私達に忍び寄る「遺伝子組み換え・菜の花」の実態。食の安全確保のためのアクション「GMO フリーゾーン運動」とは?
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私達に忍び寄る
「遺伝子組み換え・菜の花」の実態。
食の安全確保のためのアクション
「GMO フリーゾーン運動」とは?
「菜の花」といえば、うららかな春の日に、一面咲き誇る菜の花畑を思い起こす人が多いかもしれません。
一方で、菜の花を「栄養豊富な食べ物」と認識している人もいるでしょう。
また菜の花の種である食用のナタネは、身近なところだとナタネ油(キャノーラ油)
の原料としても使われています。
国内では遺伝子組み換え(以下、GM)作物の商業栽培はまだされていないので、
もしナタネ油の原料が国産であれば、GM品種ではありません。
しかし、原料が外国であればどうなのでしょう?
油脂原料類の輸入量ではナタネが他の種類と比べて一番多く、主な輸入元のうち最も多いのがカナダ、
他にオーストラリア、インド、フランスなどの国があります。
そしてカナダ産のナタネは、ほとんどがGM品種です。
出典:農林水産省「油糧生産実績調査」https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/oil/
独立行政法人農業生物資源研究所「日本へのナタネの主要輸入国と 最大輸出国における栽培状況の推移」https://www.naro.affrc.go.jp/archive/nias/gmo/PR/canola2012.pdf
知らないうちに日本で自生を始めている、
遺伝子組み換えの菜の花
近年GM菜の花は、その種子(ナタネ)が陸揚げされる輸入港の周辺や搾油工場に通じる幹線道路沿いを中心に、種子のこぼれ落ちが原因で自生しています。
そこで全国の生活協同組合(生協)や市民団体では、2005年より毎年一回、その自生の状況を調査し、
定点観察を行っています。
そして最近では、ナタネの陸揚げがない港や内陸部でもGM菜の花が見つかるなど、
その自生エリアの拡大を示す事実が確認されてきました。
生活協同組合や市民団体が実施している
遺伝子組み換えの菜の花の状況調査
では、GM菜の花の自生状況は実際、どのように調べられているのでしょうか?一般的に自生している菜の花は、「セイヨウカラシナ」か「セイヨウアブラナ」。
調査では、それらが除草剤をかけても枯れない「除草剤耐性」をもっているかを検査することで、
遺伝子組み換えの品種かどうかを確認します。
以下の写真の通り、2種類の検査紙を使って、組み換え遺伝子から作られるたんぱく質を検出。
除草剤には、ラウンドアップ(商品名)などの「グリホサート系」、
バスタなどの「グルホシネート系」がありますが、この検査紙はそのどちらも検出できるものです。
結果は、検査紙の赤線が1本であれば「陰性」、2本であれば「陽性」と判断します。
そして陽性の反応が出た場合は、一次検査の結果をより精密に検証するために
「PCR検査(遺伝子検査)」をします。
遺伝子組み換えの菜の花は、
他の野菜や有機作物までも汚染していく!?
日本に自生するGM菜の花の増加はなぜ問題視されているのでしょうか?それには大きく2つの理由があります。
ひとつは、植物分類上の、菜の花と同じ仲間に属する他のアブラナ科作物との交雑が懸念されるため。
ダイコン、ブロッコリー、キャベツなどがその代表的なもので、菜の花とよく似た形の花を咲かせます。
アブラナ科の植物は種が異なっても交雑しやすく、楽観できません。
また、これはアブラナ科だけでなく雑草へも影響し、生物の多様性を脅かすことにも繋がります。
もうひとつは、「有機JAS認証」を受けた農産物を生産する農家への影響が懸念されるためです。
有機JASの農産物は、遺伝子組み換えではないことが日本で唯一保証されている食べ物です。
しかし、知らないうちに自然界に出た遺伝子組み換えの種と交雑してしまった場合、それは保証されません。
出典:生活クラブ生活協同組合「遺伝子組み換えナタネの自生調査報告会 512検体のうち20検体GM陽性」https://seikatsuclub.coop/news/detail.html?NTC=1000000352
八ヶ岳有機農業者協会「有機JASと遺伝子組み換え 私達はこう考えます」http://yatsuyukyo.org/NPO_fa_ren_ba~ke_yue_you_ji_nong_ye_zhe_xie_hui/you_jiJASto_yi_chuan_zi_zumi_huane.html
遺伝子組み換え作物を拡大させないための
「GMO フリーゾーン運動」とは?
