薬膳アドバイザーが自身の体験に基づいて伝える「タイプ別 月経痛にオススメな薬膳食材 」

体質に合わせた食べ物で体質改善！女性特有の症状・悩みを解決！

月経痛、PMSといった女性特有の症状。

IN YOUユーザーの多くは体のことには敏感な人達が多いことでしょう。
そのため、オーガニックに拘った食事や体質改善ということも実践されている方も多いでしょう。

私も生理がとてつもなく重く、薬なしではいられない、ということがありました。
体質改善を初めておよそ4年ほどたちますが、ようやくPMSの症状が和らいできました。

そのため、以前は月の半分以上はPMSや月経でつらくて動けなかったのが、現在は月で動ける日数は15日を越えています。
ただ、女性というのは難しい体をしていて、少しでもストレスを感じると月経の経血の量に影響したり、突然の不調に見舞われるということもしばしば。

なかなか男性にもいいずらい悩みでもあり、職場でも自分の体調のことを相談できないという女性も多いのではないでしょうか。

ストレス性の月経痛

女性の多くはストレスで気のめぐりが悪くなり、肝での気の働きが弱くなりやすくなります。
たとえば下腹部の痛み（指すような痛み、押すと痛いなど）、気持ちがふさぐ、イライラする、という場合には肝の気巡りがわるいと言えます。

この場合には気の回りを良くする（理気）、血の巡りを良くする（活血）の食べ物を食べると良いといわれています。
たとえば以下のような食べ物です。

理気を養う食べ物

• ニラ
• フェンネル
• みかん
• 陳皮

活血作用がある食べ物

• 紅花
• サンザシ
• 黒砂糖
• モモ
• 黒酢
• 黒豆

邪気によって引き起こされる月経痛

邪気によって月経痛が起こるということもあります。
特に寒湿の邪気です。

寒い、梅雨が長い、という場所に住んでいる場合にはこうした症状に陥ります。
冷えは大敵とはいいますが、特にこの場合には冷たいものを食べたり、飲んだりすることも良くないといわれています。

たとえば、日本人はお刺身やビールが好きなひとが多いですが、
体を冷やす食べ物でもあるので注意が必要です。

主な症状としては腹痛、温めると痛みは軽減するが押すと痛い、経血の色が黒っぽい、冷えを感じるなどです。
この場合には、寒湿の邪気を追い出すための食べ物がオススメです。

体を強く温めるもの

• 葱
• らっきょう
• しょうが
• にんにく
• フェンネル

利湿・燥湿効果のあるもの

• 黒豆
• 大豆
• とうもろこし
• さやえんどう

これらの他に活血によいものを食べると良いです。

ネバネバした経血が出ていて痛みを伴う月経痛

私もこの傾向があるのですが、ネバネバとした経血がでるという場合には湿熱が原因として考えられます。
主な症状は経血が暗紅色で、ネバネバしている。腰骨から尾てい骨まで張るような痛み、発熱を伴う、おりものの量が普段から多い、などです。

余分な水分が体に溜まってしまっていて、生理の時にむくみやすい、という人もこうした月経痛になりやすいと考えられます。
この場合には余計な湿を体から取り去る清熱利湿の食べ物を食べるようにします。

清熱利湿の役割をはたす食べ物

• ハトムギ
• キャベツ
• セロリ

腎陽が不足しておこる月経痛

腎陽ということばがあります。
これは臓腑機能を高めるエネルギーのことを指しています。

慢性の病気や、闘病生活が長かった場合などにこうした症状がみられます。
症状としてはへそのあたりの痛み、手で抑えたりあたためると痛みが減る、下痢、悪寒、四肢の冷えなどです。

こうした場合には腎陽を補い、寒邪を散らすための食べ物を食べるようにします。

温陽散寒の役割をもつ食べ物

• くるみ
• にら
• ヨモギ
• クローブ
• 羊肉

気血の両方に不足がみられる月経痛

この月経痛の場合、主な症状として下腹部がしくしく痛む、手で抑えたりすると痛みが軽減する、などの他に、軟便や下痢、ということがあります。
何故か生理のときだけ、軟便や下痢がある、という人は気血が不足しているということがあげられます。

