白樺の樹液を飲めば健康になれる?北欧の薬効の宝庫「ホワイトバーチウォーター」が秘めるパワー
白樺の樹液を飲めば健康になれる?北欧の薬効の宝庫「ホワイトバーチウォーター」が秘めるパワー
みなさんは、白樺(シラカバ)という木をご存じですか?
きっと「名前くらいは聞いたことある」という方が多いのではないでしょうか。
現在、筆者が暮らす国・リトアニアをはじめ、北欧や東欧ではとてもなじみ深い木のひとつです。
実は、白樺からとれる樹液は「薬効の宝庫」とも呼ばれ、近年ひそかに注目を集めています。
私たちが忙しい現代の生活を駆け抜ける上で役立ってくれる成分がたっぷり含まれているのです。
ぜひ皆さんにも白樺の魅力を知っていただきたく、リトアニアからレポートをお届けします。
そもそも、白樺(シラカバ)ってどんな木?
白樺(シラカバ、シラカンバ)
英名:White Birch
学名:Betula platyphylla
名前の通り樹皮が白い、カバノキ科の落葉樹です。
温帯から亜寒帯にかけて自生し、北方の地や中国、韓国にも生息。
日本では長野県の高地や東北、北海道で出会えます。
葉の形は丸く、ひょろりと長く伸びた幹は、遠くからでも見分けがつくほど、個性的な木です。
白樺は、北欧・東欧では「暮らしの中で当たり前」な存在
北欧や東欧・ロシアでは「森の看護師」と呼ばれ、シラカバの木はすべて余すことなく利用されてきました。古くから北の地の人々は、シラカバの木で家や家具、暮らしまわりの小物を作ったり、染めに使ったり。
かわいらしい形の葉は、乾燥させてお茶として。
樹皮を剥いで、かごやバスケットを作るなど、昔も今も暮らしの中で親しまれています。
耐久性に優れているシラカバは、近年はインテリアや食器の素材としても人気が高く、さまざまな場面で大活躍です。
実は日本でも親しまれている白樺
日本でも、北の地に行くと見かける機会の多い、シラカバの木。実はわたしたちの暮らしの中に、意外なところで利用されています。
たとえば、つまようじやアイスの棒。
よく考えてみると、たしかにちょっと白っぽいですよね。
さらに、北海道の先住民族・アイヌの人々は、シラカバの表面に傷をつけ、樹液を採取していました。
「タッニ・ワッカ(タイン・ワッカ)」と呼び、炊事用・飲料水として、また樹液を発酵させて、お酒までつくっていたというから驚きです。
白樺が「薬効の宝庫」と呼ばれる理由
シラカバの木には、実にさまざまな成分が含まれています。
ミネラル類をはじめ、ポリフェノール類、ビタミンCなどがバランスよく含まれているのが特徴です。
どの成分も、健康食品やサプリメントでよく聞く名前ですね。
また、歯磨きケアの際に重視されるキシリトール成分のひとつ、キシランがシラカバの幹に含まれることでも知られています。
歳を重ねたシラカバの木からは、チャーガというキノコが採れます。
生えている様子は「シラカバの癌」と呼ばれるほど衝撃的な外見ですが、ロシアを中心に民間療法で用いられてきた素材のひとつです。
砕いて煮出した汁をお茶として飲むと、ほんのり苦みがくせになるお味で、近年はノンカフェインのお茶やコーヒーの代わりに飲まれることもあります。
シラカバには、スーパーフード並みの成分が豊富に蓄えられているのです。
スーパーツリー・白樺は、樹液もすごかった!
