明日から簡単にできる消費者から始める革命「無農薬野菜はありますか?」お店に質問するだけ。元ITベンチャー経営者オーガニック農家 1年生が提案する「農業3.0」
元ITベンチャー経営者の農家一年生小太郎が実践する古くて新しい「農業3.0」と皆さんが主役の流通革命!
自然農をやるものたちは、もはや変わり者扱いの日本
「買い物は投票だ」ということをよく目や耳にするようになりました。
スーパーの店頭でも商品を手に取り、裏返して見る方が増えてきたように感じます。
もう一歩進めて「育て方も選んで」買うことが、子供たちや地球の将来を救うことができるとしたらどうでしょうか。
私たち自然農家は、ほぼ例外なく地域での「変わり者」「異端児扱い」です。
JA農協の指導も受けないですし、そこから農薬も肥料も買いません。
雑草の時期には、除草剤も撒きませんので、ほぼ人力で草取りです。
楽だから、買い上げてもらえるからとJA農協の「しなければならない」リストに従うのではなく、前回の記事でもお伝えしたように「しないこと」を大事にしています。
そのマクロビで使っている玄米、もし無農薬じゃないなら、むしろ危険かも
玄米を食べるなら、ぜひ「育て方」のチェックをお願いします!
その玄米、発芽しますか?マクロビオテックを生活に取り入れて、健康に過ごされたいという方も増えています。
白米よりも、玄米の方が栄養たっぷりで体に良いと。
その通りです。
ある雑誌社の企画で、がんからの生還者「がんサバイバー100人に聞く」というアンケートを実施したことがあります。
なんと9割の方が玄米食にするなど食事を見直していたことがわかっています。
私は、無農薬、無施肥、除草剤不使用、「天日干し」のコシヒカリを育てています。
「天日干し」とカッコに入れた訳は、あるお客様との会話で乾燥の仕方で「小太郎米」を選んだということがわかったのです。
でも、スーパーで買った玄米の乾燥方法なんて調べられませんよね。
その方が、マクロビの先輩に聞いたら、「無農薬」でなければ胚芽に農薬が残留することがあること。
また「天日干し」でなければ、死んだお米だからダメよと言われたそうです。
そう、JA農協の慣行栽培では、コンバインで刈ったら、すぐにライスセンターにある乾燥機に運ばれて、強制的に乾燥させます。
その過程で発芽する生きたお米ではなくなってしまいます。効率の犠牲ですね。
今の日本は、全速力で、世界に逆行中!農薬、遺伝子組み換え・・・やりたい放題。
世界は急激に無農薬農法になっています。
でも日本は・・・・・
国連での<小農宣言>採択
なぜか全く報道されませんが、国連では小農宣言が採択されました。
これは、「食の主権」「アグロエコロジー」「種子の権利」を柱にするものです。
「食の主権」は食料生産や流通の主権を食料生産者やコミュニティーが取り戻すべきこと。
「アグロエコロジー」は工業的農業の環境破壊を食い止め、土壌だけでなく水質も保全できる農業を目指すということ。
「種子の権利」は大手種子会社が独占している種子の権利を自家採種などの方法で取り戻すということ。
それには小規模な家族農業が、最適であることが採択されました。
そして、続いて国連人権委員会で「小農と農村で働く人々の権利に関する国連宣言」を採択することになります。
賛成 33
反対 3
棄権11←日本
これも、なぜか報道されません。政府が工業的大規模農業を進めようとしているからでしょうか。
2014年「国際家族農業年」
2015年「SDGs(持続可能な開発のための目標)」国連サミット参加150カ国の首脳が全員一致で可決。(なぜか報じられることはありません)
同時に「国際土壌年」と「国際土壌デー」を採択。
(国連総会では、適切な土壌管理が加盟各国の経済成長、貧困撲滅、女性の地位向上などの社会経済的な課題を乗り越えていくためにも重要であることが強く認識され、限りある土壌資源の持続性向上とその必要性の社会的認知を高めることに加盟国や関連する組織などが自発的に務めるよう呼びかけている。
また、12月5日を世界土壌デーとすることが同時に採択され、同一テーマで国際年と世界デーが同時に採択されたのは今回が初めてである。)
(これもなぜか報じられません)
そして2019年からは「家族農業の10年」が始まります。
(これもなぜか報じられません)
世界は着実に持続可能な地球のために無農薬農業をすごい勢いで進めているというのに…
「農業3.0」が地球を救う
古くて新しい農業、昔からやられていることを、最先端の科学で確認しながら進めています。
人類が農耕を手に入れてから一万年と言われています。
長い間、生活の営みとして「土」と「水」と「太陽」と「種」だけの「農業1.0」でした。それが揺らいでしまったのはここたったの百年のことです。
空気中の窒素を固定できる発明(ハーバー・ボッシュ法)が全ての始まりでした。
除草、防虫のためという農薬メーカー、早く多く収穫できるという肥料会社、指導通りに作れば全量買い取りますというJA農協タッグの「農業2.0」。
