大豆大国日本、しかし、その多くの大豆は大量輸入される遺伝子組み換えだった。 日本で認められている8種類の遺伝子組換え作物を知っていますか?
大豆消費国・日本と大豆の密接な関係とは
醤油・味噌などの調味料、豆腐・納豆など日本の伝統的な食品はもちろん、
もやし・枝豆など野菜としても口にしている大豆。
和食メニューに限らずとも、
隠し味として利用する調味料などにも大豆は大豆由来成分が含まれていることが多く、
日本の食卓に大豆製品がない日はとても少ないのではないでしょうか。
近年では健康飲料としての豆乳、使い勝手がよい大豆油、
健康に良いとされる、おからやきな粉などへの注目度も高まっていますよね。
大豆は遺伝子組み換えが行われている作物でも世界的に大きな割合を占めており、
その品種数は約20品種にものぼります。
技術の発達により進歩してきた遺伝子組み換え作物ですが、
その安全性や食品への表示方法などについては議論が絶えません。
世界でも有数の大豆消費国ながら、他国からの輸入に依存している日本の状況。
一部で、アメリカの遺伝子組み換え大豆が日本に輸入されるという報道がありました。
私たちが普段口にしている食品としての大豆について、
今一度正しい知識を身につけ、将来に向け考えていくべきタイミングなのではないでしょうか?
日本の大豆は、多くが輸入大豆でまかなわれている?
農林水産省による2014年のデータでは、
日本の大豆消費量は、世界で10位となる約3100,000tにのぼっています。
そのうちの1割にも満たない数が、ほぼすべてが食用として利用される国産大豆。
そして、輸入大豆を含めた大豆需要量の約3割が、食品として利用されていると言われています。
出典:農林水産省
日本の狭い国土では、国内の消費をまかなう大豆の生産が困難なこと、
輸入大豆に比べると国産大豆の価格が高いことなどから、
日本では、その総消費量のほとんどを輸入大豆でまかなっている状態です。
世界での大豆の主要な原産国としては、
アメリカ・ブラジル・カナダ・中国があげられますが、実はこれらの国の大豆は、
遺伝子組み換え農産物として大量栽培・大量輸出をされることが一般的となっています。
現在の日本では、輸入量の約7割をアメリカの大豆が占めているという状況が長く続いており、
遺伝子組み換え作物としての大豆の安全性が不安視されています。
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> 商品の詳細はこちらアメリカから輸入している遺伝子組み換え大豆。日本に与える影響とは
2000年には、遺伝子組み換えコーンである「StarLink」が
アメリカ・韓国・日本で、食用として輸入されたことが明るみになり、
大量にリコールされるということがありました。
当時の日本では、遺伝子組み換えコーンは家畜飼料としても
承認されていなかったこともあり、大きな問題となりました。
また、2018年に発効されたTPPですが、
その交渉過程においてのアメリカ産の遺伝子組み換え大豆に対する議論なども、
まだ記憶に新しいのではないでしょうか。
日本がもっとも多くの大豆を輸入している国、アメリカ。
アメリカはブラジルと並び、世界でもトップの生産量を誇る大豆生産国です。
農業や科学の技術の発展に伴い、
1980年代から取り組まれてきた遺伝子組み換え作物の歴史ですが、
遺伝子組み換えされた大豆の歴史は、1998年代からアメリカの市場で始まりました。
アメリカでは、栽培している9割以上の大豆が遺伝子組み換えの大豆、
そして、世界においては、
現在の栽培面積の8割ほどが遺伝子組み換え大豆にあたると言われています。
世界最大の大豆消費国である中国が、アメリカ産大豆の輸入を一時停止したことなどから、
アメリカの大豆農家は悲鳴を上げる状況となったこともありました。
このように貿易戦争、各国の政策、自然環境などの
さまざまな問題の影響を受けやすいのが、輸出入作物。
食品の安全は、食卓の上だけではなく、もっと広い世界観で考えられるべき問題なのです。
「遺伝子組み換えでない」という表示の意味を本当に知っていますか?
日本でよく目にする「遺伝子組み換えでない」という表示。
この表示があるものが、
決して「遺伝子組み換え農産物が使われてない」というわけではないのです。
「遺伝子組み換え農産物を使っていない」という意味で使われているということを
ご存知の方はどれくらいいらっしゃるでしょうか?
いくつ知っていますか?日本で認められている8種類の遺伝子組換え作物
現在、日本国内で認められている遺伝子組換え作物は8種類。大豆に至っては、20種類をも越える品種が認められています。
・大豆
・じゃがいも
・とうもろこし
・菜種
・綿実
・てんさい
・パパイヤ
・アルファルファ
パパイヤなど、8種類の中にはそのまま食品として私たちの口に入るものもあります。
そのほか、醸造酢や菓子などの加工品となるもの、
食用油として精製されるもの、飼料や燃料などの食品以外のものに用いられるものなど、
さまざまな形をとって私たちの生活に密着しているのです。
遺伝子組み換え大豆と表示していない食品もあるって本当?「表示義務」と「任意表示」の関係
遺伝子組み換えをされた作物が原料となっている加工品でも、
表示義務の対象となる加工品もあれば、
表示義務がない加工品があることをご存知でしょうか?
