あなたのその体の不調は、なぜ起きているのか?東洋医学の五行から見た感情と臓器の深い関係性。
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こんにちは、上級望診法指導士、国際薬膳師の霜崎ひろみです。
先日、お会いした方が、職場で恐怖に似たストレスを日々感じ、
体調を崩し、耳に不調が出て、離職したと仰っていました。
また、私自身は、過去に婦人科系の大病をした時、
ちょっとしたことで驚いたり、怖がったりが日常茶飯事となっていたのを思い出します。
「病は気から」
「病は気から」といいますが、「気」というと「気持ち」「感情」「心」とも言い換えることができます。
東洋医学には、「心身一如」という言葉もあり、
「心と体」は切っても切り離せないもの。
「心」「気持ち」が病めば、「体」に影響が出る。
その逆も真なりで、「体」が病めば、「心」「気持ち」となって現れる。
ということが言えるのです。
冒頭の例では、
●「恐怖に似た感情」を持ち続けたことで、「耳の不調」を招いた。
●「婦人科の病気」が「驚き」「怖がり」という感情で現れた。
ともとれるのです。
私自身、身をもって体験し、心と体は切っても切り離せないものだと
実感しました。
体の不調を引き起こす原因は、ひとそれぞれ、多種多様ですが、
「心」や「感情」も病気の原因になりえます。
東洋医学は、「病気になる前の状態」=「未病」を解決するのが得意分野ですが、
「未病」のもっと手前で、「原因」の芽を摘み取ることができれば、
さらに、私たちの「心身」は「楽」になるのではないでしょうか。
今日は、私たちの体に不調を引き起こす、
「心」や「感情」を含めた原因を東洋医学で考えていきます。
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病気になる原因・3つの分類
東洋医学では、体の不調を引き起こす原因を「内因」「外因」「不内外因」の3種類に分類します。
外因
外因とは、私たちの体の外の環境、、、つまり、季節にともなう「気候の変化」が私たちの体に影響し、不調の原因になることをいいます。
「気候の変化」が正常である場合、次の6つの「気候」を、
「六気」と呼びます。
「風」「暑」「火(熱)」「湿」「燥」「寒」
通常は、自然界に暮らす私たちの体も、気候の変化とともに、
徐々に変化していき、それぞれの季節に合わせていきます。
しかし、「六気」が強すぎた場合や、「六気」が正常範囲内でも
私たちの「体力」「免疫力」(正気)が弱っていると、
「六気」が「邪気」となり、私たちの体に不調を引き起こす原因となるのです。
例えば、自分の体が弱っている時に、周りに吹く「風」を防御できず、
体への侵入を許してしまう。
「風」が体に入ってしまった時点で、「風」→「風邪(ふうじゃ)」に変わり、私たちは、「風邪(かぜ)」を引いてしまうのです。
また、夏が極度に「暑」い時、元気な人でも、
だるく感じたり、不快に感じたりして、体に不調をきたします。
内因
内因とは、私たちの内側から湧いてくるものが不調の原因となることをいいます。
「私たちの内側から湧いてくるもの」=「感情」です。
私たちが抱く7つの感情
私たちは日々、さまざまな感情を抱えて生きています。「うれしい!」「悲しい、、、」「頭にきた!!」などなど、、、東洋医学では、私たちが抱く感情を次の7つに分けました。
「怒」「喜」「思」「憂」「悲」「恐」「驚」
以上の7つを「七情」と呼びます。
先ほども述べたように、
「感情(心)」と「体」は切り離せません。
よって、これらの感情が、私たちの体に何らかの影響を与える、
そして、体の不調を引き起こす原因になることがあるのです。
「感情」が「体」の不調を引き起こすのは、どんな時?
しかし、そうは言っても、私たちは毎日少なからず、多少は、「怒」「喜」「思」「憂」「悲」「恐」「驚」
の感情を抱くのではないでしょうか?
「子どもが部屋を散らかして片付けない」、、、「怒」!
「「あなたのアドバイスがとても役立ったよ、ありうがとう。」と言われた」、、、「喜」!
などなど、、、
「感情」は、私たちが起きていれば、ほぼ常に抱いていますよね。
そういった「感情」が「体」に影響を与えて、病気の原因となってしまうのであれば、「体」がいくつあっても足りません。
つまり、毎日、毎時間、刻々と変わる「感情」が病気の原因になってしまう、とは考えにくいのです。
では、どんな時に、これらの「感情」が「体」の不調まで及んでしまうのでしょうか?
