毎日の入浴で効果的に生活習慣病対策を｜重炭酸+ハーブ入浴剤で行う健康のための入浴テクニック

冬が近づくと、温かいお風呂がごちそうになりますね。

でも、こんなことはありませんか。
「血圧が高いのに、熱いお湯が好き」
「お風呂に入った後、くらくらする」

これはなかなか危ない問題だといえます。
今回は、入浴剤と生活習慣病についてお話しましょう。

入浴で生活習慣病の予防を始めましょう。

入浴や入浴剤には健康上のメリットがいっぱい

入浴中の困った問題「血圧の急な上昇と下降」。

こんな体験に覚えはありませんか？

私がお風呂でちょくちょくやってしまう失敗に次のようなことがあります。

・温冷覚が鈍いので、お風呂に入っていても温まった感じがせず、追い炊きを繰り返して結果的に高温浴になってしまう

・入浴後、体がすぐに冷えてしまって相対的に入る前より寒くなってしまう

・起立性低血圧で失神してしまう

実は、これらはお年を召した方にもよく起こる現象です。

高齢者は温度を感じる力が鈍くなるため、40℃以上の熱いお湯を好む傾向があります。そして長風呂になってしまいがちです。

しかし、居室や脱衣所との浴室の温度変化により入浴中は血圧が上昇します。
そして、水圧で体が押されると、血圧はさらに上がるのです。

そして、お風呂から急に上がると水圧で上がっていた血圧がまた下がって、
その差で起立性低血圧が起こります。

血圧が上がった段階で「脳梗塞」や「心筋梗塞」などの血管性疾患が生じることもあります。
いわゆるヒートショックです。

いずれも困った問題ではありますが、入浴剤の作用が血圧にも関係することを知っておけば安心してバスタイムを楽しめます。

‟心臓の湯„に自宅で入浴できる？重炭酸入り入浴剤で血圧を下げる

温泉療法は生活習慣病の改善によく用いられます。

炭酸泉にはこんな研究結果が出ています。

血管拡張作用による高血圧者の降圧効果は古くから炭酸泉が心臓の湯と言われるゆえんである。この降圧作用は健常者では全身浴で通常 20∼30mmHg の低下で炭酸濃度差はなく、必要以上に低下することはないが、自律神経障害のある場合は低下の度合いが大きく注意が必要である。
また、炭酸泉は温覚神経を鈍感にし、水道水より 2℃程度温かく感じることが知られており、38℃程度の湯でも 40℃程度に感じ、ぬる湯に長く入ることができるのも特徴の一つである。なお、皮膚から浸透した炭酸ガスはほとんど肺から排出され、動脈血分圧を大きく変えるものではなく全身的な問題は生じず、比較的安全に用いることができる。

「シンポジウム 1 1-4．炭酸泉の医学的効果」

本格的な人工炭酸泉ともなると、装置や源泉が必要ですが、入浴剤の「ミネリーバスタイム」に含まれる重炭酸だけでも、
十分に体感温度を上げることが出来ます。

高齢の方は、41度以上のお湯に長く浸かりたがる方が多いようです。それは加齢による温覚の鈍麻の他、
筋肉量が減って体温をあげる能力が落ちていることも原因だと考えられています。

若い方でも、ダイエットなどして脂肪や筋肉が急に落ちた方は冷えを感じやすいので、
40℃以下のお湯で15分（高齢者は10分）ぐらい体を温めると良いでしょう。

私も中性脂肪（トリグリセニド）の値が異常なレベルに下がったことがありますが、手足は冷えるし、
寒くてたまらなかったことを思い出します。その結果、お風呂に入っても全く温まらないという状態が起こります。
筋肉と脂肪は体の熱の発生に関わっていますので、やせてしまった方は深部温度を上げるために入浴剤を使いましょう。

極端なダイエットをしている方も、実は心臓疾患のリスクが高まります。ＢＭI18.5以下は「るいそう（脂肪が病的に減少した状態のこと）」と言われますが、逆に血圧の降下などの心臓に負荷となる現象が起きることが分かっています。「体温」と「血圧」双方の面から、きちんと入浴のケアをすることが必要です。