表示義務が課されていない加工品の代表的なものには、
私たちに身近な醤油・油・コーンフレークなどがあげられます。
現在のシステムでは、「全原材料中、重量が上位3品目以内かつ5%以上」のものには、
表示が義務付けられています。
しかし、「意図せざる混入率(5%以下)」がある場合には、
とくに表示義務は課されないこととなっています。
生産者や加工者側が消費者を騙そうと意図をしているわけではなく、
商品が「任意表示」の対象であれば食品にわざわざ表示をする必要がありません。
つまり、「国産大豆使用」などと表示がされていても、
食品の中に含まれる遺伝子組み換え作物の割合などによっては、
アメリカ産などの遺伝子組換え大豆が含まれている可能性が多いにあるということです。
とくに、低価格重視の外食産業・食用油・加工食品などでは、
遺伝子組み換え作物を使っている傾向が高くなっていますので、
「安さ」には常に理由があることを知っておきたいですね。
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> 商品の詳細はこちら欧米でも遺伝子組み換えの大豆は避けられている
日本だけではなく、欧米の先進国でも、
遺伝子組み換えをされた作物は避けられる傾向にあり、
「GMO(遺伝子組み換え農作物・生物)」という表示が消費者の情報源となっています。
アメリカでは、これらの表示が義務付けられていなく、
人々の口にする7割・8割もの食品が遺伝子組み換え作物を含んでいるとも言われています。
対してEU圏では、すべての遺伝子組み換え作物とすべての原材料が表示対象とされています。
日本では5%以下とされる「意図せざる混入率」についても、
EU圏では、より厳格な0.9%以下という数値を設定しています。
これは、遺伝子組み換え作物を排除するという目的だけではなく、
「自分で食べ物を選択する自由度」という食への権利を保証するという文化的な背景も隠れています。
大陸外からの農産物の輸入に対する規制をかけるなど、
政策的な目論見があらわれている結果でもあるのです。
そして実は、欧州では大豆は食品として用いられるのではなく、
バイオディーゼル燃料や家畜の飼料などとして用いられることが多くなっているという事実も、
遺伝子組み換え作物に対する厳格な表示規制に関わりがあると言えるでしょう。
現在のところ、日本の表示義務に関するレベルは、
世界規模で見た場合には決して低くはありません。
全世界が将来的に取り組んでいくべき課題のひとつと言えるかもしれませんが、
消費者がより食の安全について判断しやすい情報、
誰にでもわかりやすい情報が当たり前に提供されるような環境を目指していきたいですね。
遺伝子組み換え農産物は必ずしも悪いものではない?
全世界の傾向として、遺伝子組み換え農産物は悪いものとなっていることが伺えます。
しかし、現在までの研究結果としては、
遺伝子組み換え農産物に問題があるとはっきり言えない状況となっており、
実際の食品としての安全性に関しては、ホワイトにほど近いグレーと言ってもよい状態にあります。
確かに一部の情報では、
遺伝子組み換え農産物は甚大な被害をもたらす可能性があるものとされていますが、
300人もの研究者が参加しているヨーロッパの科学雑誌でも、
遺伝子組み換え農産物が人体や動物に与える影響への結論はいまだ出ていないとしています。
遺伝子組み換え農産物の安全性というテーマは、
食の安心と安全、商業用栽培過程で使われる安全性に懸念のある除草剤などの
農薬や殺虫剤の使用、作物中のアレルゲンなどの増幅の可能性、自然界や環境への影響リスク、
関税や食の流通、各国の政治的背景、化石燃料資源の行く末など、
多くの問題が絡み合った複雑なテーマのひとつでもあります。
ひとつの情報源や偏った考え方を鵜呑みにしてしまうのではなく、
遺伝子組み換え農産物の未来、ビジネス視点でつくられた情報、
私たち消費者が持つべき選択肢などについて、考えていただければと思います。
毎日口にする大豆製品だからこそ、本当に安心して口にできるものを選んでいくこと
みなさんも大豆製品を購入する際に、
「大豆(遺伝子組み換えでない)」という表示や
「国産大豆」という表示を確認してから購入することも多いのではないでしょうか。
今回ご紹介させていただいたように、
日常的に目にしていた表示の本当の意味とその背景を知り、
環境・健康・政治的背景などを広い視野を持って考え、
これから先も大豆製品を選んでいっていただければと思います。
私たちが暮らす21世紀は、食の安心・安全、トレーサビリティなど、
大豆だけではなくすべての食品について食の安全性が問われています。
ひとりひとりが食と真面目に向き合うことはもちろん、情報化社会が発展する中、
IPハンドリングシステム(分別生産流通管理システム)などを利用し、
消費者が必要とする信頼性の高い情報がしっかりと開示され、
すべての国で生産者や環境にもやさしい生産体制が整っていくよう、
支援していっていただければと思います。
また、日本でも東北地方や九州地方を中心に、
国産の良質な大豆の生産を増やそうという動きも盛んになってきています。
地域にも環境にもメリットの多い地産地消、果ては国内のコミュニティや経済の発展のためにも、
今後の日本国内での大豆生産状況にも注目していってみてはいかがでしょうか。
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