるであろう、と述べています。
しかし思えば、
最近話題の地震や津波。
巨大な火山
洪水
ウイルス
異常気象、気候変動
思い当たる節は多いのではないでしょうか。
日本だけでなく世界各地で上記のような自然災害は多発しています。
作品の中で「人類はこれまで経験したことのない気候、気温を今体験している」という発言がありました。
私たちは今、どうしたらよいのか?
具体的に現代人が今後どうしていくべきかを考える素晴らしいヒントになる、興味深い作品を見つけました。
12月23日ある映画が放映開始します!
http://www.cetera.co.jp/tomorrow/
©MOVEMOVIE – FRANCE 2 CINÉMA – MELY PRODUCTIONS
映画 TOMORROWパーマネントライフを探して
©MOVEMOVIE – FRANCE 2 CINÉMA – MELY PRODUCTIONS2012年、21人の科学者たちが権威ある学術雑誌「ネイチャー」が、私たちが今のライフスタイルを続ければ人類は滅亡するという論文を発表します。これをきっかけに、問題解決に向け、フランスの人気女優メラニーロランがエコでオーガニックなライフスタイルのありかたを追及すべく仲間たちと世界を駆け巡る、ドキュメンタリー映画。
農業、エネルギー、エコノミー(経済)、デモクラシー、教育という主に5つの視点から様々な国の具体的事例を参考に、
今ある状況を変えるためには、私たちはどう生き行くべきかを探ります。
今の生活を続ければ人類は滅亡?!
人類が滅亡するだなんてそんな馬鹿な・・
今、毎日普通に生きている私たちの多くはおそらくそう思うでしょう。
でも、それはこの短い歴史の中で生きてきた私たちが勝手に感じていることで、
実際には数億年単位の中では何度も生物の「絶滅期」が訪れています。
第五回目の絶滅期は、6500万年前に訪れた恐竜の絶滅の時。
第六回目は今。
その原因は?
ショッキングなのは、私たちのライフスタイルすべてが原因であるという知られざる事実。
移動するために多くの石油の必要な移動手段を使い、石油の原料で作られた化粧品を使い、
石油の原料で作られた農薬の大量にかかった野菜を食べ、
エネルギーを大量に消費する電化製品を当たり前に使い、便利な車社会に慣れた私たち。
こんな生活にはもう慣れっこですよね。
でも、これらは本来地球上になかったものばかり。
私たちのライフスタイル自体が、地球温暖化を招き、環境に大きな負荷をかけ、
あらゆる生物の絶滅を招いてしまうかもしれない、というのです。
ピラミッドの上に立つ人間ももちろん、絶滅生物の例外ではありません。
人間が食べられるものがなくなれば、人口は減りますし、大きな気候変動による自然災害も考えられます。
直近ではマグロやウナギなどの海洋生物も絶滅危惧種としてニュースに取り上げられていますが、
そのほかにも私たちが気づかぬところで地球上の生物が1年あたり数万種類にわたり絶滅しているというデータもあります。
この作品では、このままの社会ではまずい、ということを大前提に、
農業や教育、エネルギー、デモクラシー、経済など主に5つの観点からこの地球上の生物が滅びないためのエコなシステムをいかに一般市民が自分たちの手で作ってゆくかについてわかりやすく提示してくれています。
例えば、農業。
私たちが食べている「野菜」や「米」。
ご存知のとおり、日本では9割以上の農地が農薬を使った慣行栽培で占めています。
小規模な農地でオーガニックな野菜をつくるよりも、
大規模な農園で機械を使った野菜作りが効率的。
多くの人が信じてやまないことではないでしょうか?