そこに、遺伝子組み換え技術を持ち、除草剤とセット販売で独占を目指す種子会社が乗っかったのです。
除草剤は人体に影響無いと製造会社は言いますが、現代人が尿検査をすると残留農薬に驚くと言います。
EUがグリホサートの禁止を大急ぎで進めているのは、議員の尿検査で知らないうちにグリホサートを摂取している事実に恐怖を抱いたからだそうです。
国連も私たちも、このままではダメだと。
工業的な農業から農薬前の農業に学びながら、それを最先端の技術で確かめながら進める「農業3.0」ともいうべき自然農が始まりました。
私の水田は義父が五十年以上も無農薬でお米を育てていました。
昔はどこもそうだったというレンゲ草の生い茂る田んぼです。
もう何十年も続く地域のレンゲ祭りはうちの田んぼで行われています。
最新の遺伝子シーケンシャル測定法で、レンゲのようなマメ科植物は根に根粒菌を持っているので空気中の窒素を地中に固定できることがわかってきました。
昔の人はなぜか知っていたのです。
他の最先端の研究では、ある微生物群は、土の中の農薬だけでなく放射能も除去できるといいます。
農薬を使った慣行栽培の不耕作地、これは地方に驚くほど多いです。
有効に、安心安全に使えるようになるといいですね。
<引用>微生物が10分の1に減って「野菜は健康に悪くなったかもしれない」
痩せて農薬漬けになった農地を治す法
立命館の先生の研究
実践したい四文字熟語
農家も古くて新しい農法に回帰し始めているとお話ししました。
皆さんの生活も、少し古くからの「仕方」にならってはいかがでしょうか。
私がITベンチャーの経営者から自然農園を営むようになったのは、病院のベッド上で「なんのために生まれてきたのだろう」と自問自答の日々から、退院して食事が原因かもと気付いて「身土不二」という言葉を知ってからです。
「食養医学」石塚左玄先生たちの「食養道運動」は大変参考になりました。
「身土不二」とは、人間の身体「身」とそこの「土」は一体「不二」であるから、人は住む土地でとれた旬のものを正しく食すべき。その範囲は「四里四方」である。
また「一物全体」今で言う全体食でしょうか。
・穀物を精白しない(マクロビなどの玄米食への回帰)
・野菜の皮を剥かずに使う(ファイトケミカルの発見、研究)
・根菜でも葉を用いる
・小さい魚を丸ごと食べる
その他にも「食物配合」や「食動平衡」など日々の生活に取り入れたいものばかりですね。
古くて(食養医学)、新しい(マクロビやファイトケミカル)生活は、古くを学び最先端の研究を取り入れる「農業3.0」で出来たお米やお野菜を食べることではないでしょうか。
「身土不二」も最新の研究で証明されています。土の中から栄養を取り入れる「根」と食べたものから栄養を取り入れる腸は同じことをしているのだそうです。
『土と微生物』引用「微生物が作る世界 肥満、アレルギー、じゃがいも…みんな微生物が作り出していた!植物の根と、人の内臓は、豊かな豊かな微生物生態系の中で同じ働きをしている」
この本の紹介文は「人体で我々の健康を守っている微生物と、土壌で農作物の健康を守る微生物。抗生物質と農薬で、人体と土壌の微生物に無差別攻撃を続けた結果、アレルギー病、アトピー、うつ病から肥満まで、人体と農作物に多くの病気を生んできた。
本書は、この無差別攻撃に終止符を打ち、人体と土壌の微生物たちとの共生がもたらす福音を描く」
勇気を持って、聞きましょう。そのお野菜は無農薬ですか?ここに無農薬の野菜はありますか?
改めてお願いです。
「買い物は投票です」。では、それよりも簡単なことをお伝えします。
名付けて、店頭での質問で「聞くだけ革命」!
私たち自然農家は、無農薬無施肥、除草剤不使用などを選挙公約に立候補しました。
毎日のお買い物の際に「無農薬のお野菜は置いてないの?」「この玄米の乾燥方法は天日干しですか?」とスーパーの店員さんに聞いてみてください。
答えを求めなくても大丈夫です。
名付けて「聞くだけ革命」。
小売業であるスーパーマーケットは、安くて売れるから安全性は二の次で外国から安い野菜を仕入れます。
仕入れ部門は皆さんが想像する以上に生き残りのために顧客の声には敏感です。
顧客である皆さんが、無農薬であるかどうか、育て方は自然かどうかを気にし始めていると知らせることは大変大きな意味があります。
次の仕入れの際に必ず検討項目の一つには上がります。
無農薬が今ブームだとわかれば世の中のスーパーやショップは仕入れるはず
無農薬が売れるとわかれば、絶対に仕入れます。
買い物と質問で日本を変えよう
そうです、皆さんには「買い物」と「質問」という力で「流通」を変えることができます。
それは私たち生産者にはできないことなんです。
そして、「かかりつけ農家」に清き一票をお願いします。
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