野菜の安全性は腐り方がヒント?最後はグジュグジュになるのが普通? 野菜の朽ち方に見る、野菜本来のありかたと農薬の本当の恐ろしさ。
IN YOUの読者には、オーガニックに精通している方はもちろん、
妊娠や出産を機にオーガニックに興味を持った初心者の方も多いのではないでしょうか。
筆者も関心はありますが、まだまだ勉強が足りていません。
今回は筆者がオーガニックに出会って間もないころのエピソードを交えながら、
野菜にスポットを当てたいと思います。
やっと芽生えてきた日本人のオーガニック意識
もともと興味のある人は一定数居たものの、
これほどオーガニックという言葉が浸透し始めたのはつい最近です。
最初はメディアの影響もあり、
「オーガニックってオシャレ」「芸能人がやっているアレだよね」というように、
イメージばかりが先行していたのではないでしょうか。
そんな中、2013年に『奇跡のリンゴ』という映画が公開され大きな話題になりました。
当時絶対不可能と言われていたリンゴの無農薬栽培を10年の歳月をかけて成功させた、
青森県のリンゴ農家の実話です。
メディアでも多数取り上げられたので、
ここで初めて農薬の存在や無農薬栽培というものを強く意識した方も多いのではないでしょうか。
筆者は当時、仕事の一環で無農薬農業を営む地域を頻繁に訪ねていました。
出会ったばかりのころ農家さんに「実は私、農薬について何も知らないんです」と告白したところ、
「一番簡単なのは冷蔵庫の野菜を見てもらうこと。
使いきれなかった野菜がグジュグジュになっているのを見たことがあるでしょう?
本来野菜はグジュグジュになるものではなく、カラカラってなるんです。
それが安全な野菜かどうかは野菜が教えてくれますよ」と教えてくださいました。
衝撃を受けました。
まさに当時、グジュグジュになった野菜を何の疑問も持たずに処分していたからです。
試しにその農場でいただいた野菜を放置してみたところ、しょんぼりと枯れていきました。
水は出ないし、臭いも出ない。しばらく冷水につけてみたところ、少し元気をとりもどしました。
なにより味が力強くて、そのままでも十分美味しいのです。
☆動画コンテンツIN YOU Tube『映画いただきます2 オオタヴィン監督&奇跡のりんご木村さん×IN YOU編集長 松浦 愛 夢のオーガニック対談!』
本来の野菜、オーガニック野菜のありかたとは
“野菜はグジュグジュと腐っていくもの”
筆者はそれが当然の光景だと思って生きてきたので、この事実に興味をもち色々と調べを進めました。
専門家の文献・論文、無農薬野菜販売業者のサイトなどを読んでみると、
実験結果に統一性がなく、個人の発信には偏りがあることが分かりました。
ただはっきりと言えるのは
・自然界の植物はカサカサと枯れていき、スーパーの野菜はグジュグジュと腐っていく。
その違いは農薬や肥料を使っているか否か。
もし使っている場合、その量と使い方によっても作物の朽ち方が異なる
・農薬や肥料の影響は諸説あるものの、
”作物の本来の生理に反する栽培をした場合、本来の姿ではない形で朽ちていく”という説は一致している
ということでした。
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¥ 3,704 (税込)あらためて知っておきたい、農薬と化学肥料ってなに?
ここであらためて、農薬と化学肥料がどんなものなのかを知りたいと思います。
▼農林水産省は農薬を以下のように定義づけています。
農薬とは、農作物や観賞用植物など人が育てている植物に発生する害虫や病気を退治したり、
雑草を除いたりするために使われる薬剤などのことです。
日本で使ってもよい農薬は、
人の健康や環境への影響などについて確かめられ、国に認められたものだけです。
農薬は、農作物や観賞用植物以外に、ゴルフ場や公園の芝生、街路樹などにも使われます。
農薬には、殺虫剤、植物を病気にするカビや細菌を退治する殺菌剤、
雑草を除く除草剤、ネズミを退治する殺そ剤などがあります。
例えば、ホームセンターなどでは、色々な製品が殺虫剤として売られています。
この中には用途によって農薬とそうでないものがありますが、
農薬には、「農林水産省登録第○号」という番号と「殺虫剤」という用途が必ずラベルに書いてあります。
引用:「農林水産省HP」
また大辞泉によると肥料とは以下のようなものです。
作物の生育をよくするため、土壌などに施す物質。
施した時の効果の大きい窒素・リン・カリウムを肥料の3要素という。
耕土に施す栄養物資のことで、凝縮した栄養を作物にあたえて生長を促進する。
作物を「より速く・より大きく」育てる目的で使われる。
(参考:『大辞泉』)
つまり、農薬で虫害の予防と除草をし、肥料で栄養をあたえて生育促進しているわけです。
野生本来のサイクルやリズムをコントロールしてしまっているのですね。
何をもって「オーガニック」「無農薬」「有機」とするのか?
