遺伝子組み換えにノルマルヘキサン..知られざる「甜菜糖」と「米油」の危険性。薬膳コーディネーターの出した答えとは?
甜菜糖、米油と聞いて、あなたはどんなイメージを持ちますか?
安全なものというイメージを持たれるかもしれないし、
しかし、一方では危険だという意見を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんね。
私もそんな渦巻く情報に惑わされる1人でした。
今回自分の中でずっと引っかかっていた「甜菜糖と米油」というテーマについて調べ、
自分なりに答えを出したので、皆さんに共有したいと思います。
甜菜糖と米油に惹かれて…
私は一人暮らしをしてから健康オタクになったのですが、
砂糖や油といった調味料にもこだわるようになりました。
甜菜糖は白砂糖と比べて体を冷やすことが無く、
ミネラルを多く摂ることができることで有名です。
オリゴ糖もふくまれていることもあり体に優しいと言われています。
米油は一般の油とは異なり、癖のない油で、サラッとしていて
栄養価も高く、現在ではオリーブオイルと並ぶ油として注目されています。
そんな体にいいものならばと思い、
私は白砂糖は購入せずに、甜菜糖を購入し、
油はオリーブオイルや米油を使ったりしていました。
そんな生活のさなか、風のうわさで甜菜糖や米油は危険だという話を耳にしました。
「え、まさか」
自分が安全だと信じたものが、まさか危険なものなんて…
と思い、様々調べてみると、
思わず納得してしまうような情報が見つかりました。
諸外国では遺伝子組み換えのものが多い
実は日本以外の地域では遺伝子組み換えの甜菜が育てられているケースも多いようです。
日本では、今のところ遺伝子組み換えの甜菜をつくることは出来ない決まりになっているので、
遺伝子組換えの甜菜糖は出回っていないと考えられています。
もともと甜菜は寒い地域向けに作られていたということもあり、
現在では北海道産の甜菜糖が出回っています。
ヨーロッパでは遺伝子組み換えの甜菜糖を扱っている場合もあるようです。
甜菜糖は栄養価が高く、ミネラルも豊富だと言われている一方で、
これからTPPや種子法の問題などで安価、かつどこの種なのかもわからないような
製品もでてくるかもしれない、ということからも危機を感じます。
薬品の怖さ
甜菜糖、米油、両方の恐ろしさとしてあげられるのは
農薬の問題です。
もちろん、オーガニックの甜菜糖や米油もあります。
しかし、気にしてしまうと、どこまでも気になってしまうというのも本音。
妥協点を見つけるしかほかなりません。
たとえば甜菜糖は甘いこともあって虫が好んで食べたがるようです。
そのため、虫食いを防ぐために強めの農薬をまくこともあります。
また、米油に関してはネオニコチノイド系の農薬を米作りのために使用している場合も多く、
100%農薬を防ぐということは難しいという現状があります。
農薬の問題については日本は諸外国と比べて規制が甘いので
避けるにも避けようがない状況です。
米油は更に他の問題も…
米油に関しては抽出するときに使うノルマルヘキサンという薬品が有毒だと言われています。
しかし、このノルマルヘキサンは熱を加えると無毒になることから危険性は無いと言われています。
「お砂糖は白でなければ安全」は神話
海外のオーガニック甜菜は実は白いのです。
しかし、日本の甜菜糖は茶色。
これはどうしてかわかりますか?