主に、次の2つのパターンが考えられます。
1) 一定期間(長期)にわたってある感情を抱える場合
2) ある感情を極度に抱いた場合
2) ある感情を極度に抱いた場合
例えば、冒頭の例のように、「恐怖に似たストレス」を
ある一定の期間、毎日のように持ち続けた結果、
体が悲鳴をあげ、「耳」に異常をきたした、と考えられます。
また、2)のパターンでは、
大好きな歌手のライブで、うれしさ、喜びが極まって、
それが原因で、気を失った、ということもありますよね。
「ある感情」が一気に極まった結果、体に異常をきたしたのです。
このように、「ある感情」を、長く持ち続けたり、
限度を過ぎると、それが「体に不調」を引き起こす原因となりうるのです。
感情と臓器の関係
東洋医学の基本の考え方に「五行論」があります。これは、春秋戦国時代にできたと言われている自然哲学で、
自然界は、「木、火、土、金、水」の5つの元素から成り立っているという考えです。
その5元素を元にして、「木、火、土、金、水」それぞれの性質に従い、
季節、色、味のみならず、体のパーツ、そして感情までも5つに分類しました。
同じグループに分類されているものは、それぞれ関連性があると考えられています。
『木』→『春』『青』『酸味』『肝・胆』『目』『怒』
『火』→『夏』『赤』『苦味』『心・小腸』『喜(驚)』『舌』
『土』→『晩夏(長夏)』『黄』『甘味』『脾・胃』『思(憂)』『口』
『金』→『秋』『白』『辛味』『肺・大腸』『悲(憂)』『鼻』
『水』→『冬』『黒』『鹹味(塩辛い味)』『腎・膀胱』『恐(驚)』『耳・陰部』*陰部は尿道・生殖器・肛門のこと
『火』→『夏』『赤』『苦味』『心・小腸』『喜(驚)』『舌』
『土』→『晩夏(長夏)』『黄』『甘味』『脾・胃』『思(憂)』『口』
『金』→『秋』『白』『辛味』『肺・大腸』『悲(憂)』『鼻』
『水』→『冬』『黒』『鹹味(塩辛い味)』『腎・膀胱』『恐(驚)』『耳・陰部』*陰部は尿道・生殖器・肛門のこと
『怒』の感情を例にとってみましょう。
『怒』の感情が長期に渡ったり、限度以上になると、
五行の同じグループにあり『肝』や『胆』が影響を受けてしまい、『肝・胆』の不調につながる、ということなのです。
繰り返しになりますが、
●『怒』の感情が『肝・胆』の不調の原因になる。
●『肝・胆』が不調になると、『怒』の感情となってあらわれる。
こともあるのです。
そして、冒頭の例では、まさに、同じグループ内で影響が出ているのです。
1)『恐怖』に似たストレス→『耳』の不調
2)『婦人科系(生殖器)の病気』→『恐(怖がり)』『驚』
怖いくらい、ぴったり当てはまります。
不内外因
「不内外因」とは、私たちの周りの気候が原因になる「外因」でも私たちの「感情」が原因になる「内因」でもない原因です。
つまり、「食べること」「飲むこと」に関すること、
「過労」やその逆に「何もしない、動かない」というようなことを言います。
飲食にかかわる原因
食べ過ぎ、飲み過ぎが体調不良の原因になることは、想像しやすいでしょう。
その他に、食中毒に代表されるように、腐ったものや汚染されたもの
を食べる、また、好き嫌いが激しい、揚げ物ばかりになってしまうなど、偏った食生活も病気の原因になります。生活習慣病の主な原因が
「飲食にかかわるもの」であることからも、「飲食」は不調につながる大きな原因といえるでしょう。
過労、何もしない・動かないことも原因になる
現代社会での問題や話題になっている「過労死」「働き方改革」などに象徴されるように、「働き過ぎ」「動き過ぎ」、、、など「〇〇し過ぎ」が体調不良の原因になります。
では、その反対に、毎日何もしないでゴロゴロの生活を送っていれば良い、というわけでもありません。
「〇〇しない」生活を続ける、というのも不調の原因になるのです。
体を動かさなければ、血流も悪くなり、代謝も鈍くなってしまいますよね。
真ん中で暮らそう!
病気を引き起こす原因をみていくと、「〇〇が過ぎる」こと、その逆に、「〇〇しない」生活を続けるのも不調の引き金になっているのがわかります。
東洋医学では、陰にも陽にも偏らない「中庸」が大切といいますが、
「バランス」のとれた生活を心がけることが「健康に暮らすコツ」であるといえます。
皆様も、ご自身の「バランス」を保って、健やかにお過ごしください。
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