肉食女子は要注意!ステーキや焼肉はスタミナ食ではない!下手すると夏バテを呼ぶかも?予防医学専門家が警鐘を鳴らすタンパク質食のリスク
毎年、夏になると「暑い夏を乗り切るためにスタミナをつけよう!」
といった謳い文句でステーキや焼肉のCMが非常に多くなりますよね。
屋外でのバーベキューを楽しむ人が増えるのもGWから夏にかけて。
この時期は飲み会も焼肉屋さんで!ということも増えてきます。
そして2014年に駒沢公園で開催された肉フェスから始まったとも言われる肉ブームも未だに続いていますよね。
また2016年頃から流行り始めた低糖質ダイエットも肉食を推し進めている一因と言ってもいいでしょう。
しかし糖質を控えていればいくらお肉を食べても健康でいられるって本当でしょうか?
今回は肉食について意外と知られていない病気との関連も交えてご紹介したいと思います。
そもそも日本人に肉食は合わない!?
さまざまな食事療法の中で「日本人はずっと肉を食べていなかった人種だから肉食は合わない!」
そう主張する人達もいます。
しかし日本人の食の歴史において庶民に至るまで肉食が禁じられていたのは
1687年に徳川綱吉が制定した「生類憐れみの令」以降のこと。
それまでは貴族や僧侶の間での禁忌になったり解禁になったりはしていましたが、
隠れて食されていたという文献も多く残っています。
そして1868年の開国以降はまた徐々に肉食が広がり1945年の第二次世界大戦終戦以降、
いわゆる「食の欧米化」が一気に広がると同時に肉類の摂取量も増えていったのです。
そう考えると日本人が肉類を食べなかったのは
2678年という日本という国の長い歴史の中で200年ほどのことです。
そして1940年代頃に生まれた人(現在70歳代半ば)と今の30代40代の人の体型が
明らかに違うように日本人の内臓の機能にも変化は起きているのです。
お肉の食べ過ぎはNG!
日本人の身体が肉食に適応してきたとはいえ、
筆者は食べ方やそのバランスに問題があると感じています。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2015」では
1日あたりのタンパク質の平均必要量は成人男性で50g、成人女性で40g。
推奨量は成人男性60g、成人女性50gとされています。
しかし2018年12月にはサルコペニア肥満を予防するためには
1日1g/kg体重のタンパク質が必要だと日本老年医学会の荒木氏が提唱しています。
サルコペニア肥満とは単に脂肪が増えるだけの肥満とは違い、
体重に変化がなくても体脂肪率が増え筋肉が減少する肥満をいいます。
筋肉を維持しようとすると当然、筋肉のもととなるタンパク質が必要となるので、
「成人」という大枠ではなく体重に合わせたタンパク質の摂取が望ましいということです。
この推奨数値から考えると、
例えば体重が50kgの女性なら1日に50gのタンパク質が必要だと言うことになるのです。
そして肉類だけで50gのタンパク質を摂取しようとすると、
肉類では約20%をタンパク質が占めているので250gの摂取が必要となります。
しかし動物性のタンパク質は例え赤身でもステーキでよく食べられるリブロースでは40%、
サーロインで25.5%も脂質が含まれています。
ましてや焼肉でよく食べられる「カルビ」と呼ばれるバラ肉では
牛カルビでは50%も脂質が含まれているのです。
これはいずれも和牛肉の場合です。
これが輸入牛肉になるとリブロースで9.1%、サーロインでは4.4%、
バラ肉で32.9%とグッと脂質が少なくなります。
お肉に含まれるタンパク質の消化と吸収
タンパク質は胃液に含まれる塩酸(胃酸とも呼ばれます。)やタンパク質分解酵素プロテアーゼ、
ペプシンなどの働きによってペプチドという少数のアミノ酸の集合体にまで分解されます。
その後、膵液中のトリプシン、キモトリプシンなどや腸液中のアミノペプチターゼやジペプチターゼの働きによって
吸収されやすいポリペプチドや遊離アミノ酸などに分解され吸収されます。
こうして文字にしてしまうと様々な消化酵素によってさっさと消化されてしまうように感じますが、
実はタンパク質の胃での滞留時間は3時間から5時間もかかるのです。
これだけ長時間にわたって消化活動が続くということは、
それだけ消化に体力が消費されていると言うことなのにお肉は本当にスタミナ食だと言えるでしょうか?
