選ぶならどっち?精製と未精製のメリット・デメリット ~食品編~
IN YOU読者のみなさま、こんにちは。看護師のほんのりです。
こどものアトピーと喘息をきっかけに生活全般を見直して、
体と環境に優しい自然に寄り添う暮らしを数年前から実践しています。
食事を和食中心にするなど、食生活の改善をはじめ、調味料は添加物の入っていない質の良い物へと変更しました。
洗剤、せっけん、スキンケアなど日用品やコスメも、オーガニックで自然素材の体に優しいものを
選ぶようにしています。
今では当たり前のことになりましたが、始めた当初はどのような食品や日用品を選んでいいのか、
分からないことばかりでした。
正しく知ってますか?未精製と精製の違い
身の回りのものを見直していた時、はじめに疑問に感じたのが、「未精製」と「精製」の違い。
「未精製」の方が天然に近いものだから、良さそうな気はするけど実際はどうなのだろう?
そんな疑問をみなさんも感じたことはありませんか?
今回は、普段何気なく使っている身近な食品を対象に、精製と未精製について見ていくことにします。
食材や調味料を選ぶ際の参考にしていただけますと幸いです。
そもそも精製とは?そのメリット・デメリット
「精製」とは、混合物を純物質にする工程、あるいはその技術のことを云います。(wikipediaより)
原油を例にして見てみましょう。
原油は製油所に運ばれて、蒸留装置や分解装置によってガソリン・灯油・軽油・重油などの
さまざまな石油製品に生まれ変わります。
精製とは、このように何らかの手を加えて不純物を取り除くことを指します。
食品も同様に、現在の日本の市場に出回っているものの多くは精製されています。
精製のメリット
不純物を取り除くと、品質が安定して管理しやすくなり、大量生産できるようになるため、消費者は安価に商品を手に入られるようになります。
精製のデメリット
精製の過程で多くの有用な栄養成分も同時に失ってしまっている、という事実があります。確かに、安価であることは経済的には非常に助かるのですが…
栄養成分が失われているのでは考えものですよね?
値段だけでなく、やはりその食品の製造過程や栄養成分などもしっかり見る視点を持ちたいもの。
それでは身近な食材や調味料を例に、精製品と未精製品の違いを見ていきましょう。
あなたの家にある身近な食品や調味料。それ大丈夫?
あなたの台所にある調味料などは、精製されたものですか?それとも未精製のものですか?
意識されて選んでいる方が多いとは思いますが、
安売りだったから購入した!
ちょうど切らしていたから、とりあえず買っただけ!
仕事帰りに慌てて買った!
など、忙しい現代人には悲しいかな…よくあることです。
塩|制限すべきは精製塩! 塩分そのものではない
まずは、どこの台所にも必ずあるであろう定番の調味料「塩」について見てきましょう。
昨今では、高血圧や脳梗塞の原因として悪者にされがちで、「減塩」なんて言葉は本当によく耳にします。
しかし、果たしてそれは本当なのでしょうか?
塩は本来なら私たちの生命活動には欠かせない、無くてはならない存在のはずなのですが…。
「塩」と一言で言っても、スーパーなどに行けば、何種類もの「塩」が売っています。
その違いをしっかりと知り、選ぶことが大事ですよね。
現在、市場に最も多く出回っている塩は、精製塩。その成分はほぼ「塩化ナトリウム」です。
海水から作られた塩は確かに塩化ナトリウムが主成分ですが、
その他にもカリウム・マグネシウム・カルシウム・ヨードなどのミネラルが含まれています。
これらのミネラルは精製の過程では大抵取り除かれてしまいますが、
実は新陳代謝に欠かせない大切な成分であり、ホルモンの原料にもなります。
先に述べた高血圧などの病気の予防方法として塩分制限は主流ではありますが、
制限すべきは塩化ナトリウムであり、塩そのものではありません。
ほぼ薬品に近いような塩よりも、海水から採れたミネラルを多く含む、
未精製の天然塩を使うことをおススメします!