もし私たちが(菜の花に限らず)、遺伝子組み換え作物を求めないのであれば、
消費者は遺伝子組み換え作物を「買わない・認めない」、
生産者は「栽培しない」という行動を取ることが一番効果的な対策になります。
そして生産者・消費者に「遺伝子組み換え作物に対するNO」への共感を広げていく活動が、
世界各地で取り組まれている「GMO フリーゾーン(遺伝子組み換え作物拒否地域)運動」です。
この運動は元々、スローフード発祥の地として有名なイタリア・トスカーナ地方の
ワイン農家によって1999年に始まりました。
その後はヨーロッパだけでなく、北米やアジア、オセアニア地域にも広がっています。
日本で本格的にスタートしたのは2005年。この年の1月、農薬の空中散布に反対し、
環境に配慮したコメ作りを行っていた滋賀県高島市の農家が「GMO フリーゾーン」
を宣言したのが始まりでした。
それからも市民の草の根運動によって徐々が広まり、現在では全国の会員数が個人で16,090人、
事業所で84か所となっています。
誰もが参加できるこの運動。あなたも今年、サポーターとしての参加を始めてみませんか?
「GMOフリーゾーン(遺伝子組み換え作物拒否地域)」とは?
「GMOフリーゾーン」とは、遺伝子組み換え作物の栽培や、遺伝組換えの飼料作物による家畜の飼育(肥育)を行わない(行えない)地域のことです。
EU加盟各国内を中心に、欧州ではこのGMOフリーゾーンが拡大しています。
「GMOフリーゾーン(遺伝子組み換え作物拒否地域)運動」には
誰が参加出来るの?
遺伝子組み換え作物の栽培や取り扱い、食用が嫌な人なら、誰でも「GMOフリーゾーン」を宣言して、運動に参加できます。
農家(酪農家を含む農業従事者)に限らず、一般消費者から食品関連企業や流通関連企業など、
関係する業界の人まで、誰もが参加できる取り組みです。
「GMOフリーゾーン(遺伝子組み換え作物拒否地域)運動」では
何をするの?
「GMOフリーゾーン」を宣言すると同時に、①GMOフリーゾーン宣言の文書に署名し、
キャンペーン事務局に送って登録する。
②圃場(田畑等)や玄関などに看板を立てる。
③周囲の人に参加を呼びかけ、広げていく。
以上の3つが、宣言に伴う基本的な行動です。
宣言文はこちらにあります。
引用:遺伝子組み換えいらない!キャンペーン http://www.gmo-iranai.org/
遺伝子組み換えから食の安全を守るため、
出来ることにひとつずつ取り組んでいきましょう!
IN YOU の読者の皆さんはよくお分かりだと思いますが、GM作物はもともとの細胞に、強固な遺伝子が組み込まれているため、
収穫量が増え、生産コストも低減されて食品自体の価格が下がると言われています。
しかしそのようなメリットがある一方、食べ物としての安全性は不確実なため、
健康面への懸念が指摘されています。
GM作物に使用される除草剤自体も、世界の規制機関は発がん性に関連はないとしていますが、
米国では除草剤(ラウンドアップ)が原因でがんを発症したとして、
農業従事者が米農薬大手モンサントを相手に賠償を求めたという事実があります。
安全性が不確実なものは食べないに越したことはありませんし、
その生産(製造)また流通の拡大を安易に許すわけにはいきません。
その意思表明や、問題解決に向けた具体的取り組みのひとつとして、
もしご興味のある方は、「GMOフリーゾーン(遺伝子組み換え作物拒否地域)運動」について
一度調べてみてくださいね。
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