油を一切とらない生活はむしろ不健康です|体にいい良質な脂質を摂取する方法とは
ここ数年、健康や美容の視点から新しい脂質の摂り方が注目されています。
ですが日本では、「カロリーが高い」という理由から、
“ヘルシー=オイルカット”だと思われている方が多いように思います。
今回は、最先端の脂質の情報とアンチエイジングを助けてくれる脂質の簡単な摂り方をお伝えしていきます。
健康的にダイエットをしたい方に伝えたい、
良質な脂質のこと
アンチエイジングについてお伝えする前に、まずはダイエットと脂質についての話から始めましょう。
ダイエットをしている方から、「油は太る原因」として避けられがちな脂質ですが、三大栄養素のひとつとして、私たちの身体に必要な栄養素です。
つまり、闇雲に脂質の摂取を避けるだけでは、身体や健康へのデメリットとなるリスクがあるのです。
細胞を守る細胞膜のほとんどは脂質からできている
脂質が私たちの身体に必要といわれる大きな理由のひとつは、脂質が細胞膜をつくる材料になるからです。
ですが、「細胞膜」という言葉を聞いて“ピンッ”とくる方は、理系出身の方か医療か美容関係のお仕事をされている方ぐらいでしょう。
そこでまず、細胞膜の主な働きを簡単にお伝えすると、
・細胞の中に入れても良い物質なのかをチェックする
・細胞に送られてきたメッセージを受け取る
・細胞を活性化させる物質を保管する
・有害な物質をブロックする
などとなります。
国連の報告によると、今、世界人口は70億人を超えているそうです(※1)。
意見は分かれますが、私たちの身体をつくる細胞は世界人口を簡単に超える37~60兆個もあります。
そんな果てしない数の細胞を守ってくれる細胞膜を構成する物質は、
・リン脂質 70~80%
・たんぱく質 20%
・コレステロール 5%
・ビタミンE 5%
となっています。
これらの物質の内、
リン脂質とコレステロール、ビタミンEは脂質に由来するものです。
しかも、リン脂質もコレステロールもビタミンEも美肌に関係する物質です。
つまり、ダイエットのための極端なオイルカットは健康や美容に大切な、つまりアンチエイジングに役立つことが期待できる脂質までカットしてしまうことがあるので注意が必要です。
必須脂肪酸は食事を通じてしか補うことができない
良質な細胞膜を作るには、質の良い脂質を摂ることが大切です。
質の良い脂質としては、
・n-3系(オメガ3)脂肪酸のα-リノレン酸
・n-6系(オメガ6)脂肪酸のリノール酸
の二つがあります。
どちらも必須脂肪酸とよばれ、身体の中で作る(合成する)ことができないために食事から補う必要があります。何やら、アルファベットに数字、聞きなれないカタカナの単語ばかり並んでいますが、「食事でしか補えない脂質がある」と、ざっくり知っておいてください。
次に「n-3系脂肪酸(α-リノレン酸)」と「n-6系脂肪酸(リノール酸)」の働きを簡単にお伝えします。
〈細胞や臓器を“拡張”させる 「n-3系脂肪酸」〉
n-3系脂肪酸は細胞や臓器を拡張させたり、抗炎症・抗アレルギーの働きがあります。
n-3系脂肪酸は身体の中で代謝され、
中性脂肪を減らすEPAや脳・神経組織の発育に大切なDHAに変化します。
〈細胞や臓器を“収縮”させる「n-6系脂肪酸」〉
一方、n-6系脂肪酸はn-3系脂肪酸と真逆の働きをします。n-6系脂肪酸は細胞や臓器を収縮させ、
摂り過ぎると炎症やアレルギー、癌の原因になるといわれています。
リノール酸は身体の中で代謝され、
血液中のコレステロールを下げるといわれるγ-リノレン酸や免疫を調節するアラキドン酸に変化します。
あなたの中での脂質のイメージが、「カロリーが高いだけで、ダイエットの敵」というマイナスのイメージから
「良質な脂質は、身体に必要なもの」とポジティブなイメージに変わったでしょうか?
食事で避けたい、
アンチエイジングに逆効果な3つの脂質
さてここからが本題です。
ここまでは良質な脂質についてのお話してきましたが、
逆に、「健康や美容のために避けた方がいい脂質」はあるのでしょうか?