しかしこの作品では
「小規模な農地で少量多品目の野菜を農薬を使わずに自然の力で育てるほうが環境にもよく、
さらに大規模農園よりも効率的である」という驚きの実例が出ていました。
空輸、車、化粧品、化学薬品、農薬などで、常に大きな利益を得ている石油関連の大企業。
石油の成分をつかった農薬や肥料もその利益の重要な一部を占めています。
知るすべもない、関係のない組織の利潤のために、農家は大量に農薬を使わされています。
それが本当に効率がよく、正しい方法なのだ、と信じて・・
そして、歴史はまた歴史を作ります。
消費者は利潤のために石油由来の薬品が使われているとは知らず、
安くて便利な作物を年中スーパーで買えることを望みます。
安い農産物をもとめ、安価な野菜を手に取ります。
しかし実際に従来の手法で作られた農地は決して効率が良いとは言えない
と業界の裏側を知る人間たちは、語ります。
すべて作り話であると。
都合の良いストーリーを業界の利権を握り利益を獲得する裏のボスたちが自らで作り出した代物であるという事実。
例えば、アメリカをはじめとした大規模農園が普及する国で作られる農作物(コーンやじゃがいもなど)のほとんどは実は食用ではなく、家畜への餌用。畜産物に回される大量の遺伝子組み換え農産物。
作物の生産コストを抑えるために
生物にとって有害な農薬を使い、強力な農薬にも動じない遺伝子組み換え作物が生み出されます。
大量生産による安価な作物の代償は大きく、人間の著しい健康被害や環境汚染、各種生物への遺伝子へ悪影響を及ぼすことは明らかです。
この映画でわかること
市民の力を信じて行動を起こそう!
じゃあどうしたらいいんだ・・
暗い気持ちになってもおかしくない現代社会。
でもこの映画ではネガティブなパワーではなくあくまでポジティブなパワーで社会を変えることを目指しています。
映画監督自身も、出演や撮影にのぞみ、世界各地を巡ったうえで、
小規模ながらにも環境にも健康にも負担をかけないエコなシステムの形成に成功したコミュニティの数々を具体的に紹介してくれます。
今日はその一部を少しだけ紹介します。
事例
マンチェスター近郊 トッドモーデンの場合
2018年までに完全自給自足を目指し、活動を行っている町です。市民たちが独自のコミュニティを形成し、国の許可をとって、町の真ん中で道路や公共の場のいたるところに花壇を設置したり農作物を植える活動を行っています。それらの野菜を住民がとるのは自由。
野菜や植物を通じて通行人同士で新しいコミュニケーションが生まれるという相乗効果もあったといいます。
市民で自由にシェアをしているのです。現在作物の8割以上が地元での自給自足で成り立っているそうです。
彼らの活動事例は数十か国ですでに成功事例として取り上げられ、ほかの国でも導入されています。
「TOMORROWパーマネントライフを探して」シリルディオン監督に、IN YOU単独インタヴュー!
なんと今回は出演もしており、自ら撮影に挑んだ凄腕の監督「シリルディオン監督」が、
IN YOUのために時間を割いてはるばる海外からSkypeインタビューに応じてくれました!
===以下は監督とのインタビュー内容です===
なぜこの作品を撮ろうと思ったのですか。
©MOVEMOVIE – FRANCE 2 CINÉMA – MELY PRODUCTIONS© Romain Guédé
ご存知の通り、雑誌ネイチャー誌がきっかけで
わたしたちはこの社会で起きている、大きな問題を知りました。
社会のシステムの端っこだけしか知らずに生きていると、本質が見えなくなりますが
実際には、経済・農業・エネルギー・教育など様々な要素からこの世の中は成り立っており、
それらがすべて複雑に絡み合い、つながっているということが分かったのです。
言い換えると、何かそのうちの一つだけを解決するのでは、問題は解消されません。
例えば農業の問題。
農業もエネルギーを解決せずにはどうにもなりません。
根本的にこの社会のシステムを修復せずには何も変わらないのです。
再生エネルギーに移行するためにも経済活動において、巨額の投資を行わないといけないですし。
そして今度はその経済を改善するためには
市民のありかた、デモクラシー・・、様々なことがリンクしているわけです。
政治的なことについてもそうです。
民主主義を実行するには、教育という問題から考えなくてはならない。
僕らは5つの課題にフォーカスをしたうえで、
具体的に市民ができることを追及していきます。
こうしたことを皆さんにお伝えしたくて作品を撮影することにしたのです。
ところで日本ではまだオーガニックの意識が芽生え始めた段階であり、
まだまだその分野においては、発展途上だといえます。
この映画でも複数紹介されていますが各国をまわられてみて何か成功事例はありますか?
フランスである、面白いシステムがありました。
小規模農家と市民のグループをリンクさせるというもの。
ですが本来この考え方は、もともと日本から来たものでした。市民のコミュニティを形成し、小さな農家と提携をするのです。
そしてその中でシステムを回していく。
1970年にフランスで導入されたのですが、
とても興味深いシステムであり、オーガニック農業のためには有効な手法だといえます。
大きなスーパーに頼らずに自分たちの規模で生産者と消費者がリンクする。
それが可能だということが明らかになった事例です。
大企業や大組織が何とかしてくれるのを待っているのではいけません。
我々一般人自身が村や社会を作りあげ、オーガニック農家と直接提携できるような仕組みがあることがとても重要なのです。
日本にもオーガニックな作物を育てる有能な小規模農家がたくさんいます。
彼らのような小規模な農家を助ける方法は何かありますか?