入浴と入浴剤で動脈硬化を回避？
動脈硬化を予防して心臓への負担を減らす

入浴で体を温めると、動脈硬化のリスクが下がる、ということも立されています。

60℃の遠赤外線乾式サウナに 15 分間入浴し、出浴後 30 分間毛布に包まり保温する温熱治療（和温療法）を 2 週間行うことにより、動脈硬化危険因子（高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満、喫煙）を有する成人男性の内皮依存性血管拡張反応を増大させることを明らかにし、温熱療法が生活習慣病患者の血管内皮機能を改善する効果を報告した 1）

「温熱刺激の抗動脈硬化作用と その機序」
上の論文の前提となる実験ではサウナを用いていますが、入浴剤を使った入浴でも、血管拡張の効果があります。
勿論、入浴剤の「ミネリーバスタイム」単体で動脈硬化のリスクをすべて取り除くことは難しいので、生活習慣の改善が必要です。

血圧と精油の関係性。
ハーブの助けを借りて生活習慣を改善しよう

精油（エッセンシャルオイル）の香りによる作用はそれほど強くないと思っている方が多いようです。
ただ、血圧が高い方や動脈硬化ハイリスク群の方はローズマリー精油の大量使用を避けるように求められます。

アロマテラピーで使される精油には血圧に影響があるものがあり、ゼラニウムもそのひとつです。

ゼラニウム
ゼラニウムは南アフリカを中心に熱帯アフリカ，シリア，オーストラリアなどに数百種が分布する．バラ様の香りを有する，ゼラニウム精油（Pelargoneumgraveolens）の主成分は，シトロネロール 38.0％，ゲラニオール 18.8％，リナロール6.5％，シトロネリルフォルメート6.1％である．
これらはモノテルペンアルコール類であり，シトロネロールは鎮静作用，筋肉弛緩作用，血圧降下作用，ゲラニオールは免疫調整作用，強壮刺激作用に加えて鎮静作用，抗不安症作用を有する20）
．さらにリナロールはマウスにOdorの作用に対する生理心理学的アプローチ 475図 4-1香り条件後の HF平均値（10分間安静時） ※文献 16）より改変吸入させたところ，運動量が減少したという報告もあり21），鎮静作用があるとされている20
．）

Odorの多面的作用に対する 生理心理学的視点からのアプローチ

血圧をゆるやかに下げて、不安を取り除き、鎮静する…。
この論文を見ると、ゼラニウムが血液を下げるうえで有効な精油であることが分かりますね。

この働きは、入浴時だけではなく、睡眠にもプラスとなります。体の力が抜けた方が入眠は楽ですからね。
睡眠不足は糖代謝の問題のほかに血圧上昇、免疫機能の低下などをもたらします。

高齢の方が「眠れなかった」とおっしゃった場合はいつもよりも注意して血圧を測る必要があるのです。そんな時はどうしても血圧が少し高めになっていることが多く、そのままお手洗いに行くといきんだ拍子に血管が切れてしまということがあります。ゼラニウムを含む「ミネリーバスタイム」でゆっくりお風呂に入って、しっかり睡眠をとることで血管や心臓、ひいては体の負担を軽くできますよ。

何故、入浴剤を活用した入浴が血圧のケアが必要なのか。
日本の高血圧の実態とは？

入浴剤を私がおすすめし、その中で動脈硬化や血圧のについててお話する理由は、
私自身が親族と大事な友人を血管性疾患と随伴する肺炎によって複数人亡くしているからです。

しかも高血圧の患者さんは、日本全体で4300万人とかなりの割合を占めます。

そのうち、糖分や塩分の摂取が原因となりやすい本態性高血圧の方は90パーセントに及びます。
自覚症状はあまりなく、痛みやかゆみなどもありませんが、血管を圧迫して負担をかけてしまいます。

入浴は工夫次第で睡眠や運動習慣等の改善の助けになります。ただ、無理はしないでくださいね。

介助が必要な方の衛生管理には
ハーブを使用した入浴剤が有効

福祉や看護の関係者が入浴介助中によく見る場所、それは爪です。
白癬といって、真菌感染が起きていることがあり、そのままでいると他の方やる職員にうつってしまいます。
患部が足の場合は、手でぼりぼりかいた結果、今度は爪にうつってしまうことを繰り返している方に出合ったこともあります。
糖尿病の方は抵抗力が低いので細菌感染を起こしやすく、水虫になってしまう場合があります。しかも、中々治らないのです。