▼農林水産省は、有機栽培を以下のように定義づけています。
・化学肥料や農薬を使用しない
・遺伝子組み換え技術を使用しないことを基本として、環境への負荷をできる限り低減する農業生産の方法
(農水省「有機農業の推進に関する法律」第2条より)
また、農水省では、農林物質の品質の改善などの合理化を図るため、
農林水産大臣が制定した日本農林規格(JAS規格)による
検査に合格した製品にJASマークを付けることができるとしています。
この「有機JASマーク」がない農産物と農産物加工食品に
「有機」「オーガニック」などの名称の表示や紛らわしい表示を付けることは法律で禁止されています。
ただし、有機には認定範囲があり、その範囲内であれば有機野菜として市場に出回ります。
一口に有機野菜と言っても、農薬を一切使わずに育てたもの、
認められている農薬のみを使って育てたものなど色々な種類があるということです。
「有機」と書いてあるからといって、決して農薬や肥料が使われていないわけではないのです。
オーガニック野菜を食べるのが一番!でも無農薬ではない野菜を少しでも安心して食べたい
もちろん毎日無農薬野菜が手に入ったらそれに越したことはありませんが、安定的に一生購入することが出来る保証はありませんよね。
店に並んでいる野菜には農薬が少なからず残留していますが、
これは洗い方や調理法を工夫することで大幅に取り除くことができます。
そこで、残留農薬をできる限り取り除く方法をご紹介します。
残留しやすい部分は丁寧に洗うか、取り除く
野菜の皮・芯・根本・ヘタには農薬が残りやすいです。
流水で30秒以上丁寧に洗うか、気になる場合は取り除いてしまいましょう。酢で洗うのも効果的です。
特にトマトは害虫が付きやすいので、多くの農薬が使われています。
気になる方は皮を湯むきすると安心です。
生で食べる場合には、塩を振って水分を出すと残留農薬が排出されることが期待できます。
これはキュウリなどにオススメです。
蒸すのではなく茹でる
栄養が逃げてしまうという理由から、
茹でるのではなくレンジでチンをしたり蒸したりする方は多いと思います。
しかし、実は茹でることで逃げてしまう栄養は微々たるもの。
残留農薬のことを考えると、きちんと茹でて汁は捨ててしまうほうが良いのです。
ですが、洗っても農薬は完全にとることができません。
第一、洗ったり加熱することでビタミンなどの栄養素が少なくなるのも事実です。
ですので、洗ったり茹でるという今ご紹介した方法は気休めであることをご理解ください。
ベストはオーガニックの野菜や農薬不使用の野菜を買うことでしょう。
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オーガニック野菜を選ぶ?どこまでやるかはあなた次第
さて、野菜の朽ち方に見る野菜本来のありかたと農薬の怖さについて見てきました。既に知っていた!という方も、知らなかったという方も一つの参考にしていただければ嬉しいです。
農薬の使用には様々な意見がありますし、
不安定な日本の気候の中で作物の品質と収量を安定させてくれているなどという意見もあります。
そのことで助かっている人もいる一方、海外では農薬によってガンになったとして
巨額の賠償金を農薬企業が払う事態になるなど、計り知れない問題点が潜むのも事実です。
日本でも農薬はたくさん使われているので、同様のリスクがあることは否めません。
つまり、農薬についての考え方は多種多様で、
どう考えるかは消費者である個人の判断に委ねられています。
もちろん、農薬や化学肥料を徹底的に排除することは世界的にも難しいでしょう。
しかし少しでも安全で安心できるものを口に入れたいのは全ての消費者が願うことなはず。
ストレスのない範囲で、体や環境に良いものを選ぼうというスタンスで日々の生活を送りましょう。
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