次は、アンチエイジングでキレイになりたい女性なら避けたい3つの油についてお伝えしていきます。
n-6系脂肪酸の摂り過ぎは健康や美容に逆効果
先ほど、食事から補う必要がある必須脂肪酸のひとつとしてn-6系脂肪酸をご紹介しました。
実は現代人は、必須脂肪酸であるn-6系脂肪酸を摂り過ぎているという現状があります。
n-3系脂肪酸とn-6系脂肪酸の理想のバランスは、
n-3系脂肪酸とn-6系脂肪酸=1:1~4
といわれていますが、現実には、
n-3系脂肪酸とn-6系脂肪酸=1:10~50
とかなり偏ってしまっています(※2)。
こんなにも偏った状態を何十年も続けていれば、
いずれは病気になってしまう可能性が高いでしょう。
よく「必須脂肪酸が大切」といわれますが、現代人の食生活に当てはめるなら
n-3系脂肪酸の摂取を増やして、
n-6系脂肪酸の摂取を減らす
というのが正しい表現です。
n-6系脂肪酸を多く含む食品には、
・ひまわり油や大豆油、ゴマ油
・ローズヒップオイル
・レバーなどの肉類や卵黄
・アワビやサザエ
などがあります。
現代人が不足しやすいn-3系脂肪酸を含む食品は、最後にまとめてご紹介しますので、しばらくお待ちください。
癌などの原因になるトランス脂肪酸
n-6系脂肪酸の他に避けたい油のひとつが、
人工的につくられた油の「トランス脂肪酸」です。
トランス脂肪酸を避けたい理由は、
トランス脂肪酸が細胞膜の材料として使われてしまうと細胞膜を固くしてしまうからです。
細胞膜が固くなってしまうと、
・細胞へ必要な栄養素や情報が入りにくい
・有害物質や老廃物が細胞の外に出にくい
という困った現象が起き、
細胞の老化がどんどん進行してしまいます。
メイクを頑張ってキレイに見せることも素敵ですが、
土台となる細胞(細胞膜)を“ぷるぷる”の元気な状態にしてあげれば、あなたの魅力はさらに輝きます。
トランス脂肪酸を含む食品には、
・パンやクッキー、スナック菓子
・カップラーメンや冷凍食品
・調味料
などがあります。
もし、食品のパッケージに
・マーガリンやショートニング
・加工油脂、植物油脂
・ファットスプレッド
などの表記がある場合は、トランス脂肪酸が含まれている可能性が高いので避けることをおすすめします。
万病の元「活性酸素」を発生させる、酸化した油
もう一つの避けたい油は、酸化した油です。
どんなに良質な油でも、酸化していると身体の中で活性酸素を発生させるので避けたいところです。
例をあげるなら、スーパーのお惣菜コーナーに並ぶ揚げ物には要注意です。
一見とても美味しそうですが、安価な油で揚げられることが多く、食べるまでの時間が長いので油の酸化が進んでいます。
身体の中からキレイになりたい女性は、細胞をサビさせる酸化した油から距離を置くことをおすすめします。
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良質な脂質を含む食品と摂取のプチテクニック
良質な脂質は、少しの意識と工夫で手軽に補えます。
今回は、忙しい毎日の生活の中でも簡単に実践できるプチテクニックをお伝えします。
n-3系脂肪酸が多く含まれる食べ物を食べよう
現代人が不足しやすいn-3系脂肪酸のうち、EPAやDHAは、いわゆる青魚(イワシやサンマ、サバなど)に多く含まれます。
読者の方にはヴィーガンやプラントベースの方も多くいらっしゃると思うので、
今回は植物由来の食品をピックアップしてお伝えしていきます。
〈EPAやDHAの材料になる「n-3系脂肪酸」を多く含む食品〉
中性脂肪を減らすEPAや脳・神経組織の発育に大切なDHAですが、同じn-3系脂肪酸のα-リノレン酸から作られます。α-リノレン酸は、亜麻仁油やしそ油、えごま油、サチャインチ、くるみなどに含まれています。
ですのでご家庭にある油を今あげたものに変えるだけでも、n-3系脂肪酸を効率よく摂取できますよ。
ヴィーガンの方におすすめのDHAの摂り方
ヴィーガンやプラントベースの方に、特にお伝えしたいことがあります。
実のところ、植物由来の脂質からα-リノレン酸を摂取しても、DHAの変換率が低いことが分かってきています。
ヴィーガンやプラントベースの方は、亜麻仁油やえごま油だけでなく、生野菜やフルーツをより意識して食べましょう。くるみやナッツ類もn-3系脂肪酸を豊富に含んでいるので、おやつ代わりに食べるのもおすすめです。
忙しくて生野菜やフルーツを食べられない時は、
オーガニックな原料でつくられたサプリメントも上手に活用しましょう。
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内側から“サビない”身体を作ろう!
良質な脂質は、私たちの身体を“サビ”から守ってくれる強い味方です。
もう一度今回の記事について、おさらいをします。
■脂質は、私たちの細胞を守る細胞膜をつくる
■摂り過ぎの傾向にあるn-6系脂肪酸や細胞を老化させるトランス脂肪酸、酸化された油は控えよう
■ヴィーガンの方だけでなく現代人は、n-3系脂肪酸が不足しやすいので、意識して食事から補おう
人である限り、老化は自然な現象です。
ですが、5年後、10年後も魅力のある女性でいたい方は、ぜひ良質な脂質でアンチエイジングにチャレンジしてみませんか?
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<出典>
※1:国連連合広報センター・※2:veggy (ベジィ) vol.65 2019年8月号「最強ヘルシーな脂質」オイルも脂肪も賢くチャージ!
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