今農家を助けるには、いくつかあります。
まずは政府による助け。
国をあげて彼らに活動資金を支給してあげることです。
それにより活動がよりしやすくなると思いますね。
そして政治的リーダーに対して私たち市民がメッセージをうったえかえることも重要だといえます。
とはいえ、なかなか声をあげにくいというのが日本の国民性だったりもします。
ほかの人と違う意見を持つことが悪いことのように感じる人も多い傾向にありますしね。
私たちは、現状を変えることはできるのでしょうか?
©MOVEMOVIE – FRANCE 2 CINÉMA – MELY PRODUCTIONS
© Romain Guédé
もちろんできますよ。
勇気を出して、人と違う生き方を始めることです。
知ってほしいのは、
私たち一般市民が持っているパワーは計り知れない、ということ。
すぐできることをお伝えしましょう。
それは、
違うお金の使い方を選択すること
です。例えば、
大企業のものをかわないこと。
化学薬品や添加物の入ったものを買わないこと。
大きな銀行への投資をしない、大企業を支援するバンクにお金を預けないこと。
社会的に貢献をしているローカルな企業や、農地、銀行に投資をすること。
その行動ひとつひとつがものすごい影響力があるということを
ぜひ、知っていただきたいと思います。
投票よりもさらに強い力であるといってもよいでしょう。
日々日常での行動が、投票であるともいえます。
何かを買うたびに、何かへ投票している。
そういう意識で生きてほしいですね。
日本の状況は、ポジティブな方向ではなく
ネガティブにとらえられがちな傾向にあります。
例えば農薬や添加物、そういった実情を知ってネガティブになり「食べるものがない」と落胆してしまう人もいます。
そんな人たちに向け、監督から伝えられることは?
©MOVEMOVIE – FRANCE 2 CINÉMA – MELY PRODUCTIONS
© Romain Guédé
うーん、この映画を見てほしいな笑
この映画は何かを教え込むためのものではないんです。
ポジティブな成長を続けるために必要なインスピレーションを与えてくれる作品。
ネガティブな考え方の人にこそ必要な作品だと思っています。
僕らの周りでもそういう人がこれを見てから、とても良い反応をしめしてくれたんですよ。
これを見たら「この人たちでもできるのだから、自分にもできる」と、そんな風に思えるはずです。
IN YOUの読者に言いたいことは?
©MOVEMOVIE – FRANCE 2 CINÉMA – MELY PRODUCTIONS© Romain Guédé
社会にある、より安全なもの、
より小規模な農家を支え、
自分たちの手で選んでゆくことが重要だと思います。
小規模な農家を支えることは、人々の生き方の多様性、新しい雇用・仕事づくりという面でも非常によいことだと思います。
小規模農家が増えることは職業が増えていくことにもつながるわけですから。
そして、IN YOUの読者は女性が多いということですが、
女性のパワーは本当に計り知れないです。
男性に教え込んでも一人にしか伝わらないことが多いですが、
女性に教えればそれはすなわち、家族全員に伝わるということなんです。
女性たちには、伝える能力があります。
実際にデトロイトやイギリスなどでも成功した事例を見ると、
女性がリーダーとなって発信しているケースが後を絶たない。
インドでも参考になる事例がありますよ。大企業が掌握するのを防ぎたいと思ってイニシアチブをとって活動を起こしたのは多くが女性。
そして、偏らないフードシステムを作ることも大事ですね。
僕もこの作品がきっかけでベジタリアン生活することになったのですが、
肉や乳製品や魚を食べる頻度や量を減らすことで気候変動への深刻なインパクトを減らすことができるのではないかと思っています。
私たちの生活スタイルそのものを変えることで、環境によい影響を与えることができます。
それだけ、食のシステムは、とても大きな影響があるのです。
最後に。
君たちはすでにとても強力な力を持っています。
それは、この作品が提示していることでもあるんですが、
これを見ればきっとあなた自身で自分の大きな可能性を見つけることができるはずです。
僕らの作品があなたの生きる知恵になることを願っています。
映画「TOMORROWパーマネントライフを探して」
http://www.cetera.co.jp/tomorrow/
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