肝臓に良いだけじゃない!150を超える効能を持つとされるスーパーフード「ウコン」驚異のパワーとは
お酒の前にはウコンが良いというイメージが浸透している日本。
確かにウコンには肝臓に働きかける成分が含まれています。
しかし実は、注目すべき点はそこだけではないことをご存知でしょうか。
この夏、ビアガーデンやBBQで普段より飲酒が増えた方はもちろん、
それ以外の人にも役立つパワーがたくさん含まれているウコンについて紹介します。
紀元前から存在していたといわれる、長い歴史を持つウコン。
インドで発見されたウコンは16世紀に日本へ。
ウコンは紀元前から栽培されていたといわれる歴史のある食べ物。
アーリア族という遊牧民族によってインドで発見されたウコンは、
太陽の色をしていることから豊作を祈る儀式や供え物の着色など、神聖なものとして広く利用されていました。
日本には、中国から琉球へ16世紀頃の室町時代(沖縄がまだ琉球王朝であったとき)に伝わってきたといわれています。
当時の琉球では、貴重な王朝専売品として薬や染料、食品の着色料に使われていましたが、
民間での栽培することが許されていなかったという背景もありました。
琉球王朝が薩摩藩の支配下に入った1969年、主に染料や生薬として日本全国に広がったそうです。
古くから様々な方法で使用されてきたウコンの用途とは。
黄色のスパイスとして料理に使われてきたウコンは、料理の範疇を超え、伝統中国医学やアーユルヴェーダで、古くから医療用としても使われていました。
伝統医学では、
・肝臓病
・皮膚の症状
・呼吸器系
・胃腸虚弱
・捻挫
・関節痛
・外傷
などの治療にも用いられてきたという実績があります。
肝臓以外にも効果が期待されているスーパーフード「ウコン」のパワーとは。
日本でウコンといえば、肝臓に良い!というイメージですが、“万能薬”といってもいいほどたくさん有効成分が含まれています。
現代では、スーパーフードに分類されているほど、栄養価が高い食品です。
注目すべきは、ウコンに含まれる有効成分クルクミン!
今とても注目されているのが、ウコンの色素成分であるクルクミンの有効成分です。
代表的なものとして、
・抗炎症効果
・抗菌
・制がん性
がありますが、そのほかに150を超える効能があるといわれています。
2011年にNatural Product Reportで発表された研究では、
クルクミンには下記の症状に治療効果があるとされました。
・肺、肝疾患
・神経疾患
・代謝異常
・自己免疫不全
・心血管系疾患
・炎症性疾患
さらに、その他の研究でクルクミンやウコンに含まれるその他の有効成分の効能として
・コレステロール値を最適に保つ
・血栓および心筋梗塞を抑える
・慢性関節リウマチの症状を抑える
・放射線障害による症状および重金属による中毒症状を防ぐ
・エイズウイルス(HIV)の増殖を阻害
・怪我の治癒を促進
・肝臓の障害を防ぐ
・白内障を予防
など、たくさんの症状に効果が期待できるとの発表がされています。
アルツハイマー病に対する神経保護効果も!?
最新の動物実験により、ウコン(ターメリック)に含まれる有効成分が、アルツハイマー病に対する神経保護効果があることが発見されました。
アルツハイマー病患者は、脳に強度の炎症がある場合が多く、
クルクミンの抗炎症作用効果に関しても研究が進んでいるそうです。
クルクミンのもうひとつ、すごい点。
ウコンによって改善が期待できるのではないかといわれる疾患のひとつが、がんです。クルクミンはビタミンD同様、多くの文献でガンに対する効能が挙げられています。
自然療法によるガン治療をおこなうWilliam La Valley医師は、
クルクミンはどんなガンにも効果を持つ可能性がある点が特殊であると述べているそうです。
ウコンには種類があること、知っていますか?