ここまで、シラカバという木の特徴や主成分について紹介してきました。暮らしまわりの道具にとどまらない、スーパーツリーの可能性を持つことが分かりました。
実は、シラカバの豊富な成分を、わたしたちの身体に取り入れる方法があります。
シラカバの樹液「ホワイトバーチウォーター」です。
新鮮なホワイトバーチウォーターは保存がきかないため、長年市場に流通することはありませんでした。
近年、技術発達によって長期保存・輸送が可能になり、誰でも手軽にホワイトバーチウォーターを楽しめるようになりました。
先ほどアイヌの話の中でも触れたように、古くから人々に親しまれてきた、ホワイトバーチウォーター。
不思議な樹液の魅力に迫っていきましょう。
白樺の樹液(ホワイトバーチウォーター)に含まれる主な成分
ホワイトバーチウォーターの主な成分は、先ほどご紹介したシラカバの木自体に含まれる成分とほとんど同じで、ミネラル類、ポリフェノール類、ビタミンCなどをバランスよく含みます。注目すべき点は、アミノ酸が豊富に含まれていること。
弱酸性のアミノ酸は、スキンケアに重要な保湿成分のといわれています。
白樺樹液(ホワイトバーチウォーター)の主なはたらき
ホワイトバーチウォーターは、以下の用途で使用するといいようです。◆天然の栄養補給源として
ホワイトバーチウォーターには、7種のミネラルや17種のアミノ酸のほか、ビタミンといった栄養素が豊富に含まれています。
さらに、ミネラルがイオン化していて吸収率が高いといわれていて、古くから天然の栄養ドリンクとして愛飲されてきました。
◆デトックス、便通・むくみ改善
古くからシラカバ樹液は、利尿や便秘、胃腸の悩みを改善すると考えられてきました。
そのため、現在でもデトックスや腸活、むくみ改善によいといわれています。
◆デンタルケアに
歯磨き粉などによく使われるキシリトールの一種・キシランは、シラカバの幹だけでなく、樹液の中にも含まれます。
虫歯の病原菌を抑制し、デンタルケアに役立つといわれています。
そのほか、アミノ酸が豊富に含まれるため「飲む化粧水」とも
呼ばれ、肌を健康に見せてくれます。
こうしてみると、いかにシラカバ樹液が万能か、お分かりいただけるかと思います。
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¥ 4,842 (税抜)こんなに使える!白樺樹液(ホワイトバーチウォーター)の活用法
古くから、北の地の人々を中心に、広く親しまれてきたホワイトバーチウォーター。
近年、アメリカや日本でも人気が高まってきています。
樹液なんて、どうやって取り入れたらいいの?と思ったみなさんに、ホワイトバーチウォーターの活用法をご紹介します。
飲料水として
まずは、普通に飲んでみましょう。まろやかな口当たりに、驚く人も多いはず。
天然の糖分を含んでいるため、ほのかに甘みがあって飲みやすいですよ。
カルシウム・カリウム・マグネシウム・マンガン・鉄・亜鉛・銅といった成分を、一度においしく取り入れられるのはうれしいですね。
お料理に
そのまま飲むだけでなく、ぜひお料理に活用してみて下さい。普通の水と同じように使うだけで、いつもより栄養たっぷりな料理に大変身!
化粧水として
洗顔後の肌に、化粧水としてホワイトバーチウォーターをつけてみましょう。弱製アミノ酸が保湿成分を含むため、肌に潤いを与えてくれます。
1日の始まりをすっきりと、お風呂上がりにはシラカバのいい香りに癒されるはず。
私の体験談:シラカバ樹液(ホワイトバーチウォーター)の採取方法
ホワイトバーチウォーターは、雪解けが少しずつはじまる3月ごろから5月初旬までに採取するのがよいといわれています。年中採取できるわけではなく、春先の芽吹きの時期の最も栄養分が蓄えられている期間にしか採取できません。
1年かけてじっくり栄養を蓄えたシラカバの樹液は、とても貴重な食糧なのです。
リトアニアで白樺からホワイトバーチウォーターを採取してみた
筆者は2018年、リトアニアのとある森のファームで過ごした経験がありますが、来たばかりの頃は中春で、ちょうどシラカバ樹液の採取ができる時期でした。
車の通りがほとんどないファームの敷地には、大小さまざまなシラカバの木があり、ファームのホストは日常的に、ホワイトバーチウォーターを採取して飲んでいました。
ある時、ホストにレクチャーしてもらいつつ、筆者がホワイトバーチウォーターを採ってみることに。