補気の食べ物

• 鶏卵・うずらのたまご
• じゃがいも・さつまいも・かぼちゃ
• 米
• 肉

養血作用のあるたべもの

• 黒豆
• 黒ごま
• ホウレンソウ
• 牡蠣

めまいなどがひどい肝腎陰虚による月経痛

肝の造血作用が働きにくくなり、腎精不足がおこった場合に腰がだるい、経血の色が薄い、少ない、くすんだ色をしている、
めまいがする、耳鳴り、物忘れがひどくなる、寝汗、手のひらや足があつい、などの症状がおこります。

一見更年期症状にも近いように感じますが、肝腎陰虚とはそもそも、先天的な原因や過剰な性生活がきっかけになって起こります。
もともと、血液を作るということが苦手な体質であったり、過剰な性生活を送っていた、という場合などにはこうしたエネルギー不足による月経痛が起こります。

こうした場合には滋養作用のあるものを食べると良いです。

• クコの実
• 山芋
• くろまめ
• すっぽん
• 牡蠣

月経痛といってもいろいろな痛みがある

月経痛で辛い、とはいっても、様々な痛み方があります。
しくしく痛いのか、それとも起き上がれないほどの痛みなのか。
人によってその痛みの尺度はことなります。

それこそ、ナプキンも小さなものですむし、薬も必要ない、という人もいます。
PMSや月経痛を防ぐためにピルを服用しているという人もいるでしょう。

もちろん、ピルによってPMSや月経痛が軽減された例は多く、
毎月決まった時に生理を起こすことができるので体に合う人や、そのことによって気分が楽になる、という人には良いかも知れません。

しかし、ここで忘れてはならないのは、本来ならば、薬をのまなくても良い体を作らなければならない、ということ。
薬を飲むことが当たり前になってしまっていることは「自然」からはかけ離れています。

一見症状が良くなったように感じられるだけで、根本的問題解決にはなりません。
自分の月経痛、経血の色、日頃の基礎体温…そういった自分の体調の変化に敏感であることは薬に頼る生活から脱出するためにとても大切です。

どうせ治らない、という呪い

私は今でこそ少しずつ改善してきていますが、もともと月経痛がひどく、PMSも学生の頃から悩んできました。
また、多嚢胞性卵巣、という診断もされており、月経が定期的に来ない（排卵が起こりにくい体質）です。

ある人からそれは「治らない病気」だと言われたことがあります。

その人は過去に同じような症状で治らなかったという経験を持っています。
そのため、私の症状をきいて、それは治らない、と言ったのです。しかし、私はそうは考えませんでした。

なぜなら、この4年、体質改善に取り組んできて症状が軽くなってきているのを感じるからです。

そして、何よりも自分自身の体の変化に敏感になり、自分を労るということができるようになってきたらです。
自分で治す、治る、という気持ちが無ければどんな病も治ることはないだろうと私は思っています。
病は気から、とは言いますが、まさにそうだな、と感じます。

だからといって、空元気で、気持ちを明るくしなければならない、ということを伝えたいわけではありません。

本当に大切なことはその時の自分の気持ちや体に素直に向き合う、ということ。その時に聞こえてくる声に耳をすますことです。
他の誰かが言った治らないという言葉や、どうせ無理、無意味、という言葉に傷ついてきたという人は私だけではないでしょう。

ですが、最終的に信じるのは他の誰かの言葉ではなく、自分自身の心と身体。
子宮にはマトリックス、という意味があります。

それは母、という意味でもあり、根源、という意味でもあります。
そんな臓器もつ、女性は特に「自分を大切にすること」が「生きること」に直結するのです。

生理が億劫、辛い、女でなければよかった…などと思うこともあるかもしれません。
ですが、その気持ちは良くも悪くも、心と身体に反映されていきます。

まずは自分の体を知って大切にすることを優先してくださいね。

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