砂糖|原料や作られた過程にも、目を向けてみよう
砂糖として一般的に多く売られているのが、「白砂糖」です。
白砂糖は同時に、代表的な精製食品でもあります。
白砂糖が体に良くないことは、IN YOU読者の皆さんならよく御存じのことでしょう。
上白糖・グラニュー糖・氷砂糖、カラメル色素で色をつけた三温糖・ザラメ糖なども、
この白砂糖のくくりに分類されます。
では、どのような砂糖が体に良いのでしょうか?メリット・デメリットを含めてご紹介します。
きび砂糖
サトウキビが原料。精製途中の蜜液を煮詰めてつくったもの。
カリウム・カルシウム・リンなどのミネラル分を多く含んでいる。
味にコクがあって料理に使用しても、まろやかに仕上がります。
粒子も細かいので溶けやすく、一般的にも手に入りやすい、使い勝手の良い砂糖です。
洗双糖
きび砂糖が原料。不純物を取り除く工程を2度行うことから、この名前が付けられている。
製造工程で化学薬品などを使わず、精製をしていないため、ミネラルが豊富に含まれている。
きび砂糖とよく似ているが、きび砂糖より精製度が低いものが洗双糖だと言えるでしょう。
粒子が少し大きめですが、それほど溶けにくいわけではありません。
味がまろやかでコクもあり、料理の邪魔をすることもありません。
黒糖
サトウキビのしぼり汁をそのまま煮詰めて砂糖にしたもの。全く精製されていないため、ミネラル分が大変豊富で、強いコクと風味が特徴。
栄養価が非常に高く、特にカリウムとカルシウム、鉄分やリンの含有量は他の砂糖と比較して群を抜いている。
カルシウムが多く含まれているので、骨や歯を強くすると言われている。
漢方では、血を補い、血行を良くしてお腹を温めるとされており、
産後の体力回復にも効果的な食材と位置付けられています。
しかし粒が大きいため溶けにくく、お茶や料理の使い勝手としてはちょっと・・・。
調味料と言うより、そのままおやつなどとして食べる“ヘルシーな栄養食”という感じかもしれませんね。
さとうきび以外を使用した自然由来の甘味料
てんさい糖
北海道で栽培されているビート(砂糖大根)と呼ばれる野菜から取れる糖。大根が原料なのでその特性上、体を温める性質がある。
天然のオリゴ糖が含まれていることから、腸内環境を整える効果も期待できる。
きび砂糖よりは少し粒子が大きく、溶けにくい一面もありますが、比較的さっぱりとした味わいを楽しめます。
ココナッツシュガー
ココナッツの花蜜から採取する糖分で作られている。濾過をし、煮詰めて作るので、未精製のものが多い。
カルシウム・カリウム・マグネシウム・鉄・リン・亜鉛など、健康な体を作るために必要なミネラルが豊富。
他にもビタミンB群・アミノ酸・食物繊維などの栄養素も多く含む。
GI値(血糖値がどれくらい早く上昇するかを表す)が白砂糖と比べても1/3、
蜂蜜やメープルシロップと比べても1/2と低く、ゆっくりと体に吸収されて負担が少なく、
その多くがエネルギー源として利用されます。
メープルシロップ
サトウカエデの樹液を煮詰めてできたもの。栄養価が高く、ポリフェノールも63種類も含む。はちみつの、実に4倍!
はちみつ以外で、最も栄養価の高いシロップです。
はちみつよりサラサラとしていて、実はホットケーキ以外の料理にも使いやすいものとなっています!
米|玄米と白米
ご存知の通り、玄米を精製したものが白米となります。
健康食、と言うと玄米を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
玄米は白米よりもビタミン・ミネラル・食物繊維を豊富に含んでおり、人間が健康を保つために必要とされる栄養素をほとんど摂取できるため、完全栄養食と言われているほどです。解毒・排毒作用もあります。
一方で、炊き方が白米より難しい点や、上記のような成分が豊富なため、消化には負担がかかるのは事実です。
よく噛むことを意識しないと、消化不良や、排出作用も強いことから、お腹を下してしまうこともあります。
白米に混ぜて炊いたり、玄米から一定量のぬかを取り除いた分づき米にしてみるなど、
自分に合ったやり方で取り入れてみると良いでしょう。
小麦|精白小麦粉と全粒粉
みなさんも知っての通り、精製されたものが白い(精白)小麦粉、未精製のものが茶色っぽい全粒粉です。
精製する前の全粒粉は、小麦の粒を丸ごと挽いて作ります。
そのため、マグネシウムや鉄、亜鉛といったミネラルやビタミン・食物繊維などを豊富に含んでいるのです。
玄米と白米の関係と、似たような感じですね。
ただ、米と違って小麦はパンやパスタなどに使用する場合、精製された白い小麦粉のほうが、
ふっくらと出来上がります。
一方の全粒粉は、表皮と胚芽からくる香ばしい風味と、歯ごたえのある食感を持っていますが、
残念ながら小麦粉と比較すると少しぱさぱさして食感で好みが別れます。
しかし、今は美味しくてヘルシーなパン屋さんも多く、風味や仕上がりも
特に気にするほどではないと思います。
是非、お気に入りのパン屋さんでチェックしてみてください。
より良い選択を!物事の背景に目を向けてみよう
今回は、身近な定番の調味料や食材に焦点を当ててお伝えしてみましたが、
世の中にはたくさん精製された食品があります。
天然のものがより良い場合と、きちんと精製されたものが安心な場合、双方に注意が必要ですね。
オーガニックやスーパーフードなどを取り入れる食生活はもちろん素晴らしいことですが、
毎日のように頻繁に何気なく口にしている食品を、まず始めに見直すことが大切です。
案外、大事なポイントを見落としていたり、まだ食生活を見直す以前から
買い置きしていた調味料をそのまま使っていたりするものです。
容器を入れ替えて使っていると、うっかりそのまま!なんて方が、実は多くいます。
人は皆、状況や体質などそれぞれ違いますから正解は無いのですが、
ものには必ず、出来上がるまでの製造過程・ストーリーがあります。
今、食べている食材はどこから、そしてどうやって、来たものなのか…
その背景に目を向けてみることも大事なのではないでしょうか?
全体参考
石原結貫著 医者いらずのため物辞典/薬日本堂監修 薬膳・漢方の食材帖/本間真二郎著 病気にならない暮らし方辞典~自然派医師が実践する76の工夫~ ココウェル社HPより http://www.cocowell.co.jp/ OOPsWEB カナダバンクーバー情報誌https://www.oopsweb.com/health/18751
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