どうやってシラカバの樹液が採れるのか、ぜひ知っていただきたいのでご紹介します。
実は意外とシンプルな採取手順
はじめての樹液採取にドキドキしていたのですが、採取方法はとっても簡単。比較的若いシラカバの幹に、直径約5cmほどの小さな穴をあけ、チューブを差して保存容器を置いておくだけです。
最初は勢いがよく、半日~1日で3Lのジャーが満杯になるほどの量を採取できます。
いちど穴をあけたら、数日間はホワイトバーチウォーターが出続るから驚き。
何度も容器を入れ替えて、手持ちの容器はすべて満杯になりました。
1本の木がこれほどの水分を蓄えていたのかと思うと、なんだか胸が熱くなり、生命の神秘を感じました。
木が持つ水なんだから、栄養が豊富なのもうなずけます。
採りおわったら、最後のケアを忘れずに
容器にたまる水の量が少なくなってきたら、採取終了の合図です。ここで重要なのが、最後はかならず幹の穴をふさぐこと。
木栓や土などで大丈夫なので、しっかり穴が見えなくなるまでカバーしましょう。
人間の血管と同じで、きちんと穴をふさぐことによってシラカバを病気から守ることができるのです。
自然の恵みを頂くうえで、お互いが健康に生きられるよう配慮するのは、当然のことですね。
リトアニアでの白樺樹液の活用法
最後に、すこしだけリトアニアでの活用法をご紹介します。
国土の約1/3が森におおわれているリトアニアには、そこかしこにシラカバの木がたくさん。
筆者が現在暮らしている都市部ですら、街路樹としてどこにでも生えています。
近年、瓶詰めのホワイトバーチウォーターがスーパーでは普通に売られていますし、多くのレストランで、ホワイトバーチウォーターを提供しています。
白樺の樹液は、古くからリトアニア人にとって身近な飲み物
リトアニア人にとって、シラカバの木は大変身近な存在であり、シラカバの木から採れる樹液もまた、暮らしの中で親しまれてきました。直に採取した樹液は、2~3日常温で置くと白濁して飲めなくなってしまいます。
かつてのリトアニアでは、足の速いシラカバの樹液を長く保存するために、発酵させるなどして、長期保管ができるように工夫を凝らしていました。
生の状態で飲むと、まず自然な甘さとまろやかな口当たりに驚きます。
身体の芯から潤っていくような感覚で、なんとおいしいこと!
初めてホワイトバーチウォーターを飲んだ時の感動を、筆者は今でもよく覚えています。
上の活用法で紹介したように、リトアニアでも飲料水や料理用、洗顔などに利用されます。
リトアニアで伝わる、白樺樹液(ホワイトバーチウォーター)のアレンジ
リトアニアでは、生のシラカバ樹液を市場で見かけることはまずありませんが、郊外や地方に住む人は、自分たちで樹液を採取して楽しんでいる人が多いようです。世帯の数だけアレンジレシピは無限大です。
例えば、以下のようなアレンジがあります。
◆シンプルなアレンジ
レモンやペパーミントを加えて飲むのが、最もポピュラーなアレンジです。
クミンといったハーブ・スパイスを加えたレシピもあります。
◆ライ麦パンを加えたアレンジ
国民食・ライ麦パンのスライスを加えて発酵させたアレンジは、リトアニアらしい1品。
◆古代リトアニアで伝わったとされるアレンジ
自然崇拝がさかんだった古い時代から伝わる、こんなレシピがあります。
シラカバ樹液とオーク(カシワ)の枝、オーツ麦を木製容器に入れ、発酵させるというものです。
これは、早春に採取した樹液を、春の一大イベント・イースターに向けて大切にとっておくためのアイディア。
冷蔵庫がなかった時代の人々の暮らしの知恵は、樹液の保存のために数々のレシピを発案していたのです。
それだけ、リトアニア人にとってシラカバは大切な存在ということが分かっていただけるかと思います。
ほかにも数えきれないほどのアレンジがあり、自分の好みに合わせて樹液を楽しんでいるようです。
白樺の樹液を飲んで、身体に必要な栄養素を気軽に取り入れよう!
忙しい毎日を過ごす現代人の食生活では、しばしば栄養不足に陥りがち。
栄養が不足すると、生活にも影響が出てきます。
シラカバは、寒冷地で厳しい冬を越し、春の準備に向けてたくさんのエネルギーを樹液にため込んでいます。
シラカバの樹液は、まさに天然の栄養ドリンクなのです。
ホワイトバーチウォーターを毎日の暮らしに取り入れれば、手軽に・おいしく毎日エネルギーチャージできること間違いなしです。
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