「1日30品目を食べよう」は16年も前に削除されていた!誤った栄養素信仰の落とし穴と、30品目食べても健康になれないワケ
2000年には消えていた「1日30品目」
バランスの取れた食生活のはずが、アレルギー、習慣病で苦しんでいる人が減らないのはなぜ?
1日30品目とは、1985年に厚生労働省が作った
「健康づくりのための食生活指針」で提唱された栄養目標です。
「30」という数字がわかりやすくて広まりました。一方で、数に神経質になる、食べすぎる例も増えたので、
2000年には「主食、主菜、副菜を基本に食事のバランスをよく」と表現が変わりました。
1985年に発表された「1日30品目」は2000年には消えていたのです。
しかし、このことをご存知の方はどのくらいいらっしゃるのでしょうか。
「栄養が不足しないように、サラダを買ったりや野菜ジュースを飲んでいる」
という周囲の友人は「1日30品目」を目指しているように思えるのです。
少しのご飯に肉や牛乳、魚、野菜、海藻、油脂類などをなんでも食べることが
「バランスのとれた食生活」と考えている人は多いと思います。
しかし「バランスのとれた食生活」でどれだけの人が健康を手に入れていますか?
アトピーやアレルギーに悩む子どもたち、不妊に悩むカップル、
周囲を見渡しても病気ではないけど健康でもない「未病」の人たちであふれているのではないでしょうか。
日本人という民族はどのような食事を目指すべきなのでしょうか。1日30品目は栄養バランスが目的ではない
2000年にはすでに記述が消えていた「1日30品目」ですが、「30」という数字に特に深い意味はないそうです。
1日30品目とれば栄養をバランスよく補給できるという意味で提唱したのではありません。
実はがんのリスクを下げることが目的だったのです。
そもそも、厚生省が「1日30品目を」と提唱しはじめたのは、
栄養のバランスを取ることを目指したものではなかった。
偏った食生活をしていると、いつも食べている食品に発ガン物質のような体に悪い成分が含まれていた場合、
それがどんどん蓄積されてしまう。逆に、食品の種類が多ければ、それだけリスクを分散できる。
だから、なるべく数多くの食品を食べるべきだ、と考えたわけである。
引用「医学常識はウソだらけ」三石巌著
いろんな食品を食べれば、発がん性物質が含まれた食品を食べたとしても薄まると考えた、ということですね。
しかしこの食生活指針によって日本全体は健康になったでしょうか。
肉や卵、牛乳に対する栄養素信仰が、がんを生んでいるように私には思えるのです。
肉はスタミナモリモリにならない
血液を汚す肉の弊害
「焼き肉を食べてスタミナをつけよう!」と日常的に言われるようになりました。
栄養素をとらなければという風潮の中でも
「肉は良質なタンパク質」だから積極的にとるべきと考えている人が多いです。
確かに肉はうまみが強く、強烈な満足感を味覚に与えます。
エネルギーも高く、素早くからだに吸収されてパワーを充電してくれるのですが、
同時にからだにとって害となる老廃物を残し、血液を汚してしまいます。
そもそもスタミナをつけたいと思うときは、なんとなく疲れを感じたり、やる気がわかない時です
そんな時にからだはどんな状態になっているかというと、代謝酵素が不足しているのです。
代謝酵素は新陳代謝などに関与している酵素です。元気が出ないのは、
代謝酵素不足によって体内に毒素がたまっていたり、エネルギーの生産が滞っていたりするから。
そんなときに消化されにくい肉を食べたらどうなるでしょうか。
ただでさえ少ない酵素の備蓄はどんどん消化酵素にとられ、代謝酵素は後回しにされてしまいます。
代謝酵素不足は一向に改善されません。
スタミナをつけたいと思って食べた肉が、あなたに活力をもたらすどころか、
逆に元気を奪うことになってしまうのです。
焼き肉や飲み会の翌日からだは疲れている
元気になるはずの肉は体にとって負担に・・・
普段ほとんどお肉を食べない私ですが、
年に一度だけベジタリアンを返上して職場スタッフとのバーベキューに参加します。
ふだん食べないお肉をたくさん食べるとからだはどうなるのか、という好奇心です。
- 鼻水が出る
- 咳が出る
- 吹き出物が出る
- 夜中に吐き気をもよおす
