東洋医学・漢方・中医学でよく聞く「陰陽五行」を初心者でもわかるように解説!上手に取り入れ人間関係も体調も快適に。
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漢方や針灸のことを調べていてよく見る「陰陽五行」という言葉。
東洋医学の中でも基礎的知識のようだけど「陰陽五行」って何のこと?どういうもの?
そんな疑問にお答えします。
陰陽五行って?
陰陽五行は、中国古代で生まれ発展し、伝承されてきた自然哲学のことです。その発祥は紀元前、約2500年前にまで遡ります。
もとは陰陽論と五行説は別のものでしたが、その歴史の中で統合されました。
この世界、宇宙に存在し、自然を形成する主な要素を
「日陰・日向、白・黒、1・0…」の陰陽
そして「木・火・土・金・水」の五行に置き換え、それぞれの作用、バランスや関係性をとらえる、という考え方のことです。
易、医学など多方面で用いられ、現在でも東洋医学の見立てをする上で基本となる要素とされています。
また、書物や流派によって解釈に差異があり、今も研究されている奥が深い分野でもあります。
陰陽論とは?
自然界・自然のものごとを陰陽の二つに配した考え方である「陰陽論」。これは「変化する」という点が大切なポイントです。
例えば、男は陰陽論だと陽とされています。なので、女は陰となります。
でも子供が産まれれば、親となるので子供に対しては陽とされます。
子供は陰です。
このように、関係性などによって変わるのが陰陽の概念です。
例えば私は女で陰ですが親子関係では子を持てば陽でもあります。
「わたし」というものは、このように多面的なものでもあり、全てに対して一貫してこうでなければいけない、ということは無いともいえるのです。
そしてまた変化していくもの。流動的で、不変ではないのです。
どうでしょう。なんだかラクな気持ちになりませんか?
東洋医学的には、
体表は陽、体内は陰 背中側が陽、お腹側が陰
昇る・出る生理を陽 降りる・入る生理を陰としています。
体の不調を考えるとき、からだの中のほうに病理が入っているか、表面のほうで不調があるのか、
どこからこの不調は来ているのか?という見方で把握を試みる見方もあります。
病気そのものにとらわれて視野が狭くなると辛いですが、
体全体を見て、そのバランスや状況をとらえていくのが、東洋医学の見立てのひとつなのです。
五行と五臓
東洋医学の五臓という考え方。これは、現在、私達が認知する実際の臓器そのものの考え方とは違い、
体の生理機能を5つの臓として見る概念、といったほうが近いです。
そして東洋医学は、ひとの体の生理機能と五行の考え方を統合し、独自の医学理論へと発展しました。
五臓と五志は結びついている
中国古来の書記「素門」では、激しい感情の変化は、その感情を司る臓を傷つけると考えられています。
五臓と五志の考え方です。
自然界 性質 五臓 生理機能 五志
木 → 曲直 肝 貯蔵・調整 怒
火 → 炎上 心 循環・精神 喜(笑)
土 → 収穫 脾 消化・吸収 思(慮)
金 → 変革 肺 呼吸 悲(憂)
水 → 潤下 腎 生殖・泌尿 恐
心 が弱ると、喜びや笑いが無くなる。
肝 が弱まれば、怒りがなくなり気の弱まった状態になる。
イライラは、貯蔵する肝という臓が貯めすぎてしまいイライラ状態に→ 貯めているものを発散するとスッキリ!これがストレス発散です。
こころとからだは双方に影響し合っているのです。
なんだか体の調子が悪い、気持ちが落ち着かない、元気が出ないのに、原因がわからない。
そんな時はこころとからだ両方から今の状態を見つめてみてください。どこかがSOSを出してくれているのかもしれませんよ。
原因不明の婦人科疾患に悩まされたことがありました。
私は、原因不明の婦人科の疾患に悩まされたことがありました。
CTやMRIなどの検査を次々に行ってもはっきりせず、念のため仕事を休んで数ヶ月の安静生活。
その時の私は、いろいろな物事にとても驚きやすく恐れる状態でした。
「そと恐怖症」ですね…。
刺激に敏感になり人と会うのも病院も嫌でした。
テレビには特に敏感になり、ニュースも怖いしバラエティ番組もドキドキしてしまって、刺激が怖いといった状態。
五行で考えると、生殖機能を司るのは「腎」。
そしてそこが司る感情は「恐」。
大病をしたら誰でもそうなるのかもしれませんが、私の場合は、自分の怯えや恐れが「腎が傷ついているんだから、しょうがない!」と思えたことはとても助けられ、気持ちが楽になったものです。
「どうもメンタルが不安定で…」という時、いったん五行の表を用いて、客観的な視点から自分のからだを見てみてはいかがでしょうか?
五行と五味
酸、苦、甘、辛、塩辛いこの5つの味を五味といい、それぞれの五臓に入りやすく、摂りすぎはその臓を痛めると考えられています。
そして辛は散じ(散らし)、酸は収め(締め)、甘は緩め、苦は堅め、塩辛い味は柔らかくする作用を司っています。
お料理を想像するとなんとなくわかりますよね。
緊張しているときに甘いものを食べるとゆるむし、辛いものを食べるとスッキリします。
ただし甘いものをとりすぎると脾がゆるみすぎてしまい、かえって体をこわします。
何かの味だけにかたよった食生活を送っていませんか?