実は加熱生成された際にでてくる甜菜糖のアクや煮詰めたときの焦げなのです。
生成の過程によって色が異なるということがわかります。
オーガニックで且つ生成にこだわりを持っている海外の甜菜糖は白。
「白いお砂糖は危険です」ということを今まで無垢に信じていましたが、
どうやらそうではないようです。
何事にも闇と光がある
こうしてみてみると、「健康で安全」だと思っていた食品も、
視点を変えてみると、不安要素もあるのだなということがわかります。
中医学では陰陽という言葉がよく出てきます。
これは何も人間の体に限った話ではなく、すべての物事に置いても関係してくる言葉です。
すべてのことには陰の側面もあるし陽の側面もあるということを意味しており、
それぞれが認めあい、バランスよく、存在することで一つになれるのです。
何事も一概に「安全」「キケン」と断定することは出来ず、
もしかしたら、こんな側面もあるのかも、ということも踏まえた上で取捨選択することが大切なのでしょう。
結局私はどうしたかというと…
危険性も知って、私が選んだ答えは、
甜菜糖とこめ油を今後も使うということでした。
ただ、そのかわり、
Non-GMOや無農薬、減農薬の環境で育てられたものを買うという条件をつけました。
遺伝子組換えはそもそも害虫に強く、たくさんの生産ができるようにと思って行われてきた操作でした。
農薬も、害虫や、作物の大量生産のためにはじめは使われたものでした。
もちろん、それらを使わなければ農家や生産者が苦労をすることになってしまう、
という声も理解できます。
しかし、人体への影響のみならず地球規模の被害を考えると、
私は恐ろしいなと感じてしまうのです。
遺伝子組み換えや農薬を使わない食品は金額が高い傾向にあります。
しかし、金額では買えない価値があると感じます。
それは命そのものであり、未来でもある、と私は思っています。
未来への投資だと思って、
金額が張っても少しでも良いものを選びたいと言うのが私の結論でした。
どちらかに偏ってしまうと生きづらくなる
オーガニックやビーガン、マクロビなどなど、
健康に対して意識が高いという人たちが陥ることというと、
視野が狭くなってしまうということです。
これは私もそうなのですが、自分が正しいと思ってしまうと、
そのことに固執してしまい、他の知識や考え方を受け付けなくなってしまうこともあります。
また、自分の正しさを相手に押し付けてしまうということもあります。
実際のところ、100%安全、100%危険ということは何事も断言はできません。
それぞれによいところもあり、悪いところもあります。
だからといって誰かの意見に流されたり、
どちらも選べなくなってしまい、八方美人のようになってしまったり、
優柔不断な人間になってしまったりすることは避けたいなと私は思っています。
本当に大切なのは、
陰も陽も知った上で、だったらどうするのか、どうしたいのか、ということ。
選ぶのは他の誰でもなく、自分自身なのです。
本当に自分がしたいこと、選びたいことを選び、それを楽しむ事ができれば、
自分が何を選んだとしてもストレスに感じることはなくなります。
自分とは相容れない考え方にこそ、ヒントがあり、
相手もまた人間であるということも自分に言い聞かせてみると、
意見の合わない相手に対して怒りや憎しみをぶつけずに済みます。
まずは自分がどんな情報でも受け入れてみるスタンスを作るということが大切です。
一旦受け入れた後に、自分が何を選択するのか決めてみましょう。
そうすることで、自分が選んだもののありがたさや、素晴らしさをより理解するきっかけにもなります。
まわりにもその姿勢が伝われば、一人でも多くの人に影響を与えることにも繋がります。
今回甜菜糖と米油のことを調べていて思ったことは
本当に良いものを伝えたいのであれば、
まずは自分の視野を広く持って、新しい価値観や考え方を受け入れていくことも大切なのだということでした。
食の安全性を考えることは未来を考えること
食の安全性ということを考えたとき、私達の生活はあまりにも劣悪で何を選んでも弊害があります。
オーガニックという名前がついていても、実は遺伝子組み換えの作物を育てていたというケースや、
有機の食品表示されていても、あまりにも無菌操作されすぎてしまって種としての強さが失われてしまったりと
一見良さそうに思われているものでも、
よくよくみてみると、何かしらの問題があるということが殆ど。
そうした現代の状況の中で、本当に心から安心安全だといえるものを手にするためには、
自分が畑を耕し、自分の目で見て、自分の手で作るということが一番なのかもしれない、とも思うのです。
食の安全性は「消費者」の目線だけから考えることでもなければ、
「生産者」の目線だけから考えることでもありません。
人として、未来に何を残したいのか、
明日の自分に私が責任を持てるのかどうか、
明日の地球に私が責任を持てるのかどうかということを問われているのだろうと思います。
食の安全を考えることは未来を考えることです。
自分の考えや立場に固守せずに、
広く視野をもって生きることを選択していければもっとよりよい社会を作れるのではないでしょうか。
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