「ミネリーバスタイム」に入っているハーブ、パチュリには抗真菌作用があるという研究があります。
ただし、重度の糖尿病の方が体力消費の激しい入浴をすると低血糖を起こす恐れがあるので、
医師に許可を得たうえで足湯や手浴と洗浄をすることで改善するかしれません。

糖尿病の予防に入浴が有効な理由。
その具体的な方法とは？

生活習慣病のひとつである糖尿病の予備軍の方に温泉療法を行う場合、湯温が42度以上の温泉を使うことがあります。これはカロリー消費を多くして、血糖値を下げるためです。
ただ、これは医師の指導を仰いだ上で運動と組み合わせて行う必要があります。

心臓や血管への影響を考えると、高温浴、それも肩までつかる全身浴はおすすめできません。
高温浴、全身浴では血圧の変動が激しくなるため、心筋梗塞などのリスクが上昇してしまうためです。

消費者庁ではヒートショック（急激な温度変化によって、血圧が急激に上がり下がりしたり、脈拍が変動したりすること）対策のために、「高齢の方は41度以下で10分」という入浴時間の目安を設けています。
「ミネリーバスタイム」を使用すると、体感温度も深部温度も上がるので、入浴時間が短く済みますよ。

入浴と便秘の隠れた関係性。
お風呂に入るとトイレでのリスクも少なくできる？

別にトイレの時間が短くなるから、便秘解消をしろといっているわけではありません。便秘の方は「いきむ」という行為をします。そうすると、もし血圧がもともと高い場合、そもそも負荷がかかっていた血管にさらに負担がかかります。血管が切れてしまう可能性があるのです。

なお詳しい因果関係は明かされていませんが、便秘自体が冠動脈疾患のリスク要因に上がっています。

入浴で肛門括約筋を緩めては排便をスムーズにし、入浴剤の精油の作用（ストレス性の腸の不調の記事でお話ししました）でお腹をいたわることも大切ですよ。

入浴でストレスを解消することが、生活習慣病のリスク低下に役立つ！
禁煙、食事制限中の人にもお風呂が大切

私の主治医が教えてくれたリラクゼーション方法に「臨床動作法」というものがあります。
これは麻痺患者のリハビリですが、発達障害など脳の血流に問題があると考えられている人の状態改善にも使われます。

ストレスが溜まり、交感神経が優位に立った状態では、血管が収縮し、脳の血流量は減少します。ストレスが血圧上昇を亢進してしまうことはよく知られていますね。

特に入浴剤を使ってリラックスすることを勧めたいのは次のような方です。

・喫煙がやめられない、食べ物をひっきりなしに食べてしまう方
喫煙と過食はいずれも、動脈硬化症のリスクが高まる行動です。
このふたつが習慣化してしまっている人は「おしゃぶりが手放せない子供」と同様の状態下にあるかもしれません。人間の口は最初の快楽を感じる器官でもありますので、落ち着かないと、何か咥えてしまう人がいるのです。

・髪をいじる癖がある、抜いてしまう、爪を噛む癖がある方

知らないうちに髪をプチプチ抜いてしまう人がいますが、こういったひとは痛みで気分をすっきりさせようとしているか、葛藤を自分にぶつけてしまっている状態だとみなされます。
爪を噛む癖も、ストレスが溜まった方の行動です。

煙草も食べすぎも、爪噛みも自分が気が付かないうちにやってしまっていることが多い行為です。この行動に気が付いたなら、お風呂の中で瞑想などを行い、何が問題なのかを冷静に振り返ってみるとよいでしょう。

・睡眠中に夢をよく見る、睡眠がこまぎれになりがちな方

こういう方も低温浴でゆっくり体の力を抜きましょう。昼間あった出来事への不安で夢が途切れないという可能性もあります。

ストレスが溜まると生活習慣が悪化しがちになり、肥満の進行や血圧の上昇を抑えられにくくなります。
また、食事療法時は我慢することが多く、ストレスを溜めてしまう方も多いので、高血圧や高血糖の方もリラックス効果が高い「ミネリーバスタイム」を使った入浴で気持ちをリセットすることがおすすめです。