- 娘(3歳)に「くちが臭い」と言われる
あなたの体の中の酵素たちが、あらゆる手を使って体に毒素を残さないように一生懸命働いてくれています。
肉を食べて体は元気になるどころか、疲れているのです。
タンパク質信仰
人間の体はタンパク質が中心になってできている。だからタンパク質をどんどんとらなければいけないという考え方が
必ずしも正しくないということがわかってきました。
実際に食品成分表によって牛の肩ロース100gの成分を見てみます。
- タンパク質 18.1g
- 水分 60.3g
- 脂質 20.4g
- カルシウム 53mg
他の食物に比べて比較的多くタンパク質を含んでいるに過ぎません。
動物性タンパク質は食事全体の1割にとどめる
動物性の脂肪は体内でかたまりやすいので、それだけ消化酵素を必要とします。
3倍以上の葉菜や大根、じゃがいもと一緒に食べるのが基本です。
種類別に言うと牛肉にはじゃがいも、ブロッコリー、ピーマン、鶏肉にはしいたけやねぎ、
こしょう・にんにくなどのスパイス類を、豚肉にはしょうがを合わせます。
一番体温が高い鶏(40数℃)にもっとも陰性な付け合わせが必要になります。
ちなみに体温が人間に近いのは豚(38℃台)です。
消化酵素となる食べ物を組み合わせる。毒消しの作用もあるスパイス&ハーブを添える。
そしてよく噛んで食べましょう。
牛乳が完全栄養食品という間違った認識
あらゆる現代病やアレルギー疾患などの原因にもなっている。
「牛乳は完全栄養食品」「牛乳は体にいい」と考えている人がとても多いです。
しかし私自身、大好きだった牛乳をやめたら27年間患った副鼻腔炎が完治したのです。
日本人の85%は「乳糖不耐症」!27年間治らなかった副鼻腔炎が、牛乳を辞めたことによって一瞬で完治した話。
母乳を飲む赤ちゃんのうちは牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素を持っているのですが、
3歳頃にはなくなってしまうといいます。
日本人の85%は乳糖を分解する酵素がなく、
飲むとお腹がゴロゴロしたりお腹を壊す人が多いのもこのためです。
日本人は牛乳からカルシウムを摂取できない
「カルシウムをとるために牛乳を飲んでいる」「骨粗鬆症予防のために牛乳を飲んでいる」
という人がいたら、すぐにやめてください。
牛乳のカルシウムは乳糖の中に含まれていて、
乳糖が分解されない限りカルシウムを体内に取り込むことはできません。
乳糖はラクターゼという消化酵素で分解されますが、
日本人の85%はこのラクターゼを持っていないのが現実です。
カルシウムを補給したいなら、毎日の食事の中で小魚や野菜、海藻などを食べていれば大丈夫です。
あくまで日本人にとって牛乳は「完全栄養食」ではなく「嗜好品のひとつ」としてつきあってください。
毎日卵を食べる習慣があなたに病気を招いている
食べる価値のある卵などごくわずか。大多数は食べないほうがいい
「卵を栄養のために毎日必ず食べる」という習慣の人、多いと思います。
しかし、栄養のために食べる卵がどうやって生み出されているか知っていますか?
「とらないほうがマシ」な栄養ではありませんか?
IN YOUでも安全な卵の選び方について公開しています。
日本に出回る多くの卵が薬まみれの危険な卵?!安価な卵の裏側と、安全な卵の選び方。
日本に出回っている多くの卵は羽ものばせない狭い「ケージ飼い」です。
狭いケージの中で病気が蔓延しないようにワクチンや殺虫剤、殺菌剤といった武装が必要なのです。
ふだんから「遺伝子組み換えでない」食品を選んでいる方も多いと思いますが、
その一方で卵を産むためのニワトリに与えられているのは海外から来た遺伝子組み換え作物がほとんどです。
輸入したエサはポストハーベスト(収穫後に散布される防カビ剤)の問題もあり、
安全とは言えません。
健康的に「放し飼い」「平飼い」されたニワトリから生まれた卵というのは全体の1割以下しか出回っていません。
私もいろんなお店に行って「放し飼い」「平飼い」の卵を探しましたが、見つけることはできませんでした。
安全な卵を手にいれることが難しいのなら、卵は栄養のために積極的に摂る食品でしょうか?
サラダに国籍や季節はありますか?