ちなみに果物の胃の滞留時間は約40分、
野菜は1~2時間、炭水化物は2~4時間、脂質においては7~8時間もかかります。
こうして見てみると脂質を多く含む肉類はいかにスタミナを消耗するかが分かりますよね。
ステーキや焼肉を食す頻度が高くなるほどスタミナは消耗され続け、
夏の終わりに消化器官の疲労がたまりそれが夏バテにつながってしまいます。
お肉に含まれるタンパク質の過剰摂取リスク
タンパク質は水素、炭素、酸素、窒素で構成されているのですがタンパク質が消化され、
その後の代謝の段階でアンモニアが副産物として発生します。
基本的にタンパク質に含まれる窒素はアンモニアに分解され
最終的に尿素に代謝されて肝臓や腎臓によって除去・排泄されます。
しかしこの代謝能力には個人差があります。
過剰となったアンモニアを分解するのにBH4(テトラヒドロビオプテリン)という酵素が必要となるのですが、
この酵素はセロトニン、ノルエピネフリン、ドーパミンなどの神経伝達物質を作る時にも利用されます。
高タンパク質食(高アンモニア)によるBH4不足は、
うつ状態や不安を引き起こす可能性が指摘されています。
(1)
他にも高タンパク質食は血管収縮や血圧に影響することも報告されていたり
(2)、腸内細菌によってTMAOという有害物質を発生させ、これが心疾患や大腸ガンなどの原因となる場合もあったり
(3)タンパク質消化のために必要な二次胆汁酸方やヘム鉄過多による発がん性の可能性も多く報告されているのです。
(1)J Cereb Blood Flow Metab. 1984 Dec;4(4):516-22
(2)J Nutr, 137, Issue 12, 1 Dec 2007,2814
(3)Nature Medicine volume 19, pages 576–585 (2013)
日本で赤身肉の過剰摂取があまり報道されないわけ
IN YOU読者の方なら周知のことと思いますが、
2015年10月にWHO(世界保健機関)の下部組織IARC(国際ガン研究組織)によって
加工肉(ハム、ウインナー、ベーコンなど)の摂取量が1日あたり50g増加すると
大腸ガンのリスクが18%上昇し、赤身肉(牛、豚、羊)では100g増加すると17%上昇すると発表されています。
それ以前の2007年にWCRF(世界ガン研究基金)とAICR(アメリカガン研究協会)によって
赤身肉、加工肉の摂取は大腸ガンのリスクを上げることが「確実」だと判定されていて、
赤身肉の摂取は調理後の重量で一週間に500g以内、
加工肉は可能な限り控えるようにと勧告されているのです。
では、なぜ日本では大きく報道されることがないのでしょう。
裏事情はさまざまあるようですが、
表向きは国民健康・栄養調査から日本人の1日あたりの赤身肉や-加工品の平均摂取量は
成人男性で赤身肉(牛・豚)41.3g、加工肉は13.7g。
成人女性では赤身肉28.7g、加工肉11.0gと少ないため
大腸ガンのリスクとの関連度は低いとされているからです。
しかしこの平均値、75歳を超える後期高齢者も含まれていることを考えるとどうでしょうか?
28.7gの牛肉というとすき焼き用の大きめのスライスなら1枚程度です。
ウインナーなら1本で約50gあります。
ステーキを食べに行くと女性でも150gくらいは食べますよね?
その頻度が問題となりますが、頻繁に肉類を食べる機会が増える夏場は特に注意が必要と言えるでしょう。
バランスよくタンパク質を摂取しよう
確かに過剰摂取は絶対に勧められませんが、タンパク質は生きていくために不可欠な酵素の原料ともなる他、
筋肉や内臓、皮膚などもタンパク質で出来ているため必要量の摂取は欠かせません。
大腸ガンリスクの調査対象となった赤身肉は一般的に安価で求められる肉類であり、
グラスフェッドの肉類を選ぶことでそのリスクは低減することも出来ます。
野菜や果物をオーガニックにしても肉類は発色剤などの
添加物が大量に使われているものを食べていては、片手落ちになってしまいます。
また必要なタンパク質を摂取するバランスとして動物性1に対して植物性1のバランスがいいとされているので、
タンパク質=肉ではなく、大豆や凍り豆腐などの大豆製品でもタンパク質を摂取することは出来ます。
ただし輸入大豆を原料としているものは、成長過程で農薬が使われているだけでなく
収穫前の乾燥を目的としてグリフォサートが使用されていることも多いので、
そこはオーガニックに拘って頂きたいと思います。
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