生活習慣病のリスクを入浴で効率よく軽減するための
テクニックをご紹介

テクニック１：
入浴剤と有効な生活用品を組み合わせて暮らしに導入

入浴剤には温浴効果を高める働きがありますが、浴室内の安全を確保するために一緒に備えたいものが幾つかあります。

・トイレと脱衣所に置く小型の暖房機

せっかく温浴効果がい入浴剤を使っても、気温差で血圧が上下してしまってはいけません。
居室と廊下、浴室のドアをしばらく開けて暖気を浴室に流すだけでも入浴前後の冷えは緩和できますよ。

・タイマー

入浴前に10～15分にセットしておきましょう。タイマーのアラームが鳴ったらお風呂から出るという風にすると、
体に負担がかかりにくくなります。

・血圧計

基本中の基本アイテムです。入浴剤にいくら温浴効果やリラックス効果があるといっても、体調がよくないときの入浴はよいことではありません。
血圧が高い場合は、全身浴はやめて足湯にするなど、水圧の負荷による血圧上昇と入浴直後の血圧降下のリスクを回避しましょう。
クレンズ効果が高い入浴剤は、なかなかお風呂に入れない方の清拭など皮膚のケアに役立ちますよ。

テクニック２：シャワーを使って浴槽にお湯張り

入浴剤を使う際におすすめなのが、お湯の半量をシャワーで入れるということです。まず湯舟に半分、お湯を張ったうえで入浴剤を入れ、その表面にシャワーを当てるようにします。そうすることで、精油を含んだ蒸気が浴室内に充満して室温が上がります。

また、入浴前や血圧が高くてお風呂に入れない方の清拭前に、入浴剤を入れた盥（たらい）にやや熱めのお湯を入れて蒸気を充満させると室温や浴室内の湿度が保てます。
冷めたお湯は足湯や、洗面所（金属部分は避けましょう）の掃除にも使えますよ。もちろん、お風呂に戻しても大丈夫です。

さらにおすすめは、脱衣所や廊下、トイレなどに入浴剤入りのお湯を張った器を置いておくことです。加温や加湿が出来ますし、精油の香りで空間についた匂いが和らぎます。


入浴は多くの人が気軽に行える。健康的な生活習慣です。
またハーブ入りの入浴剤も、ハーブを直接摂取したり、皮膚に塗ったりするよりも健康のリスクが少なく、香りを安心して楽しめることでしょう。

ただ、重度の疾患をお持ちの方や血圧に不安がある方などは医師の指導を受けてから入浴剤を使用してください。
今の自分の体で何分ぐらい入浴しても大丈夫なのかということを知ることも、入浴剤のパフォーマンスをあげるコツです。

テクニック３：血圧や血糖のケアは、
入浴剤以外のものも組み合わせて実施

入浴剤を使って血管に生じるリスクを軽くするコツは
「ほかのものを組み合わせてストレスや塩分など、体に負担がかかるものを減らす」ということです。

「低血圧」の方には水分摂取が推奨されますので、良質な水を探すのも良いでしょう。
ストレスが溜まってしまっている方は、日光浴と栄養摂取、特にビタミンB群とカルシウム、亜鉛等を積極的に摂取することをおすすめします。

サプリメントや食事で摂取した栄養分を効率よく代謝するためにも入浴は重要な働きをします。栄養素は血流にのって運ばれますから、血管の働きは大切なのです。

身体によいもの同士正しい知識の元組み合わせれば、相互作用でよい循環が生まれますよ。

生活習慣病予防のための入浴。
血管もケアしながらお風呂を楽しもう

私にとっての「高血圧」とは、何人もの知人や親族の命を奪った恐怖の病です。

生活習慣病には自覚症状があまりありません。
そのため入浴を含めた普段から暮らしの中で出来るケアを、病気になる前から行うことが大切です。

このように書いてきた私自身も実は、医者と薬剤師が「昇圧剤は普通あまり出さないんだよね…」とあきれるぐらい低血圧なのに、長風呂をしたがるという悪癖がありましたが、「ミネリーバスタイム」を使うと効率的に体がしっかりと温まるので、短時間の入浴でも満足できています。

長風呂の人の心臓への負担軽減のためにもしっかり温まる入浴剤は冬の必須アイテムですね。

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参考
植物精油,とくにレモングラス精油および構成テルペノイドcitralの抗Candida albicans作用
「冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!」
「高齢者の脳血流量を増加させる革新的な手指運動学習法の開発」
「神経性食思不振症の治療中にうっ血性心不全を併発した 1 症例」
「糖尿病患者のセルフケアに関するアセスメントツールの文献検討」