世界では50種類もあるといわれているウコンですが、日本にあるのは、春ウコン、秋ウコン、紫ウコン、黒ウコン、白ウコンなどの種類があります。
もちろん、それぞれに同じ効能もありますが、種類によって特徴があります。
春ウコン
ウコンの代表的な成分クルクミンのが少ないのが特徴。その分、精油成分が多く含まれているので、
健胃効果や血圧の低下、
コレステロールを溶かす効果などが期待できます。
強い苦みと辛みがあるので、食用として気軽に利用するには少しハードルが高いです。
秋ウコン
わたしたちがイメージするウコンは、だいたいの場合秋ウコンのことを指します。英語名はターメリック。
インドカレーや料理にしようされる香辛料ターメリックのこと。
料理以外に着色料としても使用されています。
黄色の色素成分クルクミンを春ウコンの10倍以上含んでいるという健康の強い味方です。
紫ウコン
クルクミンをほとんど含まない紫ウコンは、春ウコンよりも多くの精油成分を含んでいます。強い香りがあり、消化器系を刺激するため胃を健康にする作用が強いといわれています。
また、コレステロールを排出、溶かす作用からダイエット効果があるとして近年注目されています。
黒ウコン
黒ウコンはウコン属ではない植物ですが、春ウコン、秋ウコン同様にクルクミンを含むために黒ウコンと呼ばれています。
抗酸化作用や筋疲労を抑制する効果があるアントシアニンを非常に多く含み、
ブルーベリーの3倍ともいわれています。
また、悪玉コレステロールの酸化を防ぐポリフェノール、
豊富なミネラル、脂肪を燃焼させる成分を含むので、ダイエットサポートとしても期待できます。
白ウコン
黒ウコン同様、ウコン属ではない植物。クルクミンはほとんど含みません。
しかし、消炎鎮痛、免疫機能の活性化、
抗ガン作用を持つゼルンボンという精油を含むことが注目されています。
ウコンには副作用もあり!
摂取には注意が必要です
健康に様々な効果が期待できるウコンですが、その反面副作用もあるので知っておくことが必要です。
・肝機能障害がある
・妊娠中、授乳中である
・薬を服用している
・持病があり通院している
上記のような方をはじめ、身体に何らかの不調がある場合は医師など
専門家に相談したうえで摂取することをオススメします。
自己判断は危険なので慎重に使ってくださいね。
マクロビオティックの観点からみたウコン。
食用として一般的に流通しているのは秋ウコン(ターメリック)。
黄色いスパイスとして料理好きな人はカレーなどに使ったりするのではないでしょうか。秋ウコンはマクロビティックでいうと陽性よりの食品。
季節の変わり目で一気に気温が下がる秋にこそ食べたい食材でもあります。
カレーを作る時に配合するスパイスは、ターメリックやコショウ、シナモンなどの陽性のものと、カルダモン、クミン、コリアンダーなど陰性のものがミックスされているので、バランスが取れているともいえます。
しかし、刺激が強いので身体にイイからといってたくさん使うのではなく、適量をオススメします。
食生活にも簡単に取様々な形で食生活に取り入れることができるのも魅力。
・カレーのスパイスとして
・ウコン茶として
・ウコンの粉末を料理に混ぜて
ウコンそのものを洗ってスライスした後、天日干ししたものを煎じたり、
すり鉢で粉にするのが栄養素をそのまま摂るには一番だと思います。
しかし、なかなか難しいと思うので、加工されたものを使うのが取り入れてみては。
玄米を炊くときに、水の代わりにウコン茶を使うのもオススメ。
ウコンについてのまとめ。
「日本に来てがん患者の多さに驚いた」とパキスタン人。
日本では、食卓によくウコンを使った料理が登場するという家庭はまだまだ少ないのではないでしょうか?しかし、ウコンには驚くほどのたくさんの有効成分が含まれています。
この素晴らしいパワーを健康維持に役立てないなんて勿体ない。
ところで、ウコンについて調べている過程で、佐賀県でRAJAというカレー屋さんを営む
パキスタン人のアバシさんという方とお話しする機会がありました。
アバシさんの国では、香辛料を使った料理は当たり前に食卓にあがり、
カレーに関しては、1日に2~3回食べることもあったそうです。
料理に使われる香辛料には、必ずターメリックが使われていたと話していました。
身内にガンで亡くなる方はいなかったようで、日本に来てガン患者の多さに驚いたそうです。
日本は、祖国に比べて水も空気も綺麗で、食べ物の検査などが行われていたりしているのに、
病気になる人や薬を服用する人が多いことが不思議だと。
パキスタンの人たちは、健康のためというより、料理に使うと美味しく仕上がるからという理由で香辛料を使っている。
そのことが結果、健康につながっているのかなと話してくれました。
その話を聞いていて、食べ物のパワーは本当に凄いなと強く思いました。
恵まれた環境があるのに、病気になる人が多い。
なんだかとても複雑な気持ちになりました。
24時間コンビニやスーパーがあいている日本。
発展途上国にはない、便利さ。
しかしそのように、便利さを追求しすぎたからこそ不要なものも増えて行ってしまったのでしょうか。
恵まれた環境はありがたい。
でもその環境に甘んじて、本来いらなかったものばかりを取り入れて、結果病気になる。
なんだかおかしな話ですね。
欲張り病ともいうべきでしょうか。
自然な食べ物を取り入れ
健康を維持するには、好きなものを好きなように食べていては難しいかもしれない。
物が溢れすぎた世界では、食材の質が問われるように、食べる者の質も問われる。
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