「栄養・ダイエットのために毎日バランスよくサラダを食べています」と聞くと、変だなぁと思います。
日本は四季の変化が激しく、収穫される野菜も四季によっていろいろで、実に変化があって豊富です。
私たち人間も自然の一部で、
その変化の中で生きる私たちも四季の恵みを素直に体内に取り入れることが最も自然なのです。
例えば、春はせり、うど、ふき、わらび、ぜんまい、たけのこ、七草など、アクの強いものが多くなります。
夏は瓜、きゅうり、スイカ、トマトなど、水分が多く生で食べた方がおいしいものが多いです。
秋はイモ、栗、米、麦など、どちらかといえばでんぷん質の多い穀類、イモ類が多くなります。
冬になるとレンコンやごぼう、大根、里芋などの根野菜が多くなります。
自然は、実によく考えて私たちに野菜を与えてくれます。
それに逆らって、冬場でもトマト、キュウリ、レタスばかりでは胃袋の中だけが夏で、
冷え性の女性が増えているのも当たり前なのです。
伝統食を取り戻せ
人類は祖先に習い、ただその土地でとれたものを自然に従い食べてきたに過ぎません。
与えられた自然環境、風土の中から生まれた伝統的食生活に秘められた知恵に比べて、
現代栄養学の知恵はあまりにも浅いように思えてなりません。
「1日30品目」という栄養素信仰は日本人が長い年月をかけて選んできた伝統食を
ほとんど無視しているといっていいでしょう。
たくさんの栄養をとろうとすれば、国籍や地方、季節を無視した食生活になりがちです。
丸ごと食べることが栄養素が不足しない食べ方
「もったいない」からなるべく捨てずに丸ごと食べる、
そんな食べ方をしている現代人はどのくらいいるでしょうか。
お米は精米された白米。
塩は塩化ナトリウム100%。
砂糖も黒砂糖から、真っ白なショ糖100%に近い白砂糖になりました。
もちろん、ビタミン、ミネラル類はほとんどありません。
魚も丸ごとではなく切り身がほとんどです。あらゆる食物においてある部分だけしか食べなくなっている、
精製食品だらけなのです。
いろいろなものを食べることが「バランス」ではないのです。
ジャングル、高地、砂漠、極寒地帯・・あらゆるところに人間は生活していますが、
自然環境は何もかもを与えてはくれません。
与えられた風土の中で、できるだけムダなく「もったいないから丸ごと」食べてきたのです。
つきつめれば「バランス」とは、1つの食物をできるかぎりムダなく食べることなのです。
真っ白な米、真っ白な小麦粉、真っ白な塩、真っ白な砂糖・・・
不完全な食べ物を組み合わせても、不完全でしかありません。
「もったいない」こそ、食生活の最高の知恵なのです。そのことを理解しなければ、
現代の食生活の問題点は見えてきません。
「栄養バランスの整った給食」よりも伝統的な「粗食」の方が子どもが元気になった
私の長女(4歳)は0歳から3歳まで保育園に通っていました。
「栄養バランスが整った給食」を毎日先生に食べさせてもらっていたことはとても感謝しています。
しかし、日本の伝統的な「粗食」を食べさせたらどう変化するんだろう?という私の好奇心で、
保育園をやめてお弁当を持たせる園に転園しました。毎日私が作る粗食で過ごしています。
我が家の食事は一汁一菜。
五分搗きのご飯に、味噌汁、野菜のおかず、漬物という献立です。
これが、パスタになったりオムライスになったりすることはほとんどありません。
肉や卵も家ではほとんど食べません。
今は子どもが夏休みなので、お昼は炊き込みご飯かおいなりさんを持って公園などでお弁当を食べています。
長女が給食を食べていた頃はよく、鼻水をたらしたり、咳をしたりしていました。
しかし私の作る昔ながらの一汁一菜を食べるようになってから、そういった症状がほとんど出なくなりました。
自然に添った食べ物を、できるだけ加工せずに食べることは、
体にも負担が少ないということが確信できたのです。
一汁一菜について詳しくはこちら
10年医者いらず!一汁一菜生活
多産だったころの食事を真似しよう
大正生まれの祖父は7人兄弟、昭和初期生まれの祖母は6人兄弟でした。多産だったころは栄養バランスが整った食事をとっていたでしょうか。
決してそんなことはなく、お米と野菜が中心の質素な食事だったはずです。
時代は少しさかのぼりますが、江戸時代の庶民や農民がどんなものを食べていたか調べてみました。
江戸の庶民の食事
【朝食】ホカホカご飯、味噌汁【昼食】冷や飯、野菜もしくは魚などのおかず
【夕食】お茶漬け、漬物
江戸の農民の食事
【朝食】大麦を煎って粉にした香煎(こうせん)、蕎麦粉を固めて焼いた蕎麦もち【昼食】四分搗きの米に稗と大根と大根の葉を入れた「かて飯」
【夕食】大根と粉団子の汁物
参考 お米を1日5合食べていた !?江戸時代の食事がいろいろと衝撃的すぎる【庶民も将軍も】 | 江戸ガイド(http://edo-g.com/blog/2016/02/meal.html)
庶民も農民もとても地味な食事ですね。
江戸の庶民は1日5合のお米を食べていたそうですが、農民は量も少なかったそうです。
量も少なく、肉も卵も食べていないのに重労働である農作業をこなし、たくさんの子供を生んでいました。
この豊かな現代で、質素な食事をするのは困難かもしれません。
しかし、日本人が受け継いできた伝統食のいいところは是非真似してみてほしいのです。
今こそ栄養素信仰をやめて、日本の伝統食を見直してみてください。
まずは、「丸ごと食べる」玄米から始めてみてはいかがでしょうか。
オーガニック食品やコスメをお得に買えるオーガニックストアIN YOU Market
IN YOU Market安心・安全な食材で伝統食を作ろう!IN YOU厳選オーガニックアイテム
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参考にした本
・粗食のすすめ (新潮文庫)
・からだの自然治癒力をひきだす食事と手当て 新訂版
・じつは体に悪い19の食習慣 (ワニブックスPLUS新書)
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