この五味は、健康のためには味の偏りを作らずいろいろなものをバランスよく摂取すべし、とも言えるのです。
人間関係の悩みにも使える九星占い
生まれ年によって五行がわかる「九星占い」 さて、あなたはどれでしょうか?
一白水星 47 56 平成2
二黒土星 46 55 平成1
三碧木星 54 63 平成9
四緑木星 53 62 平成8
五黄土星 52 61 平成7
六白金星 51 60 平成6
七赤金星 50 59 平成5
八白土星 49 58 平成4
九紫火星 48 57 平成3
↑昭和
信じる信じないは別として、この九星占いは五行の考え方をつかむ上でとてもわかりやすいものです。
というのも、五行には関係性があって、
木が火を燃やし、火が燃えると土(灰)を生み、土は金(鉱物)を生み、金は水(水脈)を生じ、水は木を育みます。
そして、この順番どおりに、木は火の親であり、水の子供です。火は木の子供で、土の親…と続いていきます。
これを「相生の関係」といいます。
相性占いでは、隣どうしの五行は良い相性とされています。
逆に「木 火 土 金 水」の、木なら金 火なら水 といった風に、
ひとつ挟んだ前の五行とは「相克の関係」といって、一種の緊張の関係とされています。
金(鉱物)は木を切り、水は火を消し、木は土を吸い、火は金を溶かし、土は水を濁らせる。
自分のありのままでいると、相手には強すぎてしまうこともある、ということです。
なぜか、相手に自分の何気ない言動に反応されてしまう、といった場合は、自分と相手の九星を調べてみてください。
相克の関係ではないでしょうか?
自分の一言が、相手にはとても強く影響してしまうのです。少し気をつけるとお互いに良好な関係が築けます。
逆も同じで、相手の何気ない言動にすごく動揺したり傷ついたり影響される、
というケースも、相克の関係である可能性が高いです。調べてみてくださいね。
また、パートナーに「あなたはそのままでいいよ」と言われ「ほんとに?」と
逆に心配になってる…なんて方も、調べてみてください。
相手にとって、自分は相生で、親の関係ではないでしょうか?
そんな時は、あなたがそのままで自分らしく輝くことが、相手(子供)にとっても、良いことなのです。
木が萌えれば、そのことで火を大きくさせます。火が大きく燃えれば、そのことで土が肥えるのです。
自分が自分らしく生き生きとすることが、相手を幸せにするのです。
「九星占いって、同い年の生まれはみんな一つにくくってしまってるけど、ほんとに当たるの?」とも思います。
しかし、ぜひ一度、家族や職場のメンバーなどで試してみてください。不思議と頷けるところもあるはずです。
大切なのが、こういったものがあるということは、昔から人は人間関係に悩んできた、ということです。
何千年も前からひとは相性について考えてきていて、
うまく腑に落ちたり、人間関係を良好にするために考えられ、用いられた知恵なのです。
「なぜあの人とはしっくり来ないんだろう?」なんて方は、この知恵も利用してみてはいかがでしょうか?
私は、親族との関係について、小さな頃から悩んできました。
ぶつかり合うことも多く、罵り合う夢を見て自分の怒りの叫びで目が覚める、なんてこともありました。
陰陽五行というものを知り、試してみたところ、その親族とは五行で相克の関係でした。
硬直状態に陥りがちな理由が腑に落ち、そうなりがちな運命だと知ると、とても気持ちが楽になりました。
「ちょっと言動に気をつけよう」「優しく言うようにしよう」と気をつけるようになり、無用な衝突を事前に防げるようになりました。
うまく使って知恵として役立てる「陰陽五行」
優劣ではなく、常に結合していて、流動しながら存在するという陰陽論。
季節、色、方角方位から病めるひとの声色まで、万物を5つのカテゴリーに分類し、その性質や関係性を解き明かそうとした五行説。
この陰陽五行説は、歴史が大変長く、書物や流派によって解釈や内容は差異があるものでもあります。
どれだけ漢方治療に用いて見立ての基盤にするかも流派によって違いがあります。
そして、陰陽五行説ですべてを解明するのも限界があります。
「陰陽五行はあくまでツールとし、まずは目の前の病める人に何ができるのか」と奮闘した古来の医師もいました。
陰陽五行説に縛られるのではなく、生活や考え方にうまく取り入れ、楽に毎日を過ごす…。
私は漢方を通じて陰陽五行の概念を知るようになってから
「なるほどなあ」と腑に落ちること、救われたり楽になることが、多々ありました。
悩みや不調があるとき(人間関係や精神・体調の状態など)
陰陽五行説の視点から、いまの状況を見つめ直してみてはいかがでしょうか?
きっと今まで見えなかったことに気づけたり、ラクになれたり、あなたの役に立